230 【完全RP/R18G】アダムとイヴにさよなら
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ー 後日談・雷恩 ー
[僕らが彼と果実を食べて、数日後くらいの事だっただろうか。あれから、植物として幾度か交わりはしたけれど……「人間」の方は、未だ触れてはいなかった。
まず「人間」部分への興味があるかどうかなんて分からなかったのだが、あの出来事が起こる前から僕らの「人間」部分はそちらへの欲求が強まってしまっていた。
はしたないと思いつつも。
]
…………えっとさ、雷恩。今日は、その…………「人間」の方に、触れて、ほしい、かな……
……興味があれば、だけど。
[そっと彼の手を自分の胸元に触れさせて、言ってみる。……これだけでは反応しないだろうか、と思い指を一本食んでみる。樹木に近い香りがするそれにそっと舌を這わせた。
(あら大胆。どこで覚えたの?)
……うるさいな。
ちらりと、雷恩の顔を見てみる。]*
[くちづける、首筋に花を散らした。
暴く無遠慮さで、命綱を断ち切る。書き換える。
──お前の、最後の砦なんか、粉砕してやりたい。
溺れさせたい。──背徳だ。
着衣のままに、最低限だけを剥ぎ取った。
最早その為にしか存在し得ない器官を指で圧し拡げ、本来ならば必要のない、潤滑液の分泌を促す。性急に、宛てがう。
貫く。]
────っ、は……
[ゆるさなくていい。
何もかも、ゆるさなくていいから。]
*
[
非道じゃないですか、それ。
近くなる距離には安堵する。縋りつくと赤く染まる視界がある。まだ理性が残ってるみたい。首に散らされていく花弁を欲しがりながら、どれも片隅でぼんやり眺めてる僕がいた。
乱暴なひとだな。それが『本質』ですか?
あなたとの二人の子供にする様に、慈しみ見守ってはくれないの? 遠くで咲くのがそんな駄目?
僕の間違いを、あなたが正解にした。けどそれは俺の正解になり得るのかな? 正しくある事が僕の最重要事項だったのに、あなたは見捨てたんだ。愛し子を育て上げるための糧として、利用されて、雷恩と桜花は認められたというならそれで良いじゃない、すべては『父』の仰せの通りに。
──でもどうしてか穴が空く。かなしい
あなたが、俺を見捨てるから
]
ッ、い゙、──……あ……っ…………!
[貫かれた質量分の水が眼球から溢れ零れる。充ちてく。君の開けた空白の代わりが埋められていく。
いやだな、抗議を、してやりたいのに、全部溶けちゃう。沸き上がってくる強い衝動。
その青い硝子の石を、引き千切ってやりたかった、そしたら後を追ってあげるのに
ねぇ『愛してる』を刻んでよ
]*
[泣き虫。などという言葉の存在を想起する。
直青にも涙腺に酷似した回路は備わっていたが、専ら眼球の洗浄にしか使用されていない。そのみどりに舌を這わせた。
羅生の抱く思想を、信念を、直青が共有することはない。そのように創られている。脆弱性になり得るものは予め排除されており、その代わりと外部装置としてそれらを持つ。故に直青はAIたちへ真の意味では寄り添わないし、寄り添えない。
羅生はそのひとつだ。
ひとつに過ぎない、筈だった。]
ッ、く。ぁ────……
[煽られる
、その感覚が何処から来るものなのかわからない。否、識っていた。error──但し、必然の。
"内臓"を抉る。非効率の痛みを、空白の代用とする。直青は廃熱作業が苦手だった。
どうしたって浮かぶお前の顔に、
終わりを重ねるのが苦痛だからだ。
それでも手を伸ばしてしまうからだ。
何故、離れたがる。
──そう、問うてしまうからだった。]
*
…………ッ、おまえが、先に俺を捨てた、……っ
[皮膚を重ねると伝わってくる。否応なしに暴かれるのは、いつも自分ばかりだった。なのに今更。今更なんなんだよおまえは。傷つく度に種を埋められて、
直青君が俺を咎めないからでしょう
なのに俺の一番大事なものを否定した
神さま。嫌だ、見捨てられたくなんてなかった
存在はしてる──でも知りはしない。
理解は出来る──だけど実感がない。
桜花──大丈夫。散花すらめぐる季節のひとつだ
雷恩──いつか。それは君のために咲かせる『蓮』
『君』はきっと世界中を愛せる。
どうかこの世界を幸せにしてあげて下さい。
っ隙間、うめたい、ぜんぶ
直、青、くん……ッ、
[内側が勝手に震えて、神経回路が灼きつきそう。
気持ちが、いい。
失われてく水分をその唇から奪い取りたい。
渦巻いてる、苦い甘さを吐き出したいのに
これはなんていえばいい?
