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人狼物語 三日月国


97 【R18ペア村】Decision【完全RP】

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視点:


【人】 金緑石 アレクシア

―市場→宿屋―

[従兄と別れてから、少女は想い人と街を歩いていた。
あの後、彼は商談を遅らせて時間を作ってくれて、自分の宿の部屋に案内した。
彼女に買ってきたチャイを渡すと椅子を勧め、青年自身はベッドに腰かける。]

「アレクシア、
 ……君は故郷に帰ったらこっちには戻ってこない心算なのか?」

[そう言って自分を見つめる彼を前に、惑う少女は俯いた。

どこまで話していいのだろう。
どこまで受け入れてくれるのだろうか。]
(79) 2021/10/07(Thu) 0:36:50

【人】 金緑石 アレクシア

[最初は、助けてくれた事への感謝を告げたかったのだと伝えた。
故郷に帰るとはずっと前から決めていた。
よくしてくれた街の皆や彼には感謝していると。

海に連れて行ってくれて嬉しかった。
持ってきてくれた土産は今も大切にしている、と。

彼との思い出を掘り返している間に、想いは堰き止められなくなっていく。]
(80) 2021/10/07(Thu) 0:39:18

【人】 金緑石 アレクシア

[目の前の彼が息を呑むのが分かった。
一つ口にすれば、止まらなくなってしまった。]

ジルと、もっと一緒にいたい。
色んな話が聞きたいし、色んな場所に行きたい。
ジルの嬉しい事や、悲しい事、好きなものや嫌いなものを教えて欲しい。

貴方と、互いに色んな事を分かち合えるような、そんな相手になりたい……。
(81) 2021/10/07(Thu) 0:43:23

【人】 金緑石 アレクシア

―宿屋―

「それなら、帰らないでくれ。」

[気が付けば、立ち上がった青年に左手を取られていた。]

「俺にはまだ君を迎えるだけの財産がないけど、必ず稼ぐから。
 その時には君を妻に迎えたい。」

[少女は色の異なる瞳を見開いた。
どうか、聞き間違いでないようにと願う。
目の前の青年はじっとターコイズブルーにレモンイエローの瞳をこちらに向けている。
その真剣な表情は、発した言葉が偽りでない事を感じさせて。]
(87) 2021/10/07(Thu) 21:25:50

【人】 金緑石 アレクシア

[──夕方、少女は姿を見せなかった。
従兄はじっと彼女を見つけた場所で待っていた。
陽が落ちて、夜になっても。


その後、従兄は少女を探し回ったが、既に二人はサラハドを発った後だった。*]
(88) 2021/10/07(Thu) 21:28:27

【人】 金緑石 アレクシア

―選択の結果―

[少女達は東へと向かった。
人が多い場所に紛れた方がよいだろうという判断だった。
彼の商売を手伝いながら、少女は喜びを噛み締めていた。
家族には申し訳ないが、彼と共にいられる事の方が心の多くを占めていたのだ。

あれから彼には自分の身体の事を話したが、子供が出来なくても構わないと言ってくれた。
懸念事項は、この先も自分が年を取らない為に定住出来ない事。
けれど彼はこのまま旅暮らしでもいいと言ってくれた。
嬉しかった。
好きな人に受け入れて貰えた事、そうして自分と同じ心を返して貰える事が。]
(92) 2021/10/07(Thu) 21:54:07

【人】 金緑石 アレクシア

え、あれ……?

[変調が起きたのは、それから一年後の事。

朝から熱っぽいとは思っていたが、昼時に強い眩暈がしたのだ。
立っていられずにその場に倒れ込む。

すぐに床に手をついて起き上がろうとしたが、身体に力が入らなかった。
魔法で身体を冷やす為の水を引き寄せようとしても上手く出来ない。]
(93) 2021/10/07(Thu) 21:54:51

【人】 金緑石 アレクシア

[熱い。身体が震える。
火が身体の中を駆け巡っているみたい。
身体が燃えてしまいそう。

──家族を大切にしなかった罰が当たったのだろうか。
頭にそんな考えが過る。]
(94) 2021/10/07(Thu) 21:55:16

【人】 金緑石 アレクシア

「アレクシア!」

[青年が宿の部屋に戻って来た時、少女は息も絶え絶えな状態だった。
慌てて抱きかかえられてベッドに寝かされる。

熱は収まる気配がなかった。
けれど人間の医者に見せるわけにもいかず、青年は彼女の身体を氷嚢や濡らした布で根気強く冷やすしかなかった。
彼は時々譫言のように名前を呼んでくる彼女の手を握り、大丈夫だと励ました。
その熱は五日続いた。]
(95) 2021/10/07(Thu) 21:58:35

【人】 金緑石 アレクシア

[少女が目を覚ました時、彼女の髪の色はすっかり抜け落ちていた。
火が燃え尽きた後の灰にも似たパールグレー。


かつて青年に綺麗だと言ってくれた色と引き換えに、少女は人間になったのだ。*]
(96) 2021/10/07(Thu) 21:59:14

【人】 金緑石 アレクシア

―サルハド・昼下がり―

[>>91掛けられた声に振り返れば、学生らしき人間が小銭入れを持っていた。
青年の手に収まる程の大きさのそれは、ジルがくれたものだった。
少女は慌てて引き返す。]

……え?あっ。

あの、ありがとうございます。

[顔を見られ、足が竦む。
もしや見破られただろうか。
背中に冷や汗が伝うのを感じ、無意識に被ったショールを引き寄せる。
けれど、存外優しげな顔で彼は微笑んで、立ち上がると雑踏の中に戻っていった。
少女は彼の背中に向かって頭を下げると、自分の帰る場所へ向かって歩いて行った。]*
(99) 2021/10/07(Thu) 22:29:42