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人狼物語 三日月国


43 【完全RP】音の鳴る瞬間の相手は【R15】

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【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―コンペ会場―


[ 人波をかき分けて会場にたどり着くと、
  すでに、そこは優雅なこの国らしからぬ、
  熱狂と歓声の渦に飲まれていた。>>1


  正直、予想外だ。
  豪奢にして閑静なホールで、
  厳格な審査員達の、針のような視線を
  浴びながら、粛々と演奏を披露するものと
  ばかり思っていたから。


  舞台は二種類用意されているようで、
  出演者の使用楽器などに合わせて
  希望を汲んでくれるようだった。>>1

  エリクソン達6人組の使う舞台は当然、屋外庭園。

  室内だと、大量の大型機材が王宮内の
  磨き上げられた床を傷つけてしまうし、
  なにしろ会場の音響が、いくら大ホールとはいえ
  彼らの使う楽器に合った設計では
  なかったからだ。 ]

大庭園が舞台となると、音の抜けの良さでは
俺らは抜群にアドを得ているな。
  
一つ、大きな懸念もあるのだが…。
(11) 2020/09/21(Mon) 2:27:58

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―楽屋へ―



[ 音楽会の出演者には、
  特設舞台の背後に、分厚いビロードの幕で囲われた
  特設の楽屋が用意されている。

  出演者に配布された『通行証』
  (藍色の地に銀糸で縫われた縦線が入ったもの
  ―宮廷楽士を表す銀と関係があるに違いない)
  を守衛に見せて許可をもらい、 


  …楽屋に足を踏み入れた。

  そこには、文字通り老若男女問わず、
  貴賤も国籍も問わず、
  さまざまな参加者がいた。
  
  豪華なドレスを纏った、
  すでに舞台慣れしてそうなソプラノ歌手が
  いるかと思えば、
  あどけない表情ながらも燕尾服を着て得意げな、
  幼い木琴奏者もいる。>>0:33


  昨日、自分が見た、
  『貴族然とした』音楽家たち>>0:26は、
  きっとほんの一部でしかなかったのだろう。 ]
(12) 2020/09/21(Mon) 2:28:28

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 自分の出番はまだ先だ。
  屋外を使うのは本日。
  時間帯は『辺りが闇に染まる頃に』と指定した。]


時間が惜しい。
俺らは、俺らがやるべき事をやるまで。

 
[ エリクソンは音楽家達のひしめく楽屋に踵を返し、
  仲間達のもとへ向かった。]*
(13) 2020/09/21(Mon) 2:29:26
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a4) 2020/09/21(Mon) 2:38:56

鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a5) 2020/09/21(Mon) 3:07:56

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―会場近くの宿にて―



[ 貸し切り可能の練習ホールがある宿を
 音楽祭開催のこの時期に取るには、
 半年以上前からの予約が必要らしい。

 エリクソンらが取った宿も例に漏れず、
 宿の1階から練習室がある地下へ伸びる階段前には、
 本番直前ぎりぎりまで練習をしていたい
 音楽祭の参加者達で溢れていた。

 6人組もその中の1組。

 六弦担当のエリクソン、
 同じく六弦でかつ下手担当のヨハン、
 コンセールカリヨン出身の四弦担当ディミトリエ、
 組打鑼鼓担当のニルソン、
 電子洋琴のノード、
 そして主歌唱担当かつフロントマンのダンテ。

 6人はめいめいに自分の楽器を荷車に括り付け、
 後ろ手にゴロゴロ…と押しながら
 さも重たそうにロビーを歩いている。 ]
(65) 2020/09/21(Mon) 19:30:54

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ エリクソンは、自国から
 電子六弦を5本持ち込んでいた。
 予備用もあるが、一番の理由は楽器毎に
 調弦と木材を変えているためだ。


 調弦を変化させ、第六弦の開放弦を
 その曲の"核"となる音に一致させると、
 弾きやすさが段違いなのだ。


 また、音の"鳴り"を最も左右する
 電子六弦の本体部分の木材は
 演奏する曲調や、メインに奏でる音域に応じて、
 品種を慎重に選んで設計されている。 ]
(66) 2020/09/21(Mon) 19:32:06

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 調弦自体は、舞台上で変えることも
 出来ると言えば出来るが、
 やはり曲と曲との間に間が空いてしまうのは
 避けたいことであった。

 エリクソン達に与えられた持ち時間は40分。
 一曲の尺はさほど長くないため、
 自己紹介>>3含め、数曲は演奏出来る。

 今回の目的は、『演奏力を評価されること』ではない。
 自分らが1から創り上げた楽曲、歌詞、演出、
 全てを総合して観客たちにぶつけ、
 圧倒させることが唯一の目的。

