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人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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  なぜあなたがいて
  だれもすくえないのですか?

  すくうきもちは ほんとうにありましたか?


 [ 死神は叫びました。
   穏やかで、平穏な箱庭。

   教皇の存在は、死神にとって
   

   意味のない、自分とは違って



   まるで箱庭そのもののようだと、感じていました。
   
   慈愛の聖者。
   死神は、信じていました。

   あなたを ]

 

【人】 ][『月』 エーリク

[ あれが欲しいと願えば、大抵のものは
 与えられ

 労せずとも、時間になれば食事が
 与えられ

 誰もが親切。

 それで満足できるような清い心をもっていれば
 良かったのに。 ]
(91) 2022/12/14(Wed) 4:29:39

【人】 ][『月』 エーリク

[ 憧れていた人が居た。

 座長と共に何度も自分の家に訪れていた
 少し年上の少年だった。

 彼は座長の一押しの子役であった。
 それなり地位のある家だった自分の家は、
 その劇団を気に入って、投資していた。

 劇場への出資の他に、彼らを取り立てていた。

 今をときめく俳優達を家に招いて
 食事会をする機会が多かった。

 自然と接する機会は増え、六歳の誕生日を前に
 "君も一緒に演ろう"と誘ってくれた彼に頷き、

 己も劇団の仲間となった。
 遠慮するような素振りを見せる大人も多く居たが
 天真爛漫、何事にも一生懸命取り組む少年に倣い
 後をついて回る姿に絆されたこともあり、
 また、道楽ではなく、純粋に演じることを愛して
 いた事もあり、やがて、家族よりも家族に近い
 関係を構築していった。 ]
(92) 2022/12/14(Wed) 4:29:59

【人】 ][『月』 エーリク

[ そんなある日のことだった。

 初めて、自分の力で主役を勝ち取った日のことだ。
 兄のように慕っていた彼は笑顔で、それを祝福してくれた。

 端正な顔立ち、街に出れば瞬く間に
 人だかりが出来るような人気俳優だった彼に
 褒められ、激励され、天にも昇るような心地だった。

 
余談ではあるが、己の顔立ちは
 "作りやすい"と評判だった。

 誰もが振り返るような美貌の持ち合わせは
 なかったが、それがかえって、仕立てるには最高だと。
 没個性の方が、何者にも成り得るのだと。
]
(93) 2022/12/14(Wed) 4:30:18

【人】 ][『月』 エーリク

[ そしてまたある日のことだった。

 舞台袖で、緊張に震える僕の背を叩いたのも
 また彼だった。

 そして舞台へ歩みだし、順調な滑り出しを 
 終えたころ、


 劇場の舞台は、断頭台へと姿を変えた。

 縋るように、また信じられないというように、
 彼の姿を見た。

 怒りと悲しみの入り混じった歪んだ表情が
 今も忘れられない。

 証持ちだと暴露したのは、嫉妬と言う名の
 化け物たる彼だった――。 ]
(94) 2022/12/14(Wed) 4:30:47

【人】 ][『月』 エーリク

[ 後に彼は貧民街の出身で、
 這い上がってきたことや、

 幾人もの女性を不幸にし、
 金に困っていたこと、

 主役を射止めたことに、
 家の口添えがあったのではないかという
 疑念に囚われていたことなどを

 知らされた。

 舞台上で拘束され、証を検められ、
 非難と侮蔑と怨嗟を浴びた。

 恨むほうが、正しいだろうに

 ただただ、彼の事が哀れでならなかった。
 家族同様に。 ]
(95) 2022/12/14(Wed) 4:30:59

【人】 ][『月』 エーリク

[ 洋館へ招かれても、
 彼はときどき、僕の近くに現れた。

 廊下の端、中庭のベンチ、階段の下。

 恨みがましい顔をしていたり、
 兄のような顔をしていたり、忙しい。 ]
(96) 2022/12/14(Wed) 4:31:34

【人】 ][『月』 エーリク

[ 祈祷室で、男の隣>>0:21に立ち
 共に祈りを捧げている時も

 売店の奥>>0:34でお茶を楽しんでいる時も。

 没個性とは便利なものだと思う。
 邪魔にならない存在として、

 洋館には存在していたし、
 話しかけられればそれなりに会話をしていたと思う。

 彼女がちょっとでかけてきて、
 帰った時>>0:44にも、 ]