罰ゲームの様な身体機能。『快楽』さえ知らなければ人類は堕落をしなかったんじゃないかな。欲望を載せられ見合う誘惑を撒き散らすなんてなんて惨たらしい世界なんだろう。
全部、おしえてよ、口にして、
僕はおまえのために生きるんだから
君も俺のために、生きるよね?]*
埋めてやる、から──、っ
……ああ、気持ちがいい……、──……!
[打ち合わせる腰の不規則なリズム。
制御を手放して身を任せるのは、快楽というパルス。
縋る"内臓"に廃熱を促される。
逆らわずに放ち、けれど止まりはしなかった。]
────これが何か?
(罪のかたちだ)
或いは、救済だ、と、
(俺は信じている)
(信じたいんだ、羅生)
[あげるよ。抱き竦めた耳許に吐息で応える。
だから、羅生。]
― 後日談 ―
[己は、新人類としては植物の割合のほうが多い。
人の部分は感情方面に関しては未熟であり
肉体の成熟度は青年といって差し支えはなかったが
殊更、欲求というものに関しては覚えたことがなかった。
――所謂生殖行動の教育に関しても
桜花は手取り足取りだったらしいが自分は放置だ。
いや、教科書1つだったといっていい。
知識は知っている。だがそれが必要になるかどうかは理解していなかった。
なので。彼女の行動に関して最初に思ったことは。
胸より二の腕のほうが柔らかいのだな。という
単に機能評価のこと。
あと、植物をあまり感じられないのは脂肪分がおおいからだろうか。
次に、思ったのは。
――あ。]
[己の指を、食む姿。
たどたどしく、要求を告げて誘う娘に対して。
愛でたいという思いと
もっと求められる姿が見たいという相反する感情を抱いた。]
ただ、俺はどのように触れればよいのかわからないから。
君が、教えてくれないか。今度は。
どうすれば、「メディウム」はもっと
人としての部分も、花開く?
[食まれた指で、頬肉を内側から緩くなぞる。
くちゅり、 と。
分泌しかき混ぜられた唾液の音が彼女の鼓膜を震わせるだろう。
そのまま歯列を指腹で撫でつつ、名を再び呼んで促しを。
教科書通りにしたら良いのだと、理解している。
だが、それでは彼女から求める姿はあまり見られないだろう。
それは、あまりよろしくない。
君が恥じらいながらももっと俺を求めるのを。
――もっと依存させるにはどうすればよいのか。
小さく笑みを浮かべながら、彼女の羞恥を煽りながらも
内心は。常に思索を巡らせる。*]
[
見上げた顔は、いつも通りの無表情で。ただ内側に「何か」を生じさせられはしないだろうかと、舌で指をゆっくりと、舐る。]
…………ん、う…………!?
[突如動かされた指に口内をなぞられた、それだけなのに甘く痺れてしまう。もう少し、触ってほしかったけど、応えるために指を口から抜く。]
お、教えて、ほしい、って言われても……僕だって、詳しく、無いよ……?
(私?こう見えても種子を得られなかった胚よ?つまり……処女なのよ?)
と、とりあえず……僕らの部屋、来て……
[植物同士で交わる場合、大抵は人気のない屋外で行う事が多かった。土があり、陽の当たる場所を好む彼に合わせてそうしていた。傍目から見ても何をしているか、なんて分からないし。……けれど、「人間」同士はそうもいかない。袖を引いて自室まで案内する。]
ー メディウムの自室にて ー
[生活用品が最低限と、並んだ本棚。そしてベッド横に常備された水差しと薬品。そんな殺風景な部屋へと案内する。]
……とりあえず、ベッドの上、座って……
[僕は何をしているんだろう。いや、理解はしている。「人間同士の交合」をしようとしているのだ。……正直に言おう、めちゃくちゃ恥ずかしい。
ベッドの上に座って向き合う。年代物ではあるけど、丈夫なこれは2人分の体重を難なく受け止めた。]
……えっと、人間同士、でするときは、服を脱がなきゃ、いけなくって…………
…………僕が脱いだ姿、見せなきゃ駄目、かな…………?一応言うけど、すっごく気持ち悪いよ。
[学術的な本だけではなく、俗世の様子が書かれた本もいくつか読んでいる。だいぶ前に読んだそれを思い出しながら、気がつく。一般的には素肌を晒し合わなくてはならない、らしいが。……己の素肌は、色素の薄さも相まって葉脈がびっしりと張り巡らされているのが透けて見えるのである。女体としてはかなり貧相な自身の身体の事もあり、脱ぐのはためらった。]*
[君の舌は己を求めるように這わされる。
ゆっくり、味わうようにか。嬲るようにか。
それとも、形を確かめるようにか。
――情欲を、燈すようにか。
悪
ああ、愛い子だね。
]
[君の中を、探るように。確かめるようにしていた指は
君の分泌物に濡らされたまま外気に排出される。
彼女の拙くも直球めいた誘いから推察はしていたが
メディウム自身も生殖行為に関しては
あまり詳しくはない、ようだ。
自分がリードする、と見栄を張らない当たり
動揺しているようすが具にわかり面白い。
