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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【人】 デッドヘッド ヴェネリオ

【街中】

酒場から飲んだくれた男が一人、ふらついた体を石の壁に寄りかからせ目を閉じる。
部下に連絡をしたその手で、続けて別の人間へと電話を掛けた。

「チャオ、今時間あるかぁ……あ?
 『子供達を寝かしつけてるからすぐに切る』、だと
 お前この俺っちと子供どっちが大事なんだよ、おい!」

「本当に切りやがった……」

まさかこのくたびれた男がマフィアであるとは、日常に住む多くの人間達は知らず。
もっとも一部には有名であり隠してもない素性は、過激派の多いノッテファミリーの幹部であることに違いない。

「……あ"ー頭いてぇな、近くのカフェは何処だ」

男は約束の時間まで暇を潰す。こつ、こつ。
石畳には靴の裏に残っていた僅かな赤がうつって続くことはなかった。
(12) 2022/08/08(Mon) 23:58:47

【人】 デッドヘッド ヴェネリオ

>>14 リカルド

【街中】
「よぉリック、お使いは済んだか。
 小言がうるせぇぞ……頭に響いてかなわん」

きつい酒に混ざった煙の香り、
どこをとってもまとめ役には的さない役満を着飾って頭をかく。
実際のところファミリーの人間には数多の功績を知られているし、一言で話を聞かせられる。今更面倒を見るのはほんの一握りだ。

懐から取り出した煙草を咥えつつ、部下にもう一本を差し出してやる。時間潰しも大概である。

「帰っても良いことがあるもんか。
 優秀な部下をもつ俺はご老体に大人気なんだよ」

「……あと30分……いや1時間。
 今いっても会議に死人の名前を増やしておやすみなさいだ。
 眠気冷ましにお前が選んだ店でも連れて行け」
(19) 2022/08/09(Tue) 4:09:35

夜半。暗い路地裏を、硬く、鈍く、重く、靴底が打つ。
祭りの喧騒の裏側で、葬列が墓場を歩むように、ただ粛々と。

「──掃除屋が死体を作るなんざ」

「世も末だと思いませんか、あんたも」

答えは返らない。
端から答えを求めてもいない。
見下ろす眇目には、生者への情は無い。

「……家族が?へえ、そりゃ知らなかった…」



「で、あんたが浅はかな事仕出かす前に
 顔を思い出せもしなかった程度の家族が、何だって?」

──乾いた銃声が、ひとつ。