――報告会――
[栗栖が天然鈍感だという話は先程もした筈だが、貝沢関連のこと以外でも何かあったのだろうか。
口を開きかけたところで、唐突にメッセージのことに触れられる。
自分と個人的なチャットはしていなかった筈、と思ったところで、自分だけが反応した桜カクテルの話題を思い出した。
あれはグループ投稿と言いつつほぼ自分宛みたいなものだった気がして、栗栖の反応がないことを特に気にしていなかったのだが、そういえば少し前からトークルームを表示した時に上から下まで栗栖のアイコンが出ないくらいには彼が登場していないなと思い至った。
つまり栗栖と葉月の間で痴情の縺れが生じたということだろうか。
そう解釈できるが、部外者である自分が何ができるという訳でもない。
その内を約束されるなら、頷いて。]
待ってる。
でも無理は駄目だよ。
[誰も悪くなくても抉れる人間関係というものもあるので。
時間が解決してくれないなら、新しい関わり方になるかもしれないことを覚悟する必要もあるだろう。
それはきっと自分が口にしなくても栗栖はわかっている筈で。
だから、それ以上は触れないことにする。]