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人狼物語 三日月国


177 【誰歓RP】bAroQueチップで遊ぶ村【月見】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


行商人 美濃が参加しました。

【人】 行商人 美濃

[旅客機から降り立った先、初めて訪れた榛名の地は雨に濡れていた。

嗚呼、これでは露店を開くのは難しいかしらと女は思う。

体躯に似合わぬ大きな荷物を背負い直して大きな水溜まりを踏めば、下駄の上、卸たての足袋がじわりと水を吸った。

大きく開いた蛇の目から大粒の涙が零れているように見えるのだろうかと、頭の後ろを覆う傘に雨粒が落ちる音に想いを馳せて。

降りしきる雨の中、湿った空気を吸い込んだ。]
(15) 2022/09/29(Thu) 10:28:40

【人】 行商人 美濃

[一度借宿に向かい、濡れた身体を乾かすのと身支度を整える。

またすぐ外へと向かうつもりなれば、あまり意味のない作業だとしても。
水分を含んだ布が纏わりつく不快を抱えたままでは少ないとはいえない荷物─商品─の整理はままならない。

小さな鞠、お手玉、紙風船、単純な絡繰仕掛けの小さな人形と童の好むような玩具から、色とりどりの花を閉じ込めた硝子細工のプレートに、天然石の施された装飾。
幾何学模様の彫られた煙管や漆塗りの柄を持つ筆など、各地で仕入れた小物が女の扱う商品だった。

それらをひとつひとつ、畳の上に開いた菖蒲色の風呂敷へと並べては配置に首を捻りつつ、また鞄へと戻していく。

最後に残した小さな桐箱を大事そうに抱えると、そっと蓋を開く。
箱の中、姿を見せた小ぶりの茶碗にも見える陶器の中は、三分の二程が土で埋められていた。

鉢の役割をしている器の中を、掘り起こしてみたことはない。

窓に当たる雨粒の音に目を閉じると、焦がれるように器の丸い縁をなぞった。]
(16) 2022/09/29(Thu) 10:30:49

【人】 行商人 美濃

[再び大きな荷物を抱えて外へと出る。

そこかしこより響く金床を叩く音に耳を澄ませながら、職人街を抜けて商店の並ぶ一角まで足を運んだ。

商店の途切れる道の端、かろうじて雨の凌げる屋根を張った小さな空間に着物の帯の高さ程度の机を立てる。

小物の多い女の荷物の中で最も嵩張るそれらが出されてしまえば、大きな鞄は随分と軽くなった。

両手で端から端に手を伸ばしてもいくらか余る机の上、菖蒲色の風呂敷を広げようとして、暫し思い悩む。

このお天気じゃあ、お客も来ないであろう。
商品も濡れてしまいそうだと思えば、設営だけはそのままに、鞄の蓋を閉じた。]
(17) 2022/09/29(Thu) 10:40:58

【人】 行商人 美濃

[見るともなし、軽くなった荷物を背負い、雨の中に蛇の目を広げて商店街を歩く。

一軒の和菓子屋の先>>14、足を止めると、そういえば空腹であったと思い出して。]

 あの、もし。
 此処は食事も出来て?

[傘を閉じながら店内に声をかけ、足を踏み入れれば、可愛らしい給仕が出てくるだろうか。

何かお勧めの、榛名らしいものがあれば良いと思うのは各地を渡り歩く時の身についた習慣で。

それがお団子ならば、別のものが良いと告げる。
お団子は、月を見ながら食べたいから。

何かしらありつければ食事をして、いくら言葉を交わすことがあればそのように。

甘い香りの漂うその場所で、暫し憩いの時間を過ごすことになるだろう。**]
(18) 2022/09/29(Thu) 10:42:32
行商人 美濃は、メモを貼った。
(a4) 2022/09/29(Thu) 10:47:14

【人】 行商人 美濃

[うさぎ堂という名の和菓子屋へと足を踏み入れれば、お座敷の上で跳ね上がる兎さんが目に入る。>>19

コロコロと笑いながらお構いなく、と言いかけて。
此処が店で彼女が従業員ならば客の女がかける言葉としては失礼やもと。

耳に入ってきた慌てた様子の声とは裏腹に、手際よく手拭いを届けてくれる姿に、仮面の下で微笑むのを示すように口元に袖を当てて小首を傾げて見せる。]

