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【人】 マリィ[そんなことを言ってるうちに 栗の季節は過ぎて、 白菜とかネギの美味しい時期になった。 コロッケのラインナップに カニクリームコロッケが入ったり ハンバーグのソースもきのこから デミグラスに変わっていく。 飛行機もホテルも予約して、 ガイドブックも付箋だらけになった。 北海道旅行の日程は、指折り数えられる程 ぐっと近くなっていたでしょう。 アタシは結局、来年までシェアハウスの話を ずるずる持ち越す気でいたし、 あれからアタシから由人を求めることも無かった。 「何も無かった」みたいなフリするのだけは アタシ、とっても慣れっこなんだもの。]* (88) 2020/09/13(Sun) 13:13:04 |
【人】 かみさま 尊龍[赤い髪留めを届けた後は何事もなく祠へ帰り。 また犬の体に戻ってごろんと明け方まで眠っていよう。 そうしていれば、朝も早くからエリサがやって来た。 私は犬の体を起こしてわんと挨拶] わんわんっ [こんな朝早くからどうした? なんて犬語で聞きつつ、供え物をくれるなら喜んでばぐっといただこう。 はぐはぐと咀嚼しているとエリサが眠そうな目で私をわしゃわしゃ撫でてくる。 私は撫でられるままにエリサを見ていた] (89) 2020/09/13(Sun) 14:42:04 |
【人】 かみさま 尊龍[そうしていると、エリサが祠に向かって話しかけてくれる。 何々、死ぬかも、だと!?] くぅーん……、くぉーん……? [なぜだエリサ、昨日まであんなに元気だったじゃないか。 まさか、何かの呪いか? いや、そんな気配はない。なら、どうして……。 犬の私は心配げにエリサの周りをくるくる回って鳴いてみせては、労るように手や頬を舐めてやったりもした。 死ぬな、エリサ。お前はまだ若い。 顔色だって良いし健康そうじゃないか。 死ぬな死ぬな、死ぬと私はすごく悲しい!] (90) 2020/09/13(Sun) 14:42:40 |
【人】 かみさま 尊龍[やがてこてんと地面に横たわるエリサ。 まさか、ここで死んでしまうのか? はらはらと近寄るも、どうやら眠るだけのよう。穏やかな寝息にほっと一安心。 (寝る前になにやら妙なまじないを口にしていたが、昨今の人間の作法なのだろうか?) なんにせよ、ひとまず元気そうで良かった。 私が昔ほどの力があれば、エリサの言うその心臓の患いも治せたやもしれぬのにと思うと、やはり、今の己の無力さを痛感する] ……せめて、夢見は安らかであるように。 [ぽふりと犬の姿から人の姿になり、眠るエリサに膝枕をしてやろう。 さらさらと髪を撫でてその身の健やかなる事を祈ろう。 これからもエリサが健やかであるように、幸せであるように祝いを授けよう] (91) 2020/09/13(Sun) 14:43:09 |
【人】 かみさま 尊龍[そうして、エリサが目を覚ますまで人の姿のままそばに……、 と、思っていたが。 人間の感覚で10分?くらいで、エリサの持つ謎の道具が大きな音を鳴らし始めた] っ……!? [私はその音に驚いてぽふりと人から犬の姿に戻り、落ち着きなく妙な音がする謎の道具を犬の鼻でくんくんしたり、前脚でてしてししたりして音が止められないかと格闘しだした。**] (92) 2020/09/13(Sun) 14:43:45 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ 皿を持ってきてくれた時 店員さんの下半身が蛇であることに気付いたけれど。 この世界にも、異形と呼ばれるものがいるのかと 少しだけ親近感を感じていた。 だけど、染みついた習慣で、 人間向けの笑顔を受かべていた。 異形でも、人間を食べないものもいるから 怖い話はしないでおこう。 