 したがって、持ち時間40分をどれほど
 濃密なものにし、観る者達を釘付けにするか
 が一番の課題なのだった。

 調弦する間も惜しい。]
(67) 2020/09/21(Mon) 19:32:43

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 宿は、宿泊者用以外にも、
 一般利用者向けに大小いくつもの
 練習室を解放しており、受付の前には
 今からでも予約をしたいという音楽家たちで
 ごった返していた。


 エリクソン達6人はそれを横目に見つつ、
 音楽祭招聘の返事をした直後に王室から送付
 されてきた推薦状
 (第三王子リジィのはからいだと
 いうことを、コンセールカリヨン出身のメンバー・
 四弦担当のディミトリエから聞いた)

 を片手に、何の苦労もなく宿一番の
 貸し切り専用の大ホールに入場する。]
(68) 2020/09/21(Mon) 19:33:12

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―宿の地下・貸し切りホールにて―


[ まずは持ち込んだ荷物をほどこう。

 荷車から、アタッシュケースを大きくした様な箱を
 引っ張りだし、フタ部分を下においてミを取り外す。

 中には手のひら程の大きさの機械が
 規則正しく並べられている。

 スイッチを押すことで音像を変化させられる
 位相変換器・位相増幅器・波動増減器・調和複写器・
 踏板。
 演奏しながら調音が可能な、自動調弦器。

 それらを組み合わせて、アタッシュケースのフタに
 貼り付けているのだ。
 そのまま持ち運べるし、
 機械を1から組み直す必要がなくなるため便利だ。

 すぐ隣には、予め持ち込んでおいた
 キャスター付きの棚のようなもの―ラックという―
 があり、そこに手際よく送電線を繋いでゆく。

 棚の中には、分厚い書物を横倒ししたような形をした
 平たい金属の箱がいくつも積み上げられており、

 そこからも送電線が何十と伸びて、
 また更に別の、大きな4つの黒い箱へと繋がっている。
 これが音を鳴らす装置だ。 ]
(69) 2020/09/21(Mon) 19:35:15

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 電子六弦は、それ単体ではシャカシャカとした
 貧相な金属音しか出ないが、
 本体に埋め込まれた磁気コイルが弦の振動を検知し、
 その信号がアタッシュケースの機械たちを
 通って演奏者の任意の音像に変えられ、
 ラックでそれを増幅、
 最後に4つの黒い箱に送られ、
 全く違った『音』に生まれ変わって発せられるのだ。


 機材を正確に繋ぎ、
 単調だがスキルアップに不可欠な運指練習を
 繰り返し行ったのち。


 エリクソン達6人は、直前の打ち合わせと
 通し練習を開始した。 ]



 …
 ……
 …

[ 練習は滞りなく進む。]
(70) 2020/09/21(Mon) 19:36:28

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

――申し分ない。このままの勢いで本番に
持ち込もう…

[ そう、思った矢先だった。]


ビシィッ!!!

ヴヴッ……ヴヴヴッッ……!!



[ 突発的な痛みが右の大腿部に走ったと同時に、
 六弦に繋いだ4つの箱が不快な爆音をあげたのだ。]
(71) 2020/09/21(Mon) 19:39:34

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 普段から爆音慣れしたメンバー達も
 さすがに驚いたようで、
 はっとして演奏をやめ、エリクソンを見る。

 まさかと思って、弾いていた電子六弦の裏側を見る。
 裏側には、弦の張力の均衡を保つために、
 3本のバネが付いていた…のだが。
 それが今…ものの見事にはじけ飛んでる。

 ついでに第1弦と第6弦も切れてしまっており、
 楽器から無様に垂れ下がっている有様だ。

 不運にも、壊れた電子六弦は、
 弦が一本一本独立した形式ではなかった。
 これで正確に仕上げた調弦はすべて狂ってしまった。

 それに問題がもう一つ。
 弦の変え自体は大量に持っているが、
 まさかバネがはじけ飛ぶとは… 

 バネの換えが、今、手元にないのだ。 ]
(72) 2020/09/21(Mon) 19:40:08

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 助けを求めるように、
  同じく弦担当のヨハン、ディミトリエを見る。
  しかし二人とも不安に翳った表情で
  首を横に振るだけだった。 ]


わ、わかった。すまない。
俺が自力で換えのネジを探してくるから、
お前らはいつも通りで練習を続けてくれ。

決して焦んじゃねーぞ。
必ず、必ず見つけてくるからな。


[ 仲間達にそう言い含めて、貸し切りホールの外へ出る。
  1階に上がり、ロビーを抜け、
  すっかり太陽が昇って
  明るくなった外に躍り出た。]
(73) 2020/09/21(Mon) 19:44:21

