174 完全RP村【crush apple〜誰の林檎が砕けたの?】
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[工藤はゆっくりと瞬いた。
まだ意識が戻りきらない。
夢と現実の狭間で、名前を聞いた。]
……………………。
[何も言わぬまま、もう一度目を閉じた。
朝霞さんも帰ってきているはず。先にいる今泉先輩や武藤先輩、香坂さんのことも、探せば会えるだろうか。
けれど今はただ、眠ろう。]*
[最後に一瞬だけ、自分のために駆けてきたのだろう姿が見えて、嬉しくて笑って。
そして目を覚ました。そこは病室。
周りを見渡さなくても匂いと雰囲気で分かる。
それぐらい馴染み深い場所だったから。
横を見ると、お見舞いのためにおかれただろうフルーツの籠があって、その中の林檎を目に止めて、目を逸らした。]
帰ってきちゃった、か。
[でも、津崎さんが自分のために駆けてきてくれたことは事実で、それだけは喜んでもいいと思う。]
[目を閉じると、いつの間にか夢に舞い戻ったようで。
私はそこで、次の名前を聞いた。
身体が震えた、私はどんな表情をしていたろう。
でも、と思った。でも。
もし津崎さんが死んでしまっても、私は彼を好きになったことをきっと後悔しない。
それを直接、伝えておくべきだったのかもしれなかった。]
[だってもう、好き嫌いに関わりなく、自分は一人の命を奪っている。
その重さ、その辛さ。
自分で決断したのと、災害で奪われるのとではまた違うと言われそうだが、命の重さに変わりはない。
では何故話せなかったか?
それは彼女が絵画であり、人間の命と違うと言われたら、そこまでであったこともあり、同時に殺人をした人間に好意を抱いてくれるのかという葛藤があったせいでもあろう。
それでも命の重みは、しっかりと確認したはずだった。
結局足りなかったのは、向き合う時間と勇気か。
もう二度と会えないかもしれない、そんな彼に想いを馳せながら、後悔をして、また眠る。]
[天使が告げた名を聞いて、安堵半分と落胆半分の複雑な感情になる。
一番大切な一人に漸く会えるって喜びと、一番大切な一人と会えなくなるかもしれない恐怖と。
誰の名が呼ばれたとしても常に複雑なのは変わりないのだけど、それでも]
………、徹っちん…、
[欲張らないとは決めた。
二本しかないと言われた手で掴める物だけって。
それすらも欲張りだと言うのだろうか。神様は。
──大丈夫だ、徹っちんは最後に「またね」と言っていたから。
本当に、軽く。いつもみたいに。]
[それでも自分の気持ちを伝えたこと、それを自覚したこと。
それだけは後悔していない。それだけは確かだ。]
[すぐ近くにトラくんがいた、同じように津崎さんの側にいたせいだろうか。
彼は複雑そうな顔をしている、それはそうだろう。
親友二人を残して、そして残された親友の一人は死んでいるかもしれないのだ。]
ごめんね、私。上手く、寄り添えなかったよ。
[小さく、本当に小さくそう呟いた。]
[死んでいてほしいわけじゃないし、むしろ死んでいたら嫌だ。
でも、嫌でもそれがあり得る状況で、ただ好きなのと、たとえ死んでいても好きなのとは重さというものが違うのかもしれなかった。
死んでいても、最低な言葉なのかもしれないけれど、それは最大限の言葉でもあったのかもしれない。
好きだと伝えた上で、死んでいたら嫌だけど、それでも好きだと言っていたら、何か変わっていただろうか…?
