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【人】 鳥葬 コルヴォ【バー:アマラント】 「ギムレットとカプレーゼ。サービスは遠慮しときます」 カウンター隅の席に着いて、注文は簡潔に。 装いは重苦しい仕事着のまま、けれど幾らかは崩した格好で。 「まだ仕事が残ってやがる。 上に夏季休業期間を設けるよう督促するべきですかね…」 よりによって、と形ばかり愚痴のような言葉を零しつつ 片隅で寝入る配達員(>>@0)の姿を横目に見た。 実に無防備と言うほか無いが、多種多様な人々が出入りする この場所で迂闊な事をする者も居ないだろう。 「いったい俺は何が悲しくて このクソ暑い中仕事しなきゃならないんだか」 続く言葉はやはり形ばかり、愚痴というよりは冗句のようなもの。 その実何とも思ってはいない。 掃除屋が夏に忙しくなるなんてのは、当たり前の事なのだから。 とはいえ、よりによってこの時期に、と思わないわけでもない。 零す愚痴があるとすれば、それは客より『ゴミ』に対してのもの。 (8) 2022/08/12(Fri) 18:50:06 |
コルヴォは、見なかった事にした。きっと人違いだ。 (a3) 2022/08/12(Fri) 18:53:05 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【バー:アマラント】 >>15 リカルド 向けられた視線と追及に、 ええ……? って顔をした。明らかに接点の無さそうな二人が雑談をしているなんてのは、 あまりに不自然に見えるんじゃないだろうかと思って。 これは気遣いだったんですよ。本当です。半分くらいは。 「……お気を悪くしたなら謝ります? 人の事をあまりじろじろ見るのも不躾かと思いまして…」 グラスを置いて、半身だけをそちらに向けた。 勿体付けたような言い回しは、いつにも増して他人行儀だ。 何せただの掃除屋と親しい人間など、殆ど居ないのだから。 「…随分甘い酒を飲まれるんですね。 見掛けによらず元々その方がお好きなのか、 それともお知り合いの影響ですか」 誰の事とは、言わないけれど。 ここで会話を終わらせれば、却って悪目立ちをするだろう。 だからあまり興味は無いけれど、 何より、外では他人同士の方が当然都合は良いはずだけれど。 仕方なく、少しばかり世間話に時間を頂く事にした。 (17) 2022/08/12(Fri) 21:00:03 |
コルヴォは、残りの半分は、言うに及ばず。 (a4) 2022/08/12(Fri) 21:00:51 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【バー:アマラント】 >>19 リカルド 「その場にそぐわないからって、 居ちゃいけないって道理も無いでしょうよ」 いつからここはドレスコードのあるリストランテになったんです? 小馬鹿にするでもなく、ただ軽口のように続けた。 あなたの悩んでいる事は、そういう事ではないのだろうが。 「お仕事、上手くいってないんですか。 そうでもないなら、別に焦らんでもいいでしょう。 任されたばかりの仕事を完璧にこなせる奴なんて居やしない」 「あんたはきっと真面目すぎるんでしょうね」 すっかり眉尻を下げてしまったあなたに無責任に言う言葉は、 飽くまでも上下関係も何も無い、他人としてのものだ。 何も事情なんて知らない人間の言う、ただの一般論。 「その時注文するに適したものが思い付かないなら、 店員に聞いて、勧められたものを頼めばいい。 それなら合わないものが出てきても、言い訳が利くでしょう」 相手は本職なのだから、合わない事はそう無いだろうが。 真偽はどうあれ好き好んで頼んだわけでないのなら、 やはりあまり親身でもない言葉だけを投げ掛けた。 態々人様の面倒を見るような立派な人間ではないのだ。 (23) 2022/08/12(Fri) 22:53:57 |
コルヴォは、呟いた。「あんたの愛想の良さを見習いたくてね」 (a9) 2022/08/13(Sat) 0:17:35 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【バー:アマラント】 >>31 リカルド 「人の意見を素直に聞けるんなら、悪いようにはなりません」 「あとはそうやって堂々としてりゃあいいんですよ。 そうしたら、そのうち文句を言う奴なんて居なくなる」 目立つのは仕方ないと割り切ってしまうのも手だろう。 自信の無い様子を見せる方がずっとまずい。 怪しいと思わせる要因は、多くは落ち着きの無さなのだから。 「よくバーに出入りするお知り合いが居るなら、 それとなくお作法を聞いてみるのもいいと思いますよ。 あんたが何の仕事してるのかは知りませんけど」 「名前も知らない他人の事に首突っ込むのも野暮でしょう。 俺はこの辺で失礼します。次は楽しめるといいですね」 余計なお世話でしょうけど、と。 残った酒を乾して、会計を済ませて席を立った。 徹底した他人行儀。諜報活動は不慣れとはいえど、 その意味がわからないあなたではないだろう。 (32) 2022/08/13(Sat) 2:32:23 |
コルヴォは、その後は素知らぬ顔でバーを後にするだけだ。 (a11) 2022/08/13(Sat) 2:32:48 |
コルヴォは、立ったばかりの席の方から聞こえた声に若干損をした気分になった。 (a14) 2022/08/13(Sat) 8:38:44 |
コルヴォは、 ……まあ、いいか…。 諦めとその他諸々が勝った。 (a15) 2022/08/13(Sat) 8:44:19 |
コルヴォは、カラン。涼やかな音を立てて、その場を後にした。 (a20) 2022/08/14(Sun) 1:02:02 |
【人】 鳥葬 コルヴォ【路地裏】 ごつ、ごつ、漸う響く重たい靴音は一定の間隔を保つ。 たった一人の葬列は、暗い路地裏を行く。 静かなその場所には猫の一匹も居やしない。 「お気の毒なことだ」 落ちている『ゴミ』を横目に見て、言う事はただそれだけ。 掃除屋と言えど、頼まれてもいない後片付けはしない。 出処さえわからないようなものは、余計に。 慈善事業でもないのだから当然だ。 言うまでもなく、何処ぞに通報なんて、するわけもない。 こんな場所には地元警察だって来たがりはしない。 きっと一般人だって知っていることだろう。 路地裏のゴミなんてものには、誰もが触れたがらないものだ。 喪服姿が足を止める事はない。 大して先を急ぐ事も無く、ただ『ゴミ』の横を通り過ぎていった。 (64) 2022/08/14(Sun) 2:47:16 |
コルヴォは、言外に訣別を告げた。 (a21) 2022/08/14(Sun) 5:13:34 |
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