 ありがとう。
 本当にすごい雨。

[受け取った手拭いで濡れた肩を払い、荷物を下ろして、座敷席へと下駄を脱いで足を伸ばした。

足袋は宿で履き替えておいてよかったと、今は水を含まない爪先の布地に思う。]
(21) 2022/09/29(Thu) 14:35:18

【人】 行商人 美濃



 ぜんざい、暖まりそうで良いわね。
 栗も今の時期らしくて。
 それでお願いできるかしら。
 

[お団子は今はまだ食べる時ではないのだと告げれば、兎面の少女…、少女の年頃はもう過ぎてはいそうだが、愛らしい雰囲気は少女と定義しても遜色はないだろう、彼女が挙げてくれた代わりの品>>20に、胸の前で指先を合わせて。

女の年には不釣り合いとは思いながらも、そんな少女めいた仕草と共、弾んだ声を返した。]
(22) 2022/09/29(Thu) 14:35:57

【人】 行商人 美濃


 ぜんざいはこの塩昆布のためにあると思う時があるわ…。

[セットで出された塩気に仮面の下の顔を綻ばせる。
上へとずらした仮面の下から朱を引いた唇を覗かせて湯気を上げる餡と栗の乗った匙に息を吹きかけた。

口内に広がる甘くてふわりとした熱気が鼻を抜けて、ふ、と熱さを逃す溜め息が漏れる。

ゆっくりと味わって咀嚼すると、栗の食感と舌に乗った小豆の粒の感触を愉しんだ。

塩昆布を一欠片口に運べば、甘さの残る舌に塩分が心地よく馴染んで。

よく味わって食べたものの、空腹に柔らかい餅が程よく落ちつくまでの時間は存外早かったかもしれない。

湯呑みを傾けながら、店内を見渡す。
お月見企画を行なっていることは団子を始めとしたそれらしい品揃えから窺えた。]
(23) 2022/09/29(Thu) 14:36:43

【人】 行商人 美濃


 明日の月は綺麗だと良いわね。


[兎の面もそのためだろうかと、給仕の彼女を見ながら独り言めいて呟く。

観月祭では晴れるのだと、此処へ向かう船内で聞いていた。

此処でしか見られないと噂に聞くほどに、綺麗な満月だと良い。
そのために、女はこの砂漠へ浮かぶ地へと来たのだから。

満足した胃がひとごこちつける間、商品のひとつ、千代紙の束を鞄から取り出して。
紺色に星の散ったような柄の一枚選ぶと指先で折り目をつけながら、明日の空へと想いを馳せた。]
(24) 2022/09/29(Thu) 14:37:18

【人】 行商人 美濃


 明日はまた、お団子を買いに伺うわ。


[断ってしまったお勧めの品は、明日への持ち越しとして。

お代と共に、小さな紺色をした兎の形の折り紙細工を給仕へと渡した。
明日の予約の代わりにと。]**
(25) 2022/09/29(Thu) 14:37:52

【人】 行商人 美濃

[うさぎ堂での食事を終えて店を出れば、雨の中の榛名を歩く。

この雨だ、出歩く者は多くないのであろう。

いくらか歩けばもう吹き荒ぶ雨に蛇の目は然程役立たず、髪や服を濡らした。

路上に人の姿はあまり見当たらず。

大事そうに箱を抱えて歩く年嵩の男性を横目に見送る。>>12
余程大事な用事でもあったのだろうかとはこの地に慣れていそうな迷いのない足取りから。
箱の中身が愛猫とは知らねども、鞄の中の、女にとっては大切な箱を思い起こした。

常の榛名はどの程度の賑わいなのだろうと想像して、陽射しの中行き交う人々を脳裏に幻視する。

明日は常より人も増え、賑わうことは確かだろうと思えばいくらか足取りも軽く。

借宿へと戻り再び濡れ鼠となった姿を見せれば、宿主から苦笑を返された。**]
(36) 2022/09/30(Fri) 10:41:14
行商人 美濃は、メモを貼った。
(a9) 2022/09/30(Fri) 11:03:19

