【人】 騎士見習い テンガン んっ!? [迷いあぐねていれば、突然に目の前に>>38何かを突き付けられた。 一歩下がってみれば、それは依頼書であった。 それも二人一組でないと参加不可能という。] んんっ!?!? [依頼書の内容を上から下まで読み終わったと思ったら、途端に首根っこを引っ掴まれた。 混乱している間にあれよあれよと受付で手続きが済まされる。 そうしてテンガンは突然現れた男と一緒に初めてのモンスター討伐に(強制的に)繰り出すことになったのだった。] (46) 2021/04/30(Fri) 0:14:50 |
【人】 騎士見習い テンガン――回想・とあるダンジョン―― (くそっ、いきなりミノタウロス討伐に誘う奴があるか……!) [ダンジョンに潜った両名は幸運にもと言うべきか、首尾よく『双子のミノタウロス』と遭遇した。 ビギナー冒険者のテンガンはこれほど大型のモンスターと戦闘するのは初めてのことだった。] (騎士は対人の斬り方しか学ばない。果たしてオレの剣が通用するのか!?) [柄を握る手に汗が滲む。 テンガンは息を入れると、双子のミノタウロスの一方を睨み付けた。 もう一頭は自分を無理やりここに連れてきた相棒>>38に任せた。] (47) 2021/04/30(Fri) 0:15:23 |
【人】 騎士見習い テンガン ハァッ! [一歩、踏み込み地を蹴る。 テンガンの身体はミノタウロスに向かって伸びる。 下から上に剣を振り上げた。 血飛沫、ミノタウロスが苦悶の声を上げる。 間髪入れずに振り上げたそれを今度は上から下へと振り下ろす。 高く、低く。浅く、深く。 身体の回転も利用して切りつける度に怪牛の血がダンジョンの床に飛び散る。 ミノタウロスが反撃の突撃をして来たかと思えばひらりと横に躱す。 テンガンのその体さばきは何も超反応によるものではない。 テンガンは習った型の通りに動いているだけであった。 こう動けば敵はこう動く。 こう動けば隙が少なく敵は攻めづらい。 必然、次の敵の動きはこうなる。 そこをこう斬れ。 剣を握る人間が代々伝えてきた集合知。 その型の通りにテンガンは剣を振るうだけ。 そして――それだけで敵は倒れるのだ。] ふう……。 [やがてテンガンの目の前には一頭のミノタウロスが倒れ伏していた。]** (48) 2021/04/30(Fri) 0:15:44 |
【人】 騎士見習い テンガン――回想・とあるダンジョン―― なんとか倒せたか……。 [今まで稽古してきた型は人型のモンスターにも通用した。 ミノタウロスの方から勝手に剣の間合いに引き寄せられるように、綺麗に斬り払うことができた。 ふと見ると相棒の方はちょうどもう一方のミノタウロスと対峙しているところだった。>>53 腰を低くした姿勢でただじっとミノタウロスの方から突撃してくるのを待っている。 緊張感がこちらにも伝わってくるかのようだ。] あれはもしや、居合……!? [話に聞いた刀と呼ばれる得物による剣術ではないか。 息を呑んだ瞬間には白い閃光が化け物を一閃していた。 刀を鞘に仕舞う所作まで流れるように美しかった。] (60) 2021/04/30(Fri) 13:54:38 |
【人】 騎士見習い テンガン お見事、です……! [テンガンは子供のように興奮して頬を紅潮させていた。 討伐の証である角を切り取るのも忘れるほどに。 男が切り取ってくれた角を受け取ると、何故だかそのままの流れでテンガンは再び首根っこを掴まれてしまったのだった。>>54] ちょ、待って! 自分で歩けますって! 放せ、放してくれー! [冒険者はやっぱりもうこりごりだよ、とほほ……。 とは思ったものの、スピカはテンガンの貴重な知人の一人となったのだった。]* (61) 2021/04/30(Fri) 13:55:27 |
