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人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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[ 『節制』は、箱庭を愛していました。
 世界を生み出した神様を愛していました。
 自分と同じように箱庭に生み出された子らを、
 それぞれに大切に想っていました。

 相反する性質を持つ者たちの集う箱庭では
 諍いが度々起こりました。
 彼らが諍いで互いを傷付けすぎてしまうことのないよう、
 一たび争いごとが起きたなら駆け付け
 仲介役を進んで買っていました。

 神様が『節制』へ贈った贈り物は「架け橋
 相反する二つの性質の間に立ち、
 それらを結び付けることの出来る贈り物でした。
 
 特別安らげるのは、親友である『隠者』の傍。
 『隠者』は思慮深く、慎重で、思い遣りに満ち
 誰よりも『節制』の性質を理解してくれます。
 『節制』もまた『隠者』を誰よりも大切に想っていました。

 晴れた空の下、よく二人だけのお茶会を開きました。
 湖畔で涼やかな水音を聴きながら
 アイリスの花を眺めるのがいっとう好きでした。]

 


[『節制』は規律を重んじ、節度を弁え
 慈愛を尽くすためならば自己犠牲をも厭いません。
 東に呼ぶ声あれば飛び、西に呼ぶ声あれば駆け
 求められれば求められるがままに献身し、
 皆の幸せを心から願っていました。
 
 最初はきっと興味本位で始められたのでしょう
 『運命の輪』の手による幸運と不運の流転。
 やがてどちらをも楽しむようになってしまった
 『運命の輪』のことを、その勝気な奔放さを
 『節制』はどうしても理解できません。
 
 初めこそ純粋に心配をしていましたが、
 徐々に苛立ちを覚えるようになってしまいました。

 『節制』が戒律し、己を戒めていましめて
 とても出来ずにいるようなことをも
 無邪気に成し遂げてしまうから。
 羨望の色を孕んだ、醜く身勝手な苛立ちでした。

 『節制』は自分が『運命の輪』を嗜められる気がしません。
 『正義』に任せて、距離を置くことにしました。]

 


[ わたしは神様を愛しているのに
 神様の創りたもうた子に苛立つなんて!

 『節制』は自分の中に生まれた矛盾に苦しみました。
 こんな自分は『隠者』にだけは知られたくない。
 ひとり苦しむうちに、ぽきり、と何かが折れました。

 どんなに仲介役を続けても
 ただその場では丸く収まるというだけ。
 争いの火種がそれぞれの個性に在る限り
 諍いが完全に絶えることはありません。

 ……つかれたな。
 ふとそう思いました。

 仲人役を務めることが虚しくなってきましたし
 自分の存在は箱庭に必要がないような気もしてきました。]

 


[ やがて思いました。

 わたしが間に立とうと、立つまいと
 さして結果は変わらないのではないか?
 
 愛する神様からの贈り物を使いこなせない己に
 『節制』は、失望しました。
 必要がないのなら、わたしが生み出された理由は何だ。

 「わたしは、神様から愛されていないのではないか?」

 奇しくも『運命の輪』と真逆の発想に至りました。]

 


[ 神様を、箱庭を愛するがゆえに積み重ねてきた
 丁寧な暮らしが荒れるようになりました。
 箱庭の何処かで諍いが起こっても
 知らぬ存ぜぬを貫きました。

 昼夜は逆転し、好きなだけ酒を煽り、殻に閉じこもり
 美しかった紅い翼はぼさぼさになってしまいました。

 そんな情けない自分を誰にも見られたくなくて
 『隠者』には特別見られたくなくて
 もしも『隠者』が自分の元を訪ねてきてくれても
 ひとりにしてほしい、と拒んでしまいました。

 そんなある日のことでした。
 『悪魔』が、『愚者』を殺しました。

 どんなに諍いが続いても殺し合いに発展することはないと
 『節制』は心の何処かで油断していました。
 だからこそ見て見ぬふりをしていました。

 ──取り返しのつかないことが起きてしまった。

 わたしが間に入ったとて
 止められはしなかったかもしれない。

 だが、『愚者』の死は防げたのではないか? ]

 




  [  わたしの、せいだ  ]



 


[ 自責の念に駆られた『節制』は我に返りました。
 神様が愛した、穏やかな箱庭を取り戻すために。

 混乱に陥った箱庭を鎮めようと
 『節制』は、再び諍いを仲介し始めました。
 そのうちに誰かが刃を持ち出しました。]


   ──いけません

   わたしたちがわたしたち同士で
   傷付け合ってはなりません……!!


