情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
コルヴォは、つまりこの微妙な空気の顛末を見守る為に残ったわけではない。 (a3) 2022/08/09(Tue) 2:50:27 |
コルヴォは、なので全てを宥めに入った上司に託し、その内お暇する。 (a4) 2022/08/09(Tue) 2:50:36 |
コルヴォは、ヴェネリオが上げた片手に一瞥だけを返した。 (a7) 2022/08/09(Tue) 20:55:42 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【港の埠頭】 喧騒の外れ、船や人の出入りの活気もやや過ぎた頃の港。 埠頭に立つ人影は相も変わらず喪服じみた黒一色で、 けれど仕事中の重苦しいものよりかは幾らか異なる様相をして。 髪は結い上げ、黒いシャツにスラックス、それからサマーコート。 比較的には、軽装だ。 「こんな日には、鷗だって鳴きやしない」 それでも、ほぼ顔半分しか露出が無いような格好に変わりは無い。 手袋に覆われた手が汗で張り付く前髪を鬱陶しそうに退けて、 心底気怠げに、殆ど溜息のように独り言ちた。 誰かと楽しくお喋りする気分でもないが、追い返す気もしない。 「くたばっちまったのか、或いはただ餌に夢中なだけか ……まあ、何でもいいか」 不意に視界の端を、港に住み着く黒猫が横切って。 今は亡きボスの愛猫は、 殆ど主人にしか懐かない、実に賢く情深いものだった。 そんな事をふと思う傍らに、煙草の灰をまたひとつ落とした。 (31) 2022/08/09(Tue) 21:54:02 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【港の埠頭】 >>35 フィオレロ 「Il cane morde sempre lo straccione.」 靴底が立てる音、どこか軽薄さを感じさせる声色。 不意に聞こえたそれに視線を向けもせず、 紫煙を吐き出すついでに、明後日の方へ言葉を放った。 「そう言うあんたはどうなんですか、フィオレロさん?」 問いが指すものは、忍耐か、はたまた"父"への愛か。 そう問い掛けると同時に、漸くそちらに顔を向けて。 浮かべる表情は、実に冷笑主義的なニュアンスのもの。 「何もかも、日毎夜毎変わっていくってのに 息苦しさと、堅苦しい決まり事だけは変わりやしない。 規律だ何だと、必要な事なのはわかっていますけどね」 趣向を変えた煙には、今更何を言う事も無く。 形ばかりに返るのは、心にもない言葉だけ。 ボスの死によって変わったのは、この掃除屋も例外ではない。 以前は少なくとも、今よりは他人行儀ではなかった。 皮肉交じりを身内に向ける事だって、滅多にある事ではなかった。 「あそこにあの人が居たら、何て言ったでしょうね? もしも身内の裏切りを疑るあまり、内部崩壊でもしたら?…… ──それしきで終いなら、その程度のタマだったって事だ。 そんなところじゃあないかと、俺は思いますけどね…」 (40) 2022/08/10(Wed) 0:06:58 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【港の埠頭】 >>44 フィオレロ 「ああ、いいね。 海に突き落として、そのまま沈めてくれたらきっと 俺の悩みも、あんたの悩みも幾らか解決するんじゃないですか」 やはりと言うべきか、乾いた笑いと共に並ぶ言葉は淀みなく。 帰らない鳥の行く末を追う事はせずとも、 その視線の先、続く言葉が指すものはわかっている。 「他者を特別嫌いに思った事が無い。 無関心なら、同じではなくとも、そう変わらないでしょうよ。 そうでないなら、違いますね。」 あんたの思想は知ったことじゃないので、同じかは知りません。 そう言いたげに、煙草を持っていない方の手を軽く揺らした。 「それにしても、随分今更じゃありませんか。 いつからそんなに面倒臭い人になったんですか? あんたの事は、前からそう呼んでいたじゃないですか。 ただの掃除屋ごときが、呼び捨てになんかできませんよ」 前からそう呼んでいた。それは確かな事実のはずで。 けれど仕事の外では、そうではなかった。 つまりこれは、仕事の外である今は通らない理屈でしかない。 何よりも、面倒臭いなんて、人の事を言えた義理ではない男だ。 (49) 2022/08/10(Wed) 1:54:19 |
