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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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幽界の歪み
突如として空間が歪み、この世とあの世の境界が曖昧になってしまった! 今日に限り、生者も死者の声や姿をハッキリと捉える事が出来るだろう。

現在の生存者は、ソニー、レヴィア、ヴィオレッタ、テンゴ、ストレガ、コルヴォ、ルチア、ツィオ、マウロの9名

【見】 郵便切手 フラン

【街中】

「………今日も賑やかだなぁ。」

屋台が立ち並ぶ方向へ独り言。
祭りは変わらず賑わいを見せている。
余所見をしたのも数秒ばかりのことで、
帽子を深く被り直してから、石畳の上を道順通りに歩いていく。
三日月島で交わされる言葉の数が減ったことになんて、直ぐには気づかない。
或いはずっと。
誰かが帰ってきたことにも。
凶弾が、その日も誰かの命を奪い損ねたことにすら。
きっと気づかないのだろう。

「こちらへお受け取りのサインをお願いします」

配達員の日々は大体殆ど通りだ。
(@0) 2022/08/20(Sat) 21:08:13
ソニーは、『キリストの血が天空に流れている』のを見た。
(a0) 2022/08/20(Sat) 21:22:29

テンゴは、昼行灯の火を消した
(a1) 2022/08/20(Sat) 21:31:05

マウロは、頭がクラクラする。
(a2) 2022/08/20(Sat) 22:23:38

レヴィアは、会議の闖入者にもやはり、何のリアクションも示さない。
(a3) 2022/08/20(Sat) 22:25:28

ストレガは、どうなってんだよこの状況は……と目頭を押さえた。
(a4) 2022/08/20(Sat) 22:38:29

マウロは、まだ生きている。
(a5) 2022/08/20(Sat) 22:40:19

コルヴォは、上に白い目で見られても気にしない。どうだっていい事だ。
(a6) 2022/08/20(Sat) 23:25:25

マウロは、リカルドからの手紙に、会議から戻るまで気が付いていなかった。
(a7) 2022/08/21(Sun) 0:30:39

レヴィアは、会議の席を立った。きっともう、まともな話し合いはされないだろう。
(a8) 2022/08/21(Sun) 1:02:47

マウロは、反論をしなかった。黙って、会議場の言葉を聞いている。
(a9) 2022/08/21(Sun) 1:16:39

ストレガは、帰ろうとするレヴィアに口笛と指招きをしつつ、情報を聞く。
(a10) 2022/08/21(Sun) 1:21:38

コルヴォは、誰かが口火を切ったなら、何も言う事は無い。
(a11) 2022/08/21(Sun) 1:37:21

【人】 エースオブ―― ヴィオレッタ

>>4:+14 マウロ

「左様でございましたか。失礼いたしました。
 お楽しみいただけているのでしたら、幸いです」

ディーラーは申し訳なさげに丁寧に頭を下げ、微笑む。

”お連れ様”はたまに無茶な掛け方をするので心配だが、
この青年がそんな無茶をするのは見たことがない。
店としては上客とはいえないが、
個人的にははらはらせずに済むので好感が持てる。
不機嫌そうな態度も素直さの表れと思えば
どうということはない。

だから、さっきの問いもただのコミュニケーションポーズだ。
何事もなかったように前のゲームのカードを回収。
小気味よい音を立ててカードを切り始める。

「そうですね、夜も勝負もまだまだこれから。
 お客様のツキもここからは上向きとなるやもしれません。
 よろしければ次のゲームのベットをどうぞ」
(0) 2022/08/21(Sun) 2:12:26
フランは、妹は2年前に亡くなっている。
(t0) 2022/08/21(Sun) 2:28:00