 おかえり

[ 複雑そうな表情で、挨拶を交わす程度には。

 複雑そうな表情と気づく者がいるかどうかは
 分からないが。 ]
(97) 2022/12/14(Wed) 4:32:01

【人】 ][『月』 エーリク

[ 明るく面倒見がよく。
 慕われている彼女に何故そのような
 表情をしてしまうのか、説明は出来ない。

 ただ、漠然と、恐ろしいと思うのだ。

 彼女に何をされたわけでもない、
 アリスの誕生日を祝おうと皆で歌をと
 自ら提案するような>>0:42人だ。

 挨拶にしても雑談にしても、
 互い顔を合わせれば、多少はあっただろう。

 魂が呼応し、恐怖している。

 バカバカしいとすら思う。思うが。
 彼女もまた証持ちで、そして――。

 僕たちは、
 『審判』と『月』であるならば。
 納得はできずとも、理解は及んだ。

 故にすこし、距離を測りかねているとは
 言えるだろう。 ]
(98) 2022/12/14(Wed) 4:32:43

【人】 ][『月』 エーリク

[ アリスの誕生日前の準備は
 滞りなく行われただろうか。

 喜ぶだろうかと、本人よりも
 楽しげに走り回っている姿>>0:97

 何か手伝う?と問うたこともある。

 談笑に勤しむ誰か>>0:116と誰か>>0:167
 いたようなら、そっと霞んで消えて
 いったこともある。

 ――が、その存在感故に、
 相手に存在を認識されていたか
 どうかは、怪しくもあっただろう。* ]
(99) 2022/12/14(Wed) 4:33:02

【人】 ][『月』 エーリク

―― 世界の来訪 ――

 ………、

[ 死んでいたものと思っていた。
 または誰かがそう言っていたなら、
 そうだと思いこんでいただろう。

 しかし、その存在は失われていなかった。

 
 正直、複雑な気持ちだった。

 証持ちが揃えば世界は崩壊する>>0:n8
 そう聞かされていた。そう認識していた。

 もしも本当にそんなことが起こるなら――……… ]
(100) 2022/12/14(Wed) 4:33:21

【人】 ][『月』 エーリク

[ 嗚呼、なんて恐ろしいことを
 考えてしまったのだろう。

 己の苦しみが消えることと
 天秤にかけるには、重すぎる事象を

 考えてしまうだけでも、
 身が凍る。 ]
(101) 2022/12/14(Wed) 4:33:41

【人】 ][『月』 エーリク

[ やがて皆が玄関ホールに集められ>>1:3

 『世界』が、否、我らが信ずるべき、愛するべき
 『箱庭の神>>1:6>>1:7』が口を開く>>1:5 ]

 ……はじめまして

[ 会いたかった>>1:8と口にする彼そのものとは
 会ったことはなかったはずだが、
 自然と、久しぶりと言われれば、
 そのような気持ちになってきた。

 "会いたかった"もまたそうだ
 初めて会う人に会いたかったと
 言われたところで、なんだそれはと
 思うべきところ、自らもまたそうだったのでは
 そうかもしれない、そうに違いないとまで
 思わせられてくる。

 足元が崩れて落ちていくような、気持ちだった。 ]
(102) 2022/12/14(Wed) 4:34:05

【人】 ][『月』 エーリク

[ 続いた言葉は呆然としたまま、
 耳だけ、入れた。

 壊してしまおう
 止めにしよう

 その二つの言葉だけが、
 ぐるぐると、じわじわと、自分の中を
 巡っていった。

 やがて『世界』は『箱庭の神』は
 外へと去っていく>>12
 愚者、皇帝、戦車はそれぞれ
 三者三様の反応をしていたのが見て取れた。

 アリアの声>>1:46が届き、は、と我に返るように
 ゆっくりと瞬きを一つ。目を見開きすぎて、
 ほろりと涙が両目から落ちた。

 そう、そう言うのがきっと正しい。
 慌てて、 ]

 ああ、驚きすぎて
 瞬きするのを忘れていた

[ 涙に気づく者がいたならそう言い訳をした ]
(103) 2022/12/14(Wed) 4:34:24

【人】 ][『月』 エーリク

[ 少しの間、皆がどこかへ
 場所を移すことがあっても、

 呆然と玄関ホールに立っていた。
 何も言わずにただ立っているだけのほうが
 存在感が在るというのは皮肉にも
 ほどがあるが。

 近くにいた誰かの袖を、無意識に
 引いてしまうこともあったかもしれないな。* ]
(104) 2022/12/14(Wed) 4:36:10
][『月』 エーリクは、メモを貼った。
(a13) 2022/12/14(Wed) 4:40:15

