【置】 猶大 ロクーーーー顔合わせに数刻遅れて会議室に向かう廊下。 単独行動であることに加えてまともに連絡も取り合っていないロクは、人が減っているだとか、銃声だとか、異変らしき事実にようやっと現実味を覚え始めていた。 ドロドロに溶けた人間だったらしいモノを踏みつけると、不快な粘着質な音を立てて散った。 無意識にシャットアウトした施設に蔓延する臭気も情報を得ようと意識した途端に吐き気を催しそうになる。 濃厚な血と腐敗した肉の絡みあったオブジェが放つそれは探さずとも至る所で目に入る。 「あ〜……メンドクサ。 こんなトコで死ンだ奴らはさぞかしお可哀想に。まぁでも?人間辞めちゃったら俗世の苦しみから解放されるのかね」 それはまるで神の齎す救済のように。 心から人が望んだ解脱のかたちなのかもしれない。 「アイツ、欲望に忠実だったからなぁ……昨日も会議室に来てなかったし、こうなると死んでる方がまだマシかもな」 もしそうだとしたら。 どうもしないのか。どうにかしたいのか。 考えるのも面倒だった。 (L3) 2022/06/07(Tue) 12:46:41 公開: 2022/06/07(Tue) 12:50:00 |
無明長夜 ヌイバリは、メモを貼った。 (a19) 2022/06/07(Tue) 12:54:53 |
【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ 銃弾を浴びながらも飛び掛かっての勢いそのままに近くまで来た一匹には、 避けながら鞄のペットボトルを一本投げつけてやった。 あなたは死ななければならない ぱしゃり、水が打ち付けられる、場違いに爽やかな音。 次いで崩れた肉と露わになった骨が落ちる鈍い音がして。 最後には溶け残りの蓋の奏でる軽い音が転がった。 あなたは死ななければならない あなたは死ななければならない かくん、頭は痛くて重くて持ち上げる気にならない。 傾いてそのままにされた。 あなたは死ななければならない 篝屋に使った騙し討ちのような手段は上手くいかないだろう。 今度は銃を捨てても近くへ寄れそうにない。 あなたは死ななければならない (15) 2022/06/07(Tue) 12:56:57 |
ナオアキは、歩を進める。 (a20) 2022/06/07(Tue) 12:57:06 |
【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ「…篝屋クン、あっちの方でまだ生きてると思うのよォ」 あなたは死ななければならない あなたは死ななければならない あなたは死ななければならない だから、何か言うならこの方向だと思った。 善意や思いやりを取り落としてきているのに、 他人のそれが存在することを知っているのだ。この男は。 あなたは死ななければならない 篝屋が生きているかは知らないが、別にトドメを刺していないのも事実だ。 生きているのなら、生かす気があるのなら、手当ては早い方がいい。 あなたは死ななければならない そのつもりではあるが、言った方が今は嘘臭くなる。 立場が対等でない者とする約束なんて、形だけのものにしかならない。 あなたは死ななければならない 信用を取る気はなかった。多少でも思考が逸れればそれで良い。 排除できる。 (16) 2022/06/07(Tue) 12:59:04 |
ナオアキは、歩を進める。 (a21) 2022/06/07(Tue) 12:59:14 |
ライカは、走って、走って。足がもつれても。 (a22) 2022/06/07(Tue) 13:07:10 |
【人】 未だピンボケ ライカ「あ、れ」 見つけた!と駆け寄った先に、見えるのは。 あの時、確かに標本室で。 「結木、さん…?」 どうして、死んだはずの貴方が。 (17) 2022/06/07(Tue) 13:23:18 |
【人】 トラジコメディ フカワ後退りをする。 「ひ、そ、それにつきましてはその」 一匹どっかから此処に誘導するのに、 どれだけ手間掛かってると思ってんだクソッタレ。 そう毒吐いてもとても聞き届けてくれそうにない。 愚痴ったら親身に聞いてくれそうだった彼は、 もうどこを探しても見当たらない。 指示なく異変を嗅ぎつけ、ちょろちょろとやってきていた二匹の小動物を見遣る。 片方は地面の液体を避けようともせず突っ込んでとろけた物体たちの仲間入りを果たし、もう片方は駆けることままならず、のろのろ空を引っ掻くだけ。 それをぽんと脚で蹴り飛ばす。 何かに気を取られてくれればいいのに。 『ひ、あ、後、無さすぎ、だろ……』 どれだけ怯えても、絶対に転んだりとかしないように。 背負ってるのはもう自分一人の安全じゃないんだ。 (18) 2022/06/07(Tue) 13:25:06 |