君"も"人間じゃないんだね という言葉は飲み込んで 揺れる尻尾が、面白くて、また小さく笑っていた。 ――尻尾のある奴は初めて見たな ] (93) 2020/09/13(Sun) 14:54:42 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ 頭の痛さと、飢えの苦しさに フォークを落とせば、心配してくれる声が聞こえた。] だい、じょうぶです 少し休めば、治まるんで…… [ チラチラと、瞳に紅を滲ませながら、 フォークを拾って、皿に戻した。] 残りは、後で……食べますね [ 片手で皿を持って、小部屋へと歩いて行った。 せっかく作ってくれたものだから、全部食べたくて。] (94) 2020/09/13(Sun) 14:54:45 |
【人】 空腹な迷い人 レックス― 個室 ― [ 机の上にナポリタンの皿を置けば、 掛けてくれた毛布にくるまって、丸まった。 美味しそうな匂いから遠ざかって 食べたい衝動が過ぎ去るのを待つ。 あの子が嫌いな、鬼にはなりたくなから] (95) 2020/09/13(Sun) 14:54:47 |
【人】 空腹な鬼 レックス― 嫌いな鬼の話 ― [ いつだったか、彼女に聞いた。] 鬼と共存したいなんて、君は鬼が嫌いじゃないの? 人間を喰うし、意味もなく殺すことだってある 怖がったり、嫌ったりするものじゃない? [ 白鬼なんかと一緒に旅をしているし、 共存する道を探しているとかいうし、 不思議そうにそう尋ねたんだ。 そうしたら、彼女は泣き出しそうな顔で笑った。] 『鬼は嫌いだよ、 僕の大切なものを奪う"鬼"は、嫌い』 [ 大切なものを、きっと奪われたんだ。 それなのに、なぜ共存を目指すのか不思議だった] (96) 2020/09/13(Sun) 14:55:10 |
【人】 空腹な鬼 レックス 『親も、養父も、大切な友だちも、 』みんな、みんな、"鬼"が奪っていった だから、僕は 奪う"鬼"は嫌い だよだけど、それは"人間"も同じだって、知ってるから (97) 2020/09/13(Sun) 14:55:27 |
【人】 空腹な鬼 レックス[ そう、人間も同じだ。 人同士で殺し合うし、大事なものを奪い合う。 人間の方が、恐ろしい時すらある。 そんな話をぽつぽつと話してくれた。 小さな頃に両親を、 鬼に殺されて、 引き取ってくれた養父も、 鬼に殺されて、 大切な友人も、 鬼に殺された ――友人は、それを受け入れてたようだが だが、人間を愛する鬼もいた。 護ろうとする鬼もいた。 人と同じだと、気づいたのだと 大好きな女の子が、鬼と共に生きる道を選んだから 自分も共存の道を探そうと思ったんだ。 そんな話をしてくれた] 君は変な子だね、いばらの道だ 白鬼は気まぐれに付き合ってるのかもしれないし 僕だって、暇つぶしで付き合ってるだけだし [ 鬼は、人と同じように成長する者もいれば、 白鬼の様に長生きなものもいる、 見た目を変えることができるものだっている。 自分だって、見た目は彼女と変わらないけど ずっとずっと年上だ。] (98) 2020/09/13(Sun) 14:56:49 |
【人】 空腹な鬼 レックス『それでいいよ、やるって決めたんだ オーリャと約束したし、義父さんにも約束した』 [ いつも何を考えているかわからない黒い瞳が その話をした時だけは、キラキラと煌めていて すごく――綺麗だった。 それから、彼女が大好きなオーリャという子に少し嫉妬した。 その子のために、嫌いな鬼を受け入れようと決めて いばら道を歩むなんて……] (99) 2020/09/13(Sun) 14:57:37 |
【人】 空腹な鬼 レックス…………僕も、なれるかな [ 不安そうに、ぽつりと呟いた。 俯いて、自分の掌を見つめた。 今は綺麗だけど、この手はたくさんの命を奪ってきた。 血の匂いは、消えはしない。] (100) 2020/09/13(Sun) 14:58:21 |
