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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


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本名:エミリオ・フェランテ(Emilio Ferrante)
死因:薬物の過剰摂取による低酸素脳症で死亡

発見場所・遺体の様子:
アルバ傘下某所、シャワールームにて座り込むように倒れている所を発見された。
検出された薬物は死亡推定時刻直前の拷問に使用していたものとは異なるようで、何者かによっての殺人が疑われている。

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本名:ドナート・ロンターニ(Donato Rontani)
死因:銃殺。胸部及び頸部を撃たれた事による失血死。

発見場所・遺体の様子:
路地裏にて発見。揉み合った様な抵抗の痕跡あり。
周囲には人気が無く、発見当時も人影は見られなかった。

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本名:アンジェロ・ヴィットーリ(Angelo Vittori)
死因:片目を撃ち抜かれたことによる脳挫傷、及び失血死

発見場所・遺体の様子:
路地裏にて発見される。外傷は眼窩の銃創のみ。
そばには同様の傷を負った死体がもうひとつ、転がっていた。
そちらはアルバ・ファミリーの構成員のようだ。

【アルバアジト】

誰かが彼を悼んでいるのか、
ゴールデンレトリバーのぬいぐるみが
退かされることなく、今も一室の椅子の上に鎮座している。

机にはハナビシソウの花束。ノッテファミリーの幹部へ、
と添えられたそれは発見された時に小さな波紋を呼んだ。
親しかった人は皆、口を揃えて
「あいつらしい」とでも言ってくれたりしただろうか。

そして数少ない私物だった手帳。
手記としても使われていたそれには、
ゲームとイカサマのコツ、客の好みや傾向、
後輩に対する期待や更なる向上心など、
彼の努力家な一面が赤裸々に記されていて。

大きく空けた最後の頁には、
今も尚争い続けるアルバ・ノッテの家族たちに対する心痛と、
それを変えられない己の無力さを、
ただ見つめ直すような文章が綴られていた。

その儲けに足る賭け金と手腕を用意できる日のために。


それらはもうどこにも行かない。
けれど、貴方たちを何処かに行かせる可能性はある。

最期まで勝負しないと気が済まない。
ディーラーの遺品なんて、そんなものだ。

【人】 小夜啼鳥 ビアンカ

ナイト・バー「Pollo Nero」の3階、従業員用に与えられた狭苦しい部屋
はあ、と漏れた息が、窓ガラスを白く染めた。

「こんな時も仕事か、あのガキ」

ビアンカ・ロッカは、育ちが悪い。
男性を喜ばせる仕事をしている以上、好まれる立ち居振る舞いというものを技術として身につけはしたが、こうして独り言ちるようなときはそれなりに口が悪くなる。

肩越しに振り返る。
二人で分けるにはキリがわるく七枚、皿の上に並べられたブルスケッタ。
バターでソテーしたきのことベーコンを、チーズといっしょにバゲットのうえに乗せただけ。
家庭料理トラットリアと呼ぶにも手軽すぎる皿の脇には、ミルクとレモネートが入ったグラスが置かれている。

「………さっさと荷物も、纏めさせないといけないのに」

がん、と爪先で、窓の下の壁を蹴る。
窓硝子がほんの少し揺れて、そこに映った不機嫌そうな自分の顔を揺らした。


「はー……」

こつん、と。窓枠に額を押し付けて。

「ガキは嫌い……」


そのあともずっと、ブルスケッタがすっかり冷えてしまうまで、人々が行き交う通りを、見下ろし続けた。
(5) 2022/08/17(Wed) 23:59:32
【ビアンカの部屋】

少年はその部屋の隅を間借りしていた。
いつもちいさく丸くなって眠る寝床は、出かける前に丁寧に毛布が畳まれる。
その上に、幾らかの絵本が積まれていた。
古びたものがほとんどの中、真新しいものも少し。
一番最近増えたのは、『シンドバッドの冒険』だった。
まだ、ほんの数ページしか読めていない。
これから先、読まれることはもうない。

結局のところ、あなたの言う通りになった。
男は女を置いていく。
少年は戻らない。
少年はどこにも行けない。

ビアンカは、あの日のヴェルデに手を伸ばした。
(a0) 2022/08/18(Thu) 0:55:04

ビアンカは、あの日のヴェルデの頬に触れた。
(a1) 2022/08/18(Thu) 0:56:23

ビアンカは、あの日、ヴェルデの足を思い切り踏んづけた。
(a2) 2022/08/18(Thu) 0:58:22

【人】 小夜啼鳥 ビアンカ

PiPiPiPiPiPiPi.....


