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人狼物語 三日月国


192 【半突発R-18】ダンジョン オブ イシュノルド【飛び入り、見物解禁】

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視点:


【人】 教会の冒険者 ジェニー

――回想――

『ジェニー、私には過ぎた子。ようく聞きなさい。
 あなたの体のことを知れば、世の中の人間は皆怯えて逃げるでしょう。特に、この都市の外の人間は。
 いいえ、都市の人間だってあなたを「穴」に追いやるかもしれない。

 だからあなたは、男として生きるの。
 強く逞しい男として生きて、幸せにおなり』

 
(6) 2023/01/11(Wed) 3:08:02

【人】 教会の冒険者 ジェニー

[母の言葉をずっと大事に抱えて生きてきた。

青年の母も別の街で良家に嫁ぎ、嫁いだ男に体を見られてから
淫魔と言われて家を追われ、街の人間に後ろ指をさされ、
このイシュノルドに流れ着いたという。

だが。
言葉だけを形見に生きていくには、
あまりにも残りの人生が長すぎた。

枯れ枝のような手が頭を撫でてくれた感触が、思い出せない。
母が最期に紡いだ言葉は胸の中にあっても、声は蘇らない。
気品のある死に顔を思い出そうとして、うまく像が結べない。

だから青年は、別のものに縋ることにした。

ひとつは、信仰。
神を奉じ、神の為に生き、都市の民に善を施す。
魔のようなこの身でも、それが偽善であっても
「都市の人間たちにとって」正しいことをすれば
救われるのだと信じたかった。]
(7) 2023/01/11(Wed) 3:09:45

【人】 教会の冒険者 ジェニー

[もうひとつは、]


 お母さん、ただいま。


[都市郊外にある小さな家に青年は住んでいた。
夜に青く沈んだ部屋の中から返事はない。

青年はランプの灯をつけて
水の魔石で身を清めに行った後、
明かりを消し、慣れた様子で古びた寝台に行く。

古びた寝台に、小瓶が転がっている。
迷わず小瓶を手に取ると、すうっと寝具に吹きかける。
普段の青年からはしないような、薔薇の馨が漂う。

それは、死んだ母が唯一愛用していた薔薇の香水だった。
青年を育てる為に生活に苦しんでも、尚。

そのまま青年は枕を抱き、壁にもたれかかって、
窓の外の星を見た。
目を閉じて手を祈りの形に組む。]


 ……お母さん。
 今日も、つつがなく一日を終えられたよ。
 あのね、冒険者の仲間がいつもおかしいんだ、オレのこと見るとずっと泣いてて……

 
(8) 2023/01/11(Wed) 3:12:09

【人】 教会の冒険者 ジェニー

[思い出の中、ぼやけた母の姿に今日あったことを話す。
声も温度も肉体も、ここにはない。
思い出させてくれるものは、薔薇の匂いだけ。]


『聖なる哉、聖なる哉。我らが導きの神よ。
 地上にも地下にも平等に、救いのあらんことを
 地獄を住処とする魔を正しく導き給え。』


[眠る前に、小さな声で祈りを口にした。
そのまま薔薇の残り馨の中で、背を丸めて眠りに落ちる。]**
(9) 2023/01/11(Wed) 3:14:00

【人】 教会の冒険者 ジェニー

[――そうして、清らかだった泉は淫らに染まっていく。

三人が去ったのち。
休憩ポイントと言われていたこの泉が、
淫魔(吸血鬼)と人間(淫獣)と淫魔の裔の体液によってか
それとも焚かれた媚薬の残り馨によってか
しばらくの間「催淫ポイント」等と言われるようになるのは、また別の話だ*]
(14) 2023/01/12(Thu) 0:34:34