【人】 ”復讐の刃” テンゴ

【ヴェネリオの部屋】

会議が終わって少しした後。
親友でもあった幹部の男の部屋に訪れる姿があった。

「…スーツを持っていけだのなんだの言っていたが、まさかこんなことになるとはな。」

ため息を零しながら、目当てのスーツを探そうとしているだろうか。あるかは分からないが。
(1) 2022/08/21(Sun) 3:30:23
レヴィアは、ストレガを一瞥し、それから立ったまま、テンゴの話を聞いた。
(a12) 2022/08/21(Sun) 6:40:33

ストレガは、大きなため息をひとつ。「了解」と言って席を立った。
(a13) 2022/08/21(Sun) 12:08:40

【人】 ”復讐の刃” テンゴ

>>+9 ヴェネリオ
【ヴェネリオの部屋】

「…悪いな、兄弟。」

ずっと何度も言われていた。
着ろと、誂えて貰ったスーツを見て、零す。

目立つのも知っていたし、狙われていないとも思っていない。
こんな時だからこそ、従うべきだとも知っていた。
それでも着る事を渋っていたのは、目立つ方が良かったから。

「お前さんが死ぬくらいなら、俺の方がまだファミリーにとってはマシだと、そう思っていたんだ。」


「マウロが戻ってきた。孤児院の話は落ち着き次第通しておく。リカルドは…お前さんの思った通りになったな。今頃そっちで仲良くやってるんだろう。」

ぽつぽつと、誰もいない部屋で、カランコエの鉢植えを前に言葉が零れ落ちていく。

(2) 2022/08/21(Sun) 14:45:35

【人】 ”復讐の刃” テンゴ

>>2
【ヴェネリオの部屋】

「どうしてみんなして、先に逝ってしまうんだろうな。」


かつての恋人、先代、アウグスト、フィオレロ、リカルド、そしてヴェネリオ…親しい人は、みな先に逝ってしまった。

ファミリーはまだ残っている。奇跡的に戻ってきた人間もいる。けれど、カラス面の昼行灯は、独りぼっちになった。

「それでも俺は生きるよ。死ぬなら俺が良かったが、死にたい訳じゃない。ノッテを潰させる訳にはいかんからな。」

「だから精々、墓場で酒でも飲んで待っていろ。俺もいずれは、そちらに向かうだろうから。」

仕立てて貰ったスーツとカランコエの鉢植えを抱えて。
その代わりに、赤ワインのボトルを1本と菊の花を模った落雁を添えておいた。せめてもの手向けだ。

「じゃあな、親友ヴェネリオ。」

20年来の一番の親友であり、同期に別れを告げて。
カラス面は下駄を鳴らしながら、部屋を後にした。
(3) 2022/08/21(Sun) 14:48:29

【人】 暗殺屋 レヴィア

【埠頭】

日傘を差して、波の音を聞きながら歩く。
この季節でも、ここは比較的涼しい。
潮風でべたつく髪も、血で汚れるよりはずっとましだ。
だからここには、良く来る。

「あら、今日は先客がいるのね。」

いつも座るベンチ。
そこに先に座り、丸まって寝る黒猫を一瞥して。
少し止まって、それからまた歩いて。
ベンチに座った。

「猫は平和でいいわね。」

誰にも向けてない言葉を吐いて、
煌めく海を眺めた。
(4) 2022/08/21(Sun) 17:15:21

【見】 郵便切手 フラン

【街中】

「こちらにお受け取りのサインをお願いします。
 ……ええ、はい。
 祭りもそろそろ終わりですね」

届け先でサインを受け取りながら、
祭りの賑わいを指摘する話に頷いた。
開催初日に比べれば喧騒も落ち着いてきた。
時折、届かずに持ち帰られる荷物が増えたような気がする。
気がするだけ、だが。

「良い一日を」

別れを簡素に告げて来た道を戻る。
街の裏側で流れた血が段々と表側に滲み出してきている気配を感じながらも、今日も時間は過ぎていった。
(@1) 2022/08/21(Sun) 17:47:04
テンゴは、カランコエと馬酔木の鉢を並べて、煙管をふかしている
(a14) 2022/08/21(Sun) 17:49:08

