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人狼物語 三日月国


59 【R18RP】花韮の咲く頃

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【人】 矢川 蛍

  ……?
  新入生って、未成年……。


[飲んでみたい気持ちもわかるけど。
 ノンアルコールと騙されて飲んでしまうとか?
 未成年なのに飲むの、と首をかしげる。]


  うーん。どこかで飲む前に
  隆司さんと飲んで備えてみますね。
  飲める量とか、強さとか、わかんないから。
  もちろん、二十歳になってから!


[……だと間に合わない可能性はさておき。
 新歓はともかく新社会人の時には間に合ってそうと
 にんまり、笑ったのだった。]
(74) 2021/03/07(Sun) 10:23:40
  うん、うん! 寄ってく!
  そうしたらのんびりできるし。
  お台所確認できるし。
  ……ふふ、楽しみ!


[うきうきと、珈琲を飲み終えて。
 お弁当を片付けたなら軽くなったそれを袋にしまう。
 どんなところで、どんな風に住んでいるのか。
 それも純粋に気になったし、
 のんびりと家で過ごすのが好きな私は
 のんびり、気兼ねなく、
 隆司さんに甘えたくもあったから。

 
もしかしたら、その先も。
ううん、それはまだなのかな。
私がまだ子供だから。


 普段は電車を使わないから
 切符を買ったりもしただろうけど
 終始、どこか楽しげで浮かれた気持ちだった。**]

  そうだな、確かに気兼ねしない。
  けどあの台所で料理すんのは大変じゃないかな……。


[上原宅の台所は狭い。
 たまに何か作る程度ならまだしも、日常的に料理するのは難しそうである。
 それでも手慣れていれば、食卓を併用しながらある程度のことはできるのだろうか。
 レンジがオーブンレンジなことも踏まえれば工夫の余地はありそうである。

 2人きりで過ごす時間の、その先をもし望まれたら、上原は一度は嗜めてしまうのだろう。
 でもそれは、子供扱いが理由ではなかった。
 とはいえ、歳の差ゆえの意識の差ではあるかもしれない。機会があれば話して聞かせるだろう]

[ICカードと定期暮らしが長くなった上原には切符は懐かしくて、矢川が買うのに付き合っていた。
 電車に乗ると最寄駅までは数駅。座るには短いが立つには長い、そんな微妙な距離だった。

 道中、初めて遠足に行くかのような矢川の浮かれ方が愛らしくて、上原は自然と手を繋ごうとしていただろう。

 最寄駅を出れば歩いて10分程度で、10階建ての古いマンションに着く。上原の部屋は9階。
 エレベーターで上がることも当然できるが、階段もある]


  どっちがいい?


[上原は笑いながら尋ねて、矢川の選んだ方法で部屋まで向かう。
 9階まではときどき階段で上がっているが、休まず上がれるものの、余裕とまではいかないのだった。

 部屋に着けばバリトンサックスのキーホルダーがついた鍵で扉を開けることになる。
 入ってすぐの玄関の脇にトイレと洗面所とバスルームの扉があって、ダイニングキッチンが見え、そのさらに奥に寝室がある]**

【人】 矢川 蛍

  ……そう考えると、私免許取っても良いかも。
  楽器重いし。
  普段は良くても、演奏会場に向かう時手間かも。
  要検討ですね。


[ペーパードライバーなら少し不安だけれど
 楽器を買って持ち運んで、を考えると
 都会でも使う機会はあるなと判断。
 でもこれは実際楽器を手に入れてからの生活で
 考えてみても良いかもしれない。
 世の中、無免許の人なんて沢山いるだろうし。

 気に入ったのが、のくだりには>>75
 うん! と大きく頷いたのだった。]


  じゃあ、お酒は大学合格祝いに。
  ふふ、頑張ろ〜!


[そしてそんな約束もちゃっかり取り付ける。>>76
 初めてのお酒は、大好きな人と。
 自分の恋人の隆司さんと。
 そう考えると俄然受験にやる気が湧いてきた。
 勉強ばかりにはならないだろうけど
 サボることがないよう、頑張ろう。]
(77) 2021/03/07(Sun) 14:46:22
[そうして向かった、隆司さんの家。
 今度は回数券を買っておこうと密かに決めつつ
 今日は一先ず行きの分。
 電車はまだ空いている時間だったから
 隣り合って座りながら風景を眺めていた。
 勿論、手は繋いだまま。
 座ってる時も、歩く時も。
 そりゃ、改札を抜ける時は自然と離すけれど
 改札を抜けたらまた自然と繋ごうとして。]


  む……。 私は文化部インドア派ですけど
  体力には自信あるんですよ!


