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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


コルヴォは、つまりこの微妙な空気の顛末を見守る為に残ったわけではない。
(a3) 2022/08/09(Tue) 2:50:27

コルヴォは、なので全てを宥めに入った上司に託し、その内お暇する。
(a4) 2022/08/09(Tue) 2:50:36

 
「近頃は、随分と」

祭りに華やぐ街の喧騒。
時折紛れ込む雑音。
その音は鼓膜を揺らさない。

「幻聴がひどいな」

在り得ざる残響は真実のものではない。
否定的な言葉も、肯定的な言葉も、何れも幻聴でしかない。
そうでなければならない。

「だが、あんたの声だけは聞こえない」

「もしも漸く全てが正しくなり始めたなら……」

酒、異性、熱狂。



少々口を滑らせるくらいなら薬に頼らなくていい。
このどれか、もしくは全部を浴びせれば良い。

そうして得たものを流すだけでちょっとした小遣いになる。
大変有難い事に。

罪悪感が全くないわけではない、が。



ただし、



バレる訳にはいかない。決して。
万に一つでもこの小遣い稼ぎがバレた。

その時は――

【街中】

祭りの影響か、どこもかしこも賑やかな喧騒に溢れている。
さざめき行き交う人波を眺める少年は、どこか所在なさげに息をつく。
スニーカーのつま先が、トンと石畳を蹴った。

コルヴォは、ヴェネリオが上げた片手に一瞥だけを返した。
(a7) 2022/08/09(Tue) 20:55:42

口元の笑顔は標準装備。余裕ありげな表情に大きな身体、仕立てのいいスリーピーススーツ、磨かれてぴかぴかと光を照り返す革靴。羽織った外套を風に踊らせ、肩で風を切って歩く男は、まあそれなりに目立つ方。

君はため息をついて、足元に目を向けたのだろうか。

「君、一人?」
「子どもが一人で​────迷子かい。どう、良ければ僕が保護者に」

俯いていたならぴかぴかの革靴が、顔を上げていたなら柔和な笑顔が、その目に映ったことだろう。

【人】 鳥葬 コルヴォ

【港の埠頭】

喧騒の外れ、船や人の出入りの活気もやや過ぎた頃の港。

埠頭に立つ人影は相も変わらず喪服じみた黒一色で、
けれど仕事中の重苦しいものよりかは幾らか異なる様相をして。
髪は結い上げ、黒いシャツにスラックス、それからサマーコート。
比較的には、軽装だ。

「こんな日には、鷗だって鳴きやしない」

それでも、ほぼ顔半分しか露出が無いような格好に変わりは無い。
手袋に覆われた手が汗で張り付く前髪を鬱陶しそうに退けて、
心底気怠げに、殆ど溜息のように独り言ちた。
誰かと楽しくお喋りする気分でもないが、追い返す気もしない。

「くたばっちまったのか、或いはただ餌に夢中なだけか
 ……まあ、何でもいいか」

不意に視界の端を、港に住み着く黒猫が横切って・・・・・・・
今は亡きボスの愛猫は、
殆ど主人家族にしか懐かない、実に賢く情深いものだった。

そんな事をふと思う傍らに、煙草の灰をまたひとつ落とした。
(31) 2022/08/09(Tue) 21:54:02

【人】 鳥葬 コルヴォ

【港の埠頭】 >>35 フィオレロ

Il cane morde sempre lo straccione  弱者はいつだって不幸になるものだ  .」

靴底が立てる音、どこか軽薄さを感じさせる声色。
不意に聞こえたそれに視線を向けもせず、
紫煙を吐き出すついでに、明後日の方へ言葉を放った。

「そう言うあんたはどうなんですか、フィオレロさん・・・・・・・?」

問いが指すものは、忍耐か、はたまた"父"への愛か。
そう問い掛けると同時に、漸くそちらに顔を向けて。
浮かべる表情は、実に冷笑主義的なニュアンスのもの。

「何もかも、日毎夜毎変わっていくってのに
 息苦しさと、堅苦しい決まり事だけは変わりやしない。
 規律だ何だと、必要な事なのはわかっていますけどね」

趣向を変えた煙には、今更何を言う事も無く。
形ばかりに返るのは、心にもない言葉だけ。

ボスの死によって変わったのは、この掃除屋も例外ではない。
以前は少なくとも、今よりは他人行儀ではなかった。
皮肉交じりを身内に向ける事だって、滅多にある事ではなかった。


