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【人】 リカちゃんパパ 敷島 虎牙汚くないって、言ったでしょ。 [足の指を離した舌を、土踏まずまで つう、と滑らせながら 俺は千由里を足越しに見下ろして笑う。 草むらの野いちごみたいな、 野性味溢れる官能が口の中に溢れてく。 湧き上がる愉悦を口元を緩ませて 両足とも、千由里の足を清めていく。] (382) 2021/07/05(Mon) 21:31:20 |
【人】 リカちゃんパパ 敷島 虎牙[そうしたら、千由里の手が 俺のTシャツの中に滑り込んできて、 裸の肌に触れていく。] ……そうだね、俺も見せないと不公平だ。 [悪戯っぽい笑みと共に 俺はベッドに膝立ちになったまま 自分のシャツの裾に手をかけて ばさり、と放り投げる。 週3のジム通いで、うっすら皮膚の下に 筋肉の隆起を浮かせた肉体を露にして さあ、次は……って千由里に向き直った矢先。] (384) 2021/07/05(Mon) 21:31:48 |
【人】 リカちゃんパパ 敷島 虎牙…………? [不安を浮かべた目に、首を傾げていると 千由里の腕が顕になる。 白い腕に何度も刻まれた 痛々しい「寂しい」の痕跡に 俺は一瞬息を飲む。 女の子の汚れのないまっさらな肌の上の 消えない傷に、今しがたの淫猥な雰囲気が すっとなりを収め、代わりに湧いてきたのは 「ああ、この子もおなじなのか」って───── ] (385) 2021/07/05(Mon) 21:32:16 |
【人】 敷島 虎牙ちゆ。 [小さく震える千由里に声をかけて 傷のたくさん刻まれた方の腕を取って そこへもねろりと舌を這わせた。] あまい。 ……アイスクリームみたい。 [にやにやと笑うでもなし、 何か神聖な儀式みたいに ぷっくりと肌の上に浮いた傷の凹凸を 味蕾の上で確かめていく。] 自分が不確かな時って、あるよね。 自分がここにいるのか、自信なくなっちゃって。 [そんな時、自分を受け止めてくれる人の存在が どれだけ愛おしいかも、俺は知ってる。] (387) 2021/07/05(Mon) 21:33:16 |
【人】 敷島 虎牙……でも、今ここにちゆと一緒にいる俺は その不安な気持ちを知っている。 おそろい。 [傷の一つ一つを確かめ、その上にキスしても 悲しみも苦しみも癒えやしない。 結局、傷の舐め合い、って思うかもしれないけど] ちゆ、まだ傷は痛い? [俺は千由里の目を覗き込んで尋ねる。 傷の全てにキスをしたなら、 改めて、千由里の頬に手を添え 優しいキスをひとつ。] 今は、今ここにいる俺は 全部ちゆのものだから。 俺の「寂しい」も、「愛おしい」も。 だから、ちゆの「寂しい」も 今は一旦、俺に全部頂戴。* (388) 2021/07/05(Mon) 21:33:54 |
【人】 敷島 虎牙[別に慰めでもなく、偽りでもなく 舌を滑らせた肌は甘かった。 ちゅ、と吸い付くと時折ほろ苦い鉄の味がして それがまた舌を楽しませてくれる。 それを説明する代わりに、 赤を肌に刻むように、強く強く吸い付いた。 「優しい」大人の顔のまま。 千由里の冷たい手が、火照った身体の上を滑ると 背筋がどうしようもなく ぞくぞくしてたまらなくなる。] 俺は、好きだけどね。 [弱いところを全部無防備に さらけ出しすこのひとときは まるでセックスにも似ていて] ……いいじゃん。 [千由里の腕をを最後にひとつ舐めて そう笑って見せた。] (454) 2021/07/06(Tue) 18:35:13 |
【人】 敷島 虎牙めんどくさくて可愛くなくて 寂しがりのどうしようもないちゆでも 嫌いになったりしないよ。 [何度目かのキスを受け止めたら また何度目かの俺からのキスで返す。 可愛くて、可哀想な俺だけのちゆ。 もう子どもの声も、妻のため息も 何処からもそんなの聞こえなかった。] (455) 2021/07/06(Tue) 18:35:36 |