07:46:59

人狼物語 三日月国


153 『Override Syndrome』

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【人】 会社員 ツグアキ



 With love one can live
     even without happiness.

  人間には、愛がありさえすれば
  幸福なんかなくたって
  結構生きていけるものである


  Happiness does not lie in happiness,
     but in the achievement of it.

  幸福は、幸福の中にあるのではなく
  それを手に入れる過程の中だけにある


    ─── Fyodor Mikhaylovich Dostoevskiy

 
(18) 2022/06/06(Mon) 16:03:34

【人】 会社員 ツグアキ

**

[ 素手でレールをひとつひとつ前に敷いて
  その上を恐る恐る歩く。
  振り返れば俺の人生はずっと、そんな感じ。

  足がつかないプールで立ち泳ぎするように
  どこに行っても酸素が足りない気がしていた。
  溺れないように、沈まないように
  つかない足でじたばたともがきながら、

  俺の口角は、
  いつもきちんと笑みの形に整えられている。 ]
 
(19) 2022/06/06(Mon) 16:05:33

【人】 会社員 ツグアキ


[ まともな側にいるためには
  多数決で勝ち続けなければならない。

  三分の二を二回続けて選ぶ確率は
  九分の四であるように、
  存外容易に少数派になり得ることに
  気付かないか、気付かないふりか。

  『本物』の『幸福』を、この手に。己が力で。

  ─── だのに嗚呼、剥がれた爪の痕を隠した手で
  握った『幸福』は、かくも脆く。

  気付かないか、気付かないふりか。 ]
 
 
(20) 2022/06/06(Mon) 16:08:46

【人】 会社員 ツグアキ




  弱虫は、幸福をさえおそれるものです。
  綿で怪我をするんです。
  幸福に傷つけられる事もあるんです。


   ─── 太宰治「人間失格」


 
(21) 2022/06/06(Mon) 16:11:04

【人】 会社員 ツグアキ



[ 今日も、また、ひとつ、
  
         みつけた。    ]**

 
(22) 2022/06/06(Mon) 16:11:36
会社員 ツグアキは、メモを貼った。
(a2) 2022/06/06(Mon) 16:14:05

到着:女子大生 マユミ

【人】 女子大生 マユミ

 
 
真に実を結ぶべきは、マユミ!

 
 
(23) 2022/06/06(Mon) 18:39:05

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
        
[ 真結実アタシには幸せになる義務がある。 ]

 
(24) 2022/06/06(Mon) 18:39:37

【人】 女子大生 マユミ



   
あ【亜〔亞〕】

    
[音]ア(漢) [訓]つぐ

   
1 上位や主たるものに次ぐ。次位の。準ずる。

   2 化合物中で酸化の程度の低いものを表す語。
   3 生物学で、生物分類上の基本単位である
     門・綱・目・科・属・種などの、
     それぞれの下位単位を表す語。
   4 アジア。
   5 (「堊あ」の代用字)白い土。
 

 
(25) 2022/06/06(Mon) 18:40:22

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
        
[ 亜結実わたしには幸せになる権利がない。 ]

 
(26) 2022/06/06(Mon) 18:40:47

【人】 女子大生 マユミ

 
 
          
テセウス

              
Ship of Theseus

 
 
(27) 2022/06/06(Mon) 18:41:09

【人】 女子大生 マユミ

 
[ クレタ島の迷宮ラビュリントスに住まう
  ミノタウロスを退治するため、
  英雄テセウスが乗り込んだ船。

           
後世に語り継がれた伝説の証。



  しかし時の流れは何もかもを褪せさせてしまう。
  老朽化したテセウスの船は、
  一つずつパーツが交換されていき、
  やがて全ての部品が新たなものへと更新された。

           オリジナルが一つも残っていない、
           この船は果たして―――……。 ]

 
(28) 2022/06/06(Mon) 18:42:49

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
[ 
"テセウスの船"
と言えるのだろうか? ]

 
 
(29) 2022/06/06(Mon) 18:43:16

【人】 女子大生 マユミ

 
[ このパラドックスの回答が是となるか非となるかは、
  どういう理屈で考えるかによって変わってくる。
  同じ様な内容のヘラクレイトスの川、
  おじいさんの古い斧なんて話もあるらしい。

       人間に当てはめた話もある。
       生まれた時から人は新陳代謝を繰り返し、
       やがて生まれ落ちたその時に存在した細胞は
       全て失われる。
       それは同じ生物だと言えるのか?とかね。

    身近な例を挙げれば、
    創業当時から継ぎ足した秘伝のタレの中には、
    創業当時に作ったタレなんて既に存在していない。 ]

 
(30) 2022/06/06(Mon) 18:44:12

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 要するに、一見同一と思えるような
  何かを構成する材料が、
  全て別物に置き換わっていても、
  同じと言えるのかと言う話。

