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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【人】 ガット・リベロ ルチア

「ℑ𝔬 𝔠𝔯𝔢𝔡𝔬 𝔦𝔫 𝔇𝔦𝔬, 𝔓𝔞𝔡𝔯𝔢 𝔬𝔫𝔫𝔦𝔭𝔬𝔱𝔢̀𝔫𝔱𝔢,𝔠𝔯𝔢𝔞𝔱𝔬𝔯𝔢 𝔡𝔢𝔩 𝔠𝔦𝔢𝔩𝔬 𝔢 𝔡𝔢𝔩𝔩𝔞 𝔱𝔢𝔯𝔯𝔞」

声が潮風に乗る。
積み上げられた煉瓦の壁に座って、
ぱたぱたと少女は足を揺らして。
祈っている。

太陽の光を受けて、煌めく海面は目も眩むようで。
祈り以外には、カモメの声が空から降りてくるばかり。
(0) 2022/08/24(Wed) 21:43:41

【人】 ガット・リベロ ルチア

「𝔢 𝔦𝔫 𝔊𝔢𝔰𝔲̀ ℭ𝔯𝔦𝔰𝔱𝔬, 𝔰𝔲𝔬 𝔲𝔫𝔦𝔠𝔬 𝔉𝔦𝔤𝔩𝔦𝔬, 𝔫𝔬𝔰𝔱𝔯𝔬 𝔖𝔦𝔤𝔫𝔬𝔯𝔢,𝔦𝔩 𝔮𝔲𝔞𝔩𝔢 𝔣𝔲 𝔠𝔬𝔫𝔠𝔢𝔭𝔦𝔱𝔬 𝔡𝔦 𝔖𝔭𝔦𝔯𝔦𝔱𝔬 𝔖𝔞𝔫𝔱𝔬,」

ほんの少しだけ時間を潰して。
それから、珈琲豆と、チョコラータを買うのが今日のお役目。
少女は今から、エスプレッソに合わせるフレーバーを考えている。
(1) 2022/08/24(Wed) 21:45:01

【人】 ガット・リベロ ルチア

「ℭ𝔯𝔢𝔡𝔬 𝔫𝔢𝔩𝔩𝔬 𝔖𝔭𝔦𝔯𝔦𝔱𝔬 𝔖𝔞𝔫𝔱𝔬, 𝔩𝔞 𝔰𝔞𝔫𝔱𝔞 ℭ𝔥𝔦𝔢𝔰𝔞 𝔠𝔞𝔱𝔱𝔬𝔩𝔦𝔠𝔞,
𝔩𝔞 𝔠𝔬𝔪𝔲𝔫𝔦𝔬𝔫𝔢 𝔡𝔢𝔦 𝔰𝔞𝔫𝔱𝔦, 𝔩𝔞 𝔯𝔢𝔪𝔦𝔰𝔰𝔦𝔬𝔫𝔢 𝔡𝔢𝔦 𝔭𝔢𝔠𝔠𝔞𝔱𝔦,
𝔩𝔞 𝔯𝔦𝔰𝔲𝔯𝔯𝔢𝔷𝔦𝔬𝔫𝔢 𝔡𝔢𝔩𝔩𝔞 𝔠𝔞𝔯𝔫𝔢, 𝔩𝔞 ...」

カモメの声が、ひときわ大きく響き渡る。
何かが弾けるような乾いた音が、それに重ねて、ひとつ。
(2) 2022/08/24(Wed) 21:45:37

【人】 血塗れの聖・ ルチア

(────ああ)


懐かしい味。
チョコラータを食べ過ぎると、
決まって鉄の味を感じるの。

欲張るからだぞって、あなたはいつも笑っていて。
わたしがそれを否定するんだ。
(3) 2022/08/24(Wed) 21:46:38

【人】 血塗れの聖・ ルチア

「𝔄 ... 𝔟𝔢𝔩... ...」


世界がぐるりとまわって。
まるで夢でもみているよう。

ここは 静かで。
今は何も聴こえない。
(4) 2022/08/24(Wed) 21:47:38

返す返すも、運の無い人生だった。

望んだ事は叶わない事ばかり。だからいつしか望む事さえ諦めた。

諦めた、つもりになっていただけだった。


奪われたものは、奪い返すべき相手からは得られなかった。

未来があって欲しいと願った人々は、やはりその大半を見送る事になって。

受けるべきであった、誰かを殺めた報いを受ける事も無く。

もしも果たされる時が来るなら、ずっと先の事であればいい。
そう思って口にした、他愛無い口約束を果たす事も無かった。

見届けるべき死の全ても、その目で見届けるに能わず。

それらの不誠実を、無力を、差し伸べられた手を取れなかった事を。

誰に謝る権利が自分にあっただろうか。

わかっていて、友人の全てを徒労にし続けた自分に。


けれど、いつかの昔に奪われた終わりは取り戻された。

誰かの道は途絶えても、確かにその先を歩いて行く誰かが居る。

全ては叶いはしなかったけれど、全てが叶わなかったわけでもなく。

良くも、悪くも、結局自分は何もしなかったのだから。
そんなものか、とも思う。

望む事も、望まない事も選べなかった、半端者には相応しい結末だ。


だから、見届けて来た全ての死だけを連れて。

家族も、帰る場所も、行き着く先も求めない必要ない

名もなき烏は、何処へ行く事も選ばない。