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人狼物語 三日月国


148 霧の夜、惑え酒場のタランテラ

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砂の民 スティグは、メモを貼った。
(a6) 2022/05/25(Wed) 20:48:26

【人】 砂の民 スティグ

[新たにやってきた彼は何とも饒舌だ。>>69
いつものやつ、のノリで選んだ黒麦パン一つにも、色々なエピソードが出てくる。
話が出たのを聞くに、よく旅の道中でパンを食べていたりしたのだろう。

そして、今はそんな彼も、この酒場で店員をやっている、というわけだ。]


店員さんは…


[ふと、ここに好きでいるのか、と聞こうとして、やめた。
彼もきっと、ゴーストだ。
そして、大体の死んだ人間はきっと死にたくはなかっただろうし、死ななければまたここにも来なかっただろう。
一旦言葉に詰まった後、笑って続けた。]


話がうまいから、話しているのを聞いているだけで楽しいよ。
 
 
(96) 2022/05/25(Wed) 22:43:45

【人】 砂の民 スティグ


[しかし彼はやっぱり話がうまい。
こっちが恐縮してしまうレベルだ。>>71


いや、乗せるのが上手いねぇ。
飲んでる姿って言っても、僕はほとんど飲まないからなー
酒の美味しさがわかるようでわからないというか。


[ザルな自分は何を飲んでもいい気分どまり。
それなら水でも同じでは…?と思ってしまうのが悲しい所だ。
それでも、酒が入れば自分ですら少しは饒舌になる。]


勝負って、飲み比べ?
いやあ、まあ、勝つ気はあるけど
その勝負、後には何も残らないさ…


[しみじみしつつ、ビール追加の言葉に頷いた。
そして、好きな酒の話が始まれば、黙って聞いた。]
(103) 2022/05/25(Wed) 22:51:47

【人】 砂の民 スティグ

 
ギムレット、か。
見れば思い出せるかな。
酒に詳しいのは…


[いつも友人の方だった、と伝えようとして、彼の言葉>>72に顔を上げる。
そして笑った。]


聞こえてたんだな。
君が、ゴーストの君が一番美味いと思う酒を僕の持っている瓶の中に作ってほしい。
…もし、店であまり持ち帰りとかはしていないなら、それこそ君の分も一杯奢るよ。
だから、頼む。


[そして、ギムレットの言葉の意味を聞けば>>73、呟いた。]


いいんだ。
村に残された皆が、心残りを晴らして少しずつ居なくなっていく。
寂しいよ。
だけどそれが僕の望みなんだ。
僕の生きる意味でもある。
 
(104) 2022/05/25(Wed) 22:56:12

【人】 砂の民 スティグ

[ごそごそと荷物を漁り、瓶を取り出すと彼に渡す。
続く彼の言葉には>>74、少し照れたように礼を言った。]


そう言って貰えて嬉しいな…

てか、お兄さん口が上手すぎでしょ!
はよビール取ってきてください!
酒の事もよろしく頼みますからね!


[続く「男前」という言葉に少し慌てたような声を上げると、ぱたぱたと手首をふって顔を隠しつつ早く行けという仕草をする。

何故こんなに胸が熱いのだろう。
それは、こんな話をこんな風にありのままに人に伝えて、かつ、それを褒められたのが初めてだからだ。

自分のやっていることは自分が勝手にやっているだけのことだ。
人に認められるようなことではないし、人に認められるためにやっていることでもない。
それでもこうやって言ってくれる人が居たことが、嬉しかった。


まったく油断ならないタイプだ…
などと言いつつ、黒麦パンをちぎってブイヤベースに浸して食べる自分の顔はどこか綻んでいたと思う。]**
(105) 2022/05/25(Wed) 22:58:48
砂の民 スティグは、メモを貼った。
(a14) 2022/05/25(Wed) 23:07:13

― ここまでのこと ―

戦争が終わり、育ての故郷へ戻るとそこは瓦礫の山だった。
人は誰もおらず、既に捨てられてから大分経っていたのか、辺り一面の草原の若草が村を覆い始めていた。

とはいえ、近くの中都市で、あの辺りの村はほぼ全て壊滅状態で打ち捨てられていると聞いていたので、そこまでの驚きもなかった。
また、自分もほかの国でそんな村々を見ていたので、こんな風になっているかなあ、という想像のぎりぎり範囲内に収まっていた。
その日は、誰も居なくなった村で、一晩を過ごし、村で亡くなったであろう皆の冥福を祈るつもりだった。

そしてその夜。
自分は彼らの姿を見たのだ。
恐らく亡くなったその時の姿のまま、その場所に佇む彼らの姿を。

ぼんやりと光る彼らは、何とも酷い姿をしていた。
しかし、彼らのことは近くの街では話題にすらなっていなかった。
そもそも崩壊した後にまでわざわざ訪れる者はほぼ居ないような僻地の村だったし、怖いもの見たさの肝試しにしても、戦後の今、こんなところに来なくても人がたくさん死んだ場所は腐るほどあった。

