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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


ソニー! 今日がお前の命日だ!

【人】 銀の弾丸 リカルド

【ノッテアジトの廊下】

闇医者を抜け出し、とある少女と出会い。
アジトへ向かって、上司やテンゴなど頼りの人がいなくて、
ふらふらと探し歩いて、今。

上司の部屋から出てきたリカルドの手には、あるノートパソコンをカバンに入れて持ち出してきていた。
この時はまだ少女がこの後、身を投げ出してしまうなんて事には気づくはずもなく。

ただ、重体とも言える身体にムチを打って仕事に戻るつもりでいた。
あの2人が動けない今、しっかりしなければならない立場にいる自覚は十分にあったからだ。
寝ている暇は、1分とてなかった。

「これは俺の部屋に保管することになるな……」

などと呟いて。
(5) 2022/08/24(Wed) 22:42:00

【人】 銀の弾丸 リカルド

【路地の店】>>7 ストレガ

抜け出した当日よりは多少マシな顔色になったか。
頭に包帯を巻いたスーツの男が、慎重な足取りでそこを訪れる。
そこは口数の少ない同胞が営んでいた店だった。
こういう状況だからこそ、背景を掴んでおかなければ大変なことになりかねないと思って来てみれば、見知った貴方の背中をみつけ、ほう、と言葉を漏らした。

「そうか。……お前たちは交友があったのだったな、ストレガ」

忠告を受けながらも無理をしている手前、雷の一つや二つ落とされることは覚悟しているが、さて。
(8) 2022/08/25(Thu) 13:15:44

【人】 銀の弾丸 リカルド

【路地の店】>>9 ストレガ

予想と違わず辛辣な言葉を受け、さすがの仏頂面も少しばかり眉を下げ。
それでも、辛辣な言葉の裏に面倒見の良い一面がある事を知っているから、降参の意味を込めて軽く両手を上げた。

「お前の言葉には何一つ言い返せないな」

頭を撃たれて絶対安静にならないわけがない。
ド級のバカと言われればそのとおりだが、どうにもそういう訳にはいかない。
外回りを押し付けられてる時点で、色々警戒すべきこともあるのだが、それはさておき。
正面から貴方の顔を見れば、流石にその大荷物と欠けた頬と耳の状態には気づくだろう。

「……だからその傷を作ってきたのか?
 その大荷物も気になるが……闇医者で見た時はそんな傷、なかっただろう」

表に見える範囲でしか、彼女たちの交友を知るわけもなく。
自分とて、あの2人上司とラウラを殺した人物は洗い出したいと思っているから、その様子を見れば何をしてきたかくらいは想像がついた。
断られるだろうなとは思いながらも、両手に荷物があることを良いことに流してある横髪に触れ、傷を診た。

「俺が密売に使ってる港の5番倉庫の地下によかったら来い。
 綺麗に手当をしてやろう。女の顔にこの傷をそのまま残すのは忍びない」

続く言葉には「言い訳……」と頬をかけば、

「テンゴさんがそこで、俺以上の重体で寝ている。
 俺が今、ベッドで寝ている時間は1秒たりともない。心配させてすまんな」

と言い、そこには最新の医療施設を作っていると告げ、そこでマウロを手術したことも告げた。
貴方になら、あそこに今寝ているテンゴにも会わせてもいいと、思っているからこそのことだった。
(10) 2022/08/25(Thu) 19:39:01

【人】 銀の弾丸 リカルド

【路地の店】>>11>>12 ストレガ

「……それは、そいつは大層泣きわめいたことだろうな」

それは大体の男は震えあげる話だった。
言葉通りに受け取って、それを想像してみれば痛いどころの話ではなく、いっそ死にたいくらいの絶望だろうなと理解した。

「時計塔まで吹き飛ばしてきたのか。その荷物は引っ越し道具か?
 ……まぁ、いい。今の話で件の経緯はだいたい予想はついた。
 この家は好きに使うと良い。
 ……下手人は、トスキファミリーの者かどうかだけ教えてくれ」

これが今ここにいる本来の仕事のため、確認を取り。
内容を聞き出せれば、助かったと礼を言う。
避けられ断られとするだろうから、然程気にはしてない様子だが、あなたの言葉には「わかったわかった」と返している事だろう。

「ヤクについてはしばらく後遺症が残るかもしれん。
 とはいえそれでお前に迷惑をかけるつもりはないから安心しろ。
 ……まぁ、お前がそれを残したいというのであれば無理強いはしないさ」

この傷は、お互いにきっと、一生残る。
大きさや酷さの話ではない。
強い願いを成す傷とは、案外消えずに残るものなのだ。
その傷を持つものが、忘れない限りは、ずっと。

(13) 2022/08/25(Thu) 20:43:43

【人】 銀の弾丸 リカルド

【路地の店】>>13 ストレガ

「あぁ、手当はともかく見舞いには行くと良い。
 あの人も話し相手が出来れば喜ぶだろうからな」

ただの昼行灯ではないと、ちゃんとわかっている人間がここにもひとりいる。
それはとても良いことだ。
あの人がどう思おうと、まだまだ彼には現役で居てもらわなくてはならない。

「あの時の件については是非内密にしていてもらいたいものだが……、
 状況が許してくれるようになれば、その時はゆっくり休ませてもらうことにしよう」

随分心配をしてもらえたものだなと、小さく笑った。

……俺が、ツィオが、マウロが。そして貴方も。
それぞれ力をつけて立てる日が来るまで、あの人達にはずっと見ていてほしいと、そう思うのだった。
(14) 2022/08/25(Thu) 20:44:44

