167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】
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【灯台】
夜の帷がいざ上がろうという頃、
灯台の最上階に人影が二つ。
そこで交わされたものを知るのは、
当人たちのみだろう。
【バー:アマラント】
表通りからは離れた路地の一角、
隠れ家のような入り口。
石の階段を下った先の木の扉。
下げられたプレートには『CLOSED』の文字だけ。
明かりのない店内、カウンターの片隅には、
少し萎びかけた数本の花。
本名:ジェロラモ・ロトロ(Gerolamo Rotolo)
死因:頭部を銃弾で撃ち抜かれたことによる失血死
発見場所:灯台の最上階
遺体の様子:未発見。
銃による出血の痕跡、
及びロッシと書かれたネームプレートのみ。
本名:シルヴィオ・モレッティ(Silvio Moretti)
死因:頭部の銃創による脳挫傷、出血死
発見場所・遺体の様子:
人気の少ない路地裏で額から出血している状態で発見される。
アウグスト・グエッラの殺害に使われた手法と酷似しているが、現在は同一犯よりは手口の模倣の可能性が高いと見られている。
| (a0) 2022/08/14(Sun) 23:32:38 |
本名:ロタール(Lothaire)/孤児のため姓は不明
死因:心臓部を銃弾で撃ち抜かれたことによる失血死
死亡したときの状況:
大通りより一本入った裏路地にて、倒れた状態で発見された。
拳銃で心臓を貫いた弾丸が一つ。この一撃が致命傷となった模様。
| 【街中】
祭りの喧騒の中を、黒い傘を差して歩く。 傘は便利だ。雨も陽も防いでくれるし、 上から見れば、どこに体があるのかもわかりづらい。
街の賑わいは変わらない。 誰が死んでも、この街は気にすることもなく。 あるいは気付くこともなく、未来へ進んでいく。 自分と一緒だ。
「今日も暑いわね。」
飲みかけのアールグレイティーのボトルを取り出して 少しだけ喉を潤して。 そしてまた、宛もなく歩く。 (17) 2022/08/15(Mon) 10:21:27 |
| >>22 ストレガ 「あら。」 街中。 歩く先に貴方を見つけて、声を出す。 傘で影の落ちた顔は、相変わらず冷たく涼しげだ。 「飲み物、あげるわ。」 随分暑そうにしてるから、手に持ったボトルを差し出す。 飲みかけのアールグレイティー。 冷蔵庫に冷やしてたものを持ってきたので、 まだ冷たさが残っている。 (23) 2022/08/15(Mon) 20:02:56 |
| >>24 ストレガ 「暗殺屋から渡されたものを、躊躇なく飲むべきじゃないわね。」 すんなりと受け取られ飲まれるそれを目で追いながら、 そんな事を言って。 肌の露出がほとんどない服に、白のシルクグローブ。 長い飴色の髪を身にまとった女が、貴女を見上げる。 「陽射しが肌に当たるから暑く感じるのよ。」 「貴女も日傘を差してはどう?」 差し出されたそれを受け取って。 こちらももう一口、喉を潤した。 (26) 2022/08/15(Mon) 20:26:31 |
| >>28 ストレガ 「そうやって油断してる人が一番簡単なのよ。」 冗句ともつかない、色のない表情。 喧騒の中では二人の会話を気にする人もいない。 「あら、似合う似合わないを気にする人だったのね。」 「そうよ。だって、昼に店を開けたら、誰か来てしまうかもしれないから。」 なんて、接客のせの字もない言い分。 あくまで『表の仕事』として名乗るためにやってるだけで、 売り上げなどは気にしてはいないのだろう。 「日が暮れたら戻るわ。」 「貴女は何を?」 (29) 2022/08/15(Mon) 21:07:16 |
| >>30 ストレガ 当然、演技かどうかの見分けはすぐにつく。 仮にされていたとしても、いつもより少し冷ややかな目で それを黙って眺めていた事だろう。 「そう。可哀そうね。」 「上着でも着る事ね。」 下世話な視線には慣れている。 声を掛けられることもあれど、あしらい方も随分慣れてきた。 この容姿ならではの経験値だろう。 最も今は、睨みのおかげでその経験値が溜まる事はないが。 「嫌よ。私、寝るの嫌いなの。」 「そう。夜は"危ない"もの。それがいいわ。」 「暇なら貴女こそ帰ってsiestaした方が良いと思うけれど。」 不健康な顔色ね、なんて、頬の辺りに視線を落とす。 (31) 2022/08/15(Mon) 22:30:19 |
| >>32 ストレガ 「そしたら貴女はずぶ濡れね。」 こちらは雨にも対応できる日傘。 声を掛けようとした輩を一瞥して。 唸られてすごすご帰る様、興味なさげに視線を外す。 「獣みたいね。」 そんな感想を零しつつ。 「あら、そう。」 「じゃあ、私もその理由でいいわ。」 寝るのが嫌いな理由。 睡眠をとったほうが細かな作業の効率がよくなるのではなくて? なんて、そんな指摘もしつつ。 「無駄にしたくないなら、私は邪魔かしら。」 「これ、こんなに飲めないの。差し上げるわ。」 「ゴミを処分しておいてくださるかしら。」 手に持ったボトルを差し出して。 受け取られたら、ふわりと背を向ける。 (33) 2022/08/15(Mon) 22:57:24 |
| レヴィアは、夕方からいつものように、路地で鎮魂歌を奏でている。 (a15) 2022/08/16(Tue) 16:45:09 |
【自室】
主を失った部屋には、ほんのりと煙草の残り香。
家具は最低限のもののみが置かれており、殆ど物が置かれていない。
使用感のあるものと言えば、黒のテーブルに置かれた灰皿。
そろそろ捨てるべき量の吸い殻と灰が積まれている。
その脇には、写真立て。
写真には、3人の子どもが写っている。
笑顔の男の子に、少し困ったように笑う男の子、そして、口元をへの字に曲げている男の子。
並んで撮影をした時の、少し古くなった写真だ。
そして、ベッド脇のサイドテーブルに、書きかけの便箋。
何の色のもついていない、シンプルな白のそれに、汚い文字がいくつも並んで、塗りつぶされて。
床には書き損じの便箋がいくつか転がっている。
ちらりと見える内容は、仕事に対するメモ―――あるいは、アドバイス。
結局まとまりきっていなかったのだろう。
この数日で書き上げるつもりだったのかもしれない。
しかし、この部屋に主は戻らない。
この部屋にあるものが、主の手によって何かを為すことはもう二度とないのだ。
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