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【人】 銀の弾丸 リカルド【マウロの部屋】>>0 ラウラ 「そうだろう。 ツィオもこう見えて変わらない部分はあるんだが、分かりづらいだろうな」 今もあぁ見えて気が弱い所がある男だ。 男とは虚勢を張りたいものだから、あの軽薄な態度にも裏返しの感情が見え隠れしている。 それがわかるのはきっと、幼馴染ゆえのことなのだろうが……もしかしたら、どこかでそれを理解する誰かがみつかっているのかもしれない。 ―――マウロに、ラウラという部下が居たように。 「この写真をか? あぁ、……勿論だ。君が、アイツに返してやってくれたらそれでいい」 何に使うのかは知らないが、悪用などするような女性ではないことくらいは認識していたから、写真立てごと貴方に差し出して、そういえば、と呟く。 写真を取りに行った際に見えた、マウロらしくない便箋には、何か書かれているようだった。 もしかするとあれは、貴方に宛てた手紙だったのかもしれない。 「テーブルに手紙が置いてあるようだった。 まだ書きかけのように見えたが……ラウラに宛てたものだったかもしれないな。 手の痛みが引いたら読んでみると良いだろう」 (10) 2022/08/18(Thu) 3:15:03 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【マウロの部屋】>>13 ラウラ 思い出の写真は、貴方の胸に。 普段見られないような、柔らかな笑みを垣間見て「あぁ」と頷く。 貴方なら、きっと約束を違わず写真を本人へと渡してくれるだろうことを信じている。 だからそれは、俺やツィオの仕事ではないのだと思う。 「あぁ、もう大丈夫そうだな。ゆっくり読んでくると良い」 手紙の話を切り出せばそう言って、ラウラが手を冷やすのをやめ手紙を読んでいる間、俺は部屋を見物していた。 あまり物が置いてない生活感がない部屋は、それでも煙草のほのかな香りが確かにマウロがここで生活していたことを証明している。 自分の部屋も大差はないが、本当にマウロらしい冷たささえ感じられる部屋だ。 最後にマウロと顔を合わせた時のことを思い出しながら、小さく息を吐いて、スプリングを軽く軋ませベッドに腰掛けた。 「アイツは本当に……人の話を聞かぬやつだ」 いや、本当は聞いていたからこそ、無理せずラウラを動かしたりしていたのだろうが。 それでももっと、俺やツィオを頼ってくれても良かったのにと、そういう思いがどうしても頭を離れない。 (16) 2022/08/18(Thu) 16:36:26 |
リカルドは、何かを見て、なるほど……と呟く。 (a13) 2022/08/18(Thu) 19:43:55 |
リカルドは、真新しいスタッドピアスを手に取ると―――― (a14) 2022/08/18(Thu) 19:45:47 |
リカルドは、穴のない自分の耳に、―――― ぶすり (a15) 2022/08/18(Thu) 19:46:01 |
リカルドは、血が滴るのも気に留めず、その耳に飾った。 (a16) 2022/08/18(Thu) 19:46:30 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【マウロの部屋】>>17 ラウラ 「やはり、君宛ての手紙だったか、ラウラ」 両手で顔を覆い涙を流すあなたに気がついて、呟く。 内容はほとんど読んではいないが、何かのアドバイスのようだったように思う。 死を覚悟していたのか。 単に彼女の実力を向上させようと導くつもりだったのか。 それはこの場で語られるわけもなく、思い量るくらいしか俺には出来ない。 「後者ならアイツは自分の口で言うがな……」 「使え」 ラウラのハンカチは、先程手を拭いて濡れているだろう。 ポケットからハンカチを出し、ずいっと貴方に差し出した。 この場面で泣いている女がどのような気持ちかなんて、流石に言われずとも察することくらいはできる。 ただの上司と部下の関係だったとしても。 やはり。 それ以上に慕っていたのだろうから―――― (23) 2022/08/18(Thu) 21:02:56 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【マウロの部屋】>>29 ラウラ 「……謝らないで良い」 こんな泣き方をされたことは今までになかった。 女の涙を見たことがないなんてそんな事は言わないし、冷たくして泣かせたことなら何度もあるくらいだが。 それでも、幼馴染を思って泣いている女をどうすればいいかなんて、俺にはわからない。 これがツィオなら、歯の浮くようなセリフを吐いて慰めるのだろうけど。 そんな言葉を操る自分は最早自分ではない。 だから、自分ができることと言えばそんなに多くはなくて、腰掛けていたベッドから立ち上がると貴方に一歩近づいて、手を伸ばした。 子供にやるようにできるだけ優しくその頭をぽんぽんと撫でて、少しだけ思案を重ねて、ゆっくりとその耳元に顔を近づけて―― ―――紡ぐ言葉をその耳に溶かしていく。 (32) 2022/08/19(Fri) 8:53:46 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【マウロの部屋】>>35>>36 ラウラ 「あぁ、任せた」 いつ何時、自分たちは何が起こっても仕方のない状況に置かれている。 だからこそ、託せる人間は多いに限ると、そう思っている。 溶かすように届けた言葉は、本当は伝えるべきではなかったのかもしれない。 確約が出来ない約束なんて、本当はするべきではないのはわかっている。 それでも、泣いている貴方に言わずにはいられなかったのだ。 少しでも、彼女を泣かしたままでいたらきっと、マウロに文句を言われていただろうから。 きっと、これで良いのだと……そう思うことにした。 「さて、じゃあ俺はそろそろ仕事に戻るが……お前はどうする?」 泣き止んだことに安心して、時計を確認した。 そろそろ現実に戻る時間だろう。 (41) 2022/08/19(Fri) 21:36:25 |
リカルドは、お前になどフラれてやるものかと、薄く笑った。 (a40) 2022/08/20(Sat) 16:28:29 |
リカルドは、恩義と友のためならば、いつでも” ”を差し出せる。 (a51) 2022/08/20(Sat) 20:51:01 |
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