【置】 狡兎 ツィオ

【――過去】

孤児院に、リックとマウロと共にいた頃から――。
俺は時々聞こえるはずのない声が聞こえるときがあった。
それは場所や時を問わず聞こえてくる、誰かの声だった。
知らないはずの情報を知っていたり、
教えたはずのない言葉を口にしたり、
孤児院の大人たちにとってはさぞ不気味な子供だったろう。

或る時、その情報が裏社会の人間に知られることとなり、
そしてガキの俺は利用価値を見出された――。
情報は、いつの時代でも高い値段を払ってでも取引される。
ガキの値段で手に入る情報は、さぞいい買い物だっただろう。

俺は、その時。
買われていく自分の行く先を、囁き声で知ってしまっていた。
知らなくてもいいはずの運命を先に知ってしまっていた。
自分がどう利用されて、どう使われるのかも。
だから俺は、初めてその瞬間その舌先に――"毒"を宿した。
(L0) 2022/08/21(Sun) 19:41:06
公開: 2022/08/21(Sun) 19:45:00

【置】 狡兎 ツィオ

 
「――あの二人も。

 きっと、いつか――やくにたつよ」と。
(L1) 2022/08/21(Sun) 19:42:23
公開: 2022/08/21(Sun) 19:45:00
ツィオは、独りになるのだけが――怖かった。
(a15) 2022/08/21(Sun) 19:48:59

ツィオは、いつかその"恐れ"が、己を孤独に追い込むことを知っている。
(a16) 2022/08/21(Sun) 19:50:44

マウロは、何も言わない。何も言えなかったのかもしれない。資料を握ったまま、壁に体を預けている。
(a17) 2022/08/21(Sun) 20:07:12

【人】 狡兎 ツィオ

【会議後のアジト廊下】

「――マーウロくん」

アジトの廊下を、苦しそうに胸部を押さえたまま
肩を怒らせて歩く貴方の前に、道を塞ぐように現れる。

    
リカルドの隠れ家

「俺の"監禁場所"から突然居なくなったと思ったらさ、
 そんな身体でどうしようっていうのかな。
 ――聞かせてほしいなぁ、是非。なあ、子猫ちゃん」

まるで挑発するように、
居なくなった誰かのことなど、
マウロの状況や組織の状態など気にも留めていないように、
負傷をしたマウロに、無傷の男が尋ねる。
(5) 2022/08/21(Sun) 21:31:20

【人】 無風 マウロ

【アジト廊下】
「……、アァ?」

壁に手をついて、睨むように前に現れた君の顔を見る。
痛みは治まるどころか、酷くなる一方で。
更には貧血による頭痛まで加わったものだから、眉間には皺が寄りっぱなし。冷や汗すら額に浮かんでいて、息も荒い。
至って平常の君とは、対照的な様相だ。

「……何も」
「生きている、以上」
「やるべきことを、する……だから、会議に出た」

当然のことだ。
片足が吹き飛んでいたとしても、この男は同じように会議に姿を見せたのだろう。
頼ることも下手だから、誰の力も借りることなく。

「閉じ込めてた、つもりだったのか?ハッ……鍵もかけないで、甘いこと考えてんじゃねえよ」

リカルドならそんなヘマしてないだろうよ、なんて口元を歪めて。
(6) 2022/08/21(Sun) 21:50:52
レヴィアは、起きた猫が走り去るのを見た。
(a18) 2022/08/21(Sun) 22:01:44

レヴィアは、今日も店に戻り、そうしていつも通りに鎮魂歌を奏でる。
(a19) 2022/08/21(Sun) 22:01:53

【人】 狡兎 ツィオ

【アジト廊下】>>6 マウロ
「昨日まで、食事も一人で取れなかったやつが、
 よく吠えるなあって印象しかないよ。
 そんな奴には閉じ込めておくために
 鍵も必要ないと思ってたんだけど、
 ――ごめんごめん、舐めすぎてたね」