【人】 騎士見習い テンガン――冒険者ギルド―― [ギルドに足を運ぶのも慣れてきた。 少しだけここに馴染んできたかなとテンガンは誇らしい気持ちになる。 正直テンガンはスピカという冒険者のことを苦手に思っている。 何をするにも言葉足らずだし強引だ。 だがそもそもテンガンは冒険者全般が苦手だし、その中でもスピカという男はマシな方だった。 そして今現在冒険者の中で唯一の知り合いだ。 よって必然的に何か困りごとがある時はスピカに相談するか自力で解決せざるを得なかった。 今もテンガンは何枚かの依頼書を手に頭を悩ませているところだったが、スピカが>>51女性と和やかな雰囲気で会話を交わしているので声をかける機会を逃しているところだった。] (62) 2021/04/30(Fri) 14:25:51 |
【人】 騎士見習い テンガン(それにしても先輩にしては饒舌だな……) [本人を直接そう呼んだことはないが、テンガンは密かに心の中でスピカのことを先輩と呼んでいる。 その先輩が自分との会話は大体「ん」の一文字で終わらせるのに、今隣にいる赤毛の美しい女性とは楽しそうに喋っているではないか。 内心驚愕しながら無意識に聞き耳を立てていれば、先輩が>>52相手の女性をあだ名で呼ぶのが聞こえた。] (ま、まさか先輩の想い人なのか……!?) [そういう関係だとは思わなかった。 そうと分かれば聞き耳を立てているのは無粋だし、何より存在に気づかれて雰囲気を壊すような羽目になりたくない。 そそくさと依頼書を懐に仕舞うと、テンガンは気づかれぬうちにその場を退散しようとした。]* (63) 2021/04/30(Fri) 14:26:19 |
【人】 騎士見習い テンガン――冒険者ギルド―― [見つかってしまった。>>66 このまま黙って去るのも何なので、覚悟を決めて話しかけることにした。] あー、スピカさん。 実はちょっと相談があるのですが…… [スピカという名も受付嬢の人が彼をそう呼んでいるのを聞いてやっと知ったくらいだ。 その彼を愛称で呼んでいる女性は一体何者なのだろう。 やはりいい仲なのでは……と考えてしまうが表情に出さぬように努める。] この、ダンジョン攻略の依頼なのですが。 妙に割がいい気がして…… これって普通の依頼なのでしょうか? [スピカ先輩とついでのその隣の赤毛の女性にも依頼書を見せながら尋ねる。 普通のダンジョン攻略よりも報酬が頭一つ飛び抜けているのだが、それがこのダンジョンが特別難しいからなのかそれとも他に特殊な事情があるからなのか初心者のテンガンには判断できず、それでさっきから悩んでいたのだった。 悩んでいる間にギルド員さんが依頼書を張り替えていって、「撮影同伴なら報酬1.5倍」>>67とさらに条件が付け足された。]* (68) 2021/04/30(Fri) 17:52:16 |
【人】 騎士見習い テンガン――スラム街―― [スピカ先輩と赤毛の女性の二人からはどんな助言を得られただろうか。 色々と考えあぐねた結果、結局テンガンは受付で手続きを済ませ、そのダンジョン攻略の依頼を受けることにした。 撮影同伴……というのはよく分からないのでひとまず断ることにした。スピカ先輩に何か魔石の話を聞いたような気もするが、テンガンは魔術テクノロジーの話には疎いのだった。] (裏門から出た方が近いな……よし、近道しよう!) [貴族として暮らしていた時には狭苦しい路地裏を通ってみようなんて考えもしなかったが、冒険者として暮らして早数週間、テンガンはもうすっかり一端の庶民になったつもりでいた。 突っ切って真っ直ぐ裏門を目指せば近いと思ったのだが……裏路地は複雑に折れ曲がり、道分かれし、気が付いた時には自分がどの方角を向いているかも分からなくなっていた。] (69) 2021/04/30(Fri) 17:53:52 |