[『節制』は仲立ちを試みながら
 どうにかして刃を奪い取ろうとしました。

 力任せに奪い取ろうとしたその弾みで
 『節制』の身体は場外へと投げ出され、



             掌の中の刃は──── ]**
 
 



  行かないで――……

  

 
[               ひとりきりの恋人たちアダムとイブ
             胸の証はとある楽園の模倣。
   蛇の奸計で林檎を口にし追放された者たちの烙印。
          その意に破綻をも内包するそれは、
          夢を見なければ狂わなければ生きられない程に、
            最初から完璧ではなかった証。 ]
 

 
[  知っていた。識っていた。
  完璧な両性具有に完璧な二人でひとつ
  それでも足りないのです。
  足りないと思ってしまうのです。

  或る日神に問いました。
  「どうしてわたしたちを完璧に作ってくれなかったの」

  造物主我らが父は答えます。
       「そのままの完璧でないおまえを愛している」と ]
  

 
[  『恋人』が何をしたとて何を思うとて、
  永遠の不完全に絶望し身を投げたとて、
  正気の果てに箱庭の全てと心中したとて、
  何をしても愛しいのだとその瞳は告げるのでしょう。 ]
 

 

  ──── ああ、反吐が出る。
  自分で作った可哀想な人形を愛でるその目が煩わしい。
  わたしたちが欲しいはそれじゃない。
 
 

 
[  『悪魔』の愛は禁断の果実でした。
  そこにあり、魅力的で、どうしても欲しいと思うのに、
  手を伸ばせばその愛は終わってしまうのです。

  わたしたち、ふたりでひとつの完璧な存在。
  だのにこの身の外に抱いた愛に気付いた時、
  『恋人』の『完璧』は永遠に失われてしまう。

  だから見ないようにしました。
  『完璧』であるならば、『悪魔』は愛してくれる。
  
何故、と思えば問うたことはありませんでした。
  向かい合うことを避けていたようにも思います。

  心で想うことだけは、この心だけは自由だ、などと、
  そんな都合のよい夢を揺蕩っていたかったのです。  ]
 

 
[  だから、箱庭の黄昏を招いたのが『悪魔かれ』だとしても
  それは構いませんでした。

  愛とは許しで、愛とは受容で、
  愛とは存在ありのままを肯定するものだと信じていたからです。

  彼がどれだけ血に染まろうと罪に塗れようと、
  望むものを得る道なら何がどうなろうと構わない。
  わたしたちの終わりですら──
  きっと完璧なまま終わらせてくれると信じたから、
  どうでもいいと思えたのです。

  彼が真に求めるものが何であったかさえ、
  知ろうとしないままに。   ]
 

 
[  けれど、狂気のままの精神は擦り切れる寸前でした。
  生まれた時から『完璧』ではないと知りながら、
  それでも『完璧』を偽り生き続けるのは地獄でした。

  だから、それ『隠者』の薬は確かに救いだったのです  ]
 

 

[  そして、              
]
 
 



   ── ねえ、『悪魔』いとしいひと
   こんな最期を少しくらいは惜しんでくれるかな?
   
   わたしたちも少し残念だ。
   最期だなんて言わず、
   最初に殺してもらえばよかったかな、なんて。

   ああ、でも。
   きみに浮かぶ失望の色を見ることがなくてよかった。
   きみの愛を失う前に、死ねてよかった。
 
 

 
[  そうして瞼を下ろします。
  そこには音もなくただ優しく広がる夜がありました。

  『恋人』はその不本意な死にも関わらず、
  眠るように穏やかな顔をしていました。  ]
 

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ 経典で語られる『恋人』は、
 男女を内包したひとりきりで完璧な存在。
 自らの完璧を否定する者以外には等しく慈愛を傾ける。
 その存在の特異性以外に語られることはありません。