コルヴォは、この日の夜、鉈と鋸を二本だめにした。 (a11) 2022/08/10(Wed) 2:13:37 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【港の埠頭】 >>58 フィオレロ 「ハ、流石、俺の悪運の強さをよくご存知だ」 「だってのに、俺だけが死んで自分だけが生きている そんな未来を想像するってのは、おかしな話じゃないですか」 何か上手いやり方でも見付けましたか。 答えに期待してもいない言葉を実に無関心そうに投げ掛けて、 自分の代わりに海へ投げ込まれた煙草を視線だけで見送った。 「どうせカラスどもは幾らでも替えが利く。 面倒臭くて結構、そのまま嫌ってくれたらもっと良い」 視線を戻し、無益な問答がただ続く。問いの意図はわかっていて、 敢えて答えにならない答えを返している。 そうして続く言葉の後には、少しの間。 恩赦を受けた煙草を喫み、煙を吐き出すまでの数十秒。 もう随分短くなっていたから、海に沈もうと気にはしなかったが。 (63) 2022/08/10(Wed) 18:36:35 |
コルヴォは、それ以上を言うつもりは無い。少なくとも、今この場では。 (a17) 2022/08/10(Wed) 18:38:56 |
コルヴォは、誰かに言った。「身内の死体を処分するなんてごめんです。」 (a21) 2022/08/11(Thu) 5:55:57 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【街中】 >>84 レヴィア 「あんたも同じ運命だなんてのは、面白い事もあるもんですね」 また一人、少女に声を掛けようとした軟派男が 皮肉るような言葉を受けて、そそくさと去っていった。 「Ciao. 何か気になるものでも?」 その後に少女に掛ける言葉は、社交辞令だ。 あなたと何か話すべき事があるわけではないし、 もっと言えば仲良くお喋りをするような間柄でもない。 愛想の無い男は返答が無くたって気にしやしないし、 どうあれあなたが静かに装飾品を眺める事の邪魔はしない。 眩しいショーウィンドウには目を向けず、立ち位置は風下に。 ここで足を止めたのは、ただ一服したかっただけだ。 この奇妙な取り合わせは他者からすれば至極声を掛けづらく、 無駄話を好まない互いにとって、恐らく都合が良いというだけの。 (89) 2022/08/11(Thu) 16:33:47 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【街中】 >>90 レヴィア 「掃除屋にだって、休みの日はあるもんです」 詮無い会話は互いにただ淡々と。 季節外れの黒支度は、いつだって誰かの喪に服している。 静謐な死の気配が重たく染み付いた仕事着ではなくとも。 そして、今に始まった話でもない。 「好きでも嫌いでもありませんね。 人間だって、ただ同じ場所に出入りするだけの人間を 特別好いたり嫌ったりなんかしないでしょう」 こちらもやはり、視線を向けもしないまま。 火を点けたばかりの煙草を一度喫んで、 その後に返る答えは、実に気のないものだった。 「あんたはどうですか」 通り掛かれば、目に留める程度には関心があるのか。 問い返しはすれど、やはり答えには特別期待してもいない。 (91) 2022/08/11(Thu) 18:08:24 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【街中】 >>92 レヴィア 「さあ。結局は全部、『ゴミ』になりますから」 だから興味がないのかもしれませんね。 至極無益な仮定を、実にどうでもよい事のように言い放った。 何れの黒も、夏のきつい日差しの下には不釣り合いでしかなく。 確かな異質さをもって、けれど存在は主張しないまま。 音も無く白昼に落ちた影のように、静かにそこにある。 「──ああ、いいですね」 音も無く、眇目だけが夕闇色の持ち主の立つ側を見返した。 変わらず淡々と肯定されたのは、 姿を消す猫の最期か、それとも後に続いた問い掛けか。 「必要とあらば、いつでも。 うちはどうにも休日出勤や時間外労働が多くてね…」 突然の仕事が舞い込むのは、いつもの事だ。 悪食の烏は、投げて寄越されたゴミを選り好みはしない。 (93) 2022/08/11(Thu) 19:09:25 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新