【人】 ][『月』 エーリク

―― 誕生日会 ――

 うん、僕から。

[ 何を贈ればいいか、たくさん考えたよ。
 ……嘘だけど。

 抜け出した際、同じ年頃の子が
 母親に強請っていたものを、購入した。

 使い道のない、給金でね。
 自分で作れるクッキーの材料セットだったかな。
 聞かれれば悪びれずだれにでもそう答えたはず。

 ところで>>0:377歌えるなら全員でと
 願う誰かがいたらしい。

 全員それ、僕も入っているかな。
 積極的に自分から挙手はしなかったと
 思うけれど、だれかに声を掛けられたら
 多分末席にお邪魔していたと思うんだ。
 そうじゃなければ手拍子くらい参加していたかも。 ]
(105) 2022/12/14(Wed) 5:18:48

【人】 ][『月』 エーリク

[ アリスに限らず、他の誰かの誕生会や
 お茶会、食事会、名目はどうあれ、

 義務であれ温情であれ、声を掛けられて
 いたなら、参加し、馴染もうという努力は
 していたはずだが。

 どこかしらぎこちなく、あったことは
 己を迎えに来てくれたカルクドラには
 知られていたかもしれないし、

 馴染もうと努力はしていると言い訳すら
 していたかもしれないな。* ]
(106) 2022/12/14(Wed) 5:19:09

【人】 ][『月』 エーリク

 ―― 『月』 ――

 月はただそこに在りました。
 在るだけのことも、ままありました。

 友が訪ねてくれば、迎えましたが
 訪ねてきた友に、世話を焼かれることが
 多くありました。

 箱庭の平穏が崩れ去った時にもまた
 ただ、在るだけでした。

 衝突し合い、殺し、殺され
 やがて、審判が月を殺しました 

 自分を良く思わなかった審判に
 殺されましたが

 どこか常と違う様子であったように
 思っていたのでその瞬間まで

 恨む気持ちや憎しみよりも、
 恐怖が勝っていたのかもしれません

 そうして月は 在らずになりました。*
(107) 2022/12/14(Wed) 5:30:06

【人】 ][『月』 エーリク

―― どこかで ――


[ 例えば洋館を抜け出す直前だとか。
 例えば草むしりをしていただとか。

 どこかの機会で『審判』とふたり
 という状況になったとしたら ]

 ――来ないで!!

[ とっさにそう口から飛び出していた。
 更には、そう言ってしまったことを
 自分でもよく分からないという顔をしたまま ]

 ごめん、少し汚れているんだ

[ そう言い訳をした。
 何かしらの反応があったら、それがどうであれ
 後悔を募らせた事だろう。

 大きな声も、拒絶も、常日頃ないことだったし
 拒絶されることで傷つくことだって、
 僕は知っていたから。* ]
(108) 2022/12/14(Wed) 5:37:34

