情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 母ちゃん兎 理恵[フウタが何か言ってきたが>>45、腹に気を取られて全く頭に入ってこない。 やがて自分の体に起きた変化に気づいて、フウタに伝える。 やっぱり腹に気を取られて、意味が分からぬ様子のフウタを、しばし置いてきぼりにするような形になってしまったが。それすら少し可笑しくて。 けれど、フウタの瞳から流れる雫>>46に、言葉を失った。 大粒の涙は頬を伝い、日の光を集めて落ちる。 何か言葉を言う前に、中年女性に注意されたか。ちわげんかの意味は分からなかったが、フウタに手を引かれて離れた。 少し離れたところは、夏祭りの日に初めて結ばれた場所とよく似ていた。 じっと見下ろすフウタの手を、ずっと握っていた。 片手はフウタと握ったまま、もう片方の手は腹に当てたまま、フウタの言葉を待つ。 いつもよりもずっと長いこと言葉を探した後に、出てきた言葉>>47に。 ぽろ、と呼応するように涙があふれた。] なら……何で泣いたんじゃ、 おかしな亀じゃのぅ…… [頬を流れる雫が、フウタの冷たい手を伝う。 ぽろぽろと涙をこぼしながら、同時に満面の笑みを浮かべて、ずいぶん長いこと見つめ合っていた。]* (67) 2021/01/11(Mon) 7:22:04 |
【人】 母ちゃん兎 理恵[理恵、と呼ばれて>>60、ぼうっとフウタを見上げる。 痛みで半狂乱になって、ずいぶんとやつあたりして、途中からは返事も認識もできなくなった。それでも一緒に居てずっと手を握ってくれていたのだと、やっと気づく。 腕の中の子は女の子だ。この子もいつか自分と同じような痛みを味わうのだろうか。 そうであれば、フウタのような存在が、隣にいてくれればいいと願った。 大きな手が、理恵の、ときの頭を撫でる。 あぁ、と、そのぬくもりに、すっぽりと収まる小さな頭に、思いを寄せる。 やっと二人のことを伝えられた、と。 彼は気づいていただろうか。 ふたりを撫でるその表情が、どうしようも無いほどに、父親の顔になっていたことに。] (68) 2021/01/11(Mon) 7:38:25 |
【人】 母ちゃん兎 理恵[そうして、花咲く座席に乗りながら、話にも花を咲かせただろう。 こんなに小さな体で、父親譲りの運転をする娘に運ばれていても、 あっという間に自分よりも力持ちになって、すばしこく駆け回るたくましさを見てもなお、目をつむると、今でも小さな赤ん坊の姿が蘇ることを。 寝返りを打っただけで喜んで、立ち上がれば驚いて。 そんな健やかな成長を思い起こせば、いつもフウタも映り込む。 ずっと、一緒に居たから。] (71) 2021/01/11(Mon) 7:58:07 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新