[そんな訳で少し眉を寄せてその挑戦状?を受け取った。
 階段でも登り切れるだろうと。
 実際、吹奏楽部は文化部の中でも体力を使う。
 重い楽器を持つ担当なら尚更で
 バリトンサックスは勿論重いものに入るのだ。
 5〜8キロあたりが普通である。
 流石にバリトンサックスを持っていたり
 今のお弁当の中身が入っていたら難しかったが
 無事に登り切ることができた。
 できたが。]

  ふーっ、流石に暑くなっちゃう……!


[赤い顔になって普段のパーカーを無造作に脱いだ。
 汗をかく直前か、少し汗をかいてしまうくらい。
 軽く畳んで腕にかけ、ノースリーブニット姿で
 パタパタと手で軽く顔に風を送ってた。
 隆司さんは汗かいたりしてなかったかな?

 そして、鍵が開かれる。
 そこに付いてる、お揃いのキーホルダーがきらりと光って
 使ってくれてる、なんて密かに嬉しくなった。
 そしてひょっこり、彼につく形で
 その扉の中に入っていく。]

  おじゃましまーす……。
  へえ、片付いてるんですね。
  散らかってるイメージも、無かったけど。


[神経質な感じはしないけれど、
 きちんとしてそうなイメージが何となくあった。
 そのイメージ通りだなと感心しつつ
 部屋を進んでダイニングキッチンを覗き込む。
 ああ、たしかに、]


  ……これは腕が鳴る……!


[とても狭くて。やりにくそうで。
 けどだからこその工夫ができそうで!

 とはいえ今日は何も材料は買ってきていない。
 しかしキョロきょろ見渡せば
 レンジにオーブン機能がついてるのを確認して
 意外と色々できそう! と楽しくなってしまった。

 今度は何か作りに来よう。
 そんな事を思ってしまう。]

  今度は、材料買ってきてのおうちデートも良いかも。
  そうしたら、作り置きも少し作っていける……かも?


[炊飯器のサイズを確認しつつ、
 思ったままのことを口にしていた。**]

[免許を取って、楽器を乗せて演奏会場まで。
 そんな夢のある話を聞けば、上原はその車を運転するのが自分でありたかった気もした。

 合格祝いに初めて飲むお酒は何がいいだろうと、これからたびたび思い浮かべることになるかもしれない。

 改札で手を離して、抜けたらまた繋いで。
 いつの間にか、外を歩くときには手を繋ぐか腕を組むかが当たり前になっていた]

[挑戦を受けて立った矢川と、9階まで一緒に階段を昇った。
 上原も日頃よく歩くせいでスタミナはそこそこだが、平地を歩くのと階段はまた違う。
 昇り切ることはできても汗ばみはするし、多少は息も上がるのだった。良い勝負だったかもしれない


  体力あんなぁ、さすがに。


[春先のノースリーブニットという若々しい服装に目を細めながら、素直な感想を口にした]

[そうして部屋に2人で入ってみると、想像していた通りに、少し窮屈な印象を受けた。
 もし一緒に暮らすなんて話になればもっと広い部屋がいいだろうし、楽器演奏をしたいなら防音設備も要るのだろうか。

 そんな気の早いことを考えながら、料理にやる気を出す矢川を眺めていた


  家で料理作ってもらったら、
  帰したくなくなりそうだな……。


[しみじみと思ったことを上原は呟いた。
 そのまま一緒に暮らしたくなりそうだと思っての言葉だったが、他意がありそうに聞こえるのかもしれない。
 ともあれ、そのくらいには矢川と共に過ごす時間を幸せに感じているのだった]**

  えっ……、


[たとえ、他意がなかったとしても。
 その一言に私は思わず言葉を失って頬を染める。
 恋人に帰したくないなんて言われたら、
 そういうのを想像するのは必然じゃないかな?

