167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】
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| >>2:92 ビアンカ【街中】 こうなるとわかっていても、嘘をつくとか、誤魔化すとか、そういう発想には至らない。 ただそっと目を逸らし、「うん」とばつが悪そうに相槌を打つ。 何事にも対価がある方が落ち着くから、あなたのやり方に不満はなくて。 自分のことになると言い付けも忘れてしまうことがあって、それに反省しているだけだ。 手間をかけさせるのは本意ではない。 「おれも帰る。 何か買って行こう、やっぱり疲れてそうだから」 ぱたんと絵本を閉じ、ベンチから立ち上がる。 (0) 2022/08/14(Sun) 22:07:30 |
【灯台】
夜の帷がいざ上がろうという頃、
灯台の最上階に人影が二つ。
そこで交わされたものを知るのは、
当人たちのみだろう。
【バー:アマラント】
表通りからは離れた路地の一角、
隠れ家のような入り口。
石の階段を下った先の木の扉。
下げられたプレートには『CLOSED』の文字だけ。
明かりのない店内、カウンターの片隅には、
少し萎びかけた数本の花。
本名:ジェロラモ・ロトロ(Gerolamo Rotolo)
死因:頭部を銃弾で撃ち抜かれたことによる失血死
発見場所:灯台の最上階
遺体の様子:未発見。
銃による出血の痕跡、
及びロッシと書かれたネームプレートのみ。
本名:シルヴィオ・モレッティ(Silvio Moretti)
死因:頭部の銃創による脳挫傷、出血死
発見場所・遺体の様子:
人気の少ない路地裏で額から出血している状態で発見される。
アウグスト・グエッラの殺害に使われた手法と酷似しているが、現在は同一犯よりは手口の模倣の可能性が高いと見られている。
本名:ロタール(Lothaire)/孤児のため姓は不明
死因:心臓部を銃弾で撃ち抜かれたことによる失血死
死亡したときの状況:
大通りより一本入った裏路地にて、倒れた状態で発見された。
拳銃で心臓を貫いた弾丸が一つ。この一撃が致命傷となった模様。
| >>1 ビアンカ【街中】 差し出された傘を大人しく持つ。 大通りの方へと足を向けつつ、すこし考える。 何、と決めるのはあまり得意ではない。 「えっと……串焼きの屋台を見たよ。 あとは、…… ピッツァの揚げたやつとか」 (14) 2022/08/15(Mon) 9:05:48 |
| >>21 ビアンカ【街中】 しゃんと伸びた背筋。ヒールの分、あなたの方が少し高い背丈。 毅然とした姿は、或いは、そう見せているだけなのかもしれないけれど。 生業を同じくしても、あの女はいつも、泣くか怒るかだった。 少年の狭い世界の中で、近いようで対極にあるもの。 陽射しが眩しくて、ふと瞳を細めた。 「ん、わかった」 紙幣を受け取り、通りへ視線を泳がせる。 目当ての屋台を見つければ、人波を縫ってお使いへ。 揚げ物はちょっと、と言われたから、「脂の少ないのってどれ」と店主へ問う。 結果、ヒレやモモが選ばれ、あとはよくわからないから、鶏やら羊やら牛やら適当に購入した。 今言われたばかりなので、もちろん、自分の分は自分できっちり。 そうしてあなたの元へ戻り、釣り銭を返すだろう。 (25) 2022/08/15(Mon) 20:21:53 |
| >>27 ビアンカ【街中】 そうやって華奢な足でしっかりと立つあなたは、見目が整っていることもあり、何となく凄みがある。 あの女はいつも、男にしなだれかかるように立っていた。 少年のせいで、そうでなければ生きられないのだと。 「ん」 ひらりと裾を翻し歩く姿も昂然と。 少年も後を追い、くたびれたスニーカーで石畳を蹴る。 絵本とあたたかな包みと、預けられた傘を持って。 辿る道の先は、あなたの暮らす部屋。 暗いクローゼットの中とは違うところ。 (48) 2022/08/16(Tue) 18:47:20 |