【人】 教会の冒険者 ジェニー

――騒動の後――

[ルーナは穴と都市とを往ったり来たりしているようだった。

暖かいスープを作って待っていたらエプロン姿がどうのと言って犯され、料理が冷めると怒ったり。
買い物に行けばルーナの細やかな好み(この場合は、食事や衣服の好みだ)を知れて嬉しかったり。
風呂に入った時に細い手指で優しく体を洗って、こんなところに傷跡がある、ほくろがある、などと無邪気に笑ったり。

そういうささやかな暮らしを送れるだけで、
青年は満ち足りていた。

何だかダンジョンの方角で淫獣が増えたという噂が出たり、入るだけで性欲を催す場所がいくつも出来たりしたそうだが、あー知らん知らんと見てみぬふりをした。ついでに「性」活部分も受け入れた。]
(18) 2023/01/12(Thu) 21:35:19

【人】 教会の冒険者 ジェニー

[アナトラと会いに行く時に共に来るかと聞かれれば、
付いていっただろう。>>17

アナトラに会うことがあれば、
最早アナトラの事を嫌悪していた自分はどこにもなく、
彼女に対して「あの時はすまなかった」と、
銀貨を渡した時のことを謝った、かもしれない。

「穴」まで足を運んで分かったことは、「穴」は決して教会の言う「地獄」などではなかったということだ。
「穴」に住んでいる人は「都市」の人間と姿形は違えども、本質的には変わらないように見えた。

元々「都市」に住んでいた青年が、「穴」の住民に奇異なまなざしを向けられることもあっただろうが、青年は次第に、「魔」そのものを受け入れはじめていた。]
(19) 2023/01/12(Thu) 21:36:00

【人】 教会の冒険者 ジェニー

[そして]


 お〜。……ダンジョン内に、店。
 旅館かぁ。確かにこのあたりに宿泊施設はないけども。
 ……って、まさかあの時欲しがったやつか?

 いいけど、
 ……いいけど。

 性行為は双方合意必須な? ルーナ


[アナトラがどう答えたかは彼女次第だろう。
青年は楽しそうに語るルーナを「仕方ねえなあ」と苦笑しながら眺めて、釘を刺すように最後に付け足した。

入ったら無理やり犯される宿なんて醜聞が立てば泊まるものも泊まらないだろう。
出禁な、と言わなかったあたり、青年はルーナに甘くなっている。]


 あと、従業員としてちゃんとお前も働くんだぞ。
 身なりも冒険者スタイルじゃなく綺麗に整えて。
 後から増やすにしても、最初は絶対人手が足りないんだからな。


[穴で働き先を探している女の子などは雇えば来てくれるかもしれないが。

本格的に準備が始まれば、従業員として仕立て上げられていくルーナの姿もあったかもしれない*]
(20) 2023/01/12(Thu) 21:36:47

【人】 教会の冒険者 ジェニー

――旅館の夢――

[そういえば、紋を受けルーナの精を受け入れるようになってから
傷の治りも早ければ、強い魔獣との戦いの後、疲労感で倒れることも無くなった。
体が「魔」にどんどんと変じてきているのかもしれない。

ともかくも、青年はルーナの家族だ。
どこから帰ってきても「おかえり」と彼に声をかけ、笑いかけるだろう。]


 戦闘の合間に暖かい風呂に入れれば、
 強敵との戦いにも精が出そうだな。
 食事も干し肉や携行の水じゃなく、もっと暖かいものが出せるかもしれない。


[うんうん、と、青年はルーナの夢を肯定する。
「いつも合意」には胸の前でバツを作って首を横に振ってみせた。
事後でなく事前同意でお願いします。]


 っはは。体洗うの嫌がる犬みたいにぶーたれやがって。
 綺麗にすれば男前なんだから、文句言うな。


[しかし穴には和装という概念はあっただろうか。あったなら着流しでも選んでやったが。

ルーナには小綺麗なシャツや黒いベスト、ズボンを見繕って、現代で言うところのバーテンダーのように仕立てていっただろう。ネクタイはやめておいてやる。……どうせ性行為の最中に悪用するだろうから。*]
(24) 2023/01/12(Thu) 23:22:25