  逆に……テセウスの船の例えで言うなら、
  交換前のオリジナルのパーツを組み合わせて
  別の船を作ったら、
  どちらが"テセウスの船"の名に相応しいか
  と言う派生もある。 ]

 
(31) 2022/06/06(Mon) 18:44:51

【人】 女子大生 マユミ

 
[ では、これはどうだろうか。
  遺伝子を同じくする一卵性双生児の姉妹がいて、

                 
うち片方が死亡。



  残った片方が妹として生きていったら?
  普通に考えれば、そんなもの別人に決まっている。
  でも、今の社会には幸福の疑似体験ができる
  アプリが存在する。


  生まれた時も同じ、設計図となる遺伝子も同じ、
  構成する細胞を生み出す母胎も同じだった。
  歩む人生は多少異なってはいたけれど、
  大きな差異はない。
  積載する経験も、『エデン』で補完が可能。
   ……まぁ、アップロードされた幸福体験に
   限られてしまうのだけれど。 ]

 
(32) 2022/06/06(Mon) 18:45:41

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
 
 
  
[ 私は果たして、
船越 真結実真に実を結ぶべき妹
と言えるのかしら? **]

 
(33) 2022/06/06(Mon) 18:46:14
女子大生 マユミは、メモを貼った。
(a3) 2022/06/06(Mon) 18:51:50

【人】 女子大生 マユミ

 
[ キャンパスを歩けば、大抵の人がアタシに振り返る。
  交友関係も広かったから、挨拶をしてくれる子も多数。
  SNSに何か発信すれば、
  通知が数分鳴りやまない程、ファボが付く。

  典型的なきらきら女子大生、
  それが
船越真結実
と言う女だ。
  「マユ〜、ランチ行こうよ!」と声がかかる。 ]


   OK、行こ行こ!気になってたカフェあるんだ〜。


[ 弧を描く唇には、
  お気に入りのコスメブランドの新色グロスが輝き、
  にこやかに振られた指先は、
  涼やかな色で描かれた花柄のネイルアートが彩る。 ]
 
(34) 2022/06/06(Mon) 23:13:04

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 
船越亜結実
はどうだったか?
  ……本当に遺伝子は同じなのだろうか?
  そう疑いたくなるほど真逆の性質を持っていた。
  俯き気味に歩く姿は、誰の目にも留まらない。
  SNSに真結実と同じものを撮って上げても、
  ファボが二桁ついたことがない。


             
典型的な、陰キャ女だった。



  しかし努力の甲斐あって、
  今の所は妹への擬態が見破られてはいない。
  "亜結実"だった頃は、
  精々ファンデーションにフェイスパウダーを重ねて、
  雑にチークをはたいて、
  色付きのリップを塗る程度だった。
  真結実が死んでから、私が"真結実"になってから、
  必死になってファッション誌を見ながら研究した。

  きらきらした片割れの人生を乗っ取るは、
  そんなに簡単な事ではないということ。 ]
 
(35) 2022/06/06(Mon) 23:14:07

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 私と真結実は、
  大学近くのマンションに二人で暮らしていた。
  実家は少し遠くて、通えない距離ではないけれど、
  移動時間があまりにも勿体ない。
  どうせ二人とも同じ大学の同じ学部生なのだからと、
  両親が家賃を負担してくれて、生活費は二人で折半。



  そのマンションが燃えたのが、今からおよそ半年前。
  燃える家具の下敷きになった真結実は、
  どう考えても助かるとは思えない状況で、
  
私は一人無事逃げ出した。……見殺しにしたも同然だ。

  煙を吸ってしまったせいで、
  マンションの入り口付近で意識を失ったけれど、
  それほど大きな怪我をすることもなく、
  救急隊に助けられた。 ]
 
(36) 2022/06/06(Mon) 23:15:31

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 病院で目を覚ました時、
  母が「貴女だけでも無事で良かった!」
  と抱き着いて、
それで真結実の死を確信した。
 
        
         ナースコールで呼ばれた看護師が、
         私の様子を確認して、
         「記憶に問題はありませんか?
          お名前をフルネームで言えますか?」
         そのように聞いてきて、私は……。 ]



   はい。
私……いえ、
アタシは
船越真結実
です。


[ この瞬間に、船は偽物にすり替わった。 ]
 
