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人狼物語 三日月国


108 灰色うさぎと紫うさぎの冬支度

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【人】 イウダ



 前の日とかに準備出来るならしといて貰って、当日サプライズっていうのも楽しいよきっと。
 お互いそれで同じの用意しててもまた良い思い出になるんじゃないかな。


[息をするのと同じくらい当たり前な料理という行為だが、自分が全部やりたいという訳ではないし、自分の味以外を美味しく食べられない舌はしていない。
二人で住むようになって、一緒に料理をする機会も彼女が作ったものを口にする機会もあって。
紫亜が「作りたくない」と言うのなら無理強いをする気はないが、「彼女の手料理」という響きが好きな自分を隠したくはなかった。

前菜を何か一品。
彼女は何を用意してくれるのだろう。楽しみだ。]


 シュー生地は軽くて小さいから、苺はそのままだとくっつかないかな。
 飴がけした上からフリーズドライの苺フレークかけようか。


[クリスマスツリーぽさを追求するなら、飴がけに点在する赤い粒は電飾めいていてきっと可愛らしく仕上がるだろう。
シュー生地は緑色と、それから――]
(22) 2021/11/15(Mon) 20:37:59

【人】 イウダ

[ラタトゥイユは保存がきくから食べきれなかったら持ち越しで、カプレーゼも食べきれなければ翌日一緒にスープで煮込んでしまえば良い。
二人のディナーは特別だけど、翌日の「残り物ご飯」だって、二人で食べれば特別になる。

提案はどれも当日の時間と気分次第ということになったが、作られなかったメニューはきっと別の日に作ることになるだろう。]
(23) 2021/11/15(Mon) 20:38:10

【人】 イウダ

――当日――

[寝惚け眼で起きて来た寝間着姿の彼女を見て、ぐっとなってしまう。
もう数か月一緒に暮らして何度も朝を迎えているのに不思議だ。

思わずベッドに戻りたくなる気持ちをぐっと堪えて、グラノーラ用にカフェオレボウルを出した。
自分の分のヨーグルトは、使いかけの容器にそのままバナナを手で折って入れてはちみつをかける。
本番は夜なので、朝は極力労力を惜しみたい横着だが、紫亜が気になるようならちゃんと皿に移す。
どうにも自分のことに関する「見た目」を軽視してしまう癖が抜けない。]


 洗い物と洗濯は俺やっとくから、目一杯可愛くなってきて。


[自身はスーツになるとはいえ、遠出ではないので髪も自分で少しワックスをつけて整える程度にしようと思っている。
化粧もあるし、彼女にしっかり準備の時間をあげたいので、朝の家事は喜んで請け負って。
それが終わったらダークグレーのスーツにごく薄い紫色のボタンダウンのシャツを合わせた。
ネクタイは勿論彼女に以前プレゼントしてもらったうさぎが並ぶグレーのネクタイだ。

持ち物と財布の中身を確認して、彼女の仕上がりを待つ。*]
(24) 2021/11/15(Mon) 20:38:23

【人】 オルテイシア

[サプライズという響きにわくわくする。
同じものを用意したなら、笑い種の一つになるだろう。
それだけ好みが似ているということに嬉しさも募る。

何気ない家事の一つだった料理が、こんなに景色を変えてくれるとは思っていなかった。
それもまた、彼と付き合い始めて表れた変化。

好きなものが増えていって、時短ばかり気にしていた料理が好きになっていく。
迷ったら手解きを介して、作った料理は美味しいと言って食べてくれる彼をどんどん好きになっていく。

二人の繋がりを強くしたのは「料理」だから。
その行為を、これからも大事にしていきたい。]
(25) 2021/11/15(Mon) 21:24:53

【人】 オルテイシア

[そんな決意を胸に秘めた当日。
前菜のメニューは密かに決めたもののまだ彼には伝えていない。

彼が出してくれたカフェオレボウルにグラノーラとミルクを入れる。ドライフルーツがミルクの上を泳いだ。
彼のバナナヨーグルトもシンプルだけれど美味しそうだ。
「ひとくちください」と甘えた声を出して、スプーンを揺らした。
コーヒーはいつものように二人分。
食後に味わっていれば、彼が家事を名乗り出る。]