フカワは、後退りをする。 (a23) 2022/06/07(Tue) 13:25:13 |
【人】 トラジコメディ フカワ篝屋さんを引き合いに出されて、 一瞬、ほんの一瞬だけ硬直した。 何故かといえば、もしかしたら会社の後輩になってくれそうだった相手の安否に関わることだったから。 何故一瞬だったかといえば── 「排除──奇、遇ですねェ、 オレもそう……オレも頭痛いんですよ」 「その原因。安全を脅かすものを、 排除すれば解決すると思ってて」 自分は害意だけにはどうしても敏感だったから。 それも“排除”ときた。『彼』と似つつも決定的に違う、 加害者としての、実に傲慢なそれを聞き逃すはずはない。 「な、何もオレが行く必要ありませんし? だから、そう……こっちはもう」 (19) 2022/06/07(Tue) 13:30:50 |
【人】 トラジコメディ フカワ『後に引く気はねェんだよッ!』 寧ろ自分のごとそっちの頭も割れろ、とばかりに力強く吠える。 鼓膜を介さない、脳を貫き揺さぶる純然たる音の暴力。 施設に蔓延る獣たちに対する呼び声で、 急いで駆けつけようと奔る仲間への導で、 明確な意志でもって攻撃せんとする、初めての害意の形。 血の気がバカみたいに引いていく。 言ってしまったこと以上に、力に身体が侵される感覚。 こんなもん二度三度やれるようなもんじゃないということを、 嫌ってほど思い知らされる。 (20) 2022/06/07(Tue) 13:36:07 |
フカワは、後退りしようとした一歩で、力強く地面を踏み締める。 (a24) 2022/06/07(Tue) 13:36:42 |
【置】 ハリの豺狼 カナイ────居た。 遠く、けれど他人事ではない程度に近く。 轟く銃声がそれを確信じみたものにする。 そして『声』がそれを裏付ける。 ああ、でも、これじゃ迂回なんかしてる余裕は──いや、 動きを止めている。 最短距離を選びかけた足は即座に迂回路を選ぶ。 それが足を止めたという事がどういう事かはわかっている。 脅威を取り除く為にそれを直視し向き合う臆病者は、 もう嫌になるほど間近に迫った現実を見ている。 (L4) 2022/06/07(Tue) 13:48:10 公開: 2022/06/07(Tue) 13:50:00 |
【置】 ハリの豺狼 カナイ叶 西路は狂人だ。 誰だって当たり前に嫌な事が当たり前に嫌で、 当たり前にそれから掻暮に逃れたくて、 けれど手段を選ばないには当たり前に道徳観と理性があってしまって、 普通じゃない自分の欲求の事も当たり前に普通じゃないと思っていて、 それでも誰も助けてはくれなかった。 それは単なる思い込みで、ただ自分が誰も頼らなかっただけ。 だから自分が恐ろしいものから逃げる為にはそうするしかなくて、 やりたくないのと同じかそれ以上にやらなければならないんだと思ってしまって そう思い込んで当たり前の躊躇いを振り切ってしまった。 叶 西路は狂人だ。 きっと誰しもそう思うような事を切っ掛けとして道を踏み外した、 誰もが他人事ではない、当たり前のいびつさを抱えた狂人だ。 だからやりたくない事はやりたくなくて嫌な事は嫌だし、 だから他人とは言えない間柄の人を脅かすものがあれば他人事ではないし、 だから理由はどうあれ自分を庇ってくれた人を見捨てるのは嫌だし、 だから恐ろしいものは 二度とその暗がりから這い出す事の無いように殺さねばならなくて、 だからその為ならどんなに嫌でも意思は一線を踏み越える。 (L5) 2022/06/07(Tue) 13:49:02 公開: 2022/06/07(Tue) 13:50:00 |
カナイは、逃げない。 (a25) 2022/06/07(Tue) 13:50:17 |
カナイは、逃さない。 (a26) 2022/06/07(Tue) 13:50:21 |
【置】 篝屋に来た カジヤマ『あンの野郎、自分で酸被って殴ってきやがった!!』 『俺ちゃんはまだ死んで――』 小さな声がどこにも届かない。 それは身体から発されていない。 自分が本当に死んでないのかこの暗闇ではわからない。 外の声も聞こえない、稀に己に反応してくれた人間が 生きているか死んでいるかもわからない。 まるで黄泉をさ迷う亡霊のようだ。 いつかは どちらかに 行ききるのだろう。ふざけたことばっか頭によぎる。 死んだら家族に会えんのかなーとか。 後輩や大学面子に怒られそうだなとか。 先輩たちは呆れていい気分にはならないだろうなとか。 あの子は敵じゃねぇっていってくれたのに、 あの人を敵のままにしてやりたくないのに。 なんでこの身体は動かねぇのかなとか。 『死んでも声届くならセーフ?』 んなわけないか、無理に笑って闇雲に黒の世界を走った。 (L6) 2022/06/07(Tue) 14:50:07 公開: 2022/06/07(Tue) 14:50:00 |