【人】 空腹な鬼 レックス君が好きになれる"鬼"に、なりたいな 『君なら、なれるよ……きっと』 [ いつも無表情な彼女が、笑った。 花が咲くように、愛らしい笑顔だった。 ――あぁ、好きだな どんなに辛くても、我慢しよう。 そう、胸に誓った。――それでも、欲求には抗えなくて] (101) 2020/09/13(Sun) 14:58:48 |
【人】 空腹な鬼 レックスアァ、お腹が空いた ――ダメだよ 血が欲しい、肉を喰らいたい ――食べちゃダメ もう食べてもいいよね ――それなら、僕を食べて [ 彼女の首筋に、牙を突き立ててしまった。 一滴、滴った血が唇に触れて、舌に触れて、 甘くて、美味しくて、 ……でも、苦しかった。ほんの一滴、だけど、 一滴でも口にしてはいけなかったものだった。] (102) 2020/09/13(Sun) 14:59:46 |
【人】 空腹な鬼 レックスごめん、なさい……ごめん、ゼノビア やっぱりダメなんだ……僕は、このままだと 君を食べてしまう [ だから、決めたんだ。 とある町で聞いた噂。 対価さえ払えば、 どんな願いも叶えてくれる魔女 時の魔女 グロリア・ベアトリクス に会いに行こうと] (103) 2020/09/13(Sun) 15:00:15 |
【人】 空腹な鬼 レックス 『ダメだよ、レックス 魔女に願いを叶えてもらうなんて 魔女に会いに行って、戻ってこれた人たちは ほとんどいないじゃないか。 あそこにいったら、君は死んでしまう』 (104) 2020/09/13(Sun) 15:00:57 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ 必死に止めてくれる彼女の声を振り切って、 いくつもの街を通り過ぎ、あともう少しで辿り着ける。 そんな時に、ここに来てしまった。 でも、あの女の声が魔女ならば、噂は本当なのだ。 どんな願いも叶えてくれる魔女は、実在する。] 生きて、帰ってみせる…… [ 飢えの苦しみ、もがきながら 大好きなあの子の顔を思い出して、耐えていた。 異形と人との恋物語 悲恋となるか、それとも幸せなものとなるか。 ずらりと並んだ本棚に、 そんな物語の続きがあるかもしれない。**] (105) 2020/09/13(Sun) 15:01:51 |
【人】 月森 瑛莉咲[ 元気にサンドイッチ食べてたわんこくんも 死んじゃうだとか ここで死ぬとか言ったの、伝わったのか いつもよりぺろぺろが多いみたい。 動物は直感でわかるっていうしね。 ありがとうのかわりにふわ、と撫でたけれど 眠気に抗うことは叶わなかったのです。 ] (106) 2020/09/13(Sun) 19:01:54 |
【人】 月森 瑛莉咲[ 眠る前はあんなに苦しく締め付けられた心臓は 今だから? ここだから? 外で眠るなんてはじめてだったけれど 簡単に力が抜けて、あっという間にすやぁの世界。 白わんこくんのおかげかも知れないね。 目がさめたらもいちど撫でてあげようか。 ] (107) 2020/09/13(Sun) 19:02:42 |
【人】 月森 瑛莉咲……ぴぴぴぴ☆ [ 無情にも告げられる時の音と 私はしらねど人からわんこに戻った衝撃で ごつん☆とあたまをうつのです。いたた。 身体を起こせば音が怖いのか てしてしわふわふするわんこくんが。 ] ふえ、ごめんねごめんね いま止めるよ [ ひとなでしてやって、 ちょっぴりべたべたになったスマホを止める。 一応、アラームしたのには理由がある。 講義にでなきゃいけないからなんだ けど ] (109) 2020/09/13(Sun) 19:04:40 |