そして、慌てて村に残るぼんやりとした影を見て周っていた中に、彼女の姿があった。
彼女は誰かに乱暴された後に死んだらしい。
酷いあざの残る顔に顔を近づけると、見開いたままの目で呟く声は、「石…」だった。

心当たりがあった。
旅の行商人から買って、彼女にあげた、緑色の輝く石。
彼女の瞼だけでも閉じようとしたが、手は空を切って彼女の顔には触れる事ができなかった。



   
「貴方は明日外出しない方がいいでしょう。

    
何故なら、命を落としてしまうからです。」


  

   

   
「貴方が住んでいる国は三日後に
びるでしょう。」


  

その後も足繁く村に通った。

わかったのは、まず、彼らは昼間も地味に見えていること。
ただ、光らない分夜よりぼんやりとし、さらに侵食してくる草に紛れて大分見えにくい。

そして、放っておいただけで姿を消す者もいること。
例えば村の大婆さん。
婆さんも足が悪く、家の中で、ほぼ焼けこげて死んでしまったようだが、自分が村に来てから半年くらいの後、ふと姿を見せなくなった。

あとは、恐らく亡くなった者全員がゴーストになっているわけではないこと。
皆の様相を見るに、恐らく自分が死ぬと悟ってから、実際に死ぬまでが長かった者がゴーストになっているように見受けられた。

そんな風に村を訪れ続けながら、自分は「石」を探していた。
恐らく村を破壊した敵兵に持ち去られた、輝く石。
全く、砂浜から特定の砂粒1つを探すような話だ。
しかし、そんなことも、たまには実現することがあるものだ。

ある港町の小さな質屋で、まさにあの石を自分は見つけた。
値段は、自分が行商人から買ったときの10倍近くにもなっており、持ち合わせは全く足りなかった。
さらに、じっとその石を見て居た自分に店主の老人が言う事には、その石は既に質流れしており、早ければ翌日にも海の向こうに運ぶ予定だということだった。

どうですか、今ならその値札の値段でもお売りしますよ、という老人の頭を咄嗟に棚に並んでいた青銅の像で殴った。
老人は無言で床に倒れ、そのまま動くことはなかった。
自分は石を掴み、店から出ると、そのまま足早に町を去った。
今に至るまであの港町の近くにすら戻ったことはない。

何も考えずに、ひたすら歩いて、馬車に乗って、また歩き続けて、故郷の村へと向かった。
まるで戦争の時のような気分だった。
けれども、もう戦後だということも分かっていた。
もう、戦時のルールは失われた場所で、自分がしてしまったことも自覚していた。

そして村に着いたその日の夜、「石」を彼女に捧げた。
彼女の投げ出された腕のある空間に、掌に置くように石を持ち上げた。

次の瞬間、ぼんやりと光る彼女の周りに穏やかな風が吹き、次の時には生きていた頃そのままの彼女がそこに立っていた。
顔の痣も、破れた衣服もきれいに治っている。
彼女は自分に鮮やかに微笑んだ。
そして一瞬のうちにその姿は掻き消えた。
後には崩れた壁だけが残り、少しの後石が崩れた煉瓦の床に落ちた。

石はその近くに埋めた。
石はもう、彼女との美しい思い出だけを思い出すものではなくなってしまっていたからだ。
埋めた後、振り返って村を見回した。
まだいくつもの、ぼんやりと光る影が、点々と散っていた。

あれから村に残る彼らの話を聞き出して、いろんな場所を巡って、また村に戻ってを繰り返して、もう何年が経っているだろうか。

今となっては自分の村は近場で売られる地図にすら載っていない。
しかし、最初に訪れた時と比べれば大分暗くなった夜の故郷の村を訪れるとき、自分には一抹の寂しさと共に満足感も生まれるのだった。**

 
 
  外出すると命を落とすなら、
  外出を避ければいい。
  命と天秤にかけても避けられない外出なら、
  もう腹を括るしかないですね……。

  占いが外れて、外出しなくても死んでしまったら、
  それはもうどうしようもない事でしょう。
  占い師に文句を言うのは筋違いです。
 
 

 
 
  住んでいる国があと三日で滅びるなら……。
  その三日で安全な場所に
  避難することが出来るかもしれませんし、
  出来なかったとしても、
  人生最後の三日間を大切にできる。
  占いが外れて滅びなかったら、ラッキーじゃないですか。
 
 

 
 
 
  でも、僕は船と共に溺死したわけではないんです。

       船が沈んだその後に、―――病死しました。

 
 
 

 
 
  船が沈んだ後に、
  「貴方はこれから死にますよ」って占われていたら、
  僕はほっとして、
  命を運命に委ねることができたと思います。
  少しは苦しみも、和らいだのではないかと。

  あの時、命を落としたのは、
  運命がくれたなけなしの慈悲だと思っていますから……。

 
 

