綴 千翠は、メモを貼った。 (a12) 2022/07/27(Wed) 11:57:39 |
【人】 綴 千翠― 海の家 ひとなつ荘 ― …すう、 [店に入る前は喉元に手をあてそっと深呼吸。] ───お疲れさまです。 追加分の冷やし中華、持ってきました。 [誰ともなく周囲の皆に声掛けをしながら、厨房へ向かう。 慌ただしさの中、あちこちで頭をスイングさせている 扇風機と、その風を受けるたびに鳴る、微かな風鈴の音。 その独特の、どこか懐かしいような優しい感じは過去、 病院を抜けては通っていた時と変わっていない。 とは言っても、当時私が顔を出していたのは いつも夕方で、人がまばらになってからだったから、 日中の人混み、熱気はこうやって店を 手伝わせて貰って初めて知った。] (50) 2022/07/27(Wed) 18:41:41 |
【人】 綴 千翠(…今日は、大丈夫 そう?) [カートを押しながら、私はそっと店内を見回す。 いつだったか、アルバイトに来ている結城さんが 変な男性客に絡まれているのを見て>>31、つい わざとその客の背中にカートをぶつけたことがあった。 あの時は、すみません、と口だけで謝りつつ、 彼女を逃がして、自分も通り過ぎようとしたのだけど 待て、と手首を掴まれて、一触即発になってしまって。 凄く怖くて心は震えていたけど、私は相手の視線を 真っ直ぐに受け止めて、目を逸らさなかった。 絶対に逃げないってなけなしの意地を張って。 正直、殴られるかもしれないと思ったのだけど、 あれから、どうなったのだったかな。 相手が諦めたのか、別の誰かが間に入ったのか、 幸い、私が暴力を振るわれるような事件は 起こらなかった。]* (51) 2022/07/27(Wed) 18:49:27 |
【人】 綴 千翠…なんだろう、なんかね 我慢したくないなって思ったの [“誰かが”助けてくれるだろうって期待して 見ていたくなかった。 嫌だと思う気持ちに蓋をして、もう。 自分自身に言い訳をしたくなかった。 未来というものがあるのかないのか、 そんな病気を患って、思ったから。 我慢して生きるのはやめようって、 (84) 2022/07/27(Wed) 21:41:32 |
【人】 綴 千翠勿論、オーナーが来てくれて、無事だったから 言えることだと思ってる こういう時、どうしたらいいか、 予め考えておかないと駄目だね [咄嗟に頭が回らないから、と彼女に告げる。] でも、物語だと私の前に、颯爽と王子様が現れて 助けてくれるのにな たくさんの人が居るのだから、ああいう人を見たら、 すぐにみんなで窘める世界になったらいいのに みんなでつまみだすの [思わず飛躍した話をして、恥ずかしそうに目を 伏せた後、私はもう一度彼女を見つめて微笑んだ。] (85) 2022/07/27(Wed) 21:41:42 |
【人】 綴 千翠― 現在/海の家 ひとなつ荘 ― いつもの場所に置いておきますね。 [冷蔵庫にという辺世くんに応えて、私はたくさんの 冷やし中華が入った発泡スチロールの箱を開けると ひとつひとつ冷蔵庫に入れていく。>>58 たぶん身体のこともあって、オーナーも心配してくれて いるのだろう。 私の仕事は専ら裏方、皆が寝泊まりしている宿で 野菜を切ったり仕込みをしたり、こうやって届け物を したりで、店に出ることはあまりない。 だから、ここでこんな風に、実際に接客をして、 毎日たくさんのオーダーをさばいている皆のことは すごく、かなり、尊敬している。]** (89) 2022/07/27(Wed) 21:56:03 |
【人】 綴 千翠― 夕暮れの海 ずっと変わらない時間 ― [打ち寄せる波の音を聞いて、 沈み行く陽の茜色を水面に映す海を眺める。 入院しているときからずっと、 時間を作っては眺めてきた海。 それは海の家を手伝わせて貰うことになってからも 変わらない。 見ているだけで、昨日のことのように悲しみが込み上げて、 見ているだけで、泣いてもいいんだって 慰められるようで まばらだった人影も、ひとりふたりと帰る場所へと戻り、 日中、あんなに人で溢れていたのが嘘のような時間。] (102) 2022/07/27(Wed) 22:43:20 |
【人】 綴 千翠───…好き、というか …胸の中、心を… 見つめるような気持ちになるの [気まずそうにする辺世くんを他所に、 私は遠くを見るように海を眺める。 ここで話すのは完全に余談にはなるけれど、 彼が出演していた大河ドラマ『元親記』は 私も視聴してはいて、ストーリーも覚えているが 子役だった彼の名前は記憶していなかった。 あの子役が目の前の彼だと知れば、 それは驚くことだろう。]* (130) 2022/07/28(Thu) 0:32:39 |