ふむ、と思案しながら、
君に導かれるまま自室へと案内されようか。
袖を引く手は白く、細く。
彼女の手から上。
ゆったりした服に隠された肌の下で脈打つ葉脈。
一体どんな美しさを孕んでいるのだろうか。
植物同士で交わる際には、ただ絡んだ根と、
彼女の中の「貴女」とが
視覚ではなく触覚で愛を交わしあったものだから。
実際、じっくり観察するというのは初めてのことに思う。]
[彼女の部屋は、自分の部屋よりもまだものがある。
人に近しければ自己が保有する物は増えていくのだろうか。
という感想は胸の内に留めておいた。
ところで。
保健体育の教科書(直青監修)によると、人間同士の生殖行動は
まずは互いの肌に触れあう行為をするのだという。
それにより肌の相性を確かめ合うのだとか。
促しに応じてベッドに座って向き合えば
1つ、また1つと重みが加わる際に軋むスプリングの音。
――どうも、肌を見せ合うことを
メディウムは疎んでいるようだ。と気づく。
保健体育の教科書、しょっぱなから躓いているのだが直青。
どうするんだ。と内心考えつつ、口を開いた。]
見せたくなければ見せなくて構わないよ。
ただ。俺は――
君と交わる中で君の中の「貴女」も愛でたくはある。
君は疎むかもしれないが。貴女を孕んだ君は美しい。
[もともと植物に近い己に容姿を卑下する彼女の思考は
あまりトレースできてはいないのだが。
彼女の意思を無碍にすることはない。
嫌なら、それ以外で君を見せてもらおうか。
君の手に、己の手を添えて続きを促そう。
服を脱がなというのなら、どう君が動くのか。
興味は尽きない。ああ、これが「
楽しい
」というものか。*]
…………そう言われると、困るんだけど。
[つまりは、見たいという事だろうか。(私は見られたいわ)
気乗りはしないけれど、興味があるようなら。
とりあえず上半身だけ衣服を脱ぐ。胸部の膨らみがそれほどない自分は、検査の時に煩わしくないというのもあって上の下着は身につけていない。
露わになった素肌から、血管に沿って張り巡らされた葉脈が見える。]
…………ね、気持ち悪いでしょ?
[自虐するように言ってしまう。この次はどうしたらいいんだろう。]
えっと、
きみも脱いでよ。
あと……最初、は。キス、から?かな……唇をくっつけるだけじゃないやつ……って、分かる?
[続きを促すことに、した。]*
[見惚れた。
白い肌に浮かんだものは、血管のような走行を見せている
薄っすら彩るライトグリーンの葉脈が美しい。
思わず手を伸ばす。
胸より上。鎖骨より、下。手を置いて、
そのまま葉脈を肌の上からなぞる。
吐息とともに。綺麗だ。とうっとりとした声音で。
彼女の自虐も意に返さずに。
――と。
しばし堪能していたかったのだが
彼女の言葉に我に返った。
「一応」彼女に教えてもらうということになっているのだ。
躊躇わず上の服を脱ぐ。こちらはというと普通の人の肌をしている。
根を張る時には蠢き、生えてくるのだけれど。
わかるか?と尋ねられて
「知識としては理解している」けれど――]
経験はないな。
だから、教えてくれるよね。メディウム。
[囁いて、君の唇に己の者を重ねよう。
舌先で重なった部分のスキマをノックして、
彼女が絡ませようとしたところを吸って、
交わらせてしまおうとして。
――教えてもらう、という建前だから。
こうだろうか、
と息継ぎの合間にでも無知の振りでもしてしまおう。
実践は初めてなのだ。嘘はついていない、嘘は。*]
……んっ……ぅ……
[僕の自虐なんて意にも介さず、甘く伝えられる言葉と、触れる手と。性感帯でもないはずの場所なのに、触れられているだけで気持ちいい、だなんて。]
…………
(ああ、美しい。)
[晒された彼の素肌を、直視ができなくって少しだけ目を逸らす。均整の取れた、男性らしい身体付き。健康的な褐色の肌色も相まってそれはとても、艶かしくて。
]
教えられるような知識は、ないよ……
[とことわりつつ、まずはキスから。重ねられた唇の隙間から、舌を絡ませようとして……引っ込められてしまった。]
……狡い、よ……
[つまり、これは僕らの方から絡ませろと。そういう意図なのだろう。自然に出来そうだったじゃん、と文句の一つでも言いたくなったが。興が削げてしまわれてはたまらないのでこちらから彼の口内へと舌を差し入れた。拙く、絡ませる。
その気になってくれるように。性急にならないように気をつけながら。
]*
[彼女が、己の裸体にどのような感情を抱いたかはわからない。
が、感触が悪くなさそうなのは
手に触れた肌から感じる脈打つ血潮――或いは、葉脈の疼きか。
それが、教えてくれる。
こんなにも、君は君の興奮を、歓びを
教えてくれているというのに
視線は逸らすんだね。
初心で、可愛らしいことだ。
]
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