 だから、私は言葉が少なくなる。
 そそくさと手に持っていたパーカーを羽織り直したりして。
 一緒に暮らせたら。
 そうしたら、隆司さんの食生活もきっと
 安心になると思うなあ。
 でも、家から通える距離の大学だったら
 同棲なんて学生のうちは許してもらえないかも。
 両親の食生活だって気になるし。
 でも、……うん。]

  ……帰らなくても、風邪ひきませんもんね?


[今は夜じゃない。
 夜になったとしても外じゃない。
 だから帰らなくても、大丈夫。
 少なくともその言い訳は使えない。]


  でも、あっ、
  材料とか、道具とか、どうですか?
  一通りあれば良いけど……。


[ちら、と冷蔵庫の位置を確認する。
 あと、台所の中の棚とかも。
 とはいえそれぞれの中をいきなり確認は
 流石に気が引けてしないけれど。

 ああ、顔が真っ赤になってる。
 何を想像したと思われてしまうだろう。
 ……でも、……でも。]


  ……、隆司さん。


[ちょっと、呼ぶ声が震えてしまった。
 近づいて、ぽふっと飛び込むようにして抱きつく。
 ぎゅっとそのまましがみついた。]

  ……え。


赤面されてやっと、上原は言葉選びの問題に気づいた。
 確かに今は昼間だし、家の中にいては風邪も引くまい。

 冷蔵庫には朝食用の食パンと、ハムやチーズなど保存のきく食材が数種類程度。
 調理器具は小さい鍋とフライパンとヤカンが1個ずつに、包丁1本と菜箸とフライ返しとしゃもじという必要最低限の構成である。
 そんな状態だから、狭いキッチンとはいえ収納スペースは半分以上余っていた。

 キッチンを気にしていた矢川が、震える声で名を呼んで抱きついてくるのを見て、上原は急な行動に目を瞬きながらも抱き締め返した]

[舌が触れ合うことはなかった。
 だから、少し舌先を出した私の顔は
 きっととても間抜けな顔だったと思う。
 勿論すぐに舌を引っ込めたけど
 顔は真っ赤になったし、言われた言葉に胸を締め付けられて
 私はぐっと泣きそうな顔になって顔を俯けた。
 実際、泣きそうだった。]


  ……。

  好きな人と、そういうことがしたくなるのは、
  いけない事……かな。


[ましてや今回は前回とは違う。
 気持ちを確認しあった恋人同士……の、はず。
 場に流されて、大切だからという気持ちに惑わされて
 そのまま溺れてしまったあの時とは違う。
 でもそれは、若気の至りなのだろうか。
 確かに、この身を持って知らされた。
 男の子は、好きでもない女の子とセックスできる。

 ……まあ、女の子だって。
 春を売る子達もいるけど、それはお仕事で、
 仕事でなかったら……でも世界は広いから。でも。]

  好きだから、キスもしたいし、
  抱きしめてもらって嬉しいし。
  その先だって……。


[あ、ダメ、泣きそう。じゃなくて、泣く。
 声が震えてその先が紡げなくなった。
 ぎゅ、ってそれでもしがみついて、
 隆司さんの胸元に顔を埋めてたから
 じんわりとそこが濡れてしまったかもしれない。
 
 今までだって、大事にしなかった訳じゃない。
 大事にしなかった訳じゃないのに。

 ……ああ、私はその先を知っちゃってるんだなあ。]

  ……ごめん、なさい。


[ぐす、ぐす、と泣きながらの謝罪。
 意味がわからなくても仕方がない。
 でも、なんだか訳がわからないくらい悲しくて
 それ以上に、申し訳なくて。

 こんな訳わかんない状態で泣いてる私に
 しがみつかれても困るだろうなって。

 わたしは隆司さんから腕をはなした。
 離して、流しに向かう。
 そのまま飛び出して行ってもよかったけど
 こんな顔で女の子が飛び出した、なんて言われたら
 隆司さんに迷惑かかるかもと思ったから。**]

[たった一言、断りを入れただけで泣かれてしまって、上原は途方に暮れた。
 その上、なぜだか謝らせてもしまった。
 どう答えたらいいかと考えている間に、彼女は離れて流しに行ってしまう。

 思わず懐に手をやって、煙草の箱に指が触れたところで、そんな場合でないと思い直した]


