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人狼物語 三日月国


97 【R18ペア村】Decision【完全RP】

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【人】 紅柱石 アンドレアス

―酒場―

[>>1:56場所を空けてくれた客には笑顔で礼を言って。
青年が奥側に、ガラーシャが隣に並んで腰を掛ける。

顔が寄せられれば、アンバーの瞳を丸くし。
すぐに店内が賑わいを見せているからだと気付く。]

そうなのかい?
馬が出産を終えた頃にしか作れないから、この時期にしか飲めないんだよ。
度数はそこまで高くなくって、酸味が強めだけど、美味しいよ。

飲んでいるのは彼かな。

[家畜化した馬と暮らし始めてから作られるようになった酒だ。
騎馬民族は日にコップに二杯以上も飲むという。

店内で客を探し、ちらりと視線を向ければ、気が付いた客が二人に向かってグラスを掲げてみせた。
そこには白い液体が半分ほど入っている。]
(3) 2021/09/30(Thu) 1:03:18

【人】 紅柱石 アンドレアス

そうそう。
マンティが蒸して、サムサが焼いたものだ。
似た形の料理がこの辺りの国々で作られてるね。
マンティは頬張ると具の味が蒸された皮に染みて美味しいんだ。

この店のはスープがないからギュロラグマンだね。

[>>1:57お勧めするだけあって、客の中でそれらの料理を探すのは容易だろう。
不意に、店内を見回していたガラーシャが首を振り始める。
不思議そうにそれを見ていたが、続く言葉に眉尻を下げて笑った。]

君も楽しめないと意味がないよ。

うーん、でもそうだな。
君に是非食べて貰いたいから、ラグマンとマンティは頼もうか。
(4) 2021/09/30(Thu) 1:05:36

【人】 紅柱石 アンドレアス

[>>1:58常連客は慣れているので声量は大きい。
ガラーシャは元々声を張る方ではないから、自然と彼の方に耳を傾ける事になる。]

……私がいけないんだよ。
君に中々言い出せなくて、先延ばしにしていた。
本当にごめん。

[昼間には言えなかった言葉はするりと口から出た。
笑っていてと言われたので、いつもの笑みを意識してみる。]

よし、それじゃあ頼もうかな。

[自分は馬乳酒。
取り敢えず、ラグマンとマンティ、揚げ餃子を注文した。
仕込みは済んでいるが、調理はこれからなので飲み物の方が先に出てくる。]

──乾杯。

[青年は馬乳酒の入ったグラスを掲げてみせた。]*
(5) 2021/09/30(Thu) 1:06:41

【人】 紅柱石 アンドレアス

[>>0そうして、暫くの時間が過ぎる。
最初に頼んだ料理は皿が回収され、今はシュジュク──馬肉のソーセージが乗った皿が乗っていた。
青年の方は馬乳酒を進めているが、ガラーシャの方はペースが速かった。
これは宿屋まで肩を貸した方がいいかもしれないと思いながら、身体が傾いだら支えようとしただろう。]

分かっているよ。

[緩んだ表情を浮かべるガラーシャに青年は応じてみせる。
そう言いながらも、もしも潰れてしまったなら青年の財布から出す気でいた。]

 
覚えているとも。

[>>1青年は微笑みながら頷いてみせる。
グラジアの総菜屋で買った料理を二人で食べた事。
あの時は対面だったか。
彼は青年が言った事を語る。

恩を受けたら感謝をする。
青年はガラーシャがそういう人だと思っている。
そうして、彼が感謝する相手が本当に存在すればいいと思った。
青年は同じものを見たわけではないけれど。]
(6) 2021/09/30(Thu) 1:07:08

【人】 紅柱石 アンドレアス

……そう、それなら良かった。

[>>2そう言われたのは初めてだったと、嬉しかったと、彼は語った。
青年は面映ゆい気分になりながら馬乳酒を口にする。
独特の匂いと、酸味が青年の鼻孔と舌を刺激した。]

そうだったね。
でもあれはお礼だったろう。

[奢り返す、と言う彼に、青年はくすくすと笑った。
グラスにはまだ酒が残っているので、大丈夫、と答えてシュジュクを口にして。
ふと、落ちた質問に手を止めた。]

……また会いたいと思ってくれるのかい?
 