【人】 銀の弾丸 リカルド

【ノッテアジト廊下】>>15 幼馴染のくそったれ共

締まらない。
それはそうだろう。
頭には幾重も巻かれた包帯が巻かれていて痛々しい。
血の気のない肌に、泣いた後と窺える目の腫れは隠しきれるものではない。

「……誰が野良犬か、くそったれ共」

貴方達の声が聞こえ振り向いた顔は、実にスン……とした表情だ。
それでも、二人の様子がわかればこそ。
悪態をつきながらもほっとした心は、内だけでとどめておいた。
(16) 2022/08/25(Thu) 21:48:00

【人】 銀の弾丸 リカルド

【ノッテアジト廊下】>>17>>18 どうしようもない奴ら

「随分良いように言ってくれるじゃないか。
 散々面倒をかけてくれるのはいつもお前たちだというのにな」

荷物を奪われ、少しだけ慌てたように「それは大事なものだから、丁重に扱え」と指示をして、前を歩くツィオの後に続く。
慎重に歩かねばならないのはマウロと同じだから、ゆっくりとした足取りだ。
ふらふらした様子を見せないのは、気を張っているからだろう。

それでも、ツィオがこちらを向いて手を掲げれば、
貴方達にしか見せない顔が、ここに確かにあって。
本当に泣きそうな、それでいて安堵したかのような。そんなくしゃり、とした笑みを浮かべて手を伸ばす。

「――ただいま、兄弟」

こつん。
本当に軽く、拳を手のひらに当て、
その開かれた左手にそっと手のひらを重ねた。
(19) 2022/08/26(Fri) 0:17:24

【人】 銀の弾丸 リカルド

【ノッテアジト廊下】>>37>>38>>39 俺の家族

「――ハ、ついに天辺ときたか」

夢を語るのは俺の役目だったはずなのにな、と嗤う。
俺の上にいるべき上司は、たった一人だけ。
その上司に送り出されたのだ。……ならば、あの方の元へ行くときは、誇れる自分であらねばならない。

「お前たちに耳に入れておくべき情報がある。
 特大級の機密だ……3人でなら……、
 上手く料理できるだろう。――わかるな?」

これだよ、と。
ツィオが持つノートパソコンとUSBが入ったカバンを撫でた。。
上司が長年努力して作り上げた情報収集装置。
ラウラが残した軌跡を見たならば、貴方達はなんと言ってくれるだろう。

閉じた目の裏に描くのは、あの日見た広い街並み。
あの全てを手にするために。

地獄のよしみだ、肩を組んで歩いていくとしよう。
(40) 2022/08/27(Sat) 20:36:45

【人】 銀の弾丸 リカルド

【港の防波堤】

――慌ただしかった1日からいくらか経ったある日。
日参して治療を受けている地下病院から出て、一人、防波堤から海を眺めていた。
今日も忙しく仕事をして、治療後はテンゴに報告ごとを耳に入れたりしていたけれど、この時ばかりは紫煙を昇らせ、静かに波の音に耳を澄ませていた。

居なくなってしまった人たちの、いろんな声が聞こえる気がした。
ラウラの控えめな声や、上司が俺を呼ぶ声。

それから、この海に攫われてしまった少女のこと。
行き場を失っていたその少女を引き取って、育てる、つもりだった。
約束通り独り自由にしないと、約束して。

まるで、あの男に言ってやりたかったセリフみたいだな、なんて思ったりしながらも、差し出した手が届いたのが嬉しかったのに。

亡くなった者の後を追いたい気持ちがわからないわけではない。
自分とて、地獄の果まで上司のお供ができるなら、今すぐにでもあの人のもとに行きたい。
だけど、出来ない。
命など、大事な物のために捨てる事はいつだって出来るし、惜しいわけではない。

自分の大事なものは、たった一人だけではなかった、から。

幼い頃から苦楽を共にした幼馴染を置いては何処にもいけない。
マウロが死んだと思わされた時の、ツィオの顔。
手を伸ばしても決して触れられないと思った、あの時。

気づくのが遅くても、あんな顔をさせるなら駄目だと思った。
俺は、上司を、幼馴染を傷つける者を許さないが、
俺が傷つくことで、あいつらにあんな顔をさせてしまうなら、
俺は
それ
を絶対に許してはならない。
(42) 2022/08/28(Sun) 23:10:53

【人】 銀の弾丸 リカルド



「だから、俺はお前たちとは違うんだ」

「―――――絶対に」
(43) 2022/08/28(Sun) 23:11:31

返す返すも、運の無い人生だった。

望んだ事は叶わない事ばかり。だからいつしか望む事さえ諦めた。

諦めた、つもりになっていただけだった。


奪われたものは、奪い返すべき相手からは得られなかった。

未来があって欲しいと願った人々は、やはりその大半を見送る事になって。

受けるべきであった、誰かを殺めた報いを受ける事も無く。

もしも果たされる時が来るなら、ずっと先の事であればいい。
そう思って口にした、他愛無い口約束を果たす事も無かった。

見届けるべき死の全ても、その目で見届けるに能わず。

それらの不誠実を、無力を、差し伸べられた手を取れなかった事を。

誰に謝る権利が自分にあっただろうか。

わかっていて、友人の全てを徒労にし続けた自分に。


けれど、いつかの昔に奪われた終わりは取り戻された。

誰かの道は途絶えても、確かにその先を歩いて行く誰かが居る。

全ては叶いはしなかったけれど、全てが叶わなかったわけでもなく。

良くも、悪くも、結局自分は何もしなかったのだから。
そんなものか、とも思う。

望む事も、望まない事も選べなかった、半端者には相応しい結末だ。


だから、見届けて来た全ての死だけを連れて。

家族も、帰る場所も、行き着く先も求めない必要ない

名もなき烏は、何処へ行く事も選ばない。