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―楽器工房へ―



[ そのまま楽器屋のありそうなメインストリート
  へ向かって、あてもないままに走って行く。
  

  色々な場所を探し回り、
  15分ほど経っただろうか。


  気づけば小さな楽器工房の前に立っていた。>>0:22
  何を専門にした工房なのか…
  そんなことを考える余裕すら、今はない。 
  息も絶え絶えに、倒れ込むかのように店に入る。


  しかし…六弦奏者の希少なこの国で、
  この楽器の修理を出来る者は、
  もしくは所見の楽器のリペアを行える腕利きは
  この工房にいるのだろうか? ]*
(74) 2020/09/21(Mon) 19:48:15
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a11) 2020/09/21(Mon) 19:52:17

鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a13) 2020/09/21(Mon) 20:52:07

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―楽器工房にて―



[ 工房内には、ヴァイオリンを持った
  客とおぼしき少女と、父親風の男性、
  そして、すらりとした長身の女性がいた。>>93
  彼女が工房の職人だろうか?


  ちょうど内側からドアを開けるところだったようで、
  爆速で見知らぬ男が突っ込んで来るのを見て
  かなり驚かせてしまっただろうと思いきや、

  彼女は冷静に客の少女親子に向きなおり、
  彼らをにこやかに見送ったようだ。 ]
(103) 2020/09/21(Mon) 23:51:30

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 工房内に入り、息を整える。
  着いたときは肺がオーバーヒートを
  起こすかと思ったが、すぐに呼吸は元通りになった。


  まぁ当然の話だ。自国や周辺国の演奏会では
  2時間以上も立ったまま通しで楽器を
  弾き続けるなんて日常茶飯事。
  日頃から持久力や筋力を鍛えるトレーニングも
  怠っていないのだから。

  
  あらためて工房の女性に向き直る。
  先ほどの客がヴァイオリンを持っていたし、
  ひょっとしたら弦楽器全般に対応できる工房
  なのかもしれない…と淡い期待を抱きながら、
  事情を説明した。  ]
  

俺のこの電子六弦なんだが…、
裏のここ…バネがあったのが…
はじけ飛んじまったんだ。 

 
[ 背負っていた電子六弦を取り出し、
  一つ一つ指差しながら説明していく。 ]
(104) 2020/09/21(Mon) 23:51:54

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

あんまし慣れないモノだってのは
分かってる。だから…


[ 破損したバネを彼女に手渡す。

  弦と釣り合うために
  作られているため、強度はそこそこ高く、
  両端に、六弦本体に引っかけるための
  輪っかがついた
  10cmほどの金属製のものだ。 ]

 
とりあえず、
『これと同じ大きさ・同じ材質・同じ強度の
ものを3つ』
作ってくれないだろうか?
(105) 2020/09/21(Mon) 23:52:36

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 取り付けるのは自分一人で出来る。
  バネのせいで全体の調整が狂ったから、
  本当は全て見てもらいたいところだが、
  そこまで無理は言えない。 ]


もし、時間がかかりそうなら、
今日の夜までに
『グランソ・シュトランド』という宿の
エリクソン宛にこれを届けてくれてもいい。


音楽祭の本番まで時間がないんだ。
頼む。やってくれるだろうか。


[ 彼女を正面から見据え、
  真摯に、そう頼み込んだ。 

  無理を言っているのは重々承知だ。
  彼女は、はたして
  引き受けてくれるだろうか。 ]*
(106) 2020/09/21(Mon) 23:55:44
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a17) 2020/09/22(Tue) 0:00:26

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―小さな楽器工房にて―



[ 工房の彼女は
  電子六弦を見て驚いた様だったが>>137
  何かアテがあるのか>>138、すぐに
  表情を引き締め、]


――『オーケー。
  見繕って今日の夜までには届ける。』


[ そう言って、快く引き受けてくれた。>>139

  その言葉を聞いて、
  先ほどから肩にのしかかった重圧と、
  体中に渦巻いてたチリチリとした焦燥が
  すっ…と音を立てて抜けていくような気がした。]


(ひとまず、助かった……。)
(146) 2020/09/22(Tue) 15:00:37

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

本当にありがとう。
恩に着る。


[ 普段の彼とはかけ離れた殊勝な態度で、
  丁重に礼を述べた。
  改めて、宿の所在地と宛名を、
  置いてあった紙に書き付け、彼女に手渡す。


  そして紙幣を10枚ほど――この国の国王が、
  溺愛してやまない王妃を>>0:n0肖像として
  描かせた、流通しているものの中で最高額の
  豪奢な紙幣だ――
  机の上に置いた。 ]
(147) 2020/09/22(Tue) 15:04:37