冷めたブルスケッタを、皿からひとつ。
指先で抓みあげて口に運びながら、やかましくなり始めたを取る。

「……はい、【Pollo Nero】。
 なぁに? 今日も休むの?
 あんたね、マジでバカなの?
 生理は一月に一回──…」

電話口の向こう、従業員のひとりがなにごとか喚いている。
それを聞くたび、

「……」

ビアンカは、口許に笑みを浮かべて。

「……」

浮かべて。

「………
あ、そう
(6) 2022/08/18(Thu) 1:02:14

【人】 小夜啼鳥 ビアンカ

「そう」


まだ何か、喋っているスマホの通話をぶつ、と切って。
(7) 2022/08/18(Thu) 1:03:33
ビアンカは、ブルスケッタが乗った皿を壁に叩きつけた。
(a3) 2022/08/18(Thu) 1:04:17

【人】 小夜啼鳥 ビアンカ

硬質な音が、劈くように響き渡る。
べしゃりと汚らしく壁に張り付いたキノコのソテーが、ぼたぼたと不快な音を立ててカーペットの上に落ちた。

「…………」

胸を抑える。
ぎりぎりと指が鎖骨の間に食い込んで、そうしたって抑えきれないくらいに肺が何度も不規則に膨み、胸を内側から圧迫する。

「……、……、……」

――何度も、何度も。

砕け散った皿を、のろのろと片づけながら。


ビアンカは、口許を笑みのかたちにゆがめた。
そうすること以外、なんにもできなかった。
(8) 2022/08/18(Thu) 1:06:35

【人】 小夜啼鳥 ビアンカ

/* 抜け
>>6
指先で抓みあげて口に運びながら、やかましくなり始めたを取る。 

〜やかましく鳴り始めたスマホを取る。
(9) 2022/08/18(Thu) 1:09:34
【アルバアジト】

親代わりのつもりか、と聞かれたことがある。
笑って「そうだよ」と返した。

喜ぶ顔が見たくて、今まで何度かプレゼントをあげた事がある。
ぬいぐるみも、チョコラータも、風船も。
自分が身を置く世界がどこだって、少女が実の娘じゃなくたって、真っ当に育って欲しいと思うのはおかしい事じゃない筈だ。
せめて、大人になるまでは無事でいて欲しいと。
それを見届けるまで死ねないと思っていた。

それもすべて過去の話になるのだろう。
彼女の手を握ってやれる機会はもう無い。

明日渡そうと取っておいたチョコラータの箱に隠したメッセージカードの内容は、いつどこで、誰が見つけるのだろうか。

拾った命に落とした命を見つけられるなんて思いもしなかっただろう。
「悪かった」も「愛してる」も「ありがとう」も、今となっては届かないんだ。

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本名:サルヴァトーレ
・アガッツィ

死因:頚部圧迫による窒息死
発見場所・死体の状況:
路地裏にて発見。扼痕が見受けられるため、何者かに扼殺されたと見られる。抵抗の跡はなかった。

現場近くでちぎれたネックレスが発見されているが、関連性は確認されていない。

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あの日、開いた口から——「ッ、この強情女」

ビアンカは、あの日。  「知ってる」 と、笑って。
(a4) 2022/08/18(Thu) 13:23:30

アベラルド

「君の方こそ。流石だね、ぴったりだよ」
「きっとあの子も気に入ってくれる。ありがとう」

笑みと共に尋ねられた問いには、苦笑にも似た微笑みをもって返した。

「……参ったな」
「色男にそう勧められちゃね。頂こうかな、お願い」

降参! と示すように大袈裟に肩を竦める。おどけて、砕けたた仕草だった。
なめらかに品物をラッピングしていく手元を見つめながら財布を取り出す。一瞬だけ往来に目をやって、また戻した。

「勿論、お手本のようなお祭り騒ぎさ。君は?」

ビアンカは、「またね」と繰り返した。
(a11) 2022/08/18(Thu) 18:02:26

【人】 小夜啼鳥 ビアンカ

かつ、かつ、かつ。

石畳は今日も、リズミカルに音をたてる。

女は今日も、傘を片手に街を歩いていた。

かつ、かつ、かつ。
かつ、かつ
かつ


ときたまよろめいて、こけそうになりながら。
目許を覆い隠すほどの濃いアイシャドウを、燃え盛るすい星のように曳いて。

眸だけは真っ直ぐに、前を見る。

かつ、かつ、かつ。


ビアンカはこの街で、石畳がたてるこの音が好きだった。
それ以外は、みんな嫌いだった。
(18) 2022/08/18(Thu) 18:04:40
街娼立ちんぼがひとり殺されるぐらい、ごくありふれた出来事だ。

街灯に照らされる石畳を蹴り、夜を歩いて。
自ら暗がりへ手を引いてゆくのだから、どうしたって人目につきにくい。
行き過ぎた嗜虐性に嬲られることも。
或いはクスリを使われ躙られることも。
店に管理されていない分、危険はずっと多くある。
だからこんな風に綺麗な死に方をしたことの方が、きっと、ずっと珍しい。

それでも少年は街路に立つことを選んだし、多少の無茶は厭わなかった。
けれど、結局。苦しみを理解するには欠落が多すぎた。
その苦しみを解するまで、死んではいけないだろうと思っていた。
だから少年は、死にたくないと思ったことはなかった。
それなのに、最期のそのとき、確かに。
――死にたくなかったな、と。
諦観の奥に、喪失の苦しみを抱いた人間になった

あの時本当は、半ば
望んでいた
諦めていた。

+7 サルヴァトーレ

「そりゃどーも。結構この仕事は続けてるもんでね」
「それは何よりですよ。ぜひ感想も聞いてきて欲しいところだ」

この店にどんなものがあってどこにあるかだとか、
一通りは頭に入っているつもりだ。
客に商品の事を聞かれたときに自分も分からずに
人に回すなんて、面倒臭いし。

買うと聞けば、にっこり。
「ありがとうございます」と言った声には、ちょっと含みがあったかもしれない。
内心しめしめとも思っていたのは内緒だ。……バレてないよな?

