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人狼物語 三日月国


123 【身内RP】夜見の城で夢を見る【R18G】

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視点:


アルレシャとスピカを探している。

 スピカ

「――……あれは」

初めて会ったときと変わらぬ凛とした佇まいのカタそうな女。
だけど何処か様子が変わった表情で。

誰かを探してる目線はおそらく、自分にも向けられているはず。

その姿を見るや、早足で近づいた。

「スピカ! ……探しもののご用命かい」

そのものいいは確かに、あの不器用な”何でも屋”のものだ。

 スピカ

「じゃあ、俺が探すまでもなかったなァ」

カカッと笑ったが、あなたの様子をまじまじと見つめ、ふざけた様子は鳴りを潜めた。
ぽり……と頬をかき、それからおずおずと手を伸ばせば、あなたの柔らかな髪を撫でることが出来るだろうか。

「すまん、心配かけたな。
 ちょっと死後の世界ってのを見てきちまったわ。
 正確にはまたちょっと違いそうだけどなぁ……この城の魔法ってやつかもしれねェ」

イクリールが呼び戻してくれなければ、こうして触れることも敵わなかった。
自分が、殺された妻子に抱いたあの絶望を、今度は彼女に抱かせてしまうところだったのだ。

 スピカ

「あ”ー……泣くな。
 俺ァ女の涙にゃ勝てねぇからよ……もうどこにも行かねぇって」

眼鏡の脇から指を入れ、目尻に浮かんだ涙を拭う。
「ばか」は甘んじて受け入れておくしかあるまい。
震える声を、身体を落ち着かせるようその頭をかき抱いて、確かに自分はここにいるのだと自分の熱をもってあなたに伝えた。

「――ありそうだな。
 城の主が何か企んでやってることのようだ。
 あの城主が最初に消えたのは自作自演だったのかもな……と俺は思っている。
 ラサルハグはどうも、城主の協力者だったらしい。
 向こうに居た時アイツにゃ結局会わなかったが……どこかにいたのかもしれな……―――――アル……?」

あなたと、もうひとり探していた子供の名前が出てきて、ぴたりと動きを止めた。

「ちょっとまて。
 あのチビが、どうしたって?」

 スピカ

「そうかイ」

ぽんぽんと背中をひと撫でし、あなたを解放する。
名残惜しいが仕方ない。
ここは往来だし、やるべきことがあるからだ。

「あぁ……情報を得て摘発するようなことをしたからな……。
 理屈が同じなら、恐らくラサルハグは今もこの城の何処かに居るが、声は届かないし姿は見えないだろう」

「っクソ……チビのくせに無茶をしたのかもしれねぇな。
 城の協力者はもうひとり居る。
 俺はソイツのことも知ってる……が、様子がちょっと、な。
 あまり悪気があるようにも見えねぇから調子が狂う…………」

彼女の手にかかったのであれば、きっとアルレシャもまた城の何処を探しても見つかることはないだろう。
その事に焦りを感じながらも、手がかりは協力者である彼女しかないだろう。

であれば、自分は。

もうひとりの協力者、ウミを探すほかないだろう。

 スピカ

「……連絡を取る、手段?
 わかった、それならそっちは俺が請け負おうかァ」

どんな方法があるのだろうと訝しんだが、
あなたの表情をみてそれを問うのはやめにした。
前に見た、敷かれたレールの上で「自由は奪われるもの」などという事を言っていた、諦めた目ではなかったから。

「……昔の話だが。
 俺にも妻子が居たんだ」


「生きてりゃあ、チビくらいの年になる娘がなァ……。
 だから……、ウザかろうが煩かろうが……居なくなるよりは元気に走り回っててくれた方がイイ」

だから、頼んだと。
あなたにそう告げ、男もまたウミとの接触を図るべく、動き出すだろう。

ウミを探している。

>>ウミ

「ウミ! 話がある、居たらでてきてくれ」

城内を歩き回りながら声を張り上げた。
彼女は常に漂っているから、視線は少しばかり上を向けさまよわせる。
浮いてると言うだけで目立つから、居れば探すのにそう苦労はないはずだが……さて。



スピカが封を閉じると、何者かが軽く手紙を咥えるような感覚がしました。手を離せば手紙は宙に浮いたまま動き出します。四つ足の何かが、手紙を咥えて運んでいるかのように。
手紙が動く度に、かろん、かろん、とベルの音が鳴りました。細い糸もその後を追います。

暫くして、階段の踊り場で手紙は止まりました。糸もその場に留まります。
ひとりでに手紙の封が開きました。途端に手紙は姿を消し、括り付けられていた糸が床に落ちてゆきます。

―――──夢から覚めるのを願う事。

それが消えた人を取り戻す方法かもしれない。
ミズガネはそう言っていました。

ウミは広い水の上。
いつも通りぷかりと浮いて、ガスマスクを外しました。