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人狼物語 三日月国


23 【完全身内】Días preciosos【R18RP村】

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視点:




( それでも今は…きみがいるなら────
 
     僕は僕を見失わずにいられるだろう )


 

 

[────コツン
白。白と青を基調とした
理力で作られた白亜の宮を歩く

枢機卿の権威をも持つシルビアは、
無論のこと研究員にも手飼いの者を置いている。

現教皇の心拠り所である────狂人。
目論見如何は推測の域を出ない。

だが、互いが違いの弱点となりえる限り
切り札が此方にある。]


  ご機嫌麗しゅう、教皇猊下?

  貴方の魂は未だに
  貴方の肉の器に留まっているご様子。


  ……此程までに長く保ったのは、
  歴代でも貴方ぐらいだけでしょうね。


[くすり。女は笑む。]


 貴方の片割れたる魂も一緒に
 魂を喰わせてしまえば私の成果もきっと成る。
 
 ────聖遺物

 数多の聖力と魔法力を吸い込み続けた魔性なる道具
 そう、その器に最も相応しい。

 完成すれば今度こそ真祖を永遠に葬ってみせる。
 でもね、未だに貴方が邪魔をするのね。


[ 此程までに弱り果て
 此程までに己を失っても

 コルド──魂の片割れを守護するから完成し得ない。
 双つに分かたれた魂を取り込まさせぬように。

 眠れる力を封じてまでも


 その邪魔立てをし続ける。
 強靱な精神力をこそ見込んでいるのだが────。 ]


────時間稼ぎにしか過ぎなくてよ。

教皇猊下、
いいえリュシルド




 貴方が貴方の魂の片割れを守ろうとも
 他の候補が覚醒すれば貴方は用済み。

 折良くも凶悪な吸血鬼の元へ向かってくれたもの
 この好機は逃せないわ。


[ 聖教会でのコルドの権力も名声も高く
 教皇の守護が厚く手を出せないが────…。

 聖都から出れば薄れる  ]
  

 聖遺物に全てを捧げて
 次の器をこそ完成品にしてみせるわ。



[────片割れたるコルドの魂の片割れも取り込んで
より強力なる真祖に対抗する人型兵器をつくってみせる。


それこそがシルビアと呼ばれる女の永の目的 ]




  真祖を殺すのは、人間でなければならない。


 

[
 そうでなければ、ならないのだ

  女の瞳には狂気と混沌を映していた

 ────カツン


 半吸血鬼の護衛は何も見えぬかのように振る舞う
 残された教皇はうつろな目をしたまま

  女の背を追うこともない  ]*

─ ??? ─

 [ 意識が混濁する

   痛みと苦しみと…後は何だろうか
   自分では正体のわからない感覚
   真っ暗でも真っ白でもない
   灰色の空間。夢の映像ひとつすら流れない

   何もない場所に
   ぽつん、と1人で居る感覚は
   とっくに慣れたものだったけれど

   見えない何かが頭を触れた
   穏やかで優しい手つきで、
どこか懐かしい
 ]
 



   「僕、これ好きなんだ」


 [ 知らない誰かが、そう言った気がした

           
眠り続ける僕の、細やかな寝言
 ]**

 



  
どうして、君は
あの時私を庇ったのだろう……



 [ その答えはもう、返ってきやしない ]**
 



お兄ちゃんが一体
どれだけ辛い思いをして
苦労してそれでも優しさを忘れないで

  ここを築いてきたと思ってるのか。




   無事であってくれよ。妹……**


 




────…今度こそきみをまもりたい *





 [ きっと私はまだ
   誰かを信じる事ができなくて
   自分を信じる事ができなくて

   恐れの心を糧に動いていたから…… ]**


 




……お兄ちゃん…






  
でもね、私は
他に何を失っても、大事な妹がまだ居るから

力に飲み込まれずにいられるんだよ



 [ 秘密にしている研究の、代償
   強くあるからこそ、心も強くなければならない ]
 


  こんなとこで…こんなとこで死んでたまるか!


[  僅かでも少しでも
  僕もきみも未来を馳せ始めたこんな時に!

  痛みを堪えて体を捻り、剣を受け流す
  気絶をさせるには、力量が足りない。

薬が届くまで
  この子に誰も殺させはしない! ]*



────もう、知ってる人が死ぬのを見たくない…



 
   [ 僕に関わるひと達が
     みんな、いなくなっていく ]*