「あそこにあの人が居たら、何て言ったでしょうね?
 もしも身内の裏切りを疑るあまり、内部崩壊でもしたら?……
 ──それしきで終いなら、その程度のタマだったって事だ。
 そんなところじゃあないかと、俺は思いますけどね…」
(40) 2022/08/10(Wed) 0:06:58

夜半。暗い路地裏を、硬く、鈍く、重く、靴底が打つ。
祭りの喧騒の裏側で、葬列が墓場を歩むように、ただ粛々と。

「──掃除屋が死体を作るなんざ」

「世も末だと思いませんか、あんたも」

答えは返らない。
端から答えを求めてもいない。
見下ろす眇目には、生者への情は無い。

「……家族が?へえ、そりゃ知らなかった…」



「で、あんたが浅はかな事仕出かす前に
 顔を思い出せもしなかった程度の家族が、何だって?」

──乾いた銃声が、ひとつ。


「…黙って死ぬ、それしきの事もできない奴ばかりだ」

「どうにもあんただけは、違うらしいがね……」

【人】 鳥葬 コルヴォ

【港の埠頭】 >>44 フィオレロ

「ああ、いいね。
 海に突き落として、そのまま沈めてくれたらきっと
 俺の悩みも、あんたの悩みも幾らか解決するんじゃないですか」

やはりと言うべきか、乾いた笑いと共に並ぶ言葉は淀みなく。
帰らない鳥の行く末を追う事はせずとも、
その視線の先、続く言葉が指すものはわかっている。

「他者を特別嫌いに思った事が無い。
 無関心なら、同じではなくとも、そう変わらないでしょうよ。
 そうでないなら、違いますね。」

あんたの思想は知ったことじゃないので、同じかは知りません。
そう言いたげに、煙草を持っていない方の手を軽く揺らした。

「それにしても、随分今更じゃありませんか。
 いつからそんなに面倒臭い人になったんですか?
 あんたの事は、前からそう呼んでいたじゃないですか。
 ただの掃除屋ごときが、呼び捨てになんかできませんよ」

前からそう呼んでいた。それは確かな事実のはずで。
けれど仕事の外では、そうではなかった。
つまりこれは、仕事の外である今は通らない理屈でしかない。
何よりも、面倒臭いなんて、人の事を言えた義理ではない男だ。
(49) 2022/08/10(Wed) 1:54:19
コルヴォは、この日の夜、鉈と鋸を二本だめにした。
(a11) 2022/08/10(Wed) 2:13:37

【人】 鳥葬 コルヴォ

【港の埠頭】 >>58 フィオレロ

「ハ、流石、俺の悪運の強さ・・・・・をよくご存知だ」

「だってのに、俺だけが死んで自分だけが生きている
 そんな未来を想像するってのは、おかしな話じゃないですか」

何か上手いやり方でも見付けましたか。
答えに期待してもいない言葉を実に無関心そうに投げ掛けて、
自分の代わりに海へ投げ込まれた煙草を視線だけで見送った。

「どうせカラスどもは幾らでも替えが利く。
 面倒臭くて結構、そのまま嫌ってくれたらもっと良い」

視線を戻し、無益な問答がただ続く。問いの意図はわかっていて、
敢えて答えにならない答えを返している。

そうして続く言葉の後には、少しの間。
恩赦を受けた煙草を喫み、煙を吐き出すまでの数十秒。
もう随分短くなっていたから、海に沈もうと気にはしなかったが。
(63) 2022/08/10(Wed) 18:36:35

【人】 鳥葬 コルヴォ

【港の埠頭】 >>58 フィオレロ

「死ぬって言ったら、あんたはそれに倣うんですか」

そして紫煙が流れきった頃、
ぽとりと煙草を落とし、靴底で踏み躙って火を消した。
その傍らに、独り言のように淡々と零し、息を吐く。

「こんな状況だ。
 胸張って生きるつもりがある・・・・・・・・・とは言えない奴は居ても、」

死ぬつもりがある・・・・・・・・奴なんざそう居ないでしょうよ」

その後に、実に平然と、いつも通りの調子で告げた言葉は
間違いなく、あなたに向けたものに他ならない。

冷笑さえ無い一般論だけが、今この場で返る答えの全てだ。
(64) 2022/08/10(Wed) 18:38:22
コルヴォは、それ以上を言うつもりは無い。少なくとも、今この場では。
(a17) 2022/08/10(Wed) 18:38:56

