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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【人】 イル・マット フィオレロ

【ノッテアジト】

「やりますねぇ、あちらさん。
 心境的には複雑なもんですが」

名誉の死のように名が列ねられて行く報告がひと段落した後
普段通りの真意のわかりにくい声色が、口を挟む。

「アウグストさんがいないのに崩れも引きもしない。
 そんなノッテを誇りに思いますよ」

1年前は専ら余程緊急性がなければ姿を見せなかった男だが、最近は何か事あるごとに姿を見かけるようになった。

いずれにせよそう場慣れはしていない男が、
重苦しさを気にして黙る様子を見せたことはない。

「今頃、処理部門なんてほら。
 大変なことになってるんじゃないです?多すぎて」

まるで参考人のように、馴染みの組が任せている処理員に視線を向ける。最も、不在ならばいるだろう場所を空目しただけになる。
(6) 2022/08/08(Mon) 22:35:21
 
「近頃は、随分と」

祭りに華やぐ街の喧騒。
時折紛れ込む雑音。
その音は鼓膜を揺らさない。

「幻聴がひどいな」

在り得ざる残響は真実のものではない。
否定的な言葉も、肯定的な言葉も、何れも幻聴でしかない。
そうでなければならない。

「だが、あんたの声だけは聞こえない」

「もしも漸く全てが正しくなり始めたなら……」

酒、異性、熱狂。



少々口を滑らせるくらいなら薬に頼らなくていい。
このどれか、もしくは全部を浴びせれば良い。

そうして得たものを流すだけでちょっとした小遣いになる。
大変有難い事に。

罪悪感が全くないわけではない、が。



ただし、



バレる訳にはいかない。決して。
万に一つでもこの小遣い稼ぎがバレた。

その時は――

【街中】

祭りの影響か、どこもかしこも賑やかな喧騒に溢れている。
さざめき行き交う人波を眺める少年は、どこか所在なさげに息をつく。
スニーカーのつま先が、トンと石畳を蹴った。

口元の笑顔は標準装備。余裕ありげな表情に大きな身体、仕立てのいいスリーピーススーツ、磨かれてぴかぴかと光を照り返す革靴。羽織った外套を風に踊らせ、肩で風を切って歩く男は、まあそれなりに目立つ方。

君はため息をついて、足元に目を向けたのだろうか。

「君、一人?」
「子どもが一人で​────迷子かい。どう、良ければ僕が保護者に」

俯いていたならぴかぴかの革靴が、顔を上げていたなら柔和な笑顔が、その目に映ったことだろう。

【人】 イル・マット フィオレロ

>>31 コルヴォ

「くたばっちまったのは君の忍耐でしょお」

会議後、堅苦しい空気から解放されたとばかりに
腕を軽く回してジャリ、と鳴る足音を抑えもせずに真っすぐに寄ってくる。「違う?」と言いたげに片手をひらり。

「役職次第で煙草吹かせないから大変ねぇ互いに。
 いやぁ、ほんと偉大な父が愛されていて何よりだ」

形ばかりにうんざりと、皮肉めいた唇で弧を描きながら、
立場上触れもしなかった煙草に火を付け咥える。

最近は慣れたかもしれないが、昔を知るなら随分甘く、
雨水ででも薄めたのかと言われそうな厚みの煙が漂う。
(35) 2022/08/09(Tue) 22:59:42