考えても仕方のないことを考えながら、とりあえず隣に寄り添った。
こちらの夢の中では、足は痛まなかったから、好きなだけ寄り添っていられる。]
[微かな声に視線を移す。
じゅじゅだ。
一瞬、自分に話しかけたのだとわからなかった。
先程までずっと誰にも視認されなかったのもあって、ああ、天使が現れた後のことだから、じゅじゅも夢を見ているのかって理解に少し時間がかかった。]
謝ることはないぞ。
徹っちんはさ、自分をあまり大事にしないから。
だからほっとけないんだけど…、
徹っちんが起きたら、また寄り添ってあげて欲しい。
[その時はきっと、忘れてほしいなんて思わないはずだから。]*
うん、本当に、そうかもしれないね。
津崎さん、他人のことを優先しすぎるから。
それは黒崎さんも、トラくんにも言えることだけど。
ヴィランズじゃなくて、ヒーローズなのかもね。
…寄り添っても、いいかな。
こうして、夢で見れるってことは津崎さんのことを私が傷つけたの、多分見たでしょう?
それでも、寄り添ってもいいって思える?
[許可を求めながら、私は寄り添いたいと思っていた。
津崎さんが目が覚めたら、今度は言いたいことを全部言って、それから寄り添おうと。]
早く、二人が起きたらいいね。
私はいつも三人一緒にいてほしいと思ってる。
[それは小泉さんの死を願う言葉。でも、今は口に出した。
三人が一緒に生きてくれること、それは一番最初から願っていたことだ。
それで、小泉さんが犠牲になっても、いいとは言わないけれど。
彼に許されようとは思わないから、また三人が一緒にいれたらいいと思う。]
オレは結構自分本位だけどな?
はは、ヒーローズだったらやられ役じゃないから良いかも。
…じゅじゅと徹っちん二人の会話は聞いたわけじゃないけどな、何があったかは両視点から何となくわかる。
それでも寄り添って欲しいと思うよ。
徹っちんをじゅじゅが傷つけて、じゅじゅを徹っちんが傷つけたとしても。
それはお互いにしか癒せない傷だとオレは思うし。
[三人一緒にの言葉には小さく頷いて。]
ありがとう。
オレも二人に早く会いたい。
それにじゅじゅが特別大事な人と一緒にいるところも見たいかな。
[自分勝手だと思うオレの願いをはっきり口にされて少し気が楽になる気がした。
自分の入っていない関係間に一緒にいてほしいと願ってくれる優しい後輩。
彼女が誰かと幸せに過ごすところはオレも見たいから。
それがオレの大事な友達であれば尚、嬉しいというのは個人的な願いだけれど。]*
[虚勢を張らせてしまったのは私だ。
でもそれは、虚勢を張らせたかったわけではなく、ただ、生きてるって思いたくて。
生きてるって確認すれば、生きていてくれるのではないかと。
でもそれが、彼にとって辛い虚勢を張らせるきっかけになっているなんて、気づけなかった。
生きているか死んでいるか分からない状態で、生きていてほしいという想いが、生きてるって言わせてしまった。
死んでるかもしれない、なんて言葉に出しても大丈夫だと思えるくらい、頼れる人間になるべきだったと思う。]
──現実・病院──
[どれくらい眠っていただろうか。
微かに歌が聴こえる。
そういえば流したままだったと枕の傍らに投げ出されたスマホに目をやれば、徹っちんが歌っている姿が目に映った。]
………、
[夢の中でじゅじゅと会った。
ミサミサとも会っただろうか。
二人とももう還ってきてはいるのだよな、と覚醒仕切らない頭で思う。
じゅじゅの病室を訪ねた時は家族か親戚か、誰かしらがいて入りづらい雰囲気だったろうか。
そうであれば売店で買った梅しばの大袋というあまり色気のない手土産をその場にいる誰かに渡すなりして病室を後にする。
眠っていれば会えるだろうし、多分じゅじゅは夢の中であいつに寄り添うことを優先したいだろうから。]
[ミサミサへは何を持っていけば良いのか思い当たらず。
アレルギーや好きな食べ物のLINEは返ってきてなかったと思うし、何か食べてるところを結局見てない。
