― ぼくのお話4 ―
[ある年の冬。雨水の地域に記録的な大雪が降った。
建物の入り口すらふさがったくらいだ。
先代は外の外気と領域の気候を合せるタイプで、ぼくは寒い、寒いとお布団にまるまっていた。
今日は大人しく勉強してるか、と流石に先代も引きこもっていた。そんな折、住人の一人が大変だとやって来た。
雨水さまがどうした? と聞けば、その人は別居している家族の家が雪のせいで屋根が半壊したとかで騒ぎになっているとか。
それは流石に灯守りの仕事じゃないんじゃ? と思ったし実際その手のプロの人がいっているみたい。
ただ、雨水さまは些細な困りごとでも人を動かせる立場だから。出来るだけ相談しろって言っていたみたいだ。
どうするのかな? と雨水さまを見たら、彼はなぜかぼくを見た。]
「よし、お前の出番だ。花雨」