45 【R18】雲を泳ぐラッコ
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[私はわざと大げさに口元を抑えて、
笑顔を伝えようとする。
表情が見えなくたって、ボディランゲージなら見えるよね。]
[私たちも夜に塗られて、
一つの大きな闇になった。]
[次の日も、その次の日も、私は図書室へ通い詰めた。
少しずつ、私たちの世界の差に目を向ける。
目をそらしていた溝の、絶望的な深さを知る。]
[卵60個食べて筋骨隆々になったのは
確か町一番の変わり者に恋した力持ちだっけ?
本ばかり読む変わり者には
ぴったりかもしれないけれど、それはさておき。
滑るペン先を見つめる瞳が
じっと紙に注がれているのを感じながら
俺はくるりとペンを回す。]
嘘なのかよ。
[聞こえてないだろうけどノリツッコミ。]
[でも、ほら。
俺なりのプロポーズに
隣の影が大仰に驚いてみせて。
(そういう反応が女の子なんだよ)
心の中で語り掛ける。
しばらく待っていると、
震える黒炭の筆跡が、ゆっくり、ゆっくり
菜月の気持ちを表してくれる。
強くて、背が高くて、女子っぽくない菜月の
やわらかくて、繊細な心の中を。]
[窓の外が暗くなっていく。
星も見えない真っ暗闇が、
図書館の中を満たしていく。
紙が、もう見えない。
シャーペンの軌跡も、ブルーのボールペンも
ダサい天使の描かれたピンクの便箋も
全部全部、黒一色に染め上げられて。]
[その一瞬、隣に座る影の手に
俺は自分の手を重ねた。
結局その手は何にも触れないまま
すとん、と木の机に受け止められたけど
心做しか、辺りを包む暗闇は
とくり、脈打つような温かさだった。]*
[「大事にね。」の文字が掠れた。
黒や赤より使わないから、と選んだ青いインクが
もうすぐ無くなりそうになっている。
別に違う色のインクを使っても
菜月は何も言わないだろうけれど
─────何となく。]
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