顔色が、どんどん悪くなる相手に。
――へらへらと近づいていく。

その、重体患者の胸倉を掴んで――。
――ドンッ、と、壁に押し付けた。
薄く笑った笑顔のまま、瞳だけが、笑っていない。

「――死にたいのか。
   ・・・・
 ……もう一度」

絞り出したような声は。
壁に押し付けた方が、痛みを堪えるようで――。
ギリ、と、その襟首を掴む両手に力が籠る。
(7) 2022/08/21(Sun) 22:02:09
ストレガは、時計塔の中でぼんやりと過ごしている。
(a20) 2022/08/21(Sun) 23:04:18

【人】 無風 マウロ

「治療は、済んでるんだ」
「動けるようになったら、動く……ただでさえ今は、人員も減っ―――ッ、ぐ」

壁に体がぶつけられて、傷口が酷く痛みを訴える。
じわり、シャツに滲み出る鮮血。
ぐらりと揺れる視界。映る君の顔は、冷たい目をしていた。
掴んだ手は、いつもよりずっと力が入らなくて。
けれど、君の気持ちに呼応するように 返す言葉に力がこもる。

「っ、なわけ、ないだろ……!!」
「まだ、死んでないなら―――生かされたん、なら……やらなきゃいけねえことが、あるだろうが…ッ!」

短絡的な思考。いつも通り。
義務感と、焦りに突き動かされたもの。
2人が、幾度となく気にしてくれていたもの。

その果てに得たものが、大切な物が喪われたという情報だけであったのは。
彼の不運が為すものだったのだろうか。

締まる襟首に、苦し気な咳をした。
(8) 2022/08/22(Mon) 0:06:18

【人】 狡兎 ツィオ

【アジト廊下】>>8 マウロ

――激情が、迸る。
それは、堪えていたものだったのかもしれない。
  
安 堵
      
絶 望
         
執 着

マウロの生存に、リカルドの死に――そしてラウラの死に。
蓋をしていたはずの、機構としての自分の箍が外れた音がした。

グ、と壁に押し付けたまま、
掴んだ襟首を引き寄せるように顔を覗き込む。
胸板で跳ねたマウロの血が、右の瞼の上から涙のように伝った。

「――それは、死にぞこないの猫一匹が、
 血反吐吐いて前に進めば、どうにかなることか――?」

そして贖罪も、諦観もままならないまま。
また俺は、ここで、何かを失うことを。
――"知っていながら"、"見過ごせ"っていうのか。

全部。……全部。
俺が壊したような、ものなのに――。
だからこれは。本当に、八つ当たりだ。
何の、正当性もない。裏切り者の悲鳴だ。
(9) 2022/08/22(Mon) 0:41:53

【人】 狡兎 ツィオ

【アジト廊下】>>8 マウロ 
リック ラウラ

――それでも。
自分が、リカルドの腕を掴んで言えなかったことが。
あの日、ラウラの身体を抱きしめて言えなかったことが。

喉の奥から、溢れることを、堪えきれなかった。

 ・・  ・・・・・・・・・
「俺を――独りにしないでくれ」

血を吐くように。痛みを伴いながら。
その一回だけ自分に許した弱音を、
血塗れの幼馴染に、吐き零した。

――息を、吸い、吐く。
整える。ツィオという名前の青年を。

「――考えてみなよ、一人より、二人だろう。
 もう、リックは居ないんだ。無茶をするっていうんなら。
 俺にも、一枚嚙ませてくれよ、ここから先、何かするなら」

きっとその方が。
あいつは、自分が死んだことを後悔するだろうから。
(10) 2022/08/22(Mon) 0:43:41
テンゴは、独り、茶を点てた…共に飲む相手は、居ない
(a21) 2022/08/22(Mon) 1:58:41

