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人狼物語 三日月国


150 【R18G】偽曲『主よ、人の望みの喜びよ』【身内】

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ナオアキは、銃口を少し上へやり、引き金を引いた。
(a16) 2022/06/07(Tue) 10:10:32



あなたの背か、胸か、腕か。
運び込む際に触れた場所に、少女の血が付着します。
それが血色の結晶になったりはしません。
ただぽたぽたと、水音だけを残して寝台に横たわります。

微かに開いていた唇は閉じられてなお微笑みの形で。
薄い透明な液が通った跡が残る目元は穏やかなまま。
死んだ人間はきっと、何も語らないから。

だから電気を消してしまえば、そこにはもう闇だけ。
日向のような明るさはすっかり、消えてしまいました。
それでも……もし、暗く塗り潰される想いの下に、
この少女の生命が残っていたのなら。
神というクソッタレ

  運命  に向かって弓を引く、その誇らしげな顔が、
きっとあなたの隣に立っていたのでしょう。

だから、いつか陽がまた日が昇るのなら。
その時は、あなたと同じ日向に居させてくださいね。

それじゃあ、おやすみなさい、なのです。

メモを貼った。

【人】 トラジコメディ フカワ


チッ、と熱い何かがズボンや靴の端を掠めて、
バターでも抉ったみたいな跡をつけたのを感じる。

へへ、だの、ははだの、笑っちまったくらい濃厚な死の気配。

「いえ勿論!……重々、承知です、とも」
『ああああ当たる死ぬ?当たる嫌だ怖い当たる嫌』


実に手強い客だ。ここまで強情なのはいつ振りか。
──そう、あくまでも映画のように劇のように。

無機質な散弾銃、劈く発砲音、異形と化した彼。
それらをひとつでも、確かな現実のものとして受け止めたら、
もうすぐにでも狂ってしまう。出来る限り俯瞰しなければ。
 
銃口が上を向いたのを見れば、及び腰で一歩ほど後退りを。

「申し訳ございません……何から何まで」
『こここ、こい、ここ、に、ここから、音の方』


背後の方から駆けてきた中型の実験動物を、
アンテナの柄でいなし、先ほどの銃声を頼りに飛び掛からせる。
狙いが外れたり逸れたり、それか盾になってくれたらいい。

痛みを増す頭は、寧ろ正気を保たせてくれて有難い。
(14) 2022/06/07(Tue) 10:52:49
フカワは、念の為アンテナを支えに低く屈む。ひぃい、と情けない悲鳴が溢れた。
(a17) 2022/06/07(Tue) 10:53:55

篝屋に来た カジヤマは、メモを貼った。
(a18) 2022/06/07(Tue) 11:59:45

『間に合って……ないかも?
ごめんな、ずっと寝ちゃってて』

『簡単に言うと、呼び出されて腹刺されて頭半分溶かされた。
水が入った普通のペットボトルで殴られたと思ったら、気が付いたらペットボトルも溶けて頭も溶けちゃってた』

先ほどの情報から追加で得られることといえば、何の変哲もない水だったものがある瞬間から変化をして襲いかかってきた、ということだろうか。
まあ色々あって今は……元気だけど。元気ではないかもしれない。

『抵抗する時に、俺が……あの人の頭の中ぐちゃぐちゃにした。
その影響も、あるのかも』

【置】 猶大 ロク

ーーーー顔合わせに数刻遅れて会議室に向かう廊下。
単独行動であることに加えてまともに連絡も取り合っていないロクは、人が減っているだとか、銃声だとか、異変らしき事実にようやっと現実味を覚え始めていた。

ドロドロに溶けた人間だったらしいモノを踏みつけると、不快な粘着質な音を立てて散った。
無意識にシャットアウトした施設に蔓延する臭気も情報を得ようと意識した途端に吐き気を催しそうになる。
濃厚な血と腐敗した肉の絡みあったオブジェが放つそれは探さずとも至る所で目に入る。

「あ〜……メンドクサ。
 こんなトコで死ンだ奴らはさぞかしお可哀想に。まぁでも?人間辞めちゃったら俗世の苦しみから解放されるのかね」

それはまるで神の齎す救済のように。
心から人が望んだ解脱のかたちなのかもしれない。

「アイツ、欲望に忠実だったからなぁ……昨日も会議室に来てなかったし、こうなると死んでる方がまだマシかもな」

もしそうだとしたら。
どうもしないのか。どうにかしたいのか。
考えるのも面倒だった。
(L3) 2022/06/07(Tue) 12:46:41
公開: 2022/06/07(Tue) 12:50:00