【人】 行商人 美濃

[宿の部屋に戻れば、湯を勧められたのでありがたく浴場へと向かい体を温めた。

室内用の浴衣へと着替えると、湯冷めを避けて肩掛けを羽織る。

窓を叩く雨音は変わらず。
窓の外、時折駆けていく急ぎ足の通行人を見るとも無しに眺め、持ち歩いていた荷物は濡れてやしないかを確認した。

湯上がりの個人的な空間では仮面を外した窓に映る女と目が合う。

何処へ行くにも外さない仮面は、行商人らしく、と言うとおかしな話だが、女が引き継いだ露店の元店主にあつらえてもらったものだ。

もう随分と昔、少女の時分、故郷の祭り事に現れた店主を初めて見た時の、どこか幻想的な特別さに胸をときめかせて露店の品を眺めた時から、女にとってはこの生業の顔にはこの仮面が欠かせないものだった。

それは店主の仮面の下を知る仲となった後の幸福な時を過ごす間も、ふた目とは会えなくなってから久しい今でも変わることはない。]
(44) 2022/09/30(Fri) 19:14:45

【人】 行商人 美濃

[この地では仮面などつけて歩くのは珍しいものかもしれないと思ったが、やはり祭り事の際には不自然ではないのだろうとは、立ち寄った和菓子屋の給仕の装いを思い起こして。

「お月様見られるといいですねぇ」との答えは>>37、独り言めいていても、満月を待つ女に宛てた言葉に思えたから、思い返しては口元が綻ぶ。

予約のつもりの折り紙細工の兎を渡す前から律儀に取り置きを考えていてくれるとは知らず>>38、けれど、仮令売り切れていても何かしらはいただこうとは、店で見た和菓子の品々を思い出しては口内がしあわせになる気がした。]*
(45) 2022/09/30(Fri) 19:16:05

【人】 行商人 美濃

─道中・澤邑─

[雨の中すれ違った男性からの挨拶>>40に、会釈を返す。]

 ええ、このお天気じゃあ、合羽の方が正解だったやも。

[彼の装いを見て肩を竦めて返せば、教えてもらった箱の中身に納得する。
それはこの大雨でも大事に抱えて歩くわけだと。]

 大切にしてもらえてお猫様もしあわせね。

[そんな感想を仮面の下、微笑んで告げた。
箱の中の猫はどんな面立ちなのだろう、白か黒か、三毛猫か、さば、とら、はちわれ、ぶち…など思いを巡らせて。]

 そちらもお気をつけて。
 明日の月見に体調を崩したらつまらないもの。

[気遣いの言葉にはそう返した。
余所者の女に箱の中身を知らせた真意は知らず、明日の話が口をつけば、]

 明日はお祭りだから露店を出すつもりなの。
 よろしかったら見に来てくださいな。

[猫の気にいる玩具や装飾があるかもしれないと、宣伝ついで伝えておいた。**]
(46) 2022/09/30(Fri) 19:17:19

【人】 行商人 美濃

─道中・澤邑─

[仮面の下からとは言え男性の抱えた箱を見つめて猫の姿に思いを馳せていたからだろうか、お見せしたいのだけどという言葉に緩く首を振る。>>49
彼が懸念する通り、この雨の中では大切な猫が水浸しになってしまうのは尤もだから。
個体差はあっても水を厭う猫は多いし、何より、雨の中迎えに行ったという理由は、それなりあるのだろうとは想像で。

宣伝がてらのお誘いには、見かけたら足を向けてくれるというものだから、]

 ええ、是非に。
 その時に、可愛らしいお顔が見られたら嬉しい。

[猫も祭りへと連れ出すのかはわからないけれど、もし一緒に来るのであれば見られるやもと期待して。

月見団子を買うついでにでも、あの辺りの一角だと場所を示す。

この天気で長話はよくないだろうとは、女としては彼の抱えた愛猫を思えばだったが、同じ考えだったのだろう。

箱を庇いながら家路へとつく背をちらと見送り、晴れるだろう明日の空を想像しながら宿へと足を向けた。**]
(52) 2022/09/30(Fri) 22:53:32