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人狼物語 三日月国


125 【身内】実波シークレットパラダイス【R18】

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大型犬くらいのデカさの狐が、学園内を悠々と闊歩している。
薄く、くすんだ黄色のふかふかな毛並みは風に揺れ。
しなやかな四つ足はどこか神秘的な雰囲気を纏っていた。

最も目を引く点として。
その狐は、腰から二本の尻尾を生やしていた。

『……キュウウン!』

ひと鳴きすれば、その身体は仄かな光に包まれて。

「───と、いうお話だったわけなんですよ」

後に現れるのは、みんなのよく知る一葉の姿だ。

▼一葉 梢矢の秘密

『実は、一葉 梢矢は
妖狐
だ。

 何の変哲もない子狐だった頃、群れからはぐれて迷子になっていたところを一人の青年に拾われ面倒を見てもらい、どうにか感謝の気持ちを伝えたいと思いつつ気ままに生きていたら二尾の狐に成り果てていた。

 当たり前のように何かに化ける妖術が使えたので、彼を探すためにあえて彼とほとんど同じ見た目に変化し、学生として人間の生活を過ごしていたのだ。

 ちなみに昨日は
狐に似ている
と言われてめちゃくちゃびっくりしていた。中身はともかくガワは特に関係なかったはずだもの』

「本当に狐だったってやつ……?
 一葉可愛いな、よし、なでなでしてやろう」

なでなで。


「撫でられるのは好きだ。
 やっぱり本能が刺激されてるんじゃないか」

撫でられてる。顔はいつも通り堅い。


「うわ〜これマジで暴露されるんだ。正気〜?
 ていうかなんでよりによって俺なわけ?
 この辺でもう一段リアリティライン下げとくかって?」

無神経な奴は、今日も性懲りも無く。
張り出された『秘密』を見てへらへら笑っている。
それが誰のものであっても変わりなく。

「まあいいけどさ〜。
 知られなきゃ知られないに越した事は無いけど?
 知られたら生きていけないなんて事もないし?
 寧ろこれってさあ、知った側の方が困るんじゃない?」

【人】 嘘 氷室 凛乃

「びっくり人間ばっかり集まってきてるなあ」

魔法少女に狐、悪役令嬢に転生者、魔法少女に魔法少女。
(1) 2022/01/31(Mon) 21:08:54

【秘密開示】

雑司ヶ谷 累は、実は過去に人外と擦り替わっている。


雑司ヶ谷 累は幼少期に山で『神隠し』に遭い、
そしてそれから約1年ほど経った頃、唐突に帰ってきた。

けれど帰ってきたものは雑司ヶ谷 累ではない。
その名前とカタチを拝借して、この10年ほど成り済まし続けていた。
当時子供であった事、それから『神隠し』に遭った精神的なショック。
それらを引っ被って家族の目すらも欺いた。

今ここに居るものは、雑司ヶ谷 累を攫った名も無き山の神そのものだ。

「本能かぁ……。
 俺もそういうのでちょっと悩みが……ウッ」

「あ、そうだ。一葉、俺ちょっとお前に聞きたいことあったんだよな……、ちょっと、いいか?」

「魔法少女多くない???」

「てか神様追加され……って累ー!!!
 お前自分のこと祟り神つったじゃん!!」

普通に神様では?


「え?祟るとは言ったけど祟り神とは言ってないよ俺。
 別に祟り神じゃなくても祟りたくなる時くらいあるだろ〜?
 というか祟り神云々って人間の勝手な区分けだぜ?」

暴論だ。


「どうしたの。俺でよければ何でも聞くといい。
 俺はしがらみから解放され、無敵度が増している」

相変わらず自由だ。

【人】 嘘 氷室 凛乃

「そのうえ神と来ましたか。
 いやはや……いやはや…………」
(6) 2022/01/31(Mon) 21:19:49
「祟る時点で祟り神って思うじゃん!!!」


だからといってどうということはなかったのだけど。


「気にしていないよ。
 そのうちバレるならしかたない」

手を振っている。どこかへ。

「それより、雑司ヶ谷にはちょっと驚いた。
 俺がこんな狐になっているとはいえ、山の神なんてものもいたのか。成り代わるだなんて悪い奴だ〜」

 
「…………はぁ…………………」

累の秘密を見て大きな大きなため息をついた。

「……本当に、勘弁してほしいですよ……
 普段は……せいぜいが、スライムナ○トと戦ってたのに……
 いきなり、ダークド○アムと戦わされるレベルですよ……
 …………む、無理に、決まってる…じゃないですかぁ…………」