【人】 無風 マウロ

>>9 >>10 ツィオ
【アジト廊下】

視界が酷く歪む。
もはや貧血のせいなのか、首元を締め上げられているせいなのかも分からない。
揺れた視界に、鮮血の伝う君の顔が見える。

「……、…ツィ、オ」

そして、耳に入る言葉に 時が止まったような感覚。
君がそんな風に、弱音を吐いた事なんてなかったから。
誰よりも自分の本心を隠してしまう君だったから、そこでやっと。
君も、自分と同じくらい限界が来ているんだと分かった。

「……っ、かった、から」
「はなせ、よ……苦しい、だろうが」

自分では振りほどけないから、手負いの猫は 図々しくもそう言ってのけるのだ。
(11) 2022/08/22(Mon) 3:21:18
コルヴォは、実際はきっと あーあ くらいの気持ちだった。
(a22) 2022/08/22(Mon) 12:16:28

【人】 狡兎 ツィオ

【アジト廊下】 >>11 幼馴染
両手が。力を失う。俯いた額が、マウロの胸に落ちた。

あの時、これくらいの聞き分けの良さが自分にあれば。
――お前たちを、自分の沈む深い深い闇に
引きずり込むことはなかったかもしれないと思うと。
喉奥から笑いが出た。

その笑いのまま、体を少しだけ離して、
俯いたまま言う。

「……テンゴさんの言うとおり、
 確たる証拠のないうちに表立って暴れるわけにはいかない。
 だったら、その証拠さえ掴んでしまえば、
 死にぞこない二人でも大きな花火が打ち上げられる。
 ――そうだろ、子猫ちゃん」

道の先に進み、振り返りながら両手を広げた。
聞こえる。声が聞こえる。――世界で何が起きているかが。
耳を塞いでも、何をしていても、聞こえてくる。

「ベイビーシッターに、後悔させてやろうよ。
 酷い夜泣きを――天まで届ける"悪ふざけ"でさ」

あの頃の悪童の顔で、悪童に対して提案した。
(12) 2022/08/22(Mon) 12:44:34
コルヴォは、足を止めて、振り返る。
死者は戻らないと知っているから。
(a23) 2022/08/22(Mon) 16:59:29

コルヴォは、今日も虚ろな死者の残響を聞く。
(a24) 2022/08/22(Mon) 16:59:42

【置】 ”復讐の刃” テンゴ

【いつかのお話】

 てんは、他者を守る為の器
 ごは、神を迎える為の器

テンゴは、空の器
時折、強い思いを受け取った時だけ、器が満たされる

だから、ずっと知っていた
あの男が、全ての元凶だと

尾を掴むまでには至らずとも、ずっと、ずっと
殺したいと願っていた

ヴェネリオ 兄弟

フィオレロ 可愛い部下

リカルド 友人

アウグスト 父

ラウラとマウロ 家族たち

マキアートとビアンカ 親切な人たち

奪い、傷つけた、
あの男 テオを、決して許しはしない


男は全ての怨念を、その男に向けている…全ての元凶が彼出なかったとしても、最早関係ないだろう……
(L2) 2022/08/22(Mon) 19:57:01
公開: 2022/08/22(Mon) 22:00:00
ストレガは、子飼いの部下から妙な情報を聞いた。少しばかり、前の話。
(a25) 2022/08/22(Mon) 19:58:50

テンゴは、駄菓子屋の屋台を畳んだ…祭りはもう、終わりだ
(a26) 2022/08/23(Tue) 1:11:04

【人】 無風 マウロ

>>12 悪友
【アジト廊下】

「……そもそも、お前ら」
「俺が、勝手にアルバの連中片っ端から、手出してるように言うけどな……
 この抗争に、関係のない―――羽虫みたいなやつらの排除だって、裏でやってたんだぞ」
「俺たちのシマで、好き勝手やろうとしてるチンピラども、とかな」