【人】 ][『月』 エーリク

[ 昼であれ、夜であれ
 その場所がどこであれ。

 時折、霞んで消えるように
 存在感が揺らぐことがある

 ああ、落っこちてしまう
 そんな時、誰彼構わず、そばにいて欲しいと
 袖を掴む事がある。

 そうして気の済むまで震え、時折は
 はらはらと涙を流し落ち着けば
 謝罪をしてその場を去っていた。

 回数で言えばカルクドラが群を抜いて
 いただろうが。

 足元はいつだって、脆く崩れやすい
 ものだから。** ]
(109) 2022/12/14(Wed) 5:55:20

【人】 ][『月』 エーリク

―― 回想:『教皇』との邂逅 ――

[ 屋敷と呼んでも差し支えない家は
 外側こそ変わらぬままだったが、
 
 内側は人様に見せられるようなものではなかった。
 外された絵画の痕、必要最低限の調度品と家具。
 
 帰る場所がないために残された使用人、
 一番は身なりに気を使わなくなり、罵り合う父母だったか。

 それでも彼らは諸手を挙げて、彼の来訪>>0:610
 喜んだ。

 茶を出すことも、応接間に案内することもなく、
 少年を突き出した。

 久方ぶりに見た父母の笑顔だったのに、
 僕はそれを醜く思った。

 差し出せば全て元通りとはいかぬだろうに。 ]
(110) 2022/12/14(Wed) 6:29:25

【人】 ][『月』 エーリク

 あぁ………、 うん そう

 ――……そうなんだね

[ 押し出すように突き出された体は
 吸い込まれるように彼との距離を零にした。

 涙は流れなかったが。

 血は全身を駆け巡った。
 体温を思い出したような気すらした。

 手を握られ>>611よりいっそうに。
 陶器のような白い肌に、赤みが差した。

 生きていることを思い出すように、体温が上がる。

 それを見て、両親は一度我に返った。
 私達が生み育てた子だと主張した。 ]
(111) 2022/12/14(Wed) 6:29:45

【人】 ][『月』 エーリク

 父さん、母さん
 聞いてください。

 僕は今後何があろうとも、
 今まで何があったとしても、

 あなた方に感謝こそすれ、
 恨みはしません

 この家に産まれ、あなた方と過ごしたことを
 恨みはしません

[ その言葉が彼らにどう届いたかは、
 分からない、ただ玄関を過ぎ去った後、
 泣き叫ぶ母の声が耳に残った。

 そして最後に"いかないで"と彼女はいった。
 最後に見た彼女たちの姿が、

 ただ我が子を慈しみ愛した姿だったのは
 この上ない、幸運だったのだろうと思う。 ]
(112) 2022/12/14(Wed) 6:30:04

【人】 ][『月』 エーリク

 うん

[ 橙色の空模様も、
 同行の職員がいなくなったことも、

 もう目には入っていなかった。

 ただ、共に歩く彼の姿>>0:612をみつめ
 生返事のような声を返すだけだった。

 別に味方でなくても、
 仲間でなくても、
 友人でなくても、良かった。

 その言葉を信じられないと思ったわけではない。
 ただ、彼が側に在る、それがその時の、
 僕の全てであった。 ]
(113) 2022/12/14(Wed) 6:30:16

【人】 ][『月』 エーリク

[ "幸せになって欲しいから"とカルクドラは言う。
 それをいつだって申し訳なく思った。

 だって僕は、僕がどうなれば、どうしたら
 何があれば幸せか、わからなくなっていた。 ]

 ………なにかしていないと落ち着かなくて
 みえるんだ、あいつが

 こわい こわいよ 

[ 洋館を抜け出すことを咎められることはなかった
 その理由まではきっと知らなかっただろうが。

 優しくされることに違和感を覚えなくなれば
 戻ったら彼のもとへ向かう事も日課になった。

 時折は、錯乱したように、夜中彼を訪ね ]
(114) 2022/12/14(Wed) 6:30:30

【人】 ][『月』 エーリク

 ねえ いかないで
 
どこにもいかないで ここにいて

 
ねえ いかないで いかないでよ


[ 泣き縋る事もあった。
 それも、洋館に住み始め一年も経てば
 ほぼなくなっていたが。 ]
(115) 2022/12/14(Wed) 6:31:04

【人】 ][『月』 エーリク

[ この洋館で、彼の姿があれば
 ほっとした。

 ――その気持ちつける名前を
 僕は知らないし、

 これからもきっと知ることはないだろう。

 ただ在ることを、ひたすらに、願うのみ。** ]
(116) 2022/12/14(Wed) 6:31:16
][『月』 エーリクは、メモを貼った。
(a15) 2022/12/14(Wed) 6:33:03

あの子
『運命の輪』
が、幸運と不運を繰り返す存在なら、

 
『正義』
は、幸福と不幸を裏表にさせる存在だった。

 それら
幸不幸
二つは常に釣り合っていなければならない。

 誰かの
幸福
不幸
と、別の誰かの
幸福
不幸
もまた、
 釣り合わなければならない。

 均衡が崩れることが、どうしても赦せなかった。

 22人でバランスよく保たれていたはずの均衡が、
 一人を欠いて崩れ始めた時、

 
『正義』
『正義』
公平の定義
った。]

[例えば球体を作ろうとした時。

 粘土や張子で作るなら、
 足りない部分を補えば良い。

 けれど、例えば木片から削り出した球が、
 凹んで欠けて、歪になってしまったら?

 足すもの
代用品
も存在しなかったなら?


 反対側を、削るしかない。

 そうして反対側を削ったならば、
 歪になった球体が、
 余計に歪さを増すだけだとしても。



 そうして、かつて、『正義』は────、]

 




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