あの勇者ゲーム好きらしい。
そうして戦ったらしい。負けたらしい。

「よーしよしよし。
 一葉は可愛いな〜〜〜」

なでなで。

「いや、ちょっとさ……」

そう言って耳元に口を寄せ、耳打ちする。

次は俺とやるか、不破。

一葉くん、悪いことするんですか?めっ しますよ。

「…………」

心配そうに偉智センパイを見やり。


「偉智は俺がシャワー浴びてるときに出くわして、気を使ってくれたから多分アレルギーじゃないとは思う。じゃないと……うれしい」

しゅん……


「どうも〜神で面白い塁ちゃんで〜す
 つっても別に人間より先にそこに居たってだけでさあ?
 その辺で真っ当に祀られてるようなのとは全然別物だし。
 人間に都合の良いご利益とか無いからその辺よろしく〜」

何から何まで適当だ。
実は神じゃないのかも。まあそんな事は無いんだけど。

「いやお前も見ようによっちゃ似たようなものじゃん。
 てかなんか近い気配はしてたんだよなお前さ〜。狐か〜」

一葉の方を見ている。
そっちは見た目借りてるだけで成り済ましてはいない気がする。


「俺も将来は祀られて不労所得で暮らそうかな」

偉智からお菓子を受け取った。早速お供えを一つゲットだ。
戦争の火種を撒くように仕向けたのは、こいつ。

氷室 凛乃は、お前……それは……禁断の邪法を……!!
(a5) 2022/01/31(Mon) 21:36:43


「俺が祀られた暁には雑司ヶ谷、君の競合他社になって、悪い神の御威光が満ちづらくしてやろう。
 ま、俺もぜんぜんご利益とかないんですけど。変化術は得意だからそういうので遊ぶことはできる」

二尾の狐に大層なことはできん。
あと七本持ってこいって話だ。

「わはは、二人が祀られたら参拝しに行くわ、俺」


「わ〜冒涜的」

これは夜川兄の手によって生み出された融合体への感想。
こういう事する人は大抵悪意はないんだよ。

「おっ言ったな?悪い神扱いしたら悪い神になるからな?
 俺はあれだから、大体災害の擬人化的なあれだから。
 得意な事は人間にちょっかいを掛ける事です」

久瀬 真尋の肩を掴んでガクガク揺らした。

「前前前世って言うな。
 確かに……確かに探してたわけだが……」

政府にも魔法少女でもいるんじゃないですかね。

 
「………………」

何故か張り出された秘密の内容に不服と言いたそうな顔をしている。いや、これ、何か拗ねている?
なお一葉は可愛いと思っているんだけど、ここでみんなみたいに撫でる勇気はないみたい。

あと魔法少女は魔法少女でも、不破は
ニチアサ系魔法少女
なので、攻撃されないならしません。

【人】 嘘 氷室 凛乃

「別にびっくり人間勝負してんじゃないんですよ。
 各々にはそれぞれ事情があり、
 客観的に見れば些細なことでも、
 主観的に見れば大きなことかもしれないんだから、
 大事なのは気持ちを汲み取ることとか、そういう……」
(21) 2022/01/31(Mon) 21:57:45
氷室 凛乃は、なんか……そういう…………そういう感じで、行きます。
(a7) 2022/01/31(Mon) 21:58:02

「いや……秘密はネタじゃなぇから……以上も以下もないだろ?」

あっても困るともいう。


「そこは祀られなくても参拝してくれよ棗ちゃん。
 賽銭5000兆円贈与税ナシでくれたらなんかしてやるぜ」

良い事とは限らない。神、気まぐれだから。

「あーなんか人生の先輩方が良い事言ってる。
 せいぜい俺達が上げたハードルの下を潜って行きな…」



「意味深な言い方をするなっっ」


「いや、カラオケは行くけど……」


行くのか。
それはそれとして、もうただの威嚇する猫でしかない。