要はまあ。気に入らない物を苛立ちのままに排除していただけなのだけれど。
役に立っているならいいだろうと、子供の頃のようなぶすくれた顔。

「証拠がないうちは、そういうバカ共を潰す仕事が待ってる。
 証拠探しの、役にくらいは立ってくれるだろ。そういうどこにでも顔出してる、連中は」
「……ハ、あいつのしかめっ面が目に見えるな」

饒舌に喋っていたかと思えば、君の言葉にもう一人の悪童は笑って。
ふいに壁から一歩離れ、君の方に倒れ掛かる。
傷口も開いているだろうから、体力の限界を迎えていた。

「あー……じゃあ、まずは」
「身体を休ませるところから、だな……肩、貸せよ…ツィオ」
(13) 2022/08/23(Tue) 2:06:37
マウロは、おまえらときっと同じ気持ちだ。
(a27) 2022/08/23(Tue) 5:05:37

ソニーは、かつては《天使の子供(Sonny Amorino)》だった。
(a28) 2022/08/23(Tue) 7:22:20

ソニーは、けれども己の中の悪魔が囁く言葉に耳を傾け、復讐に己の人生を売り渡してしまったから。
(a29) 2022/08/23(Tue) 7:24:15

ソニーは、マルガレーテの居ないフォースタスには、祈りによる救済が与えられることはない。
(a30) 2022/08/23(Tue) 7:25:06

テンゴは、何処まで行っても余所者だ…イタリア人ではないのだから。
(a31) 2022/08/23(Tue) 8:57:25

テンゴは、だから、これでいい。全ては最初から決まっていた事だ。
(a32) 2022/08/23(Tue) 8:59:31

【置】 ”復讐の刃” テンゴ

【三日月島:どこかの森の中】

土を掘り返す男がいた。
穴は2つ。然程大きくはない。

男の傍には、鉢植えが二つあった。
馬酔木と、カランコエだ。

男は此処に植えていくつもりだ。
どうせならば、此処の方が良いと思ったから。

自分もいつ死ぬやら分からない身である。
枯れるよりは余程良い。
(L3) 2022/08/23(Tue) 10:33:18
公開: 2022/08/23(Tue) 13:00:00

【人】 ”復讐の刃” テンゴ

【駄菓子屋:店内】

異国情緒溢れる店のカウンターにて。
飴の詰まった瓶をいくつか並べて、眺めている店主がいた。

一つは、
べっこう飴。

店主の一番のお気に入り、親しんでいる物。

一つは、
オレンジの飴。

太陽の光をいっぱいに浴びた柑橘は甘みが強い。

一つは、
抹茶ミルク飴。

この島では馴染みのない味で、珍しがられるもの。

「…さて、どうするかね。」

ころり、ころりと瓶の中で転がる飴を眺めて、独り言ちた。
(14) 2022/08/23(Tue) 10:40:54
テンゴは、いつも通り、飴を袋に入れて懐に仕舞った
(a33) 2022/08/23(Tue) 11:01:58

【見】 郵便切手 フラン

【バー:アマラント】

「お届けもの、です」

祭りの間、もう開くことはないのだろうと悟った扉の前。
一輪、花を添えた。
誰に見つかることなく枯れて朽ちる確率の方が高い。
それで丁度いいと思った。
密やかに過ぎるくらいが丁度いい。

「……サインは要りません」

正式な届け物でもないし、
受け取る人もいないから。

「よい夢を。」

帽子を僅かに持ち上げて、良き夢が訪れていることを祈る。
その後は暫く看板を見つめたままぼうっとして。
それから踵を返して立ち去った。
(@2) 2022/08/23(Tue) 11:30:38
レヴィアは、一筋の汗を流した。
(a34) 2022/08/23(Tue) 12:22:09