女子グループで会話していたのを見た時はおやつを食べてたかどうかも定かではないし、あれは本人ではなかったらしいし。
悩んだ結果、売店にある適当なレポート用紙と筆記具を買って持っていくことにした。
課題も何も今更ないけど、あの状況でも課題をやると断言したことを思い出して。
面会できそうならとりあえず元気かって聞いて。
まだ眠っているようなら土産だけ置いておこう。]*
ずっと側にいるよ、遅くなってしまったけど。
最後の最後で追いかけられなかったけど、あなたはいつも私の声を追いかけてきてくれたから。
電話をかけたら必ず取ってくれたし、会いたいと言ったら必ず会ってくれたから。
もう、声も聞こえないし、姿も見えないみたいだけど、それでも側にいるよ。
遅くなってごめんね。
[落ちている、といった津崎さんをそっと横から見守る。
何だか一周回って落ち着いていて、でもそれは本人の言っている通り、落ちているせいで、平気なわけではないんだろうということは伝わる。]
小泉さん…
[残る三人のことを頼んだ。自分には何も出来ないからと。
一人で到底三人はカバーしきれないかもしれないが、小泉さんなら出来る限りのことはしてくれると思った。
それは話を聞いたり、一人でいたくないときに追いかけるといったこと。私には出来なかったこと。]
【病室にて】
[とろとろとした微睡みから目が覚めて、もう一度眠ろうと毛布を被る。
眠気はずっと頭の中に居座っていて、眠ればそこに津崎さんがいる。
眠りたくなくても眠れない、会えないなんてことがなさそうなのが救いだった。
でも今回は、傍らにいたお母さんに声をかけられて。]
何?
あ、林檎は剥かなくていいよ、お腹空いてないから。
[何か食べさせようとしてくれる気遣いは嬉しいが、今は林檎は食べる気になれない。
嫌悪感、というほどのものは、今は感じないが。
自分が殺した女性と、今、生死の境目にいる大切な人。
両方を思うと、食べる気になれなかった。]
絵を描きたいから、もし出来たらだけど、次のお見舞いはスケッチブックとペンを持ってきてくれると嬉しい。
[絵を描くと約束した。
病室の中でもそれは出来るだろうと思って、そう、お母さんに言った。]
[お母さんが出ていくとき、人影が見えて、それが誰だかは分からなかったけど、多少何かを話していたように思う。
それからお母さんがしかめ面をしながら、金髪の男の人があなたにお見舞いってこれを渡していったわよ、なんて言って戻ってきた。
フルーツの入った籠の横に置かれたのは、梅しばの大袋。
ああ、トラくんだ、と思った。
多分、今戻ってきている人の中で、そのチョイスをするのはトラくんしかいない。]
友達。
[そう一言、返事をしたときのお母さんは、まあ嫌そうな顔で。
元々、トラくんは、ぱっと見た感じでは不良に見えるので、それも理解できないことではないのだけど。]
私も、そんなに酷い骨折じゃないし、お見舞いいけるかもしれない。
[そんな言葉はすげなく断られたけど、お見舞い品は代わりに渡してくれるといったから。
トラくんに、チョコレートの差し入れをすることにした。]
【夢の中で】
[一人で歩きたいかもしれないけど、私は側に居ようと思ったから、てくてくと津崎さんの後を追いかけて一緒に展示を見ていた。
一緒に展示がみたいって言ったのに、それすらおざなりで帰って来てしまった自分。
こんな形でも、一緒に展示が見れることに、少し喜びを覚えながら。
いい絵だな、と津崎さんが言った風景画は美術館に向かう間の風景を切り取ったみたいで、何だか皆でバスに乗っていたのが遠い昔のように思えて、少し切なさを覚えたけど。
皆との思い出の一風景を切り取ったような絵は、確かに綺麗だと思った。]
[ゲルニカ。タイトルだけは、どこかで聞いたような絵。
その人々のもがき苦しむ姿、それがとても、見ていて辛い。
今みたいだ、の声にそちらを向くと、少し絵に近寄って、絵を見上げて目を閉じる津崎さんの姿が見えた。