ナオアキは、銃を落とした。 (a27) 2022/06/07(Tue) 16:49:35 |
【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキあなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない 「い゙っっ、あ゙あ゙ぁぁあ あああ゙っっ!!?!? 」あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない 奈尾はここまで、ダメージを負った際に叫ぶことはなかった。 痛みがないわけではなかったが、半ば麻痺をしているようなものだったから。 あなたは死ななければならない あなたは罪深い人間だから 「 あ゙ああああ五月蠅い 死なないと、いきてないとやれないじゃ ない、ほしいのよ、ね゙ェ、罪を犯さなければ、おかした上で 罪って何、い゙、結果には原因がつきもの、いたい、殺そうと してくる人にやさしくなんてしナ゙いでしょ、だからそれはア 、 それはアタシあ゙ぁぁあああいだいな゙ァっっ゙!!!! 」あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない ふらつき、頭をおさえて、思考の大部分を 痛みに支配されながらも、足は止めないで、前へ。 あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない 銃を拾って撃つよりかは、屈まないぶん水を使った方が早い。 いや、今の己の状態からすればそれよりも──。 あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない (21) 2022/06/07(Tue) 16:50:56 |
ナオアキは、大きく能力を使い、反動で動きが鈍った深和に引き抜いたナイフを振りかぶった。そして、けれども、 (a28) 2022/06/07(Tue) 16:51:31 |
ナオアキは、深和を刺すことが出来なかった。それよりも前に──── (a29) 2022/06/07(Tue) 16:51:41 |
【人】 未だピンボケ ライカ>>+9 結木、さん 「どうして、は 僕のセリフです」 頭がガンガンする。脳が理解を拒む。 最初に会った時のように話しかけてくる貴方の姿が、どうしたってこの場では異常であることを"知ってしまっている"。 「あなたは、標本室で」 「死んでいたはずで」 傷はそのままで、赤を垂れ流してそこに立っている。 それは、おかしいことだ。 異常だ。 「生きている、なら 先輩も、結木さんも 治療しないと」 「死んでしまう みんなで一緒に帰れない」 (22) 2022/06/07(Tue) 17:08:47 |
【人】 ハリの豺狼 カナイ──ひゅ、と風を切る微かな音がして。 ────パンッ!!!! 苦痛による、血を吐くような凄絶な絶叫が響いた後。 銃口より発せられる乾いたものとは異なる破裂音。 脇目も振らず廊下を駆け抜けた先でまず視界に入ったのは、 ナイフを振り被る長身痩躯のその背中。 ひどく焼け爛れ崩れた肉とそれが変質したらしき何か、 その間から時折顔を覗かせる白いもの。 惨憺たる有様となった奈尾の背中、その上部。 ともすれば頸にほど近い箇所で、 ともすれば剥き出しの骨に罅が入り、或いは砕けるような。 無防備な背に飛来した何かを避けられなければ、 奈尾はそんな凄まじい衝撃を感じる事になる。 痛みは無くとも。 音と衝撃の出どころは、 叶が咄嗟に奈尾の背に投げた、掌大のガラス片。 それが忽ち膨張するように体積を増し、炸裂したためだった。 (23) 2022/06/07(Tue) 18:07:17 |
カナイは、その鋭く透明な意思の形は、断ち切る為に。 (a30) 2022/06/07(Tue) 18:07:27 |
カナイは、きっとどうしようもない人間だけど。 (a31) 2022/06/07(Tue) 18:07:32 |
カナイは、誰も幸せにならないこの筋書きを断つ事はできる。 (a32) 2022/06/07(Tue) 18:07:39 |
カナイは、向き合って、終わらせる。自分ではなく、あなたの罪を。 (a33) 2022/06/07(Tue) 18:07:45 |