レヴィアは、ぼたぼたと血を流した。
(a35) 2022/08/23(Tue) 12:22:28

レヴィアは、どこか出かけられた見送りの言葉に、「えぇ。」とだけ返して
(a36) 2022/08/23(Tue) 12:31:27

レヴィアは、その日の夜に、仕事に向かった。
(a37) 2022/08/23(Tue) 12:31:49

レヴィアは、ゴシックの服をワインレッドに染めている。
(a38) 2022/08/23(Tue) 12:32:12

テンゴは、べっこう飴を口に含んだ
(a39) 2022/08/23(Tue) 12:43:52

テンゴは、家族 ノッテを愛している。
(a40) 2022/08/23(Tue) 12:55:44

レヴィアは、雨が降る前に帰った。ワインレッドはほどなく止まる。
(a41) 2022/08/23(Tue) 13:06:12

【置】 ”復讐の刃” テンゴ

駄菓子屋を早々に閉めて。
カラス面は出かけて行った。

復讐を遂げる為の勘を取り戻すべく。
仕舞い込んでいた刀を手に、ゆっくりと。

月の美しい、晴れた夜のことだった。
(L4) 2022/08/23(Tue) 14:49:43
公開: 2022/08/23(Tue) 17:00:00
コルヴォは、花束を海へと放った。
いつかの夕暮れの事。
(a42) 2022/08/23(Tue) 15:11:28

コルヴォは、死者に花を手向けない。
(a43) 2022/08/23(Tue) 15:11:34

コルヴォは、それは自分の役目ではないと思っている。
(a44) 2022/08/23(Tue) 15:11:39

コルヴォは、自分の役目でなければいいと思っている。
(a45) 2022/08/23(Tue) 15:11:44

コルヴォは、話を聞く気が無いわけではない。いつだって。
(a46) 2022/08/23(Tue) 15:37:25

レヴィアは、店のカウンターに猫のぬいぐるみが二つ、新たに並んでいる。鎮魂歌が鳴り響く。
(a47) 2022/08/23(Tue) 17:20:14

テンゴは、駄菓子屋のシャッターを降ろした。さあ、もう幕引きだ。
(a48) 2022/08/23(Tue) 17:59:06

【置】 ”復讐の刃” テンゴ

【***】

昼行灯
:昼に灯る行灯のように、役に立たない者を指す


テンゴは昼行灯だった。
顧問であり、異国人である以上、敵は多い。
故に役立たずを演じる必要があった。

役立たずを危険視する奴はそういない。
嫌悪することはあっても。
ただ、役立たずに大役は務まらない。

黙らせるのには色んな手を使った。
口八丁を使った事もあれば、威圧したこともあった。

だけれど、男は、ノッテ・ファミリーを愛していた。
大きな恩義の為だけに、男は生きてきた。

義理堅い東洋人。
それがこの男の本性。

昼行灯の火は、一度消された。
そして、その火種はもう、ない。

『昼行灯の火は、二度と、灯らない――』
(L5) 2022/08/23(Tue) 18:08:08
公開: 2022/08/23(Tue) 20:55:00
ストレガは、ベッドの上で銀色を撫でている。
(a49) 2022/08/23(Tue) 18:31:47

ツィオは、"さよなら"、と言った。
(a50) 2022/08/23(Tue) 20:09:05

ツィオは、さて、どうやって殺すかな、と思った。
(a51) 2022/08/23(Tue) 20:22:46

ツィオは、死ぬ前に、キスぐらいはしてやろうと思う。
(a52) 2022/08/23(Tue) 20:26:20

ストレガは、きちんと伝言を済ませた。
(a53) 2022/08/23(Tue) 20:30:31

【置】 鳥葬 コルヴォ


子どもの頃から、つくづく運の無い人生だった。

何度も死ぬような目に遭っては、望まぬ偶然悪運が命を繋いで。
それとは対照的に、自分に関わった人間は尽く死んでいく。
それがもはや単なる偶然では片付けられない域に達した時、
人生を悲観する事を、誰が咎められようか。


他者の死が、自分のせいだなとど驕った事は無い。
人はいつかは死ぬものだ。それが偶々その時だっただけの事。
それぞれの意図、それぞれの行動があって、その結果そうなったに過ぎない。
けれどそればかり見ていれば、嫌気も差すというもの。