  蛍。


[名を呼んで流しに歩み寄って、矢川に両腕を伸ばした。拒まれないのなら、そのまま抱き締めたかった]

  俺も、望んでないわけじゃない。

  けど……妊娠する可能性はゼロにはできないって
  どうしても考えちまうんだよ。

  ……学校に産休はないよなって。


[何を思って踏み止まるのか、それを伝えなければいけないと思って、上原は必死に言葉を選んだ。
 けれど思うように伝わる気がしなくて、片手で頭をかいた]


  万が一のときに、俺は産んでほしいと思うだろうし……
  蛍もそう思ってくれるんじゃないかと思ってたから。

  ……「結婚しよう」で済む歳じゃねえよな。


[そこまで言ったとき、抱き締めることを拒まれていたならもう一度腕を伸ばしただろうし、抱き締めていたなら腕に力を込めただろう。

 学校は休学か退学か。
 出産前に働いていなかったなら、働けるようになってから仕事の探し直し。
 そこまで考えてしまうくらい、上原にとって彼女は大切で、将来を守りたい女性だった。
 いつの間にか、そのくらいに想いが強まっていた]**

[だって、拒絶されるとは思わなかった。
 好きなら、その次に進んで当然だって。
 それは若さゆえの浅はかさだったかもしれない。
 でも、やっぱり。
 好きな人だから、触れ合いたかった。
 ……自分の全部を見て欲しかった気がする。]


  ひっ、く、


[水を流して顔を洗う。
 バシャバシャと二度くらい洗ったところで
 名前を呼ばれて後ろから抱きしめられた。
 キュ、と蛇口を締めながら抵抗はしない。
 抵抗するつもりなんてなかった。
 でもすこししゃくりあげながら耳を傾ける。

 そして、思いがけない言葉に目を瞬かせた。]

  にん、しん?


[そう言えば保健の授業で聞いた。
 コンドームの避妊率は8割程度で確実じゃなくて
 避妊よりは性病予防の観点が強いって。
 避妊を確実にするならピルや避妊具を合わせて使うって
 そう言っていたはず。

 ……そう頭にあっても、ゴムしてれば良い。
 そんな思いが確かにあった。
 それは慢心だったのかな。
 ……と、言うか。]


  ……それは、たしかに、そう。
  妊娠"しちゃった"って言い方、きらい。
  できれば望んで"授かりたい"と思うし、
  授かったら、……ちゃんと産みたい、けど……。


[まだそこまでの未来を描いていなかった。
 描いてもどこか絵空事で、
 具体性のない夢のようなものだった。
 でも。それだけ大切に思ってくれているのか。
 将来を思い描いてくれていたのか。
 そう思うと、自分の態度がどうしても拙くて。]

  ごめん、なさい、隆司さん。
  ……でも、……好きだから。


[好きだから、次のことをしたかった。
 好きなら自然と触れ合いたくなると思ってたから。
 回してくれる腕をぎゅっと握りしめる。
 
 今までの自分は、無意識のうちに
 自分の体を無碍にしていたのかな。]

  大好き、だから。

  ……結婚するまで、待っててくれる?


[結婚か、婚約か。わからないけど。
 一つとおい約束をしたい。
 待ってて、と言うのもおかしな話かもしれない。
 むしろ今回のことを考えると
 自分がおあずけ、かもしれないけれど。

 なぜかそんな言葉になりながら
 私は隆司さんの手を握り締め続けていた。**]

[妊娠、結婚。自然とそれを意識するのは、上原がそういう年頃だからなのだろう。
 高校生の矢川がピンと来ていないことを責める意思は上原にはなかった。その頃の自分を思えば、それが当たり前だと思えるから]


  やっぱ歳の差なんだろうな、これは。
  ……それだけ本気になった、とも
  言えるんだろうけどさ。


[それでも、本気になろうが、高校生で結婚までは考えない気がした。
 だからこそ「授かったら産みたい」と言ってくれることはとても嬉しくて、抱き締めた彼女の頭を撫でた]

  謝ることはない。
  俺も触れ合いたくなるから。

  でも、待ってるよ。
  俺が言い出したんだしな。


[待つのも、おあずけもお互い様だろう。
 お互いに望むことなのだから。
 好きだから、その先を。それは上原も同じなのだと伝えて、もう一度唇を寄せて、触れ合うだけのキスを求めた。