[質問に質問で返した。

不可能ではない。
けれど十数年経っても姿の全く変わらない相手を見て、彼はどう思うだろう。]**
(7) 2021/09/30(Thu) 1:08:40
紅柱石 アンドレアスは、メモを貼った。
(a2) 2021/09/30(Thu) 1:12:41

[そして、深く息を吐くと、一度だけ、目をあけて、ぼんやりと呟いた。]


アンディさん。
行かないでほしいって言ったら、我儘ですか。

…我儘ですよね。すみません。


[もう一度目を閉じると、暫くの後には、寝息が聞こえてきただろう。]**

【人】 紅柱石 アンドレアス

―酒場―

[彼が自分に笑顔でいて欲しいと願うように、青年もガラーシャに笑顔でいて欲しかった。
>>8自分の知る美味しいものを、彼にも食べて貰いたい。
そうして記憶の片端にでもそれを覚えていて貰えないだろうか──などとは、立ち去る側のエゴだ。

どうせ傷つけてしまうのなら、手酷くやって遠ざけてしまえばいいのに、そう出来ないでいる。
その中途半端さが更なる痛みを生むと分かっていても。]

 
ちが……ガラーシャ!

[>>9恨み言のような言葉が彼の口から出る。
否定を告げようとして、ガラーシャは机の上で頭を抱えてしまった。
随分と飲んでいたから酔いが回ってしまったのだろう。
青年の手は彼の肩の手前で空に浮いたまま。]

そうだね。

[そろそろ帰ろう、と言う彼に同意を示す。
顔を上げて店員に声を掛ける彼はそれでも意識は保っているようだった。
けれどこれ以上はいけない。

鞄の中から財布を出して会計を済ませる彼を見守り、酒場を後にする。
また此処に、という言葉には小さく肯いた。
良心的な値段である事も此処の魅力だった。*]
(11) 2021/09/30(Thu) 20:56:58

【人】 紅柱石 アンドレアス

―宿―

[>>10道中、ガラーシャが壁にぶつかるので肩を貸すのを申し出た。
そうして階段を上って何とか宿屋の部屋に辿り着くと、彼はベッドに倒れ込んでしまう。
青年は安堵からそっと息をついた。
この様子では公衆浴場にも行けないだろう。

うつ伏せになった彼がこちらを向いた頃、青年は向かいのベッドに腰かけたところだった。
彼がこんなになってしまったのは自分が原因だろう。]

うん……、ゆっくりお休み。

[青年は曖昧に笑んでみせた。]
(12) 2021/09/30(Thu) 20:57:20
[煉瓦が音を吸収している所為か、部屋の中は静かで。
だから彼の声も青年の耳に届いていた。]

……っ、……。

[行かないで欲しい。
そう言われて胸が引き絞られるように痛かった。
込み上げてくるものをアンバーの瞳をぎゅうと瞑り、堪える。
寝息が聞こえてくる頃]

私だって、このまま別れたく、ない。

だけど……私は君と違うから。

[じんわりと胸にある宝石が熱を持つ。
それは、人間が決して持ち得えないもの。]

【人】 紅柱石 アンドレアス

[息を殺して、感情を堪えていた。
青年は鍵を持って、階下へと降りる。
身体を拭く湯を貰う為に。

出来れば、素肌を晒す公衆浴場の利用は避けたい。
多くの目があるところで見咎められないとも限らない。
明日、自分だけ済ませたと言ったなら、また傷つけるだろうか。
青年は嘆息する。

宿屋の人間に声を掛ければ、洗濯場を貸してくれた。
うっかり酒が過ぎて風呂に入り損ねる客がいるのだろう。
青年はそこで着衣を脱ぐと布に湯を浸し、身体を拭いた。

鎖骨の下──人間でいう心臓の辺りに青年の核は存在する。
触れば明らかに硬質な感触があり、熱が灯っている。]

どうして、私達は人の姿になったのだろうね。

[明らかに違った姿をしていたならば、同じ生き物のような顔をして紛れ込むような事もないのに。
青年は首を横に振ると衣服を着直した。]
(13) 2021/09/30(Thu) 21:00:12

【人】 紅柱石 アンドレアス

[そうして、部屋に戻る。
出来る限り、音を立てないようにしてベッドに横になった。]

……明日……。

[明日、自分の事を彼に話そうか。
浮かんだ考えに自分でも驚いていた。
話したら、自分達はどうなるのだろうか。
そんな事を考えている間に、意識は落ちていた。*]
(14) 2021/09/30(Thu) 21:00:53

【人】 紅柱石 アンドレアス

―夜半―

……?