『あ゛ーーーー────……………』

助かるけど聞きたくはなかった、
とでも言いたげな間伸びした心の声。

よく今生きてるな。それで。偉いよ。
オレが生きてられるかはまた別の話だ。生きなければ。

無明長夜 ヌイバリは、メモを貼った。
(a19) 2022/06/07(Tue) 12:54:53

【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

 銃弾を浴びながらも飛び掛かっての勢いそのままに近くまで来た一匹には、
 避けながら鞄のペットボトルを一本投げつけてやった。
                     あなたは死ななければならない

 ぱしゃり、水が打ち付けられる、場違いに爽やかな音。
 次いで崩れた肉と露わになった骨が落ちる鈍い音がして。
 最後には溶け残りの蓋の奏でる軽い音が転がった。

             あなたは死ななければならない
「謝るくらいならそこにいないでくれません?」
あなたは死ななければならない

 かくん、頭は痛くて重くて持ち上げる気にならない。
 傾いてそのままにされた。
                  あなたは死ななければならない

 篝屋に使った騙し討ちのような手段は上手くいかないだろう。
 今度は銃を捨てても近くへ寄れそうにない。

   あなたは死ななければならない
(15) 2022/06/07(Tue) 12:56:57
ナオアキは、歩を進める。
(a20) 2022/06/07(Tue) 12:57:06

【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

「…篝屋クン、あっちの方でまだ生きてると思うのよォ」
         あなたは死ななければならない
「酷い状態だから、早く行ってあげた方がいいんじゃない?」
                     あなたは死ななければならない
「アタシ、会議室に行きたいだけなの。頭痛い」
                  あなたは死ななければならない

 だから、何か言うならこの方向だと思った。
 善意や思いやりを取り落としてきているのに、
 他人のそれが存在することを知っているのだ。この男は。
  あなたは死ななければならない

 篝屋が生きているかは知らないが、別にトドメを刺していないのも事実だ。
 生きているのなら、生かす気があるのなら、手当ては早い方がいい。
あなたは死ななければならない
 自分を見逃すのなら攻撃しないとは言わなかった。
 そのつもりではあるが、言った方が今は嘘臭くなる。
 立場が対等でない者とする約束なんて、形だけのものにしかならない。
             あなたは死ななければならない

 信用を取る気はなかった。多少でも思考が逸れればそれで良い。
排除できる。
(16) 2022/06/07(Tue) 12:59:04
ナオアキは、歩を進める。
(a21) 2022/06/07(Tue) 12:59:14

ライカは、走って、走って。足がもつれても。
(a22) 2022/06/07(Tue) 13:07:10

>>篝屋

ずる、ずると棒切れのような足を引きずって。
歩く。歩く。歩く。

拾えた気配のある場所は、もう少し遠く。
生き損ないの、死に損ないは、ただ一つの意思だけを杖にして歩く。

「…………ぁ?」

ぽつり呟いて。
その人が地に伏せているのを目にした。

「……篝屋、さん?」


「……。
 あの時、会話したのは、俺と同じだったからですか?俺と同じで死んでいたからですか?」

肉の焼けるような臭いを気にも留めず歩を進め。
近くに寄って確認するよりも早く反射的にその力を呼び起こす。
ただ一つの意思だけで骸を動かしているその何かの力はあまりに不安定な物だったけど。

彼の呼吸を聞いた。
彼の生きる音を聞いた。
それでも彼は動いていない。何をも溶かす海の中に身を沈めているだけ。

「……」


「ねぇ」

「なんでくたばっているんですか?」

地に伏せるその人をその場で見下ろしている。

【人】 未だピンボケ ライカ

「あ、れ」

見つけた!と駆け寄った先に、見えるのは。
あの時、確かに標本室で。

「結木、さん…?」


どうして、死んだはずの貴方が。
(17) 2022/06/07(Tue) 13:23:18

【人】 トラジコメディ フカワ


後退りをする。

「ひ、そ、それにつきましてはその」

一匹どっかから此処に誘導するのに、
どれだけ手間掛かってると思ってんだクソッタレ。
そう毒吐いてもとても聞き届けてくれそうにない。

愚痴ったら親身に聞いてくれそうだった彼は、
もうどこを探しても見当たらない。

指示なく異変を嗅ぎつけ、ちょろちょろとやってきていた二匹の小動物を見遣る。
片方は地面の液体を避けようともせず突っ込んでとろけた物体たちの仲間入りを果たし、もう片方は駆けることままならず、のろのろ空を引っ掻くだけ。