コルヴォは、誰かに言った。「身内の死体を処分するなんてごめんです。」
(a21) 2022/08/11(Thu) 5:55:57

【人】 鳥葬 コルヴォ

【港の埠頭】 >>78 フィオレロ

「──" Se sei solo あんたが寂しいなら"」

去り行く背中を見もせずに、
鼻で笑うような声だけが返事をした。

「自分が生きるか死ぬかも人任せの奴と死ぬなんてのは
 俺は心底嫌ですけどね?」

続く言葉は、足を止めなければただの独り言でしかない。

どのみち死ぬ時を自分で選べるような人生ではない。
だからたとえ死ぬ気があろうが無かろうが、
意に反して姿を消す事も、その逆もいつでも起こり得る事だ。
『悪運』がどう作用するかなど、誰に予測できもしない。
(80) 2022/08/11(Thu) 9:06:29

【人】 鳥葬 コルヴォ

【街中】 >>84 レヴィア

「あんたも同じ運命だなんてのは、面白い事もあるもんですね」

また一人、少女に声を掛けようとした軟派男が
皮肉るような言葉を受けて、そそくさと去っていった。

「Ciao. 何か気になるものでも?」

その後に少女に掛ける言葉は、社交辞令だ。

あなたと何か話すべき事があるわけではないし、
もっと言えば仲良くお喋りをするような間柄でもない。
愛想の無い男は返答が無くたって気にしやしないし、
どうあれあなたが静かに装飾品を眺める事の邪魔はしない。

眩しいショーウィンドウには目を向けず、立ち位置は風下に。
ここで足を止めたのは、ただ一服したかっただけだ。
この奇妙な取り合わせは他者からすれば至極声を掛けづらく、
無駄話を好まない互いにとって、恐らく都合が良いというだけの。
(89) 2022/08/11(Thu) 16:33:47

【人】 鳥葬 コルヴォ

【街中】 >>90 レヴィア

「掃除屋にだって、休みの日はあるもんです」

詮無い会話は互いにただ淡々と。
季節外れの黒支度は、いつだって誰かの喪に服している。
静謐な死の気配が重たく染み付いた仕事着ではなくとも。
そして、今に始まった話でもない。

「好きでも嫌いでもありませんね。
 人間だって、ただ同じ場所に出入りするだけの人間を
 特別好いたり嫌ったりなんかしないでしょう」

こちらもやはり、視線を向けもしないまま。
火を点けたばかりの煙草を一度喫んで、
その後に返る答えは、実に気のないものだった。

「あんたはどうですか」

通り掛かれば、目に留める程度には関心があるのか。
問い返しはすれど、やはり答えには特別期待してもいない。
(91) 2022/08/11(Thu) 18:08:24

【人】 鳥葬 コルヴォ

【街中】 >>92 レヴィア

「さあ。結局は全部、『ゴミエサ』になりますから」

だから興味がないのかもしれませんね。
至極無益な仮定を、実にどうでもよい事のように言い放った。

何れの黒も、夏のきつい日差しの下には不釣り合いでしかなく。
確かな異質さをもって、けれど存在は主張しないまま。
音も無く白昼に落ちた影のように、静かにそこにある。

「──ああ、いいですね」

音も無く、眇目だけが夕闇色の持ち主の立つ側を見返した。
変わらず淡々と肯定されたのは、
姿を消す猫の最期か、それとも後に続いた問い掛けか。

「必要とあらば、いつでも。
 うちはどうにも休日出勤や時間外労働・・・・・・・・・・が多くてね…」

突然の仕事が舞い込むのは、いつもの事だ。
悪食の烏は、投げて寄越されたゴミを選り好みはしない。
(93) 2022/08/11(Thu) 19:09:25

【人】 鳥葬 コルヴォ

【街中】 >>95 レヴィア

「そうなると、烏は食いっぱぐれるでしょうね」

何処までも他人事のような、無関心な声色。
誰も知らない所で死んだ猫の死骸を態々捜しに行くなんて、
烏だってしたがらないに違いない。

臭わない内にやっておきます・・・・・・・・・・・・

眇目は、通り過ぎ行く少女を追う事は無い。

最後まで温度の無い声は誰にともない言葉となり、
煙草を一本吸い終えた後、
掃除屋もまた、重く靴底を鳴らして路地へと消えていった。
(96) 2022/08/11(Thu) 20:36:45