 お願いしちゃっていいんですか?
 ……じゃあ、急いで用意してきますね。


[支度に時間が掛かるのを考慮してくれたのだろう。
こちらが気にしないように言い回しを変えてくれるところに眼が細まる。
お言葉に甘えて、メイクと着替えを整えた。]
(26) 2021/11/15(Mon) 21:25:04

【人】 オルテイシア

[パーティという程ではないけれど。
「特別な日」だから、シックな黒の総レーストップスを選ぶ。首周りから胸の上にまで掛けてレースで編まれた服は、それだけで大人っぽく見える。
ボトムはローズレッドの膝丈フレアスカート。クリスマスカラーを取り入れても派手過ぎないように、足元はトップスと同じ色合いの黒のファー付きショートブーツで抑えめに。

首元には旅行中に彼がプレゼントしてくれたグレーパールのネックレスと、あの後、もう一度寄った1000円ガチャで出てきたパールのピアスを付けた。

メイクはいつもより少し明るめに、リップはスカートに合わせて明るめの赤のルージュを引いて。

鏡の前で一度くるりと回って自分の姿を確認する。
目一杯可愛くなれたかどうかは、彼にチェックしてもらうとして、チェック柄のロングコートと鞄を手に、彼の待つリビングへと向かう。*]


 おまたせしました。
 準備ばっちりです!

 
(27) 2021/11/15(Mon) 21:25:30

【人】 イウダ

[ヨーグルトの容器食いには目を瞑ってもらった。
一口を彼女の口に入れたら「共犯成立」。
プレーンヨーグルトに足すバナナとはちみつの甘さは彼女とのキスよりは甘くない。]


 焦んなくて良いよ。
 仕上がった紫亜とのデートを楽しみにしてんだから。


[朝の洗い物は少なく、洗濯物もこまめにやっているおかげですぐに干し終わる。
何かを作り始めると逆に彼女を待たせることになりかねないから、大人しく待っていた。

今日のデートはまずデパートだ。
そろそろクリスマス限定のコフレが出るらしく、様々なメーカーの化粧品を見比べられる化粧品専門店で彼女の気に入りが見つかるかと向かうことにした。
アクセサリーも考えたが、旅行でネックレスを出したし、その後ピアスも出たので候補の優先順位としては低い。
指輪は次に贈るものはもっと時期を見てちゃんとしたものをと考えているので、イベントと兼ねたくはなかった。

もし化粧品に目ぼしいものがなければ洋服か靴か鞄か……。
沢山持っていても増やしたいのが着道楽というもの、どれかはきっと気に入るのがあるだろう。]
(28) 2021/11/15(Mon) 22:29:36

【人】 イウダ

[そんな計画を練りながら待っていると、リビングのドアが開いた。
まず目を引いた黒のレースに「おお〜」と思わず感嘆の声が漏れる。]


 パーティ仕様?すげー色っぽいのにエロくなくて良いな。
 似合ってる。


[黒だからパールのネックレスもよく映えている。
膝上のスカートの色味もクリスマスらしくて、普段の彼女の色味とはまた印象が違って新鮮だ。
メイクもはっきりとした赤が目を引く。
ついキスをしたくなるような――いや、我慢我慢。]


 期待以上に目一杯可愛いよ。
 じゃあ行こうか、お姫様。


[エスコートに手を差し出して、家を出た。]
(29) 2021/11/15(Mon) 22:29:49

【人】 イウダ


 プレゼント、何が良いか考えたか?
 まずはデパートかなって思ってたけど、ピンポイントで欲しいものがあったらそこ優先で。


[帰りは荷物が多くなる予定なので、車で行く。
旅行から帰ったら不審なシミを見つけて二人で赤面しながら掃除したのを思い出す。
今は勿論その気配もなく、芳香剤の爽やかな香りに包まれている。*]
(30) 2021/11/15(Mon) 22:30:00

【人】 オルテイシア

[はちみつ入りのバナナヨーグルトは唇に甘さを運んでくれた。
共犯という悪い響きが蠱惑的で朝からドキリとする。
動く彼の唇を見つめて、俯いた。頬が熱い。

時間は気にしなくていいという彼に頷きながらも、メイクは丁寧に手早く施していく。
洋服だけは前日のうちに決めておいて良かった。
朝選んでいたら、それこそ彼を待たせてしまっただろう。