それをぽんと脚で蹴り飛ばす。
何かに気を取られてくれればいいのに。

『ひ、あ、後、無さすぎ、だろ……』


どれだけ怯えても、絶対に転んだりとかしないように。
背負ってるのはもう自分一人の安全じゃないんだ。
(18) 2022/06/07(Tue) 13:25:06
フカワは、後退りをする。
(a23) 2022/06/07(Tue) 13:25:13

【人】 トラジコメディ フカワ


篝屋さんを引き合いに出されて、
一瞬、ほんの一瞬だけ硬直した。

何故かといえば、もしかしたら会社の後輩になってくれそうだった相手の安否に関わることだったから。
何故一瞬だったかといえば──

「排除──奇、遇ですねェ、
 オレもそう……オレも頭痛いんですよ」

「その原因。安全を脅かすものを、
 排除すれば解決すると思ってて」

自分は害意だけにはどうしても敏感だったから。
それも“排除”ときた。『彼』と似つつも決定的に違う、
加害者としての、実に傲慢なそれを聞き逃すはずはない。

「な、何もオレが行く必要ありませんし?
 だから、そう……こっちはもう」
(19) 2022/06/07(Tue) 13:30:50

【人】 トラジコメディ フカワ




『後に引く気はねェんだよッ!』



寧ろ自分のごとそっちの頭も割れろ、とばかりに力強く吠える。
鼓膜を介さない、脳を貫き揺さぶる純然たる音の暴力。

施設に蔓延る獣たちに対する呼び声で、
急いで駆けつけようと奔る仲間への導で、
明確な意志でもって攻撃せんとする、初めての害意の形。

血の気がバカみたいに引いていく。
言ってしまったこと以上に、力に身体が侵される感覚。
こんなもん二度三度やれるようなもんじゃないということを、
嫌ってほど思い知らされる。
(20) 2022/06/07(Tue) 13:36:07
フカワは、後退りしようとした一歩で、力強く地面を踏み締める。
(a24) 2022/06/07(Tue) 13:36:42

【置】 ハリの豺狼 カナイ


────居た。

遠く、けれど他人事ではない程度に近く。
轟く銃声がそれを確信じみたものにする。
そして『声』がそれを裏付ける。

ああ、でも、これじゃ迂回なんかしてる余裕は──いや、

動きを止めている・・・・・・・・

最短距離を選びかけた足は即座に迂回路を選ぶ。
それが足を止めたという事がどういう事かはわかっている。
脅威を取り除く為にそれを直視し向き合う臆病者は、
もう嫌になるほど間近に迫った現実を見ている。
(L4) 2022/06/07(Tue) 13:48:10
公開: 2022/06/07(Tue) 13:50:00

【置】 ハリの豺狼 カナイ


叶 西路は狂人だ。

誰だって当たり前に嫌な事が当たり前に嫌で、
当たり前にそれから掻暮に逃れたくて、
けれど手段を選ばないには当たり前に道徳観と理性があってしまって、
普通じゃない自分の欲求の事も当たり前に普通じゃないと思っていて、

それでも誰も助けてはくれなかった。
それは単なる思い込みで、ただ自分が誰も頼なかっただけ。
だから自分が恐ろしいものから逃げる為にはそうするしかなくて、
やりたくないのと同じかそれ以上にやらなければならないんだと思ってしまって
そう思い込んで当たり前の躊躇いを振り切ってしまった。

叶 西路は狂人だ。
きっと誰しもそう思うような事を切っ掛けとして道を踏み外した、
誰もが他人事ではない、当たり前のいびつさを抱えた狂人だ。

だからやりたくない事はやりたくなくて嫌な事は嫌だし、
だから他人とは言えない間柄の人を脅かすものがあれば他人事ではないし、
だから理由はどうあれ自分を庇ってくれた人を見捨てるのは嫌だし、