嫌気が差して、疲れてしまって、けれど逃げる事も許されない。
そんな閉塞感に満ちた時間が、いつまで続くかもわからない。
(L6) 2022/08/23(Tue) 20:53:15
公開: 2022/08/23(Tue) 20:55:00

【置】 鳥葬 コルヴォ


終わりの見えない闇路は苦痛だった。

もしもそれが漸く終わるとしたら、今だと思った。

それで良いと思っていた。


けれど、本当はそうではないのかもしれない。
今更になってそんな事に気付くなんてのは、やっぱり運が無い。
(L7) 2022/08/23(Tue) 20:53:36
公開: 2022/08/23(Tue) 20:55:00
マウロは、手紙を読んだ。遺されたそれに、何とも言えない顔をして。
(a54) 2022/08/23(Tue) 20:55:31

マウロは、「それも、知らなかったな」と言って。寂しげに、薄く笑っていた。
(a55) 2022/08/23(Tue) 20:56:16

【置】 天使の子供 ソニー

小さな部屋の中に、音楽が流れ続けている。子供のための祈り、子守唄の伴奏だ。
締め切った部屋は蒸し始めて、細く流れる血の匂いが壁に塗り込められるように充満し始めている。
バスルームの壁を背にして、乾ききっている空のバスタブの中に座り込んでいた。
此処までに至る幾つもの部屋には鍵が掛けられている。辿り着くまでには、時間が掛かるだろう。

ぼんやりと天井を見つめていた。そこに楽譜があって音符が踊っているかのように、指で辿る。
目線はタイルの色をほとんど形も判然としないままに見つめている。ジェイドの色が輝いていた。
僅かに差し込む月の光はちょうど目元を映し出していて、瞼に嵌った宝石を照らし出す。

考えていた。自分に何が残っているのかと。
親友と親の仇、そう思いこんでいた人税の目標のような誰かを失った。
仰ぎ見るように心の中にあった、甘い匂いのする眩しい明星を失ってしまった。
たった一人きりの友人を失い、己が助言を仰ぐ優しい手を失い、
己が先に順番が来たとしてもその背にして守るはずだった目上の彼を失い、
この街から逃がそうとしていた友人も、彼女が大事にしていただろう脆い存在も失ってしまった。

此処に残り続ければ自分の手に何が余るのか、何が出来るのか。考えた、筈だった。
ぼんやりと麻痺した頭は、死臭に囚われてしまったように眩んでしまって。
自分の中には何も無いのだと、ようやく気付いてしまった。

「……♪……♪……」

手の中にはくしゃくしゃの紙。手の中には一丁の拳銃。
それは誰かから買い付けたものではなくて、隠し持っていた虎の子の一丁だ。
思い出の中のメロディを鼻歌でうたってみて、それを耳で聞く。けれどもそれは、自分の声だ。
本当に欲しかった誰かの声ではない。それはもう、得られはしない。
(L8) 2022/08/23(Tue) 20:56:43
公開: 2022/08/23(Tue) 21:00:00

【置】 天使の子供 ソニー

「……ああ、約束。果たしておけば、よかったかな」

ほとんど抑揚のない声が思い出したようにこぼした。誰に向けるでもない声だ。
けれども一度言葉にしてみたなら、誰かが聞いているような気がしてしまって。
叶いもしないことを、口にしてみた。

「ねえ先生、最後に。オレに、――……」

最後に口にしたのは何だっただろう。
誰も聞かない。聞こえない。届かないだけのもののまま。
その声も、心も。命も。思い出も瞳も、花の匂いも何もかも、一人のもののまま。
どこかそれに安堵しながら。

拳銃の引き金を、引いた。
(L9) 2022/08/23(Tue) 20:59:44
公開: 2022/08/23(Tue) 21:00:00
 




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