いま、このタブレットを使ってくれている、あなたへ
メッセージを読んでくれて、ありがとうございます。
そして、タブレットを譲ると言ってくれて。
けれど、どうかこれは、あなたが持っていてください。
父は、そうだなあ、
生前はそれはとても困ったひとでした。
興味の赴くままに世界中を飛び回り、遺失技術を調査して、
母に苦労を掛けてばかりで。
わたしが星のはなしを知っていたのは、父が発掘した本を
母が読み聞かせてくれたからです。
けれど、きっともし父なら、
迷いなく、あなたに使ってもらいたいと笑ったと思います。
勝手に日記を読んでしまったのに、
あなたは、わたしのことを気遣ってくれました。
そして、大事な話を聞かせてくれると。
わたしは、あなたが誰かはわからないけれど、
きっと、とても大事な話なのだと思います。
あなたが何処から来た誰だったとしても、
きっと、優しいひとなのだと。