124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】
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ーー先代の記憶ーー
「ねー、ゆきちゃん。」
[旅に出て冬至の温泉に入っていた頃だっか、
またしばらく経って寄った時だったか。
何かを思いついたような、悪戯っ子のような顔で
一緒に入っている冬至の君へと顔を向けた。]
「月が綺麗だねー。」
[珍しいほどの満面の笑みで、彼女を見ながらそう宣う。
一瞬たりとも月なんか見ちゃいないくせに!]
[それがどういう意味だったのか、誰に訪ねても。
ーーもう、誰にも語れない。*]
[ まるで故郷の長い冬のように、
閉じた屋根の下で過ごす時間が長かった。
(どこかの灯守りや蛍のように)
閉じ込められていたとかそういうわけではなく、
必要火急でもないと外出することが難しかった。
風が吹けば消えてしまいそうな灯りは
尋常でない移ろい方をしていたものだから
おそらく、能力があると
それ以外の原因を考えられなかったのだけれど
何を起因として発動するものであるのか、
当初、誰も特定することができなかったのだ。 ]
[ 自覚のないまま行使される、
“あと少し”なんてありふれた望みが
そのたびに灯りを削っていく。
その瞬間を捉えるなんて難しいに決まっていた
何せわたし自身、何もわかっちゃいなかったのだから ]
[ 冬の入口をくぐったような
冷たくて、からっとした凩の吹く日
収穫を終え春まで眠りに就く畑で枯れ草を燃やす人々
よくある風景だ。
ぱちぱち散る火花。
風に乗せられて飛んでいって、
あ、とめなきゃ、って、
――その後のことは何も覚えていない。 ]
[ その性質が明るみになってからは
いたずらに削られることはなくなったけれど
容赦する必要もなくなってしまったから
結局のところ、あまり良い思い出はない。
扱いづらい厄介事は放棄してしまって、
都合のいいことだけ利用していきたいだなんて
そんなの、疲れてしまうもの。 *]
| [ 賑やかな宴も、少しずつ、少しずつ その場をあとにする者が出てきて、静かになっていって べつに、わたしは静かなのも好きだけれど。 静かだからこそ捉えやすくなったそのお声あれば >>79 次の瞬間には、お側に戻っていることでしょう ] ―― そうですね。 ひとも少なくなってきましたし、 宴もたけなわでしょうか [ いつもおとなしく過ごしてしまいますが、それでも 立春さまのお菓子美味しかったですね、とか 啓蟄さまのところは相変わらずお元気そうで、とか 空中庭園の様子がまた少し変わっていて――、とか とりとめのない話でしたら事欠かないものですが。 ああでも、 ] 頑張りすぎは良くないですよ。 ……ご無理はなさらぬよう [ わたしなどが言っても、なんて承知ではありますが 少しだけ陰る表情は大目に見てくださいませ。 ] (285) 2022/01/30(Sun) 22:47:15 |
| [ わたし、あなたがいないといけないのです。 空に 陽 があればこそ、 月 は光を落とすので。 **] (286) 2022/01/30(Sun) 22:47:17 |
────どうか、幸せに、お眠り下さい。
悪夢は、私が全て喰らうから。
*
―――いつか、貴方と見た月
[ 温泉にくゆる月を見上げていた
何も無い夜にともるそれは
そのひと時は 私にとっての陽であった ]
?
[ 隣りで 名を呼ぶ声がして
ふっと見上げた先の満月 ]
――…そうですね。
[ 小さく笑って また月を見る。
このひと時が 続いてほしい
そんな叶わぬ願いを 天にとかしながら ] *
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