【人】 教会の冒険者 ジェニー

――後日譚――

[真っ白なドレスを着たアナトラは美しくて、
お嫁さんみたいだ、と勝手に喜んだのは、旅館の話をする少し前のこと。

アナトラがこちらを向いて、「合意だったらいいんですよね?」と聞いてくる。
青年はこうみえても平時はそれなりに賢いので、「あっ」と何かを察したような顔をした。]


 …………合意がとれていれば。
 あ、でも、性行為するだけが旅館のお仕事じゃないからね。
 というか普通の旅館では従業員は性行為しないんだけど、
 そこは……もう……仕方ない……。

 アナトラの負担にならないようなお仕事、
 考えてみるけど、どうかな。
 一緒に過ごせたら、嬉しいと、オレも思うんだけど。

 ルーナはもうちょっと事前合意を理解する努力してもらってな。


[全然理解していない男>>25はさておき、
アナトラにそう説明してみたが、どうだろうか。

淫魔(吸血鬼)と人間(淫獣)と。
せめて体面だけでも旅館らしくならないか。
青年の挑戦が始まるのかもしれなかった。]
(31) 2023/01/13(Fri) 21:09:28

【人】 教会の冒険者 ジェニー

[見繕った衣装を着て、髪の毛も整えたルーナは、やはり素材がいいのか格好よく見えた。
青年は誇らしげに「やっぱり男前だな」と彼を誉めただろう。

あんなに女を抱き潰すのに、外見に自信がないのも謎な話だ。
そういうところもまた、可愛らしい所だと、青年は思うけれど>>26]*
(34) 2023/01/13(Fri) 21:10:06

【人】 教会の冒険者 ジェニー

――後日譚――

[ルーナの言葉を聞きながら、>>32>>33>>37>>38
はじめての事なので保証はできない、>>35というアナトラには頷いた。]


 うん。
 失敗することもあるだろうけど、
 そうしてみたいって、思うんだ。

 ……生気は、その、……うん。
 そうだよな、銀貨じゃ意味ないよな。

 ……頑張る。


[ルーナと相反して、青年は少し恥ずかしそうに頬を掻いて頷く。あれから何度か彼女に触れる機会はあったかもしれないが、まだ性行為に対して恥じらいも倫理観も持ち合わせているので。
けれど、生気を渡すのは決して嫌ではなかった。]
(39) 2023/01/13(Fri) 22:25:44

【人】 教会の冒険者 ジェニー



 普通の男はちん……男性器見せたらヘンタイ扱いなんだよなあ


[はあ、とため息を一つ、零しつつ。
悪い笑みが見えたのはスルーした>>33]


 一発ヤってく、って、もう……。
 アナトラの言う通り、方針固める方が先。

 女将ぃ? アナトラでしょ。
 オレはいち従業員でいいよ。既に忙しくなりそうだし…。

 あ、でもアナトラの衣装は可愛くしたい。
 ふりふりとか興味ないか、ふりふり。
 白くて可愛いフリルのついたやつがいい。


[ルーナが飾り付けたいというなら否定はしないが、軽く文句は言っておく。]
(40) 2023/01/13(Fri) 22:26:49

【人】 教会の冒険者 ジェニー

[後日ルーナが旅館の建築場所を決めたなら、
旅館らしい間取りだとか、温泉を引くならどのあたりから、どう魔石を使うか、だとか。旅館のメニューは何を出すべきで、食料はどこから買うか、とか。

アナトラの着る服はやはり可愛らしい白基調のものがいいか……だとか。

そういったことに頭を悩ませ、働く青年の姿もあっただろう。

女将の格好をした時にルーナに襲われたら「衣装が汚れるだろうが」と怒りながら犯されはした。]*
(41) 2023/01/13(Fri) 22:28:08

【人】 教会の冒険者 ジェニー

――後日譚――

[失敗したとしても、三人なら立ち上がるのも早いだろう。
そう言われて、青年はとても嬉しそうに目を細めた。>>42]