【人】 イル・マット フィオレロ

【港の埠頭】>>40 コルヴォ

「俺ぇ?今の君がそれを聞いちゃう?」

やれ、と呟かれた声は明後日に投げられた言葉も、
随分と成長が進んだ棘のように向けられた言葉も。

煙草の煙とはわざわざ別に吐き出した息がそれらへの返答。

「アウグストさんの事は純粋に好きだったさ。
 他者を特別嫌いに思ったことがない。あるとすれば──」

海鳥が鳴く声と共に視線もその先に。
追っていくと見えてくるだろう我らが故郷を指さす代わりに、その鳥が見えなくなるのをずっと目で追い続けていた。

「それこそ発火された爆弾みたいになってるのは
 どうにも馴染めそうにないのも事実さ。
 ファミリーを愛し続けていても、その愛し方はね」

息苦しい決まり事が指してる何かが、
先ほどの会議でも散々見えた様子に思ったが故の返答。

「……同じようなものじゃないの、君も。
 ボスのスタンスがそうなのはわかるぅってなるけども、
 それ以外にもあるだろ。じゃなきゃそうだな……

 唐突な他人行儀さんづけの理由を語ってくれないと、
 寂しさのあまりそのまま海に突き落としでもしそうだ」
(44) 2022/08/10(Wed) 0:52:29

夜半。暗い路地裏を、硬く、鈍く、重く、靴底が打つ。
祭りの喧騒の裏側で、葬列が墓場を歩むように、ただ粛々と。

「──掃除屋が死体を作るなんざ」

「世も末だと思いませんか、あんたも」

答えは返らない。
端から答えを求めてもいない。
見下ろす眇目には、生者への情は無い。

「……家族が?へえ、そりゃ知らなかった…」



「で、あんたが浅はかな事仕出かす前に
 顔を思い出せもしなかった程度の家族が、何だって?」

──乾いた銃声が、ひとつ。


「…黙って死ぬ、それしきの事もできない奴ばかりだ」

「どうにもあんただけは、違うらしいがね……」

【人】 イル・マット フィオレロ

【港の埠頭】>>49 コルヴォ

「なぁに好き勝手いってくれちゃってんですかね。
 できたらとっくの昔にやってますよぉだ」

「……君
だけ
を沈めても俺の悩みは解決しないでしょ。
 懇意のお得意様が減り仕事が山のように増えるし、
 
なんで俺は死んでいないのか
に永遠に悩む羽目になる」

本当に突き落としてやろうか。と厭味ったらしく、
手に持つ煙草を投げやりに海に投げ捨てた。
さすがに貴方の手の煙草まで払いのけはしなかったけれど。

「うるせーやい。って言うか、知ってました?本当に俺の回答に興味ない人間はこんな話しないんですよぉ。
 そんでもって、その返しをしてくる方が余程面倒くさい」

俗にいうブーメランの投げ合い、最早応酬の域だ。
本当にさん付けだけの意味を問うた訳ではなく、それに含まれる態度の変化について尋ねたのだが相手もわからなくていってるわけでもないだろう。流すか否か迷って口に出したのは、近いようで遠い関係のような話題。

「最近さ。生きるつもりがあるかを何回か聞かれたよ」
「なんて答える?」
(58) 2022/08/10(Wed) 17:13:28

【人】 イル・マット フィオレロ

【港の埠頭】 >>63 >>64 コルヴォ

「ほらぁ、捻くれた回答するぅ。
 今の"フィオレロ"で感謝してほしいものですよぉ。
 1年前ならもっと根掘り葉掘り、
 それこそわかってない顔で嫌なトコまで触れてやったのに」

最も、その分精度も低いものだから、
実際にそんな事になった事は少ないだろう。
そうでないならそれこそ既に海の底でもおかしくない。

「あったらもう少し景気のいい顔してるっての。
 代わりに、無益な言葉を真似て
 Ambasciator non porta pena.飽きるほど施設の奴らにに言われたクソッタレな言葉でも送っておくかねぇ」

意図的に回答を避けているのは付き合いの長さから理解し、その上でこのままふと目を離すと姿が消えてる事もなさそうだから、
それなりに満足して
立ち去ろうとした所に回答が返ってきた事に意外そうにゆるり顔をあげて、

「"寂しいから、"って言ってくれるなら」

言ったら倣うのか、には、その一言だけ。
言い捨てるように去り際に振り返って、余程足を止めたくなる言葉が来たなら変わる程度の帰路につき出した。
(78) 2022/08/11(Thu) 7:49:49