着替えた姿を彼に見てもらって、感嘆の声が上がって小さくはにかむ。]


 はい。
 おうちでもちょっと上品な感じにしたくて。
 ……ありがとうございます。


[新しい服をお披露目する度に、褒めてくれる彼にきゅんとする。
初めてディナーに訪れた時にも、彼が一番に気付いてくれたのを思い出して目元が緩む。

彼からもらえる「可愛い」は世界一の褒め言葉。
差し出された手を取って、冬の街へ繰り出した。]
(31) 2021/11/15(Mon) 22:53:55

【人】 オルテイシア

[スーツにタイを結んだ彼は、グレーに薄い紫を合わせたシックな姿。
二人の色を取り入れてくれたことが嬉しくて、彼の首筋にはプレゼントしたうさぎのネクタイが揺れている。
体格が良いから、スーツが良く似合っていて格好いい。]


 基依さんがくれるものなら何でも嬉しいですよ?
 でも、欲しいもの、考えてみたんですけど……、
 いつも使ってるブランドの限定コスメが出ていて。
 それがいいかなって、考えてました。


[旅行から帰ってきて洗ったクッションは綺麗に元通りになっている。
今はもう旅行の名残はない。
シートベルトを締めながら、赤いリップを乗せた唇が動く。]


 新色のリップとネイルなんですけど。
 ……リップなら、
二人で、使えるかなって……。



[使えるという意味を暗に濁して、頬を染める。*]
(32) 2021/11/15(Mon) 22:54:24

【人】 イウダ

[余談だが、卯田は紫亜の言葉遣いが好きだといまだに毎日思っている。
「家」じゃなくて「おうち」という言い方とか、「ありがとうございます」を必ずはっきり発音するところとか。

卯田が何度も言う「可愛い」を聞き飽きることなく毎回はにかんでくれるところも好きだ。
この可愛さは今日自分に見せるための装い。
誰か余計な男の目線が届く前に、繋いだ手でしっかりガードしておかねば。]


 ブランド決まってるなら化粧品専門店よりそこのショップのが良いかもな。
 デパートの1階に入ってるんだっけ?
(33) 2021/11/15(Mon) 23:17:46

【人】 イウダ

[化粧品の店には詳しい訳ではないが、欲しいブランドがあるなら、そこで買うとその店のショッパーに入れて貰えるし、その方が良い気がする。
キラキラした1階の化粧品の店が並ぶコーナーは男には少し居心地が悪いが、試す間はじっと行儀よく待っていよう。

シートベルトを締めて、エンジンキーを回そうとした時――


はあ、と溜息を吐いた。]


 ……今キレーに塗ってる真っ赤な口紅も俺に分けてってなりそうだから、
 あんまり可愛い事言うの禁止な。


[今日ばかりは、途中でセックスに耽ってしまわないように必死なのだ。
今度こそエンジンキーを回してデパートへと車を走らせた。*]
(34) 2021/11/15(Mon) 23:18:19

【人】 オルテイシア

[基依さんと一緒に暮らすようになって、敬語がすっかり口に馴染んだ。
会社に入社した頃から周囲が年上ばかりになり、敬語で話すことが多くなったという理由もある。
たまに言葉が崩れてしまうこともあるけれど、その時も彼から指摘されたことはない。
この言葉使いはきっと、これからもこのままだろう。]


 はい、えっと。
 この前出掛けたデパートの方で……、


[道中までは分からないから、デパートの店名を口にする。
以前にも二人で出掛けたことがあるし、ナビがあれば大丈夫だろう。
現地に着けば、彼の手を引いて道案内は任されることにして。]
(35) 2021/11/15(Mon) 23:47:21

【人】 オルテイシア

[デパートの化粧品フロアは男性にとっては少し居づらい場所かもしれない。
あまり長居はしないように気をつけたいが、リップを試すなら少し時間が掛かるかも知れない。
居心地が悪いようなら他のフロアを見て回ってもらうことも考えていれば、運転席から溜め息が聞こえた。

溜め息と共に聞こえた言葉にドキリとする。
リップの話は彼の何かを刺激したようで。]


