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【人】 こどもの アルレシャ>>1 スピカ 顔を上げると、大人がひとり。 「……っ、スピカ!」 アルレシャは透明な声を上げました。駆け寄って抱き締めようとしますが──やはり、手は空虚を切るだけでした。 「きてくれたのねスピカ……。 ほんとうに、ありがとう……」 どうにかして、自分がここにいることを伝えたいと思いました。 しかし声も姿も透明です。どうしたものかと唸っていましたが……ふと、貰った手紙が目に入りました。 受け取った瞬間、透明になった封筒と便箋。 なら、再び差し出せば見えるようになるかもしれません。 ……便箋とにらめっこをします。 (2) 2022/01/27(Thu) 18:28:15 |
アルレシャは、スピカの前にいます。 (a0) 2022/01/27(Thu) 18:35:50 |
【人】 こどもの アルレシャ>>6 >>7 スピカ 「うん、うん……」 広い背中に小さな腕を広げました。やはり抱きしめている感覚などちっとも無いのですが、さっきよりもずっと心強く感じます。 「だから、だいじょうぶ」 「だいじょうぶ、」 自分に言い聞かせるように、何度も呟きます。 本当はちっとも大丈夫なんかじゃないのです。 寂しくて、大声で泣き出してしまいたい程でした。 それでも、スピカは見つけ出してくれました。アマノだって、一生懸命頑張ってくれています。 だから、大丈夫になりたいのです。 きっとそれが、アルレシャにできる精一杯のお礼ですから。 「だいじょうぶ ……っ、?」 (9) 2022/01/28(Fri) 12:45:20 |
アルレシャは、ふと、手のひらに温もりを感じました。 (a2) 2022/01/28(Fri) 12:45:49 |
アルレシャは、……そっと手を動かします。すると、スピカの背中を撫でることができました。 (a3) 2022/01/28(Fri) 12:46:18 |
【人】 こどもの アルレシャ>>10 スピカ 「…………、すぴかぁ〜〜〜!!」 アルレシャは、とうとう大きな声で泣き出しました。悲しくて泣いているのではありません。安心したから、今まで我慢していた分の涙が溢れてしまったのです。 嬉しい時にだって、人は涙を流します。 「ぁ、アルね、もう、おはなしっ、できないとおもっ、た……!」 力いっぱい、スピカを抱きしめ返しました。大人からすれば、決して強い力ではありません。 けれども、幼いアルレシャが示せる『ありがとう』の形です。 (11) 2022/01/28(Fri) 13:33:49 |
【人】 こどもの アルレシャアルレシャが姿を現し、スピカとアマノに無事再会できた後のことです。 使用人達の噂を聞きながら、帰り道について考えていました。ペガサスを呼んでも良いのですが、子馬ですから長い距離は疲れてしまうでしょう。 道にはきっと迷わない筈です。理由はわかりません。ですが、なんとなくそんな気がするのです。 ぶるる、ひひーん。 元気な鳴き声と共に桃色のユニコーンが一頭、湖に降り立ちました。 アルレシャは窓から身体を乗り出し、湖の方角を見つめます。すると、ぱっと顔を明るくしました。 「……ママのおうまさんだ!」 そのユニコーンは先日呼んだペガサスよりもずっと大きく、大人の顔立ちをしています。 首に巻かれた大きなリボンに、柔らかいレースで編まれた手綱。ふかふかの鞍を背中に乗せていました。 二人 をお迎えする為に、うんと御洒落をさせてもらったのです。アルレシャは胸を弾ませて、足取りも軽やかに友達の元へ駆け出します。 (12) 2022/01/28(Fri) 13:37:27 |
