113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】
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「このような場所でも、故郷というものなので」
ロクな場所じゃないとわかりながら残り続け、愛想を尽かして出て行くのではなく変えていけたらと願った程度には。思うところがあったようだ。
「……いいえ。おかしくはありません。
皆救われるおとぎ話なんて、現実で起こりうる事はないんですから。
どちらにも救われる者がいて、どちらにも傷つく者がいるでしょう。
私が片方を選択したように、貴方はどちらでも構わないという選択を行っただけです。
……ガルムの意見が聞けて良かった。
私の選んだ道が誤っていても、貴方を巻き込まずに済みそうだ」
| チェルシーは、今日の風さん………………………騒がしいですね…………………………と言った。 (a36) 2021/12/15(Wed) 0:12:54 |
「流石は〈骸狩り〉……仕事が早いのね」
同じ死霊術師である〈人皮綴〉が逮捕されたことに、にべもなく。
むしろ、あんな輩はそうなってくれて清々すると言わんばかりに。
「……何があなたをそうさせるんだか、ご苦労なことだわ」
| #蟹討伐「………今日のカニさん……………… 騒がしいですね…………………」 今日のも昨日のも無いわけだが。 小娘は首を0度に曲げ、天を衝くと言わんばかりの"壁"を前に、ぽつりと呟いていた。 「お二人組なんて言ってましたっけ? 複数人でご来場の際は言って欲しいですね〜! 心臓が口からまろびでるかと思っちゃいましたよ〜!」 普段ならそのまま後ろにゴチーンと倒れては一回転する芸をしている所だったが、もはやそれを見る誰かもいないだろう。目線は皆が皆、前だ。 「流石にヤバいなあと思ったので、チェルちゃん見守ります! フレーッ、フレーッ、リーゼちゃんーーーっ!!!!」 (28) 2021/12/15(Wed) 1:10:49 |
| 大怪鳥程度なら相手が出来た。砂上船での露払いも担っていたかも知れない。 けれどこれは無理だろうと思って。一介の芸人風情なら、戦いを見守り、勝利の跡に芸を披露するぐらいでいいかと思って。 でも、 「あ、……」 鋏が振り上げられた時の、冒険者らの動作で、 ”ああ、あの人はダメだな” ”避けられても、あれじゃ” そう勘付いてしまって、気付いた時には、空に踊っていた。
誰も見ていない間に、溜め息だけ零す。ごく短い間のことだ。
(29) 2021/12/15(Wed) 1:12:08 |
レイ様
貴方に声を掛けられて、少し遅れて反応を返します。
ふわり、と笑顔にはまだ疲れが残るものの 以前のように振舞おうと努めている様子です。
「あ……は、はいなのです。
ごめんなさい、ぼーっとしてたのです。
えっと、どのようなお花をお求めなのです?」
勿論、希望がなければお任せでも構わないようです。
| 「〜〜〜〜なんて言いましたがやっぱ我慢できません! チェルちゃんもやりま〜〜〜す!!!!!!!!!!」
倒れ込むように。 空を舞って、一回転。着地。駆ける。 馬はいらない。馬術は知らないし、速さが一番の取り柄だ。
音が響く。揺れで跳ねる。 駆けて、地割れにもつれた一人の元へ。 種も仕掛けもある速度。
「躓いちゃいましたか?人間誰しも躓くものですね〜! でも立ち上がるのが人間の資質なんで、すよっ、と……」
そしてチェルシーは、なけなしの力と器用さで手早く、 手早く……
「抜けませんね!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
抜けませんでした。 (30) 2021/12/15(Wed) 1:27:32 |
| 雷鳴の音が響く。あと近くですっげえ貫通音聞こえた気がする。ついでに早く抜け!って言われてる。 「お太りのお友達ですね〜! ちょっとダイエットとかしませんか?ダメですかっ? いやこれちょっとほんと……」 やっぱこんなこと、やるもんじゃないな、と思う。 今もすごい罵倒されてるし。小娘がふざけんな速くとか。 ──でも。良かったことがあった。 力を込めて抜こうとする、その時に、見上げた光景で。目の前の人物が慌てている所で── チェルシーは見た。一番の特等席で。 一際大きい破砕音と、良く知る声。 ああ、あれが──カニさんの脳みそなんだぁ…… チェルシーは、呆然とそう思った。 (31) 2021/12/15(Wed) 1:28:24 |
レイ【3日目時空】
「……ええ、舌は変わってないわ。今も」
旧知の仲には、ほんの少しだけでも皮肉気な態度もなりを潜める。
傷口に沁みるのだろう、注文された飲み物はゆっくりと口にする。
「……でしょうね。構わない、これは……少し零したくなっただけ。
けれど、騒ぎが収まるまでなんて、待っていられないわ……」
スカリオーネ
「必要だったから、ね……」
ふぅん、とその言葉の奥にあるものに想いを馳せながら、反芻する。
テーブルを指で叩く姿を一瞥してから、視線を宙に浮かせて。
「……教えたふたりは"はずれ"だったのかしら?」
「……随分、…いや…
…俺は現状無理に動く理由は無い。
後のことはあんた達に任せる事としよう。
任せきりにはなるが、新参者らしいと言えばらしい有り様だ」
「言うまでもないが、向こうにあんた達の事は吐かないさ
こっちに構わず為すべきを為すといい。
口を噤んだところで、バレる時はバレるだろうがな…」
/*
たいへんおそくなりました。
わたくしグチャグチャお嬢様、襲撃先も襲撃もお二方にお任せ致しますわ。
正直延長が無ければ終末(オワ)ってましたわ。
ギリギリでいつも生きていましてよ…
その夕方に『いる』。たしかにそこにいて鈴の音を鳴らしている。だが姿を現さない。
「そうか、……。だが、おれは、貴方の味方だ
それは今も変わっていない。
何が正しくて、何が誤っているかなど、わかりはしないが」
「──故郷、だから?」
よほど思い入れが強い場所なのか、と。
/*
時間が 時間が足りませんわ!!
暁月卿オーウェンお嬢様に噛みをお願いしてもよろしいかしら…!?
エドゥアルト
「……あ〜、エドゥアルトは目がいいですね〜……。
敵にしたくもなりたくもありません。
これでもモンスターにはほぼ見つからない奇襲100%の姿なんですよ」
気配がするから見ていただけだ、とすぐに判断すれば気が抜けたように机にへばりつく。
やってきたチキンの皿が手に当たり、おもむろに手を伸ばせば、握った手元からその肉が周りには見えなくなっていく。
あとから投げられたのはきれいにしゃぶり尽くされた骨だけだ。
カラン。
「ありがたいことに足と腕、その上首までつながっています。嬉しい温情ですね本当に……」
声が小さい。
見るからに、見えないが、元気がない。
レイに銅貨を一枚投げた。「ありがとうございます……」
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