[>>n0夜半、部屋の外で音がしたような気がして目が覚めた。
単に通りかかったのではなく、じっと様子を窺うような気配に青年は身を固くする。

道中、髪はちゃんと隠していた筈。
身体を拭いていた時に誰かに見られた事もなかった、筈だ。

どれだけ時間が経っただろうか。
けれど部屋に侵入する事なく、誰かはそのまま去っていった。
青年はようやく息を吐き出す。

そうして、青年は朝陽の上るまで、浅い眠りについた。*]
(15) 2021/09/30(Thu) 21:01:43

【人】 紅柱石 アンドレアス

―宿屋・朝―

[あれは現実か、夢か。
あの時、体を起こして扉を開けていたならその答えが分かったかもしれないが。
部屋を間違えた人であればいい。
けれどもしも宝石人間(ジェム)目当ての人であったなら、扉は開けないのが正解だった。

人間の国に滞在中に宝石人間(ジェム)が攫われる事がある。
青年の同胞も何人か攫われた事があるという。
宝石人間(ジェム)は故郷以外では宝石を生み出す事は出来ない。
故に、彼らは宝石人間(ジェム)から核の宝石を取り出すのだという。
生命を失う時、青年達の身体は物言わぬ石になる。

>>16カーテンから朝日が差し込む頃、ガラーシャから声がかかれば、緩慢にそちらに顔を向けた。
顔色を見るに、彼の方は回復したようで。]

……あぁ、おはよう。

[浅い睡眠の所為で疲れが取れ切っていない。
階段を登る音、と聞けば、ぎくりとする。]

……そうだね。
私もそれで起きたのだけど、ノックもなかったからそのままにしたよ。

[そう応じる青年の顔色は悪かっただろう。]
(18) 2021/09/30(Thu) 22:10:58

【人】 紅柱石 アンドレアス


えぇと……、そうだね。
それからうまく寝付けなくて。

[>>17顔色でばれてしまったのか、問われれば、青年は苦笑いを浮かべて答えた。
そこは偽っても仕方ないと思った為に。]*
(19) 2021/09/30(Thu) 22:11:33

【人】 紅柱石 アンドレアス

―宿―

そのようだね。

[>>20勘違いという線も考えたが、二人で聞いたのなら気の所為ではないのだろう。]

うーん、それだったら陽が昇ってからにしそうだけど。

[疲れの残る頭で思考を巡らせるが、客室で何かしらあったのならば有り得るかもしれない。
けれど、扉の向こうで暫くの間、中を窺うような瞬間があった。
やはり何処か腑に落ちない。

そんな青年は同性という気安さと、倦怠感から居住まいを正す事にも気が回らなかった。
普段ならば、寝乱れた格好のままでいる事に詫びるくらいはしただろうが。]
(27) 2021/09/30(Thu) 23:39:53

【人】 紅柱石 アンドレアス

[>>21不意にガラーシャが立ち上がる。]

あぁ、私はあの後に湯を借りたよ。

[風呂について聞かれれば、申し訳ないと思いながらそう答えた。
けれど逆に彼は早々に寝た事を詫びてきたので、疲れていたのだから仕方ない、と声を掛ける事になった。]

そうなんだ。

[彼は鞄から印の付いた地図を取り出す。
事前に調べていたというから、楽しみにしていたのかもしれない。
此方に地図を広げる様子はいつもより興奮しているようだった。]

温泉、か……。
面白そうだね。

[西の山脈が関係しているのか。
旅客などは喜びそうだ。
青年も人間であったなら、きっと勇んで訪れただろう。
旅暮らしではいつも宿屋で湯を借りるか、誰もいないのを確認してから水浴びをしていたから、温泉を意識する事はなかった。]
(28) 2021/09/30(Thu) 23:40:59

【人】 紅柱石 アンドレアス

ふむ、そういうものなのか……。

気を使わせてしまって悪いね。
どんなだったか、後で教えてくれるかい?

[>>22温泉に入った事がないので、感心したように聞いて。
彼の内心は知らず、青年はいつもの笑みを浮かべてみせる。

一度くらいは入っても良いかもしれない、と思う。
髪を隠して、十分に気を付けなければいけないが。]

うん、いってらっしゃい。

[手を振って彼を見送ると、部屋の鍵がかかっている事を確認し、再び身体をベッドに横たえた。]

……少しだけ……。

[青年はそう言いながら、目を閉じた。
普段は出来る限りの用心をした上で、ベッドでない場所でも寝つきはいい方。
泥に浸かるような眠りが程なく訪れる。]*
(29) 2021/09/30(Thu) 23:41:51

【人】 紅柱石 アンドレアス

―宿―

[疲れに寝不足が重なり、身体は限界だったらしい。
ガラーシャの帰ってくる頃、青年はまだ寝息を立てていた。

部屋の扉の開く音にも目を覚ます事はなく、寝返りを打って暫くした後にようやく目を覚ます。
見送った筈のガラーシャがそこにいるのを見て、驚いたようにアンバーの瞳を瞠った。]

あ、あれ……?