【人】 こどもの アルレシャ>>ブラキウム 「ブラキ! でぐち、あいたんだって!」 庭園にいるでしょうか、それとも城内にいたでしょうか。 いずれにせよ、アルレシャはブラキウムを見つけ出します。隠されていなければ、探し出せる筈ですから。 アルレシャは湖畔の方を指さしました。 「それでね、ママがね、おうまさんをおくってくれたの。 おうちまでビューンってかえれるよ!」 無邪気な笑顔がブラキウムを見上げました。すっかり二人で帰るものだと思っています。 二人は普通のお友達ではなく、 ずっと一緒の、特別なお友達 ですから。お別れなんて、有り得ません。 死さえも離別の理由になりません。 (13) 2022/01/28(Fri) 13:45:27 |
【人】 こどもの アルレシャ>>14 スピカ 「……うん、いく」 僅かに身体を離すと、スピカを見上げました。背中に回していた手を下ろし、目元を拭って頷きます。 アルレシャには、まだやるべきことがあるのです。 「アマノにありがとうをして……、 みんなにただいま、って……いわなきゃ」 そうして二人は歩き出したことでしょう。 小さな手と、大きな手を繋いで。 (15) 2022/01/28(Fri) 17:00:39 |
【人】 こどもの アルレシャ>>17 >>19 スピカ/アマノ 「アマノ〜〜〜!」 一瞬手を離すか躊躇ったものの、結局堪えきれずアマノに飛び付きました。そして、ちら、とスピカを見ます。 ……もう手を離したってどこにもいきません。安心すると、アマノを見上げました。 「スピカがね、みつけてくれたの! アマノもかえってきたんだねぇ!」 泣き腫らした目元のまま、アルレシャは笑いました。 「なんかね、でぐちあいたんだって。 アルはおうちにかえるけど……ふたりはどうするの?」 (21) 2022/01/29(Sat) 9:33:22 |
【人】 こどもの アルレシャ>>@0 >>@1 ブラキウム 「……しんぱいしないで、ブラキ?」 涙を細い指で一粒受け止め、下から見上げます。小さな両の手で、ブラキウムの頬を包みました。 「なかなくても、 ちゃんとおうちにかえれるよ 」きっとブラキウムは不安なのだろうと思いました。拒絶されたなんて、ちっとも考えません。 ブラキウムのおうちは、アルレシャのおうちです。 二人は同じ家の子なのですから、同じ家に帰るのは当然ではありませんか。 (30) 2022/01/29(Sat) 18:38:39 |
【人】 こどもの アルレシャ>>@0 >>@1 ブラキウム ブラキウムは、この城で出会ったみんなとのお別れが寂しいのかもしれません。アルレシャだって、勿論それは寂しいです。 しかしまたお家に帰れば、たくさんのお友達と素敵な国で暮らせます。その方が、ずっと楽しい筈です。 「ねぇ、ブラキウム」 ────ですから、 「おもいだして」 ────善意で、 (31) 2022/01/29(Sat) 18:39:38 |
アルレシャは、ブラキウムの記憶に手を伸ばしました。 (a6) 2022/01/29(Sat) 18:41:11 |
【人】 こどもの アルレシャ>>24 >>25 スピカ >>27 >>28 アマノ 最初こそ目を丸くしていました。しかし、直ぐにその瞳は輝きます。 「え……じゃあ、じゃあ、 けっこんするの!? 」アルレシャは、自分のことのように喜びました。 好きな人と好きな人が、共に生きることを誓い合ったのです。嬉しくて思わず踊り出してしまいそうでした。 「ふふ、ふふふ! えーと、こういうときは……『すえながく、おしあわせに』だよねっ」 きっとふたりは、絵本のように幸せな家庭を築くのでしょう。アルレシャは、そう信じています。 (33) 2022/01/29(Sat) 19:33:33 |
【人】 こどもの アルレシャ>>24 >>25 スピカ >>27 >>28 アマノ アマノに問われれば、笑顔で頷きます。答えは決まりきっていますから。 「もっちろん。 アルも、ちゃーんとおうちにかえるよ!」 床に下ろしてもらうと、二人の手を両の手で握りました。まるで親子が並んで歩くように。 「さよなら、アマノ、スピカ。 ……すてきなパパとママになってね?」 小さな祈りをこめて、そう呟きました。 (34) 2022/01/29(Sat) 19:34:10 |
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