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 自国ならば量販店で買えるバネだが、
  今回は所見のものをイチから、
  それも今日の夜までという制限付きで作ってもらうのだ。
  感謝を込めてこのくらい支払ねば気が収まらない。


  彼女が紙幣を受け取ってくれれば、
  この工房を後にし、
  宿に戻って、練習を再開するだろう。 ]*
(148) 2020/09/22(Tue) 15:04:49
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a25) 2020/09/22(Tue) 15:07:28

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―橋の上・何かに惹きよせられて―



[ 楽器工房の彼女に
  バネを夜までに届けて貰う約束を
  取り付けられたことに一安心しながら、
  早く仲間に報告せねばと、足早に
  宿『グランソ・シュトランド』へ歩を進める。

  メインストリートを抜け、
  川を…橋を、渡る。


  昨日自分が気を持てあまして、
  煙草を吸っていた橋。>>0:5

  川に煙草を捨てた自分を、
  にこやかに笑いながらも、
  歌うことでそれとなく諭してみせた
  あの綺麗な娘のことを思い出す。>>0:11
(161) 2020/09/22(Tue) 17:34:51

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 彼女は今、どうしているだろう。


  つねに笑みを顔に貼り付けているが、
  自分が少し口調を強めただけで、
  一瞬、萎縮したように小さな体を震わせた彼女。

  教会の話をすると、
  神への信心を繰り返し口にした彼女。>>0:19
  逃げるように。諭すように。


    ……まるで、
"誰か"
に対して言い聞かせるような
  声色で…。 ]
(162) 2020/09/22(Tue) 17:35:57

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

――"誰に"対して?

   
 ――
彼女自身のように、聞こえた。 
(163) 2020/09/22(Tue) 17:36:40

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

――なぜ分かったかって?

   
 ――
俺自身が、そうだったから。
(164) 2020/09/22(Tue) 17:36:54

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 彼女の賛美歌を聴いて、神への信心を聞いて、
  明るく小綺麗に見えたこの国に来てすらも、
  自分を追いかける
抑圧の影

  見た気がした。>>0:15>>0:92 ]


   ――俺も、教会育ちだからな。


[ あぁ、どこの国だって一緒じゃあないか。
  ある種の諦観とともに、そう思った。

  だが、身に纏わり付くしがらみを打ち破ることは、
  難しくはあれど、不可能じゃない。]
 

――本当に難しいのは、その先だ。

[ 自分を省みて、誰にも聞こえない声で、
  そう独り言つ。
  だが、これは今の彼女とは何ら関係ない話。]
(165) 2020/09/22(Tue) 17:39:16

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ だから自分はあのとき、]



――
『音楽祭で会おう』




[ せめてそれだけ伝えたくて、
  その言葉だけ絞り出して、
  彼女の背中に投げかけたのだ。>>0:93 ]
(166) 2020/09/22(Tue) 17:39:43

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ その時の彼女が何を思ったかは、
  もう知る由もない。


  …彼女は振り返らなかった。

  聞こえなかったんだ。
  そう思うことにした。

  彼女は本当は聞こえてて、
  でも振り返えられなかったとは>>0:97
  知らないままに、

  あれはただ一時の、偶然の邂逅で、
  歌に揺さぶられた感情も、
  彼女に投げかけた言葉も全部
  ただの自分の勝手な思い過ごしだったのだ…と、

  それでも心に残る黒い澱を
  見ないように振り払って…。


  彼は歩を進めようとする。]
(167) 2020/09/22(Tue) 17:40:30

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ そこに…一陣の風が吹く。
  細めた目は、しかし次の瞬間、
  大きく見開かれることになる。

  引き寄せられるように、逆の方角に足が向く。
  熱狂と歓声の渦の中に、
  凜と立つその姿を見るために……。]
(168) 2020/09/22(Tue) 17:42:14

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 一陣の風に乗って…。
  コンペ会場からこの橋まで…。
  本来なら届くはずもない距離を超え…。]


――『エヴィ、と言います。』



[ 決して忘れられない、
  あの声が聞こえたから。>>151]*
(169) 2020/09/22(Tue) 17:43:50
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a26) 2020/09/22(Tue) 17:52:18

鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a27) 2020/09/22(Tue) 17:53:55

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―コンペ会場―



[ 雑踏をかき分けて、
  大庭園内の中心・特設舞台に近づいてゆく。


  現在の演目は何だろうか…
  ここからではよく見えないが、
  少なくとも、
  あの娘はまだ登壇していないようだった。


  コンペ会場は、朝方に来たときよりも、
  さらに多くの観客で、雑然と賑わっていた。


  さらに、朝来たときは見つけられなかったが、
  一般観衆のひしめく場所とは
  一線を画したところに、
  特等スペースのようなものが設けられている。 ]
(185) 2020/09/22(Tue) 22:44:05