だから恐ろしいものは
二度とその暗がりから這い出す事の無いように殺さねばならなくて、

だからその為ならどんなに嫌でも意思は一線を踏み越える。
(L5) 2022/06/07(Tue) 13:49:02
公開: 2022/06/07(Tue) 13:50:00
カナイは、逃げない。
(a25) 2022/06/07(Tue) 13:50:17

カナイは、逃さない。
(a26) 2022/06/07(Tue) 13:50:21

三十三

名前を呼ばれた。
かくん、と首が傾いて。体の向きを半分変えて、視線をぐるり。
貴方を見ているようで、でもどこか遠くを見ているような。そんな眼差しを注ぎながら青年の形をした何かはわらう。

「……あぁ!三十三さん!よかったぁ、生きてたんですね!貴方は貴方だ!にんげんだ!えへ、うふふ。嬉しいなぁ。どうして此方に?」

時折何が面白いのかも分からないような笑い声をあげているが、確かに青年は二本の足で立ち、貴方と向き合って会話を行なっている。
身体中に無数の傷を纏い、無邪気な子供のわらいごえを響かせるたびに口から、腹から、ぽたぽたと血を落としながら。

貴方が確認した遺体の様子を、そのまま抱えながら。

【置】 篝屋に来た カジヤマ

『あンの野郎、自分で酸被って殴ってきやがった!!』
『俺ちゃんはまだ死んで――』

小さな声がどこにも届かない。
それは身体から発されていない。

自分が本当に死んでないのかこの暗闇ではわからない。
外の声も聞こえない、稀に己に反応してくれた人間が
生きているか死んでいるかもわからない。

まるで黄泉をさ迷う亡霊のようだ。
いつかは
どちらかに
行ききるのだろう。

ふざけたことばっか頭によぎる。
死んだら家族に会えんのかなーとか。
後輩や大学面子に怒られそうだなとか。
先輩たちは呆れていい気分にはならないだろうなとか。
あの子は敵じゃねぇっていってくれたのに、
あの人を敵のままにしてやりたくないのに。

なんでこの身体は動かねぇのかなとか。

『死んでも声届くならセーフ?』


んなわけないか、無理に笑って闇雲に黒の世界を走った。
(L6) 2022/06/07(Tue) 14:50:07
公開: 2022/06/07(Tue) 14:50:00
/*
めっちゃ"いいやつ"のロールの途中ですごいアレなんですけど
喫煙所(概念)で話してて凶狼気付いちゃったにゃんけど
今日人間二人屠っても明日の朝に焔狼お嬢様がおくたばりあそばせられるので
つまり3:3にならずこれまだ決着しませんわね???

つまり人が何人か……ガチ死なさりますのね?おそらくは?

ナオアキは、銃を落とした。
(a27) 2022/06/07(Tue) 16:49:35

【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
「い゙っっ、あ゙あ゙ぁぁあ
あああ゙っっ!!?!?

あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 奈尾はここまで、ダメージを負った際に叫ぶことはなかった。
 痛みがないわけではなかったが、半ば麻痺をしているようなものだったから。
 あなたは死ななければならない
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
あなたは罪深い人間だから
あ゙ああああ五月蠅い
死なないと、いきてないとやれないじゃ 
 ない、ほしいのよ、ね゙ェ、罪を犯さなければ、おかした上で 
 罪って何、い゙、結果には原因がつきもの、いたい、殺そうと 
 してくる人にやさしくなんてしナ゙いでしょ、だからそれはア 
 
ナタ
それはアタシ
あ゙ぁぁあああいだいな゙ァっっ゙!!!!
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 ふらつき、頭をおさえて、思考の大部分を
 痛みに支配されながらも、足は止めないで、前へ。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 銃を拾って撃つよりかは、屈まないぶん水を使った方が早い。
 いや、今の己の状態からすればそれよりも──。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
(21) 2022/06/07(Tue) 16:50:56
ナオアキは、大きく能力を使い、反動で動きが鈍った深和に引き抜いたナイフを振りかぶった。そして、けれども、
(a28) 2022/06/07(Tue) 16:51:31