 もし待ち切れなくなるとしたら、大学卒業が視野に入る頃だろうか。
 避妊はした上で、それでも妊娠してもその後の生活に支障が少なそうな時期。
 その頃には互いの好む酒も把握し合って、一緒に飲めるようになっているのかもしれない]**

[それだけ本気。
 ……こんなに短い期間で? そんな疑問はある。
 でもそれは自分だってそうだ。
 本気で好きだから、好きになったから
 その先へと進むことを選ぼうとした。
 恋人同士でそれが当たり前かと思ったから。
 さらにその先までは描けていなかったけれど。]


  ……私も、待ってる。我慢する。
  でも、さっきみたいなキスも……だめ?


[ダメだから止められたんだろうけど
 それなら自粛しなければならない。
 触れ合いも我慢できる範囲内にして
 ……口で、とかやり始めたらキリがないから。多分。
 触れ合うだけのキスをされて、向き合いながら
 首を傾げてそんな問いを投げかける。

 今まで通りのキスだけでも大丈夫。
 頭を撫でてもらって、抱きしめあって、
 そうしてそばにいられたなら。
 でもアレもダメなの? と、
 そこから直ぐにえっちに結びつかなかった私は
 本気で不思議そうな眼差しを向けた。]

【人】 矢川 蛍

[そんな風に泣いて、慰められてから
 私たちはどんなふうに暮らしていたのかな。
 高校最後の一年間。
 演奏会も見にきてくれたかな。
 文化祭にも来てくれたら嬉しいな。
 学校での合奏だけじゃなくて
 例えば私の部屋で一人で演奏してるところとかも
 ぜひ聞いてみてほしいし、来てほしい。
 合格して、お酒を一緒に飲んで。
 割と強い方だけど味は甘い方が好きとか。
 お弁当作りは相変わらずのはず。
 もっと隆司さんの好みに合うように頑張ったし
 時々隆司さんの部屋でも料理をするようになった。
 コンロ一口でもなんとかなるものだなって思ったけど
 やっぱり二口は欲しい、と痛感したりもして。
 収納がガラ空きだった隆司さんの食器棚に
 自分の使いたい道具や食器を増やしたりもして。

 そんな風に、わたしは。
 隆司さんとの日々を重ねて行っていた。
 変わらず、ううん、より深く
 隆司さんへの気持ちを深めていきながら。
 喧嘩した時もあったけれど
 やっぱりわたしは、隆司さんが好き。**]
(78) 2021/03/07(Sun) 20:47:16
[確かに短い期間だった。
 けれど、この先も共に過ごしていきたいと思う機会が上原にはたくさんあった。
 一緒に暮らしてみたいとも。
 そこで望まない妊娠が彼女の将来を閉ざしてしまわないかが気がかりで仕方なくなる程度には、真剣であると言えるだろう。

 そして、キスのことを不思議そうに言われると、今度は年齢差のほかに性別差を意識することになる上原だった]


  ……俺が抑えられなくなるからダメ。


[実際には耐えることはできるだろうが、抑えがたい衝動を起こされる可能性を極力排除しようとして、上原は素直に申告した。

 矢川が素直に守り続けてくれれば何事も起こらないであろうが、そうでなければ、数年の間に際どい場面はときどきあるのかもしれない]

【人】 矢川 蛍

[うちの親は基本的にイベントには参加しない。
 だから卒業式まで隆司さんとは合わなかったはずだ。
 事前に、隆司さんの年齢のことは話していたし
 もっと言えばプラトニックなお付き合いの事を
 話していたからか。
 お母さんの反応は穏やかなものだったけれど
 お父さんの反応は少し棘があったかもしれない。
 『君のせいでうちの卵焼きが』なんて言うから
 でも美味しいって言ってたこともバラしちゃった。
 隆司さん好みの卵焼きも、うちでは好評です。
 これからもよろしく、なんて言われたから
 ちょっと私も恥ずかしかったかな。
 セーラー服に袖を通すのも卒業式で終わり。
 これで写真撮ろう、なんておねだりもして。]
(80) 2021/03/07(Sun) 22:04:50
 




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