 
[高熱によって生じた悪寒に体を震わせ、
 口内は血痰で鉄の味がした。
 病魔に侵された肺では、まともな呼吸もままならず、
 永遠に止まらないのではないかと思う程に、咳が出た。

                  


           海で
まれ、
               海で
ち、
                   海で
んだ。


 けれど僕が最期に乗った船は、夢と愛を乗せた船ではなく、
 絶望だけを積み込んだ船だった。]

 


[ あの話の真実は1つ。
  姫は賊に攫われたこと。


            嘘が1つ。
            騎士が姫を救い出したこと。 ]
 


[ ほんの僅かに、手が届かず。
  耳障りな嗤い声と共に
  私の目の前で彼女は攫われた。


  …追わなければ。
  首を飛ばされるだけでは済まないなんて
  罪と罰の行く末など今はどうだっていい
 
  守ると誓った
  己の意思で、その日まで命を全うすると

  嫌いだった
  嫌いになんてなりきれなかった
  一番近くで6年もの間、見てきたんだ

  失いたくない
  守らなければ
  助けなければ
  駆られる衝動の正体を僕は知らない まま。 ]

 


[ 薄い魔力の痕跡
  途中、途中、途切れ
  迷いながらも、追いきった。

  暗雲立ち込める趣味の悪い敵のアジト
  まさかダンジョンの中層部から
  通じているだなんて。


  一歩を踏み出す度に
  ざり、と土の軋む音がする。 ]



                 …けて、



[ 遠く
  微かに耳が拾いあげたのは、
  か細い女の子の声。

  ぷつり、と 慎重の糸が切れて落ちる。

  うだうだとしている暇はない
  考えを纏めるより先に、
  声の聞こえた方へ駆け出した。

                  愚かだった。 ]


[ 辿り着いた部屋に居たのは
  賊のリーダーらしき男
  縛られて床に転がされている主

    姫様と幾分も歳の違わないだろう
    二人の少女 2人とも違う国の姫だ


  認識するまでの数瞬の間に
  
一人の少女の首が持ち上げられる
 ]
 


[ 目が合った。
  にぃ、とリーダーらしき男が 嗤う。

  石より冷たい、非道へ堕ちた者の眼。

  ───動けない
  逸らすことも 閉じることも出来ない


  悲鳴が 耳をつんざいた。 ]

 


[ ─────赤。赤。赤。赤。
赤。


  少女の
い服を穢し 
  床に滴り落ちて広がっていく

  視界の全てを埋めつくした。


  僕の顔を見た瞬間に、刺したのだ。

  けたけたと厭らしい嗤いが、響き渡る。 ]


  「 ────お勤めご苦労!
    よくやったね、君が一番乗りだ!


    ほら、そっちの子だよ
    返してやんな、わりと優秀な騎士さんにさ 」


[ …何を言っているのか
  分からなかった。  一番乗り?
  
  困惑の収まらないうちに、
  下っ端らしき男が姫を…ヴィオラを、
  連れて 返してきた。

  酷く怯え 震える身体を抱き締めて
  欠けてしまいそうなほどギリ、と
  歯を食いしばって未だ嗤う男を見る。 ]

 



    ………一体、何が目的なんだ


  
[ 犠牲となった一人の少女の
亡骸
を前に
  呟けたのはそんな一言だけ。
  

            遊んでいたのだという。

  三国の王女を攫って、
  誰が一番に助けに来るか、と。


  もう帰っていいと言う男に、
  逃がすかと食いかかりたい気はあった

  …訓練された騎士を欺くほどの魔法の使い手
  ヴィオラを守りながら
  この数を相手にするのは、…無理だ。
  逃がしてもらうしか、選択肢は無い。 ]

 



   ……その子は、どうするつもりだ



[ ──それでも、生きているもう一人を
  見捨てて帰るだなんて そんなことは出来ないと


  男を睨みつけた。

  男は変わらず、嗤っていた。 ]

 



 「  殺すよ?

    当たり前だよね
    騎士くんが無能なのがいけないんだからさ
    この子の騎士は来てないんだ。

    …なぁに、その目。文句でもあるの?
    なら、君のお姫様

  この子の為に  犠牲にする? 」


 


[ 絶望の二択
  主に奪われた生存。

  …事の顛末だけを記す。
  少女は二人共生き残ったが、
  騎士の活躍によるものではない。


  一人の少女が
  その身を差し出すことによって、見逃された。


  私はまた、何も出来なかった。 ]

 


[ その日から 王女は毎夜 
  悪夢に魘されるようになった

  魘されても大丈夫だという彼女を
  見ていられなかった。


  私は王に全てを話した。
  年若い少女が 身体を犠牲にすることを止められなかった
  自分の力ではどう足掻いても 誰かが死んでいた

  それでも
  命を持っても償いきれないことをしたのだ、と。

  王は言った。 ]