 ……はい。


[照れて俯いてしまいながら、小さく頷きを返す。
分けることに抵抗はないけれど、今はまだ日も高く出かける前でもある。
両頬を抑えて、頬の熱が冷めるのを待った。]
(36) 2021/11/15(Mon) 23:47:31

【人】 オルテイシア

[デパートの近くのパーキングに車を停めて、また手を繋いで歩き出す。
歩く時は、自然と手を繋ぐ習慣がついた。

デパートに入れば、クリスマスソングが流れる。
コスメフロアは週末とあって女性客で溢れていたが、中には同じようにカップルでフロアを巡っている人たちも居た。]


 ……えーっと、確か。
 こっちです。
 

[ブランドは決まっているから、彼の手を引いて人の波を掻き分けてコーナーへ向かう。
ちょうどタイミングよく人が捌けたタイミングだったのか、店員はすぐに捕まえることが出来た。]


 すぐ終わりますから、待っててくださいね。
 他のフロアで見たいのがあれば、
 終わったら連絡しますから、
 見てきてもらっても大丈夫ですよ?


[そう一声掛けて、メイクスタンドに座る。
クリスマスコスメは、いつもと商品のデザインも違っていて可愛らしい。
それだけで気分が上向くから女の子は単純だ。

それからは店員さんと何色かのリップを試してみて、一番気に入ったピンクのリップとベージュのネイルがセットになっているものを購入することに決めた。*]
(37) 2021/11/15(Mon) 23:48:26

【人】 イウダ

[まだカレンダー上ではクリスマス前だが、デパートはすっかり内装もBGMもクリスマスだ。
それがまた「今日はクリスマス」と決めた二人の特別な日を演出してくれる。

コスメフロアは確かに居心地が悪い空間ではあるが、彼女を置いて他のフロアを見るなんてとんでもない。]


 プレゼント包装にしてください。


[彼女が選んだリップとネイルのセットが店員の手に渡ったら、カードを横から出した。
リップを試した後で、彼女の唇は今はピンク色。
元の色に戻したいなら、今ここで直させて貰ったら?と提案して、自分は店員と一緒にレジまで進む。

順調にプレゼントが買えたので、この分だと夕食の買い出しにたっぷり時間をかけられそうだ。**]
(38) 2021/11/16(Tue) 0:03:01

【人】 オルテイシア

[きっと居心地が悪いだろうに、彼は傍らで待ってくれていた。
新色を塗ってもらったリップを見せて、どうですか?と尋ねたら、似合ってる、とお決まりの言葉が返ってくる。

プレゼント包装を彼がお願いしたら、店員さんに「素敵な彼氏さんですね」なんて言われて、気恥ずかしくも「はい。」と微笑って応えた。

リップは服装に合わせて、同じ新色シリーズの赤いリップを塗ってもらった。
そちらの方はサンプルを貰うだけにしておく。
メイク用品は集め始めればキリがないので、時には我慢も必要だ。

ショッパーを持った彼が戻ってきたら、それを受け取って]


 ありがとうございます。
 ……大切に使いますね。

 さ、次は基依さんの番ですよ?
 

[と、彼の手を引いて男性用のフロアへ向かった。]
(39) 2021/11/16(Tue) 1:13:53

【人】 オルテイシア

[辿り着いたフロアは男性用の財布や小物が陳列されているフロア。
ネットで調べていたものと同じものがあるか、キョロキョロと辺りを見回しながら進めば、革製品のシリーズが取り扱っている場所にそれはあった。

ハンドメイドの一点物の革製品が並ぶ一角。
グレーの革で作られたキーケースを手にして、彼に見せる。]


 ……グレーの色が残ってて良かった。
 これ、プレゼントさせてくださいね。


[二人の家に帰ってくる鍵が嵌るキーケース。
それを特別に彩りたくて選んだもの。
彼が自宅に帰るのが楽しみになるように。

その願いを篭めて、キーケースを手にレジに向かった。]
(40) 2021/11/16(Tue) 1:14:17

【人】 オルテイシア

[それからは、彼の新しい服の物色なども楽しんだり、デパートでしか買えないような食材を見て回ったりして、デパートを後にする。
いつもより値段の張るワインも、少しだけ試飲させてもらって、気に入った赤ワインを購入した。
互いの手にはプレゼントの小さなショッパーがある。