【人】 綴 千翠― 回想:変な男性客との騒動の後 須藤さんと ― [あの時、例の変な男性客に毅然とした態度を 取るのに無我夢中だったというか。 だから私は、オーナーと一緒にオスカーくんが 援護に来てくれたことも、須藤さんが声を上げてくれた ことも全然気付いていなかった。 >>111 “適正価格”で販売されたトウモロコシの話を知ること になったなら、目を丸くして、その後はくすくすと笑った だろうが、>>65そんな未来があったのかはさておき。 須藤さんから声をかけられたのは結城さんと話した後、 カートの荷物を仕舞っていた時だっただろうか。] …はい、綴です。綴千翠 [自信なさげに名前を呼ぶ彼に苦笑しながら頷き、 改めてフルネームを告げる。] (131) 2022/07/28(Thu) 2:07:42 |
【人】 綴 千翠そんなことないです。 今だって、思い出すだけでほら こんなに心臓がばくばく… [度胸あるという言葉に、とんでもないと 首を振りながら私は思う。 昔の私なら、自分にふりかかる悪いことを考えて 動けなかった。 “誰か”を待って、都合よく誰かが来てくれれば いいけれど、そうじゃなかったら…、そうじゃなくても、 心に燻る靄が重石になっていただろうことは容易に 想像出来る。 ───だってね、もし私だったらって考えると。 やっぱり、助けて欲しいって、思うの。 辛い時に助けて欲しいと思う気持ちも、 わかっている筈なのに、見て見ぬふりをされる 気持ちも知っているから。] (132) 2022/07/28(Thu) 2:13:00 |
【人】 綴 千翠酔っていてもいなくても、 弱いだろうと相手を見て、ああいうことするひとって 本当に信じられないし、理解できません したくもないけど… [怖がっていたかと思えば、今度は怒りの感情が顔を出す。 ずっと、外見から大人しそうに見られがちだったけれど、 これが本当の私なのだから、今はもう 隠すことはしない。] (133) 2022/07/28(Thu) 2:14:15 |
【人】 綴 千翠…あ、はい。 じゃあ、次からは [そして、対策を告げられれば、 込み上げていた怒りはすうっと消えて、 次は良かったという感情そのままに素直に頷いた。] …本当に、すぐに 光よりも早く須藤さんのこと 呼びに行きますから──… ね? [震えたり怒ったり、安心したり。 感情のままに忙しなく表情を変えて。 けれど話の終わり、最後は念を押すような言葉を 口にしながらも笑って。] (134) 2022/07/28(Thu) 2:23:01 |
【人】 綴 千翠― 現在/海の家 ひとなつ荘 ― [冷やし中華を冷蔵庫に仕舞い終わり、 顔を上げると随分お客さんの数が減っていた。 いつの間にか順番に休憩をとっているらしく、 声が聞こえる。] …あの、休憩の間、フロア 私がまわりましょうか? [誰がどう、休憩することになったのかは わからないが、少しだけならと残っている 面々に申し出たがどうだったか。 チリンチリンという風鈴の音が 耳を澄ませなくてもわかるくらいにはその時間、 客足は途絶えているようだった。] (136) 2022/07/28(Thu) 2:30:58 |
【人】 綴 千翠[ちなみに、ところどころ、 店内に飾り付けられている風鈴は複数。 フロアを回っているとふとした時に音が聞こえて、 つい私は、揺れるガラス細工に顔を 向けて目を細めてしまう。] …元気? [なんて、時折話しかけたりもするから 傍から見たら電波系っていうのだっけ? そういう風に思われても仕方がないと言えた。 これらの飾り用の風鈴選びは 誰と行ったのだったかな。 沢山の中から、時間をかけて真剣に絞り込むのも 帰ってから店につけるのも楽しくて 子供のように胸を躍らせていた、 そんな記憶が見るたびに思い出されるのだ。]** (137) 2022/07/28(Thu) 2:33:09 |
綴 千翠は、メモを貼った。 (a31) 2022/07/28(Thu) 2:53:39 |
【人】 綴 千翠───…今まで、 意識して見てなかったけど、須藤さんの身体、 しっかりしてますね… 今日のあの人より全然、強そう… [流れというか、ついまじまじと見つめてしまって ハッとする。] あ、私、 何言って… えっとその、あの、じゃあ…そう、約束! 約束しましょう? 私は今日みたいな時は須藤さんを呼ぶ 須藤さんは呼ばれたら、来る ハイ、指切り [あたふたしながら、小指を出して。 よくよく考えたら、これはこれで子供っぽくて 恥ずかしい提案だった。]* (193) 2022/07/28(Thu) 19:04:09 |
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