ナオアキは、深和を刺すことが出来なかった。それよりも前に────
(a29) 2022/06/07(Tue) 16:51:41

【人】 未だピンボケ ライカ

>>+9 結木、さん

「どうして、は 僕のセリフです」

頭がガンガンする。脳が理解を拒む。
最初に会った時のように話しかけてくる貴方の姿が、どうしたってこの場では異常であることを"知ってしまっている"。

「あなたは、標本室で」
「死んでいたはずで」

傷はそのままで、赤を垂れ流してそこに立っている。
それは、おかしいことだ。
異常だ。

「生きている、なら 先輩も、結木さんも 治療しないと」
「死んでしまう みんなで一緒に帰れない」
(22) 2022/06/07(Tue) 17:08:47
/*
なんということ?
おれが焔を宿しているばっかりに……
生きたいと思ってしまったばっかりに……?

【人】 ハリの豺狼 カナイ


──ひゅ、と風を切る微かな音がして。

────パンッ!!!!


苦痛による、血を吐くような凄絶な絶叫が響いた後。
銃口より発せられる乾いたものとは異なる破裂音。

脇目も振らず廊下を駆け抜けた先でまず視界に入ったのは、
ナイフを振り被る長身痩躯のその背中。
ひどく焼け爛れ崩れた肉とそれが変質したらしき何か、
その間から時折顔を覗かせる白いもの。

惨憺たる有様となった奈尾の背中、その上部。
ともすれば頸にほど近い箇所で、
ともすれば剥き出しの骨に罅が入り、或いは砕けるような。
無防備な背に飛来した何かを避けられなければ、
奈尾はそんな凄まじい衝撃を感じる事になる。
痛みは無くとも。


音と衝撃の出どころは、
叶が咄嗟に奈尾の背に投げた、掌大のガラス片・・・・・・・
それが忽ち膨張するように体積を増し、炸裂したためだった。
(23) 2022/06/07(Tue) 18:07:17
カナイは、その鋭く透明な意思の形は、断ち切る為に。
(a30) 2022/06/07(Tue) 18:07:27

カナイは、きっとどうしようもない人間だけど。
(a31) 2022/06/07(Tue) 18:07:32

カナイは、誰も幸せにならないこの筋書きを断つ事はできる。
(a32) 2022/06/07(Tue) 18:07:39

カナイは、向き合って、終わらせる。自分ではなく、あなたの罪を。
(a33) 2022/06/07(Tue) 18:07:45

【人】 ハリの豺狼 カナイ


直撃すれば、ともすれば脊髄を傷付けたかもしれない。
たとえ仮にあなたが痛みによって怯む事は無くとも、
幾らかその部位を損傷してしまえば、恐らくは。
脳が身体に信号を──意思を伝える事が妨げられる。

それは意図した結果ではなく、
完全に奈尾の自由を奪うには狙いは甘かったかもしれないが。
ただひたすらに、咄嗟に投げ、咄嗟に恐怖を掻き集めた。
そんな無茶な行使と短時間での連続使用、
そして不安定な精神では、反動はこれまでよりも強く。


それぞれの意思が交錯する、そんな一瞬の後。

殆ど蹌踉めくように踏み出し、けれど注意深く様子を窺った。
反動によってぐわんと殴打されたように意識が揺れて、
視界がちかちかと明滅しても、動きがあれば見逃さない。
あと二回。
(24) 2022/06/07(Tue) 18:08:24
/*
強く生きてほしいにゃん。死ぬけどにゃん。
必要なら介錯はするにゃん……こっちができる状態だったら……

ライカは、そんな状態でも、写真を撮った。もう、癖になってしまっていた。
(a34) 2022/06/07(Tue) 18:27:59

ナオアキは、
 
(a35) 2022/06/07(Tue) 20:29:35

【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

あなたは死ななければならない
「   」  
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 喉を通った空気は、音にならなかった。
 痛みの大小だけで言うなら、深和に与えられたものの方が痛烈だった、が。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 脊椎──奈尾が最初に人を殺した時にも狙った部位。
 殺し切れなくても、損傷させれば動けなくなる。
 だから奈尾はそこを殴打した。それが己に返ってきた。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 「     」
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 世界が白くなって、音も遠ざかったというのに、奈尾の意識はまだそこにある。
 彼はまだ人間の形を保っている。保っていた。
 脳から決まった道を通る電気信号を送って活動する、脊椎動物だ。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 ナイフを落として、深和に覆い被さるように倒れ込んで、
 それでもまだ動く。生きようとしている。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
谺イ縺励>縺ョ繝ィ
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
(25) 2022/06/07(Tue) 20:30:19
ナオアキは、なんでだとか、どうしてだとかは言わない。理由は知れているので。
(a36) 2022/06/07(Tue) 20:30:50