帰り際に寄ったスーパーでは夕食の食材を買い込んだ。
私の分からないものは彼が見立ててくれる。
私の好きな野菜も多めに仕入れて、余ったとしても翌日繰り越せるように。

両手にいっぱいになったエコバッグを二人で分けて車に乗り込む。
帰路に着く頃には、少し日が傾きかけていた。**]
(41) 2021/11/16(Tue) 1:14:48

【人】 イウダ

[丁寧にクリスマス仕様のラッピングを施してもらい、会計を済ませる。
朝つけていたものより赤が幾分違って艶もある。
折角だから別の新色を、と、彼女についてくれていた美容部員が微笑んだのに微笑み返す。]


 ありがとうございます。
 なんかキラキラしてるな。似合うよ。


[ショッパーの閉じられていないところから、サンプルの入った小袋を預かる。
プレゼントではあるが、彼女に荷物を持たせたくはないので、渡すのはまた後だ。
そのままコスメフロアを後にして、エスカレーターで上に行く。
下りエスカレーターの側面が鏡になっていて、二人の姿が映った。
2段下に立つと、ヒールを履いた紫亜との身長が同じくらいに見える。
目線が同じだな、と鏡の姿を指さして微笑んだ。]
(42) 2021/11/16(Tue) 17:02:29

【人】 イウダ


[メンズフロアで彼女に選んで貰ったのはキーケース。
革製品でグレーというのが珍しい。
縫製は手仕事らしい。言われないと気づかない程に丁寧に縫い目の長さが揃えられていた。]


 家のと店のと車のもつけられるな。
 ありがとう。大事にする。


[革は使う程に柔らかくなって色合いも変わるという。
その「成長」も楽しみだ。

互いのプレゼントが早く決まったのでついでに服も見たが、特に今欲しいと思っていたアイテムはないのでただマネキンを参考にすることになった。
紫亜がいてくれれば、下手なコーディネートは直してもらえる安心感があるが、自分で学ばない理由にはならないので。

そこからフロアの奥にあるカフェで軽く昼食を取り、地下の食品売り場でスーパーにはなさそうな食材を先に仕入れておく。
荷物が増えるので、昼食の時に彼女へのプレゼントは渡しておいた。
ワインの試飲は運転手なので我慢して、紫亜の舌を信じる。
それからスーパーでかなりを買い足した。
この時ばかりは紫亜にも一部運搬を分担して貰って。

帰り道の運転は西日が差したが、サングラスに慣れている卯田にはどうってことのない時間だった。]
(43) 2021/11/16(Tue) 17:02:58

【人】 イウダ

――家――

 さーて、チキンをどうするか、心は決まったか?


[一応どちらにも対応できるように、材料は買ってある。
彼女の心が決まるのを待つ間、野菜をどんどん洗い始めた。
じゃがいもは皮つきのまま電子レンジへ、パプリカは4つ割りにしてからクッキー型で星形にくり抜いて、サッと茹でた。
生野菜はリースの雰囲気を出す為にベビーリーフを使うから、洗って水を切るだけで使える。**]
(44) 2021/11/16(Tue) 17:03:13

【人】 オルテイシア

[僅かな色の変化にも気づいてくれるから、彼のためにオシャレをするのにも力が入る。
いつでも彼の前では可愛くありたいと思うけれど、変化にすぐに気づいてくれるから、それが独り善がりではないと思わせてくれる。

エスカレーターに乗る時はいつも彼が下りに立つ。
日頃見上げることが習慣づいて居るから、同じ高さは珍しい。
鏡越しに微笑みを交わす。
スーツの袖を握りしめて、思わずキスしたくなるのをぐっと堪えた。

プレゼントは彼の目にもお気に召しただろうか。
グレーのカラーは彼を表す色。
その色が年数を重ねると共に深みが増していくのが楽しみだ。

恙無く終わったプレゼント交換、手には互いに手渡した袋が下がる。
彼がキーケースを使う度、私がリップを使う度に、きっとこの日を思い出す。
「特別」が少しずつ彩られていく。]
(45) 2021/11/16(Tue) 20:09:45

【人】 オルテイシア

―― 自宅 ――

[エプロンを締めて、並んだ食材たちを見つめる。
約束通り当日まで悩ませてくれた彼に感謝しつつ、]


 はい。
 悩んだんですけど、トマト煮が食べたいかなって。
 赤も使うし、クリスマスっぽくなりそうです。


[ローストチキンも悩んだが、それは次回に持ち越す事にして。
蛇口を捻り、手を洗って準備を済ましたら、ここからは彼の腕の見せどころだ。]


 何から手伝えば良いですか?