包装紙の端をそろえ、マニュアル通りに包んでいく。
テープを貼り、紙袋へ商品を一つ一つ入れて。

「いいですねぇ。俺は生憎まだなんです。
 仕事が終わったら俺も行こうかな……」

ビアンカは、引き金を引いた。
(a23) 2022/08/18(Thu) 23:44:05

アベラルド

「もちろん、是非ね。聞いてくるさ」
「一番最初に喜ぶのを聞くのは僕だけど、それを聞けるのは君のおかげでもあるのだし」

バレていないよな、と伺う先にはいつもの飄々とした笑顔。
どうせどちらでもこの男は笑うのだ。気づいていてもいなくても、瞳の中に君がいるというだけで楽しそうに。
いたずらを仕掛けられれば嬉しそうに引っかかる。
冗談で強請ったものを本当に買い与えようとする。
そういう男だと、きっと君は知っている。

「ああ、そうなの? 意外だな。もうとっくに見に行ったのかと」
「よければ僕が、エスコートさせていただくけれど」

またそんな風に、懐っこく笑うのだ。

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 サルヴァトーレ

「よかった。お客様の声ってのは大事ですからね」

伺い見る先はいつもの笑顔で、やっぱり読み切れない。
けれど、まあ、悪い気もしない。
長い間の付き合いでその態度に意表を突かれたり、
調子を崩されたりしたけれど。
それでもアベラルドにとっては付き合いやすい人間だ。

「祭が始まってからはこの店も忙しくてね。
 エスコートして頂けるなら、お言葉に甘えるのもいいな」

会計を通して、代金を受け取り。
紙袋をあなたに差し出しながら、こちらも似た笑顔を向ける。

アベラルド

「五日目は最終日だから忙しそうだね。四日目あたりにどう?」

ナンパにも冗談にも、けれど本気にも聞こえるような誘いをかける。勿論断ってもいいし、受けてもいい。ここでの二人はただの店員と馴染みの客であって、それ以上でも以下でもないのだ。どんな答えを返したって誰も気にしない。

手を出して商品を受け取る。小さな袋を大切に提げて、一歩下がった。

「それじゃあね。本当にありがとう。直にまた来るよ」
「楽しみにしていて」

 サルヴァトーレ

「四日目? ああ。その日丁度非番ですよ。
 一緒に回るにはぴったりですね」

本気で受け取ったとも、冗談ともとれるような答えだ。
わざとそういう答えを返したのは、
本当にその日は非番で回れる時間もあるだろうから。
どう転んでもいいか、と判断して。

「ええ、またどうぞ。お待ちしておりますよ」
「またいつものも取っておきますから」

そんな事を言って、店を後にするあなたを見送るだろう。

ビアンカは、もう、どうでもよかった。たった一つのこと以外。
(a42) 2022/08/20(Sat) 19:21:52

【人】 小夜啼鳥 ビアンカ

大通りから一本逸れた場所。
石畳の上のベンチに、ひとりの女が座っていた。
モノトーンのフリル・ドレスに、傘が一本。

俯いたその横顔は十分に整っているといえるもので、
多少濃いメイクも夜の街灯の下、女の流れるような鼻梁や大きな瞳を美しく彩っていた──本来なら。

今はそんなメイクよりも目立つ大きなカーゼで、顔の左側が覆われてしまっている。その下の頬はどす黒く内出血していて、美しい輪郭の半分を醜くゆがめているようだ。
さらに骨折でもしたのか、包帯とガーゼで巻かれた右腕をサポーターで吊っている。気取ったようなネイビーのアームカバーが、ゴシックな服のうえですっかりと浮いていた。

――それでも、祭りの陽気と酒精に浮かれ、声をかけてくる男もいた。けれど、そんな物好きな男も。

「見せもんじゃねえぞ」

顔をあげた女のどろりとした瞳で睨みつけられて、愛想笑いをして去っていった。

クソがVa a cagare

そちらを見もせずに悪態を投げつけて、充血した眸をまた降ろす。
左手に持った携帯端末をじっと睨みつけたまま、女はずっとそこに座っている。
ただ、何かを待つように。
(58) 2022/08/20(Sat) 19:37:16
家族を愛している。

 ヴィオレッタ

「別に」

ぶすくれたような顔で、肘をついてそっぽを向いている。
どう見ても楽しんでいる風ではない。

けれど。負け続きでも態度を荒らげたりはしていない。
それは、連れの前だったというのもあるだろうし それが格好悪いことだと思っているからなのだろう。

「まだチップは残ってる……これからだろ」

マキアートだって、家族を愛していた。

未来を見届けられないまま眠っている。

叶えたい未来があった。

それが心残りだ。