今、みたい。確かに、そうなのかもしれない。
傷つけられて、もがく彼の姿。
それはこの絵に描かれた人たちと何ら変わりはないのかもしれない。
そんな思いで、目を閉じた彼を見て居ると、ふとこっちをみた。
気のせいか、と。]
…びっくりした。
[一緒にいるのに、気づいているのかと思った。]
[電話を取ったから、少し聞くのは忍びなくて、少しだけ離れたら、駆け出していった。
一瞬、びっくりして足が止まるけど。
今度は、その背中を追いかけた。
誰かのために走っているんだろう、そこに私がいてはいけないのかもしれないけれど。
それは、その場所についたとき考えればいい。
今は、ただ、津崎さんの背中を追いかけた。]
──夢──
[「起きたら」と希望的な未来ばかりを話してきたし、「死んでいたら」の話題は敢えて避けて話していた。
この夢の中にいた時から目を覚ましてからもずっと。
徹っちんと話す時は特にそうで。
それが虚勢と優しさだとは気づいて無視していた。
曖昧な「誰か」が死んだって確定した未来は、まだその確率が低いうちはそう思っていられたものがどんどん答えに近づくにつれてそんな希望を口にするのも難しくなるのだとわかってはいたのに。
自分の死の確率が上がっていく中で、徹っちんはじゅじゅに「忘れて幸せになってほしい」と言った。
それが相手の幸せだと思うから、そう考える奴なのは知ってる。
だけど、もしその信じたくない未来が確定してもじゅじゅに徹っちんのことを忘れてほしくない。
徹っちんの願いを無視してそんな風に思ってしまうのはオレの我儘だから、口には出せないけれど。
心配そうに寄り添う様子を見て、余裕なんてなかったと吐かれる弱音を聞いて、これ以上避け続けられそうにない可能性の想定に苦しくなった。]
[松本さんがぐったりと、スタッフルームのベッドの上に寝ている。
その様子を見て、そうだ、次は彼が目覚めるんだ、と何故かは分からないけど、今、このタイミングで実感した。
今こうして眠っている経緯は分からない、分からないけど。
そのぐったりとした様子を見て。
目覚めたくなかったんだと、ただ、そう思った。]
[徹っちんと先輩が話している間は、その会話を聞いていた。
どちらかが死んでしまっていることが決まっている二人。
胸中が穏やかなんてわけないと思っていたし。
ただ、先輩は。
呼ばれることを恐れている側だった。
やたら冷静なことに違和感はあったけど、だからって死にたいと思っているなんて。
何も知らないのは先輩がうまく隠してたからなんだろうけど。
そのことを知る人はいたんだろうか。
なんとなく、いない気がした。
先輩は周りのことばかり気にかけていたから。
先輩と会話を終えてからどこかへ歩き出す徹っちんの後は追わず、じゅじゅが寄り添って歩いていくのを見送る。
観たいと言われてオレが嫌な顔した、あの絵。
名もない人の目で見た景色を閉じ込めた作品。
此処にいるうちに一緒に観ればよかったなって何故か思い出していた。
ここから去る前、一緒に観に行くかと少し考えはしたんだけど。
あの時泣いてしまったら、絵のせいだとしても、なんか、最後の別れみたいになりそうで嫌だったんだった。]
[それから、慟哭がどこかから聞こえて。
先輩が駆け出して、その後を追った。
蹲るまつもっちゃんと、悲痛な声をかけているくっきーがいて。
先輩が取り乱す声を聞いて、漸く、ああ、死のうとしたのかって理解する。
オムライス作る人になるから食いにこいよっ言ってたこと。
生きてたら、矛盾抱えてても生きるってミサミサに言ってたのを思い出して。
だけど、どうして、とは思わなかった。
「みんなに幸せになってほしい」ってまつもっちゃんの願いは、この人が生きることと同時には成り立たないってわかっていたから。
徹っちんや先輩の二人だけ残して還るなんてきっとしたくなかったに違いないから。
スタッフルームに運ばれて、深く眠っているようなまつもっちゃんの顔を見つめる。