【人】 ハリの豺狼 カナイ直撃すれば、ともすれば脊髄を傷付けたかもしれない。 たとえ仮にあなたが痛みによって怯む事は無くとも、 幾らかその部位を損傷してしまえば、恐らくは。 脳が身体に信号を──意思を伝える事が妨げられる。 それは意図した結果ではなく、 完全に奈尾の自由を奪うには狙いは甘かったかもしれないが。 ただひたすらに、咄嗟に投げ、咄嗟に恐怖を掻き集めた。 そんな無茶な行使と短時間での連続使用、 そして不安定な精神では、反動はこれまでよりも強く。 それぞれの意思が交錯する、そんな一瞬の後。 殆ど蹌踉めくように踏み出し、けれど注意深く様子を窺った。 反動によってぐわんと殴打されたように意識が揺れて、 視界がちかちかと明滅しても、動きがあれば見逃さない。 あと二回。 (24) 2022/06/07(Tue) 18:08:24 |
ライカは、そんな状態でも、写真を撮った。もう、癖になってしまっていた。 (a34) 2022/06/07(Tue) 18:27:59 |
ナオアキは、 (a35) 2022/06/07(Tue) 20:29:35 |
【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキあなたは死ななければならない 「 」 あなたは死ななければならないあなたは死ななければならない 喉を通った空気は、音にならなかった。 痛みの大小だけで言うなら、深和に与えられたものの方が痛烈だった、が。 あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない 脊椎──奈尾が最初に人を殺した時にも狙った部位。 殺し切れなくても、損傷させれば動けなくなる。 だから奈尾はそこを殴打した。それが己に返ってきた。 あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない 世界が白くなって、音も遠ざかったというのに、奈尾の意識はまだそこにある。 彼はまだ人間の形を保っている。保っていた。 脳から決まった道を通る電気信号を送って活動する、脊椎動物だ。 あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない ナイフを落として、深和に覆い被さるように倒れ込んで、 それでもまだ動く。生きようとしている。 あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない 谺イ縺励>縺ョ繝ィ 」あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない (25) 2022/06/07(Tue) 20:30:19 |
ナオアキは、なんでだとか、どうしてだとかは言わない。理由は知れているので。 (a36) 2022/06/07(Tue) 20:30:50 |
ナオアキは、うねり、湧き立ち、形を変え、人間の枠から出ようとしている。 (a37) 2022/06/07(Tue) 20:30:59 |
【人】 未だピンボケ ライカ>>+11 結木さん 「いえ、……遠慮、しておきます。 じゃあ、やっぱり……結木さんは、死んでしまっているんですね……」 どういう原理なのかは分からないが、今は置いておくことにする。あまりに非現実的な光景に脳がマヒしそうだ。 これも、実験の影響なのだろうか。本当に、傍迷惑な事をしてくれたものである。 無駄だとしても、そのうち傷口をふさいでおいた方がいいのだろうか。 「……」 白衣をキャッチして、貴方の靴が溶ける音に眉をひそめる。 そんな強い液体の中に、どうして先輩がいるのだろうか。 ▽ (26) 2022/06/07(Tue) 22:07:11 |
【人】 未だピンボケ ライカ>>+11 結木さん 「……杖は持ってるんですけど。 1本だけなので、担架にはなりそうにないですね」 キャッチした白衣を手に緩く巻いて、自分も強酸の海に足を踏み入れる。 写真撮影に影響のある手が無事であれば、他はいい。 今は、先輩を治療しなければ。 「勿論です。 先輩には、生きていてもらわないといけませんから」 「一緒に無事に帰るんです。絶対に」 そう約束したのだ。 だから、一緒に引き上げますよ。と言って。 貴方と2人で先輩を引き上げてしまうだろうか。 そのまま安全な場所まで運んでいくつもりだ。とはいえ手当の道具を持ってこないといけないから、酸の広がっていない廊下辺りか この近くの部屋になるだろう。 しかし 貴方が先輩とどんな会話をしたかなんて知る由もないけれど。危害を加えない関係であるなら良かった、と思うのだ。 (27) 2022/06/07(Tue) 22:12:47 |
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