 うん、そうだね。


[何もかもを偽って、一人で生きる必要はないのだ。
そう思える居場所を作ろうとしているルーナにも、
共に暮らそうとしてくれるアナトラにも、青年は感謝していた。]
(44) 2023/01/13(Fri) 23:48:47

【人】 教会の冒険者 ジェニー


[ルーナの体力が無尽蔵なのは、それはそう。
あれを基準に考えてはいけない。
というか、元々魔のアナトラにそう言わせるルーナとは、一体。]


 か……かっこいいって、いって、ほしいなあ……
 あ、でも。うん、ふりふりは着てもらったら喜ぶ。
 勿論。可愛い女の子によく似合うからね。


[ふりふりが好きなんですか?には真面目に頷いた。
青年は純粋に男として、可愛い恰好をした女の子が好きだ。
それがお姫様のようなアナトラならなおの事である。

だから、彼女が可愛らしい給仕服を着てくれたなら、
それはそれはもう、蕩けそうなほど喜んだに違いない。]*
(45) 2023/01/13(Fri) 23:49:03

【人】 教会の冒険者 ジェニー

――半陰陽は夢を見る――


[そうして。
教会の冒険者を静かに辞めて、開いた旅館であくせく働き始めた。

経営はうまくいかないこともあっただろうが、とても幸運な男が開いた旅館だ。ふりふりが似合う、とても美人な従業員だっている。それなりに恙なく過ごせていて、青年は旅館の仕事の合間に、料理を研究することが趣味になっていた。

一般的な人間の女の出産後生存率は低く、それを補うように、魔を受け入れた青年の肉体は少しずつ強化されてきている。
そのことを利用して、青年は休みの日にダンジョンに潜り、資金になる魔石以外に、貴重な薬草や食材となる肉を集める。
そうしてオリジナルの料理を作る日々を過ごしている。]
(46) 2023/01/13(Fri) 23:51:52

【人】 教会の冒険者 ジェニー

[衝動的に人を襲ってしまうから、
誰かと共に過ごすことができない。

そういう魔でも食べている間なら衝動が抑えられるような、
そんな料理を旅館で出して、
魔と人が少しでも憩うことができたなら。

天は、万人への赦しの間を用意しない。>>0:124
だから人の手で、小さくともそれを作れたらと。

信仰を捨てた青年は、そういう他愛もない、
けれども途方もない夢を抱えて、日々を生きている。]
(47) 2023/01/13(Fri) 23:52:01

【人】 教会の冒険者 ジェニー




[そうして、一度目の冬が来た。

めずらしくちらちらと夜空をちらつく雪を見かけて、青年は家の外に出ている。
見上げればそこに星はない。ただ、ふりつもる雪ばかりがある。

……母が死んだ日も、丁度こんな冬の日だった。
冬薔薇が静かに咲く、冷たい夜だった。]
(48) 2023/01/13(Fri) 23:52:44

【人】 教会の冒険者 ジェニー

 

 お母様。


[青年は空を見上げ、見えない星に手を組んで]


 …………ジェニーは。
 貴女の子どもは、幸せです。
 ひとりきりでは、ありませんから。
 

[そう、報告するように言って、祈りを捧げる。]
(49) 2023/01/13(Fri) 23:53:53

【人】 教会の冒険者 ジェニー

[それから黙って胸に、腹に手を添えた。
少し前から経血が止まった体を、静かに擦って]


 そろそろ、お前のお父様にも話さないとね。

 冬が過ぎて、春が来て、
 顔を見られるのは、秋になるだろうか。
 

 ……月が綺麗な季節に、生まれてくるといい。


[ぽつりと呟けば、胎の魔の紋が少しだけ光った、気がした。

……ああ、そろそろ、彼が帰ってくるのだろう。
青年は静かに笑って、そこでもう少し待つことにした。

家主に、「おかえり」を言う為に。**]
(50) 2023/01/13(Fri) 23:56:12