(37) 2022/06/06(Mon) 23:16:33

【人】 女子大生 マユミ

 
[ ずっと一緒に暮らしてきて、
  
学校もずっと同じだった。

  
だから、真結実の大抵のことは知っている。

  
火事の後、真結実のスマホは

  
そのまま使い続けるのは無理でも、

  
データの方は割と無事だったので、

  
真結実がエデンに投稿したものは、

  
恐らく全て把握している。

  
タイムカプセルを開けるように、

  
丁寧に一つずつ味わった。

  
真結実の人生が輝いていたのは知っている。

  
それでも、専用のイヤホンから流れ込む

  
多幸感の甘美さたるや。



                
―――魅了された。


  今この幸福は、私の手の内にある。
  真結実のしてきたような努力を
  一切してこなかった私だけれど、
  これからは私が、
  失われてしまったこの得難い人生を守るのだ。
  
浅ましくも、そのように自己弁護したこともある。 ]

 
(38) 2022/06/06(Mon) 23:17:44

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
    
[ 本当に亜結実わたしは、どうしようもない
ね……。 ]

 
(39) 2022/06/06(Mon) 23:18:03

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 友人たちとのランチで、弾む恋バナ。
  「あの時、マユが機転効かせてくれて助かったよ〜」
  なんて言われて、友人に肘を小突かれた。
  どうやら真結実が咄嗟についた嘘が、
  彼女の恋路を守ったらしい。 ]


   あ〜、そんなことあったね!
   まぁほら、困った時はお互い様ってことで。
   アタシが困った時は助けてよね。


[ その言葉に別の子がハッとして、
  「それってミナコじゃなかった?」と言って、
  周囲の気温が下がる。
             ……しまった。とはいえ、
             こう言う事はよくあるので。 ]

 
(40) 2022/06/06(Mon) 23:18:45

【人】 女子大生 マユミ

 
 
   あ、そうだったっけ?
   ごめんね。火事の後は細かい記憶がちょっとね……。


[ 流石にこれを言われて、深追いできる人間はいない。
  
細かな記憶の齟齬は、全てこの一言で片を付けていた。

  ランチが終われば、私は病院に行く予定だったし、
  それぞれにも用事があったのでそのまま解散。 ]
 
(41) 2022/06/06(Mon) 23:19:36

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 実家の近所に、かかりつけの病院がある。
  真結実はマンションに引っ越してからは、
  それほど行かなくなったようだけれど、
  私は少し距離が離れても、その病院に通い続けた。

  やっぱり新しいお医者様と接するのは、
  緊張するじゃない。
  
私の事を分ってくれている人の方が、信頼できるし。



  担当医は東雲早希先生。>>13
  人当たりの良い、柔らかな印象の人で、
  陰キャの私にも比較的接しやすい人物だと思う。
  火事の時に搬送されたのは大きな病院だったけれど、
  そんなに大したことはなかったから、
  すぐにまた、こちらの病院に通うようになった。

  主に片頭痛用の薬と、
  火傷痕に塗る軟膏を貰いに行っている。 ]
 
(42) 2022/06/06(Mon) 23:21:10

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 受付で手続きを済ませ、待つこと暫し。
  名前を呼ばれれば、診察室に入った。 ]


   やっほー、先生。
   今日も頭痛薬と軟膏、貰いに来たんだけど?


[ 軟膏は兎も角、頭痛薬を貰う頻度は、
  "真結実"のそれよりも格段に増えている。
  元々姉妹揃って頭痛持ちではあったけれど、
  真結実は私よりも頭痛を起こす頻度が低かった。
  多少の違和感を覚えたりはするかもしれないが、
  これだけで私が"亜結実"であると勘づくとは思えない。

  流石に片頭痛を薬に頼らず乗り切るのは無理だった。
  飲んでいた薬が同じで本当に良かった。 ]**
 
(43) 2022/06/06(Mon) 23:21:57

【人】 内科医 カナ



  [普通、ってなんだろう?>>17
   誰が決めるんだろう?

   そんな事聞くのはいつだって普通側の人。
   普通側の人間が普通じゃない人間の心に寄り添う、
   歪にも見えるそれが治療というもので

   その不安定さに触れるのが、心療内科医の務め。]



(44) 2022/06/07(Tue) 0:47:44

【人】 内科医 カナ




   長い闘いになると思います。

         でも、きっと大丈夫です。


  [一日に何人もやってくる患者に私は伝えると
   震える手を優しく両手で包み込んで。
   あなたは独りじゃないと伝えると
   模範的な医者のように患者を励ます。

   何度口にしたか分からない気休めでも
   そこに安堵を感じる患者が沢山いたから
   私はどんな時でも彼らを励ます言葉を送り続けた。]


(45) 2022/06/07(Tue) 0:48:50

【人】 内科医 カナ



  [その甲斐あってか、私の診療所には
   評判を聞いた患者が多く来院するようになる。

   それはある種の希望のようなものだったのか
   その正体は彼らにしか分からない事だけど。

   なんにしたって、私は必要とされていた。
   彼らに.....蔓延した病気に苦しむ患者達に。]


(46) 2022/06/07(Tue) 0:49:42