おかえり。
こんな体たらくですまないね。

[そう言いながら、起き上がって髪を手櫛で整え始めた。]**
(30) 2021/09/30(Thu) 23:43:16
紅柱石 アンドレアスは、メモを貼った。
(a4) 2021/09/30(Thu) 23:46:46

【人】 紅柱石 アンドレアス

―宿―

[>>31二度寝をして、体の疲れが取れた気がする。
頭の方もすっきりとしたようだ。]

うん、そうかもしれない。

[絡まりやすい髪を直しながら同意する。
温泉について彼が話すなら、]

……へぇ、一つだけじゃないんだ。
外に湧いてるって事は外で服を脱ぐ事になるのかい?
そんなところがあるなんて、この街は恵まれているね。

[などと、普段の通りに応じて。
荷物の整理を始める彼に旅の行き先を聞かれれば]

ラバン山脈を迂回しようと思っているよ。

[青年の故郷はチャルビ砂丘を越えた方が近いが、そちらには軍が向かっている。
人間は宝石人間(ジェム)の郷を感知するすべはないが、出来る限り人目を避けた方がいい。]


君は、砂漠に調査に行くんだよね?

[時間に余裕があれば、同行したいと思っているが。
彼は許してくれるだろうか。]*
(32) 2021/10/01(Fri) 20:30:13

【人】 紅柱石 アンドレアス

―宿―

うん、ラバン山脈を越えた事はあるけど、迂回した事はないから。
南側にしようかと思ってる。

[>>33山越えをすれば確かに国境を越えるのは早い。
けれど、あの辺りは宝石商人も通るルートだ。
青年の住む集落の近くにも別の宝石人間の集落があり、彼らは年ごとにそこを回る。
集落に彼らを入れるわけにもいかないので、商人と会う為の屋敷があるのだ。
彼らはそこを拠点として近隣の宝石人間(ジェム)達と商売をする。
何処に耳があるか分からない中、知り合いに会う可能性は避けたい。]
(36) 2021/10/01(Fri) 21:33:19

【人】 紅柱石 アンドレアス

……そう。
新月の夜なら、また会えるかもしれないね。

[>>34今日明日の内に、という言葉になるほどと思った。
彼が精霊と出会った時、季節はいつだったか分からないが、タイミング的には一番だ。
調査はどれだけかかるのだろうか。
──青年が自分の事を話しても、彼は変わらないだろうか。]

……え? 
(37) 2021/10/01(Fri) 21:33:48

【人】 紅柱石 アンドレアス

[>>35思考が他所に飛んでいた故に、彼の問い掛けに対して反応が遅れた。
彼の笑みには自重の色が乗っている。]

ええと…。

[旅をして回るのが羨ましい、という彼に、これで旅をやめる心算なのだとは言えなかった。
彼の内心に浮かぶ事は分からないが、影が落ちてしまったように思う。
何とか気の利いた相槌を打とうと考えていたが。]

……うん、分かった。
今なら市場でも焼き立てのノンが売っているんじゃないかな。

[山を越えた先にある街の事を思い出さなければ、と思いながら宿屋を出た。]*
(38) 2021/10/01(Fri) 21:34:05

【人】 紅柱石 アンドレアス

― →市場―

[>>39そこでは商人達が店を開き、品物を物色する客の姿があった。
焼き立てのサムサや、美しい文様の描かれたノンが店先に並んでいる。
羊肉と野菜を入れたショールヴァを売る屋台もそこにあった。
ガラーシャがふらりと歩き出すのを横目に、青年も品物を見始めた。
十数分もすれば、青年はノンとチャイを手にしていた。
ショールヴァも良い匂いをさせていたが、今は入る気がしなかったのだ。]

私はノンとチャイだよ。
……うん、いいね。大丈夫。

[指さされた先にあったのは、この時間は人気の少ない広場だった。
いるのは鳩と、道行く人だけ。
青年はそれを確認して肯いた。
起き抜けには厳しかった朝陽も、木陰の下なら過ごしやすいだろう。]*
(40) 2021/10/01(Fri) 22:49:26