[気分はすっかり新米助手。
食材と彼を交互に見比べて小首を傾げた。*]
(46) 2021/11/16(Tue) 20:10:55

【人】 イウダ

――家――

 トマト煮込みな、オッケー。
 じゃあご飯はバターライスにしようか。
 米2合研いでくれる?明日の昼の分も兼ねて。
 そしたら鍋にバター大匙1と一緒に入れて米が透明になるまで炒めて。


[野菜はこのまま自分が切る方が効率的だろう。
トマトはフォークに刺した後、直火で炙る。
こうすると、湯剥きよりも早く皮が剥けるのだ。皮が弾けたら冷水に取り皮を剥いて、乱切りにする。
玉葱とブラウンマッシュルームはスライス、スティックセニョリータは斜め切りにして。]
(47) 2021/11/16(Tue) 21:45:55

【人】 イウダ

[鶏ももを一口大に切って塩コショウで下味をつけた後、水分をキッチンペーパーで拭き取って小麦粉をまぶす。
オリーブオイルでそれを焼いて取り出しておく。]


 水2カップ入れて沸いたら弱火にして12分タイマーかけといて。
 終わったら10分蒸らす。


[オリーブオイルを足して、野菜を塩コショウで炒め、白ワインを入れてアルコールを飛ばす。
ブイヨンスープは常にストックがあるのでそこから入れて鶏肉を戻して塩コショウで味を調えて煮込み、最後に生クリームで味の角を取ったらプロバンス風のトマト煮込みの完成だ。*]
(48) 2021/11/16(Tue) 21:52:57

【人】 オルテイシア


 はぁい。
 バターライスいいですね。

 えーっと、お米2合とバター大さじ1……。


[バターライスはオムライスのイメージしかなかったから、どう仕上がるのか楽しみだ。
隣でサクサクと手際よく進んでいく彼を見留ながら、お米を測って2合分取り出す。
プラスチックのザルにお米と入れて、水を流して研ぎ始める。
冬場の水は都会でもよく冷えていて冷たい。

お米を研いだらザルを引き上げて、深めのフライパンに移した。
火を付けて、バターを入れて炒め始める。]


 お米、炊くんじゃなくて、炒めるんですね?


[お米はいつも炊飯器だよりだから、フライパンを使うのは珍しい。]
(49) 2021/11/16(Tue) 22:08:52

【人】 オルテイシア

[包丁の音が傍らで聞こえる。
手慣れた所作、下味を付けている姿はいつもお店で見ている彼と同じ。
家でも随分と見慣れるようになったが、調理をしている姿はやはり、お店の方が印象的だ。]


 水2カップで、弱火で12分、と……。


[お米が透明になってきたところで水を差し入れて、ふつふつと音が立つまで待つ。
沸き立ってきたら言われたとおりに弱火に。
キッチンタイマーをセットして、一息つく。]


 終わったら10分。
 ……うん、いい匂い。


[言っている間にも出来上がっていく料理に、わぁ、と目を輝かせる。
トマトとブイヨンのいい香りがしてきて鼻を擽った。*] 
(50) 2021/11/16(Tue) 22:09:01

【人】 イウダ


 まー炊飯器でも良いんだけどな、今日は特別なディナーってことで、炒めてから炊いた方がバターの香りがよく出るし。


[トマトを煮込んでいる横で、紫亜がフライパンを手にしている。
人と並んで調理をするのは普段仕事でやっていることだけれど、家で彼女とするのは特別な感覚になる。

――もういいよな?
ここは家だから。

彼女の手がフライパンから離れてキッチンタイマーに伸びた隙を見計らって、唇を奪った。]


 ……色、移った?似合う〜?


[なんて、くねっとおどけてみせる。]
(51) 2021/11/16(Tue) 22:45:01