【人】 騎士見習い テンガン[テンガンは随分とうら寂しい場所に出てしまった。 それが俗に言うスラム街だとお坊ちゃまであるテンガンには分からなかった。 ただ、薄汚れた建物ばかり並んでいて道には犬の糞が平気で転がっている街並みを見て、場違いな場所にいるのだとは理解できた。] (あ、人がいる……) [途中、背の高い色黒の男>>65の姿を見かけた。 テンガンが毛嫌いしているタイプの粗暴そうな雰囲気の漂う男であった。 話しかけるのが躊躇われたが、他に人は見当たらない。 テンガンは覚悟を決めて笑顔を形作った。] あのー、すみません! 町の裏門ってどっちの方にありますかね? [友好的な態度さえ取っていれば道くらい教えてくれるだろう、そう思って。]* (70) 2021/04/30(Fri) 17:54:18 |
騎士見習い テンガンは、メモを貼った。 (a19) 2021/04/30(Fri) 18:14:46 |
【人】 騎士見習い テンガン み、身ぐるみっ!? [予想もしていなかった返答>>71に目を丸くする。 男がこちらをジロジロと見てくる視線も謎だ。 そんなに変な格好をしているだろうかとテンガンは自分の格好を見下ろしたが、ごく普通の庶民と同じ格好にしか見えない。 実際には庶民の格好にと言うにはどうにも高級感が目立つ浮いた格好になってしまっているのだが、テンガンはそんなことには気づかない。 普通は駆け出しの冒険者はこんなに上等な装備は整えられないものだ。] (72) 2021/04/30(Fri) 19:53:51 |
【人】 騎士見習い テンガン ……本当に人の身包みを剥いでしまうような 悪党がいるのであれば、 それは騎士として、いえ、正しき冒険者として 世の為人の為に成敗しておかなければなりませんね。 [最初は面食らったものの、テンガンはニヤリと不敵な笑みを浮かべて言い放った。 剣の柄に手を置きながら人と話すのはすごく失礼なことなので柄に手をかけたりはしないが、一応いつでも戦闘態勢に移れるように心構えだけはしておく。] もちろん貴方がそうだとは言いませんが。 貴方は道を教えて下さる親切な市民です、そうでしょう? [声をかけた時とは違う意味を含ませてにこりと微笑む。 実際目の前の男が襲い掛かってきたりはしないだろうとテンガンは思っている。 そういう悪党は徒党を組むものだ。たった一人で盗賊行為をする勇気はないだろうと高を括っている。]* (73) 2021/04/30(Fri) 19:54:58 |
【人】 騎士見習い テンガン[完璧に庶民に変装できていると思い込んでいるテンガンは、イクリールと名乗る女性>>78に若君と呼ばれた時も理由が分からずドキリと動揺したほどだった。 誰から見てもバレバレだとはテンガンは露にも思っていない。 結局、イクリールという女性は初対面の人には誰にでも丁寧に「若君」と呼びかける人なのだろうと自分を納得させて、テンガンは気を落ち着かせた。 そんなテンガンだから、目の前の謎の男の視線も、皮肉げな笑み>>74の理由もまったく分かっていなかった。 自分の態度の何が可笑しいのかと頭の中に疑問符を浮かべるばかりだった。] ああ……そうか! 確かに正当な報酬は必要ですね。 [男が快く「案内してやっていい」と言ってくれたのだから、正当な報酬を払うべきだとテンガンは感じた。 男に道案内してもらえることにほっと安堵しながら、銀貨の入った革袋を取り出した。 数週間冒険者として生活を送ってきて、ここで金貨や小金貨を払うのは物価的に高すぎると流石のテンガンも学んでいる。] これくらいで足りますか? [革袋の中から無造作に掴んだ銀貨の塊が何枚あるか数えもせずに、そのまま男に差し出した。 テンガンにとって金とは一枚二枚と数えるものではなく、量で量るものだった。]** (81) 2021/04/30(Fri) 22:10:52 |
(a27) 2021/04/30(Fri) 22:18:02 |
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