【人】 紅柱石 アンドレアス

―広場―

[青年達は木陰の近くにある煉瓦の上に腰かけた。
青年はチャイを口に含む。
南方とは違い、甘みのない所為で茶葉の味がよくわかる。
そうして暫くノンを千切って口に運んでいたが、やがて口を開いた。]

私の行く場所、だったね。
王国の西側、ラバン山脈を越えた先にフジェンドという街があってね。
此処よりも小さいんだけど、綺麗な細工物が売られているんだ。
それが見たくて……

[そこで青年は口を閉じる。
それはよく出来た、旅人らしい動機だった。
実際に細工物を目当てにその街に向かう者もいるだろう。
けれどこれは、昨夜、寝る前に話そうと思った事ではない。]
(41) 2021/10/01(Fri) 22:51:00

【人】 紅柱石 アンドレアス

[急に喉が渇いた気がして、チャイを飲んだ。
通り過ぎていく旅人のまま、別れる瞬間まで偽る事は出来る。
けれどそれは嫌だと思った。
結果的にここで彼と別れる事になったとしても後悔はしたくないと。]

……ガラーシャ。
聞いて欲しい事があるんだ。
いいかな?

[青年は緊張した面持ちで彼に声を掛けた。]*
(42) 2021/10/01(Fri) 22:51:33
 
 
だって、きっと、もう二度と、会えないんでしょ…う?


[昨日の酒場でのもうグラジアには戻らない、と暗に伝えるような言葉で感づいていた。
彼は、もう、この街を最後に、自分とは再び会うことはない、と想定している。
そして、理由ははっきりしないが、自分をごまかして、綺麗に痕跡を残さずいなくなってしまおう、としている節もある。
彼はそれでいいのかもしれない。
だけど…]


でも、それなら、せめて僕は、遠くから、貴方のいる場所を思って、貴方の無事を祈りた…い。
それも、許してもらえません、か…?


[懇願するように呟き、彼が何か伝えようとする素振りを見せれば、小さく頷いただろう。]*

【人】 紅柱石 アンドレアス

─広場―

[>>43空腹を感じていたのか、隣の彼は食が進んでいるようだ。
青年の方は途中で手が止まってしまう。
それを紛らわすように青年は語り始めた。
けれど流暢な語りを止めてしまった時、彼から声がかかった。

図星だった。
この街に来る前から、出会った頃から、ガラーシャに隠している事がある。
彼の顔に浮かんだ控えめな、困ったような笑みに胸が痛んだ。]
(44) 2021/10/02(Sat) 0:07:20
[胸が引き絞られるような思いだった。
彼はそこまで悟っていたのか。
青年がうまく隠せなかっただけかもしれないが。

今まではうまく出来ていた筈なのに、彼に対しては出来なくなってしまう。
懇願する響きに歯を食い縛った。
感情が零れてしまいそうで。

覚悟を決めた心算でいた。
これまでに出会った人達と同じように別れる心算で。
けれど蓋を開けてみれば、青年の心の中はぐちゃぐちゃで。
]

【人】 紅柱石 アンドレアス

[とはいえ、何から話したらよいのか。
青年は飲みかけのチャイの入った器を脇に置く。
視界の中で鳩が嘴で地面をつつき、鳴いていた。

そんな長閑な光景の中、ガラーシャに聞き取れるくらいの声で話し始める。]

……君は、宝石人間(ジェム)は知っている?
体の何処かに宝石を宿していて、宝石を生み出す。
老いとは遠い、人間よりも精霊に近しい存在……。

[人間の持つ宝石人間(ジェム)に関する知識はそういったところだろうか。]
(45) 2021/10/02(Sat) 0:09:14

【人】 紅柱石 アンドレアス

私はその宝石人間(ジェム)なんだ。
もう百年以上生きている。

[衣服の上から熱を持つ核の埋まった箇所を摩る。]

これまでずっと、時々故郷に帰りながら人間のふりをして旅をしていたんだ。
出会った人は“いい人”達が多かったけど、再会の約束をした事はなかった。
……一度きりの出会いなら、年を重ねないと知られる事もないからね。

[青年は足元に視線を落とす。]

だって私は老いないから。
人間は自分と違うものを怖がるだろう?
それに私達の宝石を狙う輩もいる。

危険はあるけれど、それでも人間の国を回るのが、知るのが好きで、時間を見つけては故郷を出て旅をしてきた。

[世界を網羅するには程遠いが、人間の半生分は旅暮らしを続けてきた。]
(46) 2021/10/02(Sat) 0:11:12