【人】 月森 瑛莉咲……今日は、いっしょに居てもいい? ……ダメだよね。 かみさまの前でそんなサボり宣言なんて。 [ 一日くらい、そんな言葉が過った。 確かにここは大好きな場所で、 かみさまと白わんこくんといられると とっても幸せな気持ちになるんだけれど 今日の私はとってもとっても、おかしい。 さっきまでの穏やかな心地は消え去って、 あの姿を瞳に、写しただけで ほら、また苦しいもの。 ここにいると幸せだけど痛いもの ] (110) 2020/09/13(Sun) 19:06:45 |
【人】 月森 瑛莉咲またね。 [ 土を払って立ち上がる。 振り返っちゃだめな気がしたから、 いつも見送ってくれるわんこくんにも触れないで たぶんね、何かが起きでもしないかぎり そのまま私はチャリンコまで走ったと思う。 きっと、走れたよね。] (111) 2020/09/13(Sun) 19:07:27 |
【人】 月森 瑛莉咲[ かみさま、かみさま。 かみさま、かみさま。 頭のなかから離れてくれない 涼やかなあの瞳は 誰なのでしょう? 美しく靡く深紫は 一体。 走る足元で、黄色の花が風に揺れてたけれど 勢いを落としてやがて失速して。 まだもう少し道は残ってるのに 立ち止まってしまった。 ] (112) 2020/09/13(Sun) 19:08:03 |
【人】 環 由人[ 秋の夜は、思っていたよりも寒い。 さっきまで火照っていた体が、 風にさらわれて熱ごと奪われていく。 徐々に頭がはっきりしていく。] バっ…カだなぁ…… [ どうせさらわれて消えるから、 小さな声で呟いて、自嘲するみたいな 笑みを浮かべた。 なにも持たずに飛び出したから、 コンビニには行けなくて、ぼんやりと 歩いていたら辿り着いたのは、 あの日彼を見つけた公園だった。] (114) 2020/09/13(Sun) 19:16:41 |
【人】 環 由人[ 外灯が照らす砂利がぼんやり、 浮かび上がるみたい。 なんとなくそちらに足を向けて─── あの日と同じブランコに腰かけたら、 鎖がまた、ぎぃ、と小さく音を立てた。 あの距離感が必要だったんじゃないのか。 ただ、一緒に飯を食って、 隣で眠るだけの関係でよかったんだろ。 それ以上を求めるつもりなんてなくて、 ───ちがう、結局自分本位なんだ。 一度知ってしまった熱をまた 求めてしまいそうになるのが怖い。 期限が、すぐそこまで迫ってるのに、 今更関係を変えてしまうのが怖い。] (115) 2020/09/13(Sun) 19:17:08 |
【人】 環 由人[ ───離れたくないだとか、 ここにいてくれだとか、 そんなことを言える立場じゃない。 救われたのは───俺だったから。 結局コンビニには寄らずに、 しばらくぼんやりしたあと、 夜風の冷たさに震えが走ったから 自宅に帰った。 リビングにある背中に、唇を結ぶ。 声をかけてはいけない、きっと。 ごめんって声をかけそうになったから、 飲み込んだ。その意味を悟られることは きっとないのだろうから。] (116) 2020/09/13(Sun) 19:17:35 |
【人】 環 由人[ ひとりぼっちでベッドに入った夜は、 やっぱり思った通り、寝られなかった。 朝起きたら寝不足で気分は悪いし、 なんだか頭は痛いし───散々で。 それでも店は開けなきゃいけないし、 接客もしなければいけない。 おばさま方には「顔色悪いわよ」と 言われてしまったけれど笑って誤魔化した。 それからも、ずっとWいつも通りWだ。 相変わらず美味いとはいわない男に 余り物の処理を手伝わせて。 あの日のことには触れないまま。 ただ一つ変わったのは、あの日からずっと、 狭いベッドの右側をあけたままひとり、 丸まって眠るようになったことだけ。] (117) 2020/09/13(Sun) 19:18:14 |
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