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【人】 空虚 タチバナ[「おはよう」と挨拶を交わし、朝が来る。 結がふたつのカップに飲み物を入れてくれる。 最初は三つだった選択肢も、 備えつけだけでなく、購買の物がいくつか増えた。 コーヒーのことが多かったけれど、 空が暗く暑い夏は冷たいオレンジジュースにしたり、 入道雲の広がる乾いた秋は紅茶を選んでみたり、 眠れない長い夜の後にはホットミルクを準備したり、 眠らない夜を求めた日はただの水を交わしたり。 最初の頃はずっと同じ物を望んだけれど、 味に鈍い私でも炭酸が楽しめると分かってからは、 ごく稀にこちらから誘うこともあった。 別々になんてしませんとも。やです。 だって彼の感じたことのすべてが欲しいんだもの。 だからと言って彼に無理強いすることはしない。 一方が支配するのではなく、互いが望むまま、 話し合うことができるのだから>>87。] (122) 2022/08/18(Thu) 21:12:07 |
【人】 空虚 タチバナ[日記を書き終われば、暖房をつけて一緒に眠った。 睡眠が必要なのは彼だけだったけれど、 冷たくて、寝返りの邪魔もしてしまうけれど、 それでも私は彼の傍を離れない。 彼の寝息と一緒に心音を確かめるのが好きだった。 時折解け、また抱きしめてくれる腕が欲しかった。 眠らない情熱的な夜も、眠る静かな夜も、 彼のすべてが私に与えられる幸福を享受した。 実際そうなのか私が抱く夢なのか分からないけれど、 彼の鼓動は日に日に弱くなっていくようだった。 時折私の肌へ彼の体温が移るような気もした。] (125) 2022/08/18(Thu) 21:15:13 |
【人】 空虚 タチバナ[少しずつ、私の死が彼にのしかかっていく。 代わりに彼の抱えた病は鳴りを潜めていたはずだ。 現世から解放された時間は正しいものではないし、 私以外が彼を蝕むのを許すはずがないからだ。 具合が悪そうな様子はないはずだから、 彼の身体が弱っているという訳ではないと思う。 本当は私も眠ってしまい、夢を見ているだけかも。] (127) 2022/08/18(Thu) 21:16:19 |
【人】 空虚 タチバナ[手先の器用な彼は料理も上手にできるようだった。 あるいは、半年間の成果かもしれない。 味見のできない私は彼の隣でお手伝いをする。 彼ほどではないけれど、多少は成長したと思う。 その結果の料理が皿に乗り、湯気を立てている。 ワインクーラー代わりのパスタ鍋は少々大きく、 ラベルを剥がしたペットボトルの白い頭だけが覗き、 プラスチックの身体を悠々と氷の海に 半分浸していることが容易に想像ついた。] ……今日、結の誕生日だよ? [何よりも違うのは私自身だろう。 景色からもっと近い場所へ視線を戻すと、 主役より着飾った自分の姿が見えた。 普段パジャマの袖で隠れている白い腕は露わに。 反対に胸元は彼が与えた白で覆われている。 腕を持ち上げて頭を触れば、 三つ編みの凹凸が指の腹を擽った。] (130) 2022/08/18(Thu) 21:19:27 |
【人】 XX タチバナ― 0年12月24日 ― [死に近づこうとも決して消えることのない命>>139が ゆらめき、瞬き、微笑む。 ふと何かに気づいた様子で目の前の彼を見上げた。] また……伸びたね。 [物も、場所も、私も。 ここに在るものはすべて解放されているのに、 彼の心音だけが未だ正しい時を刻んでいる。 己の目覚めだけが「刻」を示す中で、 彼は狂うことなく、順応すらしてみせて 今、ここに在り続けていた。 彼が元来持っていた思考>>86が この地に会っていたからなのか、 吞み込まれたことで少しずつ変異したのか。 彼が傍にいれば理由なんて何でもいいけれど、 私の存在が意味になればいいと思う。] (148) 2022/08/19(Fri) 0:25:15 |
【人】 XX タチバナもちょっと切っておけばよかった? [過去は影になった。 彼にとっての己の価値を見誤ることはないし、 彼の好意も素直に受け止められる。照れるけど。 だから彼へ伸ばした手が拒まれることはありえない。 躊躇も怯えもなく前髪に振れ、毛先を揺らす。 少しずつ、結が私を埋め尽くしていく。 欠片の誇張もなく、彼だけのものになっていく。] (149) 2022/08/19(Fri) 0:25:27 |