| >>49 ビアンカ【街中】 ゆら、ゆら。揺れる毛先を見るともなく見ながら歩を進める。 時折少しばかり距離が開いても待ってほしいとは言わず、さりとて見失うこともなく。 連れ立って歩くと言うには、いささかぎこちないけれど。 「――――」 ぽつりとこぼされたそれが、こちらに向けられたものかどうか判断するまでの間が僅か。 問いかけのかたちをしているその言葉の向かう先は、共に歩いているこちらだろうか、と考えてからも、間がもう少し。 「……えっと、おれに聞いてる、のか? この辺のことしか知らないから、わかんないけど……」 (52) 2022/08/16(Tue) 20:19:57 |
【自室】
主を失った部屋には、ほんのりと煙草の残り香。
家具は最低限のもののみが置かれており、殆ど物が置かれていない。
使用感のあるものと言えば、黒のテーブルに置かれた灰皿。
そろそろ捨てるべき量の吸い殻と灰が積まれている。
その脇には、写真立て。
写真には、3人の子どもが写っている。
笑顔の男の子に、少し困ったように笑う男の子、そして、口元をへの字に曲げている男の子。
並んで撮影をした時の、少し古くなった写真だ。
そして、ベッド脇のサイドテーブルに、書きかけの便箋。
何の色のもついていない、シンプルな白のそれに、汚い文字がいくつも並んで、塗りつぶされて。
床には書き損じの便箋がいくつか転がっている。
ちらりと見える内容は、仕事に対するメモ―――あるいは、アドバイス。
結局まとまりきっていなかったのだろう。
この数日で書き上げるつもりだったのかもしれない。
しかし、この部屋に主は戻らない。
この部屋にあるものが、主の手によって何かを為すことはもう二度とないのだ。
| >>54 ビアンカ【街中】 そう言われてしまえば、それもそう。 なので少年は歩き出しながら、黙って、旅行のことを考える。 「………………」 暗く狭いクローゼットを出て、そろそろ2年。 人混みは未だ得意ではないものの、街を歩くことにも随分慣れた。 ここから更に、どこか、知らないところへ出かける、などと。 やはり、上手く想像できないけれど。 「……いやじゃない、と思う」 「本で見たみたいなところとか、自分の目で見られたら、……」 (62) 2022/08/17(Wed) 0:46:28 |
| 【街中】
日の暮れる頃。 祭りの灯りも未だ明るい中、少年は車の行き交う通りを歩く。 信号のそばで足を止める。 コツ、コツ。赤色に引き止められた車の窓を叩く——。 (64) 2022/08/17(Wed) 0:56:41 |
テンゴ
【三日月島:岬】
「……」
「……おっさんなら、男がそんな顔するもんじゃないって言うんだろうな」
そう、思い返すことすら。
酷く心の奥が苦しくなるのだけれど。
確かに、しみったれた自分は酷く格好悪いような気がして。
「そろそろやめようと思ってたところだ、アンタに言われて心が決まった」
「近いうち、何か進展があるといいけどな」
煙草を消して。踵を返しその場を離れようとはするのだけれど。
話したいことがあるのであれば、まだ引き留める事は出来そうだ。
| >>63 ビアンカ【街中】 「……?」 あなたが立ち止まれば、少年もまた足を止める。 振り返ったあなたを見つめて首を傾ぐ。 「急に、なんで」 それは当然の疑問だろう。 (68) 2022/08/17(Wed) 9:17:50 |
| (a31) 2022/08/17(Wed) 18:34:03 |
| (a32) 2022/08/17(Wed) 18:34:17 |
| (a36) 2022/08/17(Wed) 18:37:23 |
| (a37) 2022/08/17(Wed) 18:37:38 |
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