生きててよかったって思うのに、それを喜んで良い気がしなくて。
二人で話をしたいと徹っちんが言ったら、なんだかその場にはいてはいけない気がしたから、オレはその場からは立ち去るだろうけど。]
…じゅじゅは、二人のこと、見ていて、見守ってて良いんじゃないかな。
[見守っててほしい、とは押し付けてしまうみたいで言えないけど。
二人が屋上に行ってた時、真っ先に心配したじゅじゅなら、まつもっちゃんに言いたいことがあると言って伝えられていたはずの彼女ならって思ったから、そう声をかけた。]*
…そうかな、津崎さんが二人にしてほしいって言うなら、二人きりにするべきなんだと思うんだけど。
多分ね、聞いてはいけないことだと思う。
津崎さんがそういう風にいうのって、私、あんまり聞いたことがないから。
津崎さんの松本さんを想う言葉は、多分、松本さんだけのものだから。
私は、そこを覗き見して、それを奪ってはいけない。
でもね、ありがとう、トラくん。
私が津崎さんの側に居たがるって思ってくれたんだよね。多分。
話が終わったら、また私、一緒に居ようと思う。
[何を話すのか、気にならないわけではないけれども。
わざわざ二人にしてくれ、なんていうのなら、それは大切な意味のあることで。
私は、スタッフルームの外に出て、そこで話が終わるのを待っていた。]
…そっか、そうだな。
二人にしかわからない話もあるだろうから。
悪い、余計な気を回した。
話が終わったらまたそばにいてやって。
[確かに、じゅじゅと徹っちんの会話はオレも聞かなかったし、気になることでも聞くべきじゃないと思うことはある。
徹っちんが倒れていた屋上で、あの後二人が何を話していたかは知らないけれど、二人にしておこうと思ったことを思い出して。
スタッフルームから出れば、外で待つ様子のじゅじゅを残してその場を離れた。]**
【現実・病室にて】
[スタッフルームの外で、話が終わるのをじっと待っていると、突然視界が真っ暗になって、そこから徐々に意識が覚醒して、目が覚める。
横にはスケッチブックと筆記用具を持ってきてくれたお母さんがいる。
時間を見ると、まだ前回から数時間も経っていない。
トラくんにお見舞いを渡すだけでなく、わざわざ欲しいと言ったものを買ってきてくれたようだった。]
ありがとう、お母さん。
でも、あんまり怪我は酷くないから、そんなに頻繁に来なくても大丈夫だよ。
親戚の人たちにも、大丈夫って伝えておくね。
[そう言っても中々離れないお母さんに、大丈夫だと重ねて言って、病室から出ていく姿を見送る。
心から心配してくれているのが分かる、でも、本当に大丈夫だから。
私は、スケッチブックを開いた。
お見舞いに置かれていたフルーツの入った籠、その中の林檎。
見たくない気持ちはあったけれど、恐る恐る見て、そしてスケッチをする。
絵画の中の女性を、私を想ってくれた女性を考えながら筆を進めた。]
──現実・病院──
[寝たり起きたり繰り返している合間、少し前にじゅじゅのかーちゃんが来た。
お返しにともらったチョコレート菓子の箱はどう考えても梅しばの10倍以上の値段の代物だったので面食らったけれど。
三人一緒にいるのが良いと夢の中で言われたことを思い出せば、一人で食うには勿体なさそうなそれをありがたく受け取っておいた。
足の怪我のためか本人は会いには来られないらしい。
じゃあこっちから行こうかと思ったけど、おそらく歓迎されていないことは雰囲気から察せられたのでやめておく。
いかにも箱入り娘って感じだもんな、という感想が浮かぶ。
うちはといえば親が必要な日用品とか着替え持ってきた以外は、
まるで健康体なバカ息子の心配をして損したと呆れて帰ったきりなのもあり。
病室覗いた時も、売ってるの見たことあるけど買う機会まずないシリーズの果物バスケットとかあったし。
病弱な娘とはその辺の扱いは家族間でも違いそうだ。]
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