 黄昏ゆく箱庭にて『愚者』の薬で幻を見、
 かねてより相容れない『魔術師』との
 相打ちの末に死にました。
 
 彼/彼女らの本心が語られることはありませんでした。 ]
 
(98) 2022/12/20(Tue) 21:29:26
 

[  そうして『完璧』を守り通して死んだのです
  それこそが『悪魔』への、彼/彼女『恋人』の愛の体現なのでした  ]

 

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ そして、>>17

 魂に刻まれたものが軽くなっても、
 それでも残るものがある。 ]
 
(99) 2022/12/20(Tue) 21:30:37
 
 
   
きみのことを『愛して』いたよ

 
 

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 

[ いなくなる『恋人わたしたち』から、
 いなくなる『悪魔あなた』への声が聞こえた気がした。

  本当は『愛して』欲しかった、
 『完璧』であることで貫き通した
  箱庭の『恋人』の愛が。
  それを準えるようにして
 『完璧』を偽り続けた苦悩、
  それほどまでに失いたくなかった人への想いに重なる。
  ……私たちは別の存在だけれど、似た者同士だった。

 神にすれば、偽物に与えていた愛を取り返しただけで、
 意趣返しのつもりもなかったのかもしれない。
 だけど、これだけは奪えない。奪わせない。
 思い通りにいかなくてお生憎様ざまあみろ、だ。 ]
 

(100) 2022/12/20(Tue) 21:31:38

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ これを分かち合える人がいる。
 けれど伝えるのは、彼/彼女らの決意に反する気がして。

 それに同じだとしても、それは私の言葉じゃない。
 愛して欲しいけれど、それ以上に愛をあげたい。

 だから、今はまだ。
 言葉にしてもいいかと自信を持てるくらいになったら。
 そうしたら ──…… ]
 
(101) 2022/12/20(Tue) 21:31:58

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ 護る、>>53という言葉はとても心地よいけれど、
 それに甘えるだけの自分ではいたくない。]
 

  私もそうしてあげたいんだけどなあ……
  でも今は頼っちゃおうかな。
  ちゃんとその分を返すから、待っててね。


[ 何も身に降りかかるものだけじゃなくて。
 傷付かないように何物からも護ってあげたい。

 今は気持ちばかりで何の力もないけれど、
 私たちの運命だったあの日から、
 貰い続けた優しさを返していきたい。
 
 それに……きっと盲目なままでは駄目なんだろうと思う。
 心を護るのは、きっと心にきちんと触れることが必要で。
 
 時には喧嘩しても向き合わなくちゃいけないな。
 でも、それで嫌いって言われたら……
 泣かない練習もしておかないといけないかも。 ]
 
(102) 2022/12/20(Tue) 21:33:46

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ さっきはなんだか泣きそうで、
 心がどこかに行ってしまいそうで不安だったけれど、
 今はちゃんとここにいてくれる。
 触れた手の温もりがそれを教えてくれる。 

 こちらを見下ろす安堵の顔に胸が締め付けられた。
 まるで、寄る方ない子供のような。
 遠い昔の傷に触れられたような、
 いつかのあなたに手を差し伸べられたような気がして。

 大切にしたい。
 あなたを形づくる全てがいとおしくて守りたい。
 
 「居てくれてよかった」、と >>54
 生きていることを肯定してくれるその呟きに、
 ── 私も、と続け ]
 
(103) 2022/12/20(Tue) 21:34:04

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

  
 
  好きだよ、私のナハト
 

[ 寄せられた頭に手を差し伸べ、
  夜色をそっと撫でてから抱き締めた。 * ]
 
 
(104) 2022/12/20(Tue) 21:34:23
Y『恋人』 クリスタベルは、メモを貼った。
(a26) 2022/12/20(Tue) 21:39:54



    わたしはやはり、
          神様に愛されはしない
 




[ けれど神様、それでもわたしは
   この世界の生きとし生けるものすべてを
              あいしているのです

 あなたのことも、

         
──あいしていたのです
  ]



 

Y『恋人』 クリスタベルは、メモを貼った。
(a30) 2022/12/20(Tue) 22:04:33