【人】 調査員 バーナード【あれから】 [コールドスリープを終え、ルヴァと話をして、アマノの相談を聞いて。 ラサルハグに告げ口して……その後、僕の計画についての話もあったかな。 スピカの様子は心配しつつ、ダビーと時々、見守ったりしたかもしれない。 ゾズマには遺言の話忘れてなんて言って、サダルにもいろいろ謝ることがあって。 ゲイザーには、あんまり密に話せなかったぶん、雑談をした。どこまで見えてたとか、また君の料理も食べたいとか。 そして。] (256) 2022/07/23(Sat) 3:04:38 |
【人】 調査員 バーナード[はじめは、食堂。 その後何を食べたか日誌をつける姿を、見守って。 それから、アンテナとやり取りするのを見ていた。 アンテナがあんな風に喋るなんて知らなかった。 幼い子供と母か姉のように過ごすのを、見ていた。] (258) 2022/07/23(Sat) 3:05:15 |
【人】 調査員 バーナード[治療ポッドに眠るようになってからは、じっと傍で見守っていた。 毎日、毎日、繰り返し。 だんだんと、眠気が強くなってきた。 他にも眠ってしまった仲間がいたっけ。 こうして精神も、眠りにつくんだそうだ。 日がなうつら、うつら。いつだったかもこんな風に眠気に負けたところを、君に叱られたっけな。 起きない日が増えてきた。 気がつくと日付が飛んでいる。 それでも起きている限りは、傍にいた。] (259) 2022/07/23(Sat) 3:05:34 |
【人】 調査員 バーナード[その感情を、なんと呼ぶのか知らない。 恋や愛では、ない気がしていた。 彼女を見舞いたい人は多いだろう、ポッドの傍に誰か来るなら少し場所を開けたし、他愛もない話もした。 僕のものだ、なんて気持ちはなくて、けれどどうしても、離れたくなくて。 知る限りの言葉で表すなら、後悔と、祈り。 ごめんなさい。あのときあんなこと。きみとしたいことがあった。どうかたすけて。そんな想いが、近い気がした。 どうかあのバイタルサインが、目覚めの日まで消えませんように。] (260) 2022/07/23(Sat) 3:05:56 |
【人】 調査員 バーナード[いつの間にか、バーナードの精神は目覚めなくなった。 夢も見ない深淵に呑まれて、けれどそれでも、チャンドラの未来だけを願っていた。] (261) 2022/07/23(Sat) 3:06:17 |
【人】 調査員 バーナード嫌だ! [部屋には、今日も拒絶が響いていた。 重力適合のための休養、長期スリープ明けの検査。それが終われば連日のメディアの取材があった。 長期航海を行う調査艦の、不運な事故。あの時空ハリケーンは地上にすら影響を及ぼした側面があるそうだ。 それに直接巻き込まれて、奇跡の生還。そんなふうに世間が面白おかしく騒ぐ。 想定外だったのは、"ノイギーア"が食いついてきたことだった。] (262) 2022/07/23(Sat) 3:07:54 |
【人】 調査員 バーナード[母星はバーナードの身体を、長期航海に加えて音波・磁気の耐性、コールドスリープからの生還その他諸々の観点から、 貴重なサンプル として扱おうとした。さあ星に帰って検査を、調査を、研究への協力を。 わらわらと寄ってくる研究員たちは、ひどく気味が悪かった。 アマノの隣はあんなに気楽なのに、彼以外の研究員は、こんなにも悍ましく受け入れがたいものだったろうか。 バーナードは日々、帰還を断っていた。] (263) 2022/07/23(Sat) 3:08:20 |
【人】 調査員 バーナード[理由はいつも同じ。 まだチャンドラが目覚めないからだ。 こう言うとだしに使っているみたいだが、違う。 はじめに帰還要請があったときから、同じ理由で断っている。 なのにこちらの気も考えず連日連絡、ついには逗留先の病室まで押しかけてきたから、気味が悪いと余計拒絶しているのだ。 思う。 僕はたしかに、この星の生まれなのだと。 この、己のことを人とも思わぬ所業は。 いつかの日植え付けられていたあの思考と同じだからだ。 ] (264) 2022/07/23(Sat) 3:09:36 |
【人】 調査員 バーナード[それでも、折れる日が来た。 改めて彼女の目覚める確率が低いことが示されたからだ。 検査と調査が終われば帰してもらう約束で、ノイギーアへの連絡船に乗った。] (265) 2022/07/23(Sat) 3:10:24 |
【人】 調査員 バーナード[帰らない数年のうちに、母星には変化があった。 大きなものは、強化実験体の婚姻や子を成すことへの制限が撤廃されたこと。 まだホルモン抑制は続いているようだが、希望並びに強い感情があれば規制されない。 人間に移植が出来るんだから、細胞に悪影響があるなどというのは方便だといったチャンドラの言葉は正しかったんだろう。 なにせ、許可されるきっかけになった出来事が、研究員と実験体が恋仲になってしまったからだというのだ。 結局のところ、彼らのエゴひとつで強化実験体のあり方なんてのは簡単に変わってしまう。 なんだか急にばからしくなって、されるがまま研究材料になっていた。] (266) 2022/07/23(Sat) 3:10:52 |
【人】 調査員 バーナード[それから約1年、よりは少しばかり早く。 バーナードに帰還の許可が出た。 ――チャンドラ・L・セリーニの、訃報が届いたからだ**] (267) 2022/07/23(Sat) 3:12:08 |
【人】 調査員 バーナード[>>321一通りが終わった頃、疲れた顔、とアマノに指摘されれば、そちらを緩慢に振り返り。] んー? へーき、少しねむい……かも。 [なんて、笑って誤魔化した。 実際、いろんな解析にかけられいろんな組織を採られ、血も体液もいろいろと抜かれて、維持の輸液を与えられたところで体力は若干落ちている。睡眠時間は長くなっていた。 精神的にも疲弊していたし、4年前に見せていた雰囲気とまるきり同じとはいかないが、それでやりきれる、と思って。] ええ? 言ったじゃん、前、連絡くれたとき。 長期航行と、事故とか、コールドスリープからの生還とか、いろいろ、身体にどういう影響が出たかって、検査とか調査とか……ほら、一回コールドスリープした組織からの再培養だとより強いものが出来るんじゃないかとか…… [何されてた、と声音を強張らせる様子には、文字情報には載せきれなかったいくらかの現状を語る。 あんまり触れないでほしいな、と内心思うが、しかしてそれは許されなかった。] (332) 2022/07/23(Sat) 14:04:35 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新