【人】 XX タチバナ[しっとりと肌を滑る空気が彼の声>>141で霧散した。 注いだ黒は材質まで再現することはできず、 重さも感じさせないまま上着の形で停滞している。] ふふ……あは、 主役はお姫さまだったの? [珍しくくすくすと声を漏らしながら笑ってから、 彼に心からの祝福を贈り、願いを受ける>>L16。] いるんだよ。 ずっと、一緒にいるの。 [彼の差し出してくれた手を取りながら返事をする。 XXの言葉というには陰湿で、 誓いよりも呪いに近い響きを有していた。 この場に似つかわしくない温度を持って、 彼がくれた白を纏い、光の下、花のように笑う。]* (150) 2022/08/19(Fri) 0:26:04 |
【人】 XX タチバナ[花が咲いたのはどの指だっただろう。 彼が触れたことのない場所などないに等しいから いずれの指であってもサイズはぴったりだろう。] ……。 [一瞬、言葉を忘れた。 初めて会った時のように何も返せなかった。 ただまじまじと手元を見つめ、 驚いた表情を隠さずに彼の方を向き直す。] …………いつ、作ったの? [最初に出たのはそんな気の利かない言葉だった。 実際、彼の傍を離れることはほどんどない。 それなのに気づかなかった。隠されていた。 彼に関して知らないことがあった。 不満が炭酸の泡のように、ふつりと浮いて弾ける。 けれど、それは心地よい刺激だった。 足りないことがもどかしくて、新しい彼がXXしくて、 何より彼が与えてくれたものすべてが嬉しかった。] (152) 2022/08/19(Fri) 0:26:48 |
【人】 XX タチバナううん……っ、ううん、 いいの。 これがいいの。これしかやだ。 [おもちゃみたいなんて言う彼に慌てて首を振った。 指輪を嵌めた手を抱きしめ、胸元に仕舞う。 押し当てた手の甲が布の向こうにある穴を感じた。] ……うれしい。すごくうれしい。 ありがとう結。ずっと大切にする。 [この穴に広がる感情を、 どうやったら言葉で伝えきれるだろう。 口から出た言葉はありきたりな物ばかりで、 音の不自由さにもどかしさを覚える。 うっとりと手元を見つめた。 細い何かを曲げて作ったのだろうか。 それなのに指先に何かが引っかかる感じはなく、 丁寧に作られたであろうことは予想できた。 彼から与えられた物が私に傷をつけても、 それもまた悦びでしかないのだけれど。 今は何よりももどかしさが勝って、 指輪を贈ってくれた彼の手を捕えようとする。] (153) 2022/08/19(Fri) 0:27:16 |
【人】 XX タチバナ……わたしは、何をあげられる? [邪気を感じさせない穏やかな声で尋ねる。] 私には、私しかないの。 でも私はもう全部結のものだから……。 [そう、プレゼント。誕生日には必要な物。 随分と遠ざかっていたせいで思いつかなかった。 相手の目を盗んで準備する器用さもなく、 彼を捕らえた手も反対の手も空っぽだ。 だって、元々全部あげてるし。 だって、結が寝ている時も離れたくないし。 そんな言い訳が頭の中を巡る。] 教えて、結。 [だから、今、ここで。彼の願いを求めた。]* (154) 2022/08/19(Fri) 0:28:10 |
【人】 XX タチバナ[名前の続きを書く時、ふと左手が目に入った。 あれからずっとつけたままの指輪は、 次第に体の一部であるかのように馴染んだ。 その……いっぱい動く時はなくさないよう外すけど、 指が寂しくてそわそわするくらいだ。 シンプルなシルバーリング。 頂点には小さな花が咲いていた>>L17。] 花に……蓮≠ナ、かれん。 ……が、いい。 [いつかに似た言い回し。>>47 彼は黙って受け入れてくれるだろうから>>62、 自ら「くさかんむり」を書いた部分を指で擦る。 指先にインクなんてつけてないから、 擦ったところで彼の掌が赤くなるだけだ。] (168) 2022/08/19(Fri) 3:21:36 |
【人】 XX タチバナ本当はこっち……でも。 いっぱいじゃなくて、ひとつがいい。 …………あなただけの花になりたい の。 [だから、私は名前を芽吹かせる。 あなたの前で蕾を赤く染めていく。] (169) 2022/08/19(Fri) 3:22:20 |
【人】 XX タチバナ[これは余談なのだが。 「私も結に指輪をあげたい」と相談し、 本人に習いながら指輪作りに励む未来があるはずだ。 きっと彼の物より歪になってしまうけれど、 何らかの意思が働いているのか 彼の指から勝手に離れることのない銀色が やがて彼の左手薬指を彩ってくれるだろう。] (172) 2022/08/19(Fri) 3:23:57 |
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