【人】 苗床環者 メディウム − 緋雁との話 − [咲けるようになった僕らと雷恩が並んでいた時に、緋雁どのと出会ったことがある。彼は、戦闘員というらしくあまり積極的に交流を持つ機会は無かったのだけど。 ……先日、博士と何か……甘やかなやり取りではない、むしろその逆……話をしていた事は聞いていた。 だからこそ、少しためらっている。彼にとってはきっと、僕らも「異物」として映るのだろう。尊い大樹へと寄り添い咲こうとする花へ、何を思っているのだろうか。] こ、こんにちは。緋雁どの。えっと、そこで雷恩、どのと出会ってな……少し道案内していた所だ。お、お邪魔になりそうなら、僕はこれで…… [つい、そんな風に雷恩と距離を取ろうとしてしまった。 (一時的に離れるだけよ、すぐ戻るわ) 一応、そう“彼女”は伝えてくれたけど]* (118) 2023/11/30(Thu) 14:04:09 |
【人】 苗床環者 メディウム− 再び直青と、羅生と − [「ご挨拶」は済ませたけど、僕らは基本的に彼らがいる場所では極力雷恩と出会わないようにしていた。……干渉はしない、と言われたけれど。それでも、僕らが今雷恩の側で咲けるのは。あくまでも「彼にとって望ましい」からなのだ。 ……いつか、「望ましくない」ものへと変わってしまったなら。きっと僕らはそのまま大地へと還されてしまうんだろう。 そう思っていたある日だった。] …………あ……な、直ちゃんどの。羅生どの、お久しぶり、です…… [雷恩と会話中、昔読んだ本の話題になって。たしか離れた部屋にあったはず……と取りに行った先で、ふたりと、鉢合わせしてしまった。なんとなく気まずさを覚えて、口籠もる。] えっと、せ、誠実に、お付き合い、させて、いただいています…… [目的の物を探すのも忘れて、居た堪れない気持ちで言葉を紡ぐ。]* (119) 2023/11/30(Thu) 14:13:55 |
【人】 苗床環者 メディウム>>124 [後ろに下がっていく羅生どのを見て、このふたりに、決定的な「なにか」が起こってしまったことを察する。だけど、以前の様に一方的な言葉を投げかけることもできやしないから。……ただ、それが平時であると、そういうふりをする事にした。] ……あ、ああ。ここに書物は、けっこう多いんだ。博士たちが、大切に保管していたから。 えっと、そこにある本とか、面白いが……夢物語は、あなた方の好みに合うだろうか。 [穏やかに振る舞う彼へ、なるべく普通に接する。苦手意識はまだ強いけれど、雷恩の大切なひとだから。僕らが、切り捨てられることの無いように。相応に振る舞うことを心掛けるようにした。]* (125) 2023/11/30(Thu) 17:12:42 |
【人】 苗床環者 メディウム>>126 [物語でも大丈夫なのか、と安堵する。学術書もいくつかあるから、そちらの方が興味あるのかと思っていたが。問われたのなら答えるべきだろう。] うーん……とはいえ、『旧人類』の物語がいくつかあるからな……ああ、これとかはどうだろうか。 [差し出したのは、いわゆる「SF」に分類される物語だ。たしかこれの内容は、『宇宙から飛来した上位存在によって人類が進化し、古い世界は終焉を迎える』というものだった。これなら、気に入ってもらえるだろうか。] 雷恩も、気になる本があれば。紹介するから…… [傍らにいる愛しいひとへ、告げる。……自分でも驚くほど、彼らと穏やかな時間を過ごせただろう。]** (127) 2023/11/30(Thu) 18:00:08 |
【人】 苗床環者 メディウム[>>120 その場から離れる前に、伝えていない事を思い出した。] あの、緋雁どの。僕らは、その、雷恩、どのと、少しだけ、懇意にさせていただいているん、だ。 だから……その……これからも、誠意をもって、接していくから。 いつか、きみたちが僕らを不要とする日までは。 [そう言って、少し離れた物陰から2人を見守ることにした。]* (131) 2023/11/30(Thu) 19:28:33 |
【人】 苗床環者 メディウム[>>136>>137 物陰から、雷恩と緋雁どのが談笑する様子を見守る。 僕らのこと、必要だと、思ってくれてるのかな。 少しくすぐったい気持ちになったけれど……僕らの葉脈がどうのこうの、と言い出したときは流石に飛び出して小突いた。 緋雁どの、にも。咲いていることをみとめてほしいな、なんて思いながら別れた。]** (139) 2023/11/30(Thu) 20:06:10 |
【人】 苗床環者 メディウム ー どこかの地 ー [……あの日から、色々あって。僕らは雷恩のいる組織への同行を許可された。痛み止めは雷恩がいればどうにかなるし、ある程度の調剤も用意できるとの事だったから、少し戸惑いながらもそちらへ行くことにした。研究所のみんなはお祝いしてくれたし、外の貴重なデータを送るための機材も用意してもらった。 初めて見た、外の景色は『楽園』とは程遠い様相だったけれども。興味深いものがたくさんあって、退屈はしなかった。 不安だった共同生活も、なんだかんだで受け入れてくれるAIたちがいて。血と硝煙に塗れた彼らの生き様を直接見ることはほとんどなかったけれど、それでも僕らなりに馴染めていたと、思う。 …………外の空気は、澱んでいて、あちこちに危険な機械が跋扈していて。『旧人類』の犯した罪とは、ここまでのものだったのだろうか。考えても分かりそうにはない。ただ、僕は、僕らは。 新しくできた居場所で、あの人の隣で咲く。それだけだから。] (164) 2023/11/30(Thu) 23:58:02 |
【人】 苗床環者 メディウム[差し込んできた日光を浴びて、光合成をする。無機炭素がいくつか酸素になって空気に溶けていく。 僕ら1人ではこの世界を変えるなんて事は出来ないし、そもそも僕らがどうにかできるとも思っていない。『楽園』で真似事の失楽園を演じてみたりもしたけど、新たな礎なんてものになれる様な器でも、きっと無い。 ただただ、僕らは愛した人のために息をする。] …………さよなら。 [なんとなく口を吐いて出た言葉が、誰かに伝わるでもなく消えてゆく。いったい誰に別れを告げたんだろうか。かつて生きてきた『旧人類』へなのか、それとも僕らが僕らへと成る前の存在にだったのか。 ……僕らの雷恩が僕らを呼ぶ声がしたから、応えるようにそちらへと向かった。 彼らが失った楽園を、再び取り戻す日まで。その日まではさよなら。 ]** (165) 2023/12/01(Fri) 0:11:11 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新