ナオアキは、うねり、湧き立ち、形を変え、人間の枠から出ようとしている。
(a37) 2022/06/07(Tue) 20:30:59

三十三

「…………ぅ゛え」

死んでいたはずで。
その言葉を耳にして再び頭の中で色んな音が響き続ける。腹の奥が酷く痛むような感覚がした。
吐き気が込み上げてくる喉を無理やり手で押さえ、落ち着くのを待ってから。

「俺は死にましたよ」

「おなか、こんなぐちゃぐちゃになって。生きていられる筈がありません。
 触ってみますか?何も反応がないんです。ハンバーグを作っている途中のこねた挽肉に手を入れた感じみたい」

異常は、まるで正常であるかのような挙動のまま貴方にわらう。
吐き気と血を口からこぼしながら返事をして、貴方から視線と体の向きを外した。

白衣を脱いで、貴方がいる方へと投げつける。
そのまま、酸の海に沈む青年の元へ。


三十三

「貴方の言う通りです」

「生きているなら治療しないと。
 篝屋さんは生きている。生きている音を拾いました」

「生者の分際で、動かないなんてゆるせない。ぁは、そうですよ。停滞なんて、許せない。進まなきゃ、前に。まえに、すすまないと、ねぇ?」

強い酸が足裏を焼く。じゅ、と靴の底を蝕んでいく。

「……ぇへ、うふふ。で、なんだっけ。

 あー……詳しい話をするのは後ほど。運ぶの、手伝って貰えませんか?
 ひとまずこの……これ、強酸でしょうか。此処から引き上げますから。その後、二人で運びましょう。
 その白衣は何か長めの棒が2本もあれば担架に出来ましたけど、無さそうかな。手や体を酸で焼きたくないとか、何か適当に使ってください」

まるで生きていた時のように、饒舌に喋っている。
けれどその青年は足を焼かれたり、篝屋青年を目にするたびに「ゆるせないなあ」「なんで?どうして?」とけらけら子供のように笑い声をあげている。

この青年は確かに、壊れてしまった後だった。

【人】 未だピンボケ ライカ

>>+11 結木さん
「いえ、……遠慮、しておきます。
 じゃあ、やっぱり……結木さんは、死んでしまっているんですね……」

どういう原理なのかは分からないが、今は置いておくことにする。あまりに非現実的な光景に脳がマヒしそうだ。
これも、実験の影響なのだろうか。本当に、傍迷惑な事をしてくれたものである。
無駄だとしても、そのうち傷口をふさいでおいた方がいいのだろうか。

「……」

白衣をキャッチして、貴方の靴が溶ける音に眉をひそめる。
そんな強い液体の中に、どうして先輩がいるのだろうか。

(26) 2022/06/07(Tue) 22:07:11

【人】 未だピンボケ ライカ

>>+11 結木さん
「……杖は持ってるんですけど。
 1本だけなので、担架にはなりそうにないですね」

キャッチした白衣を手に緩く巻いて、自分も強酸の海に足を踏み入れる。
写真撮影に影響のある手が無事であれば、他はいい。
今は、先輩を治療しなければ。

「勿論です。
 先輩には、生きていてもらわないといけませんから」
「一緒に無事に帰るんです。絶対に」

そう約束したのだ。
だから、一緒に引き上げますよ。と言って。
貴方と2人で先輩を引き上げてしまうだろうか。
そのまま安全な場所まで運んでいくつもりだ。とはいえ手当の道具を持ってこないといけないから、酸の広がっていない廊下辺りか この近くの部屋になるだろう。

しかし 貴方が先輩とどんな会話をしたかなんて知る由もないけれど。危害を加えない関係であるなら良かった、と思うのだ。
(27) 2022/06/07(Tue) 22:12:47