14:45:07

人狼物語 三日月国


69 【R18RP】乾いた風の向こうへ

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


マリベル11票

処刑対象:マリベル、結果:成功

[犠牲者リスト]
該当者なし

決着:龍人族の勝利



[ 乾いた風の匂いに包まれて、
  賑やかに栄える城下町を穏やかに見下ろす。
  砂塵に混じる細かな礫さえ愛しい、
  褐色のはずの世界に鮮やかな色が咲く。

 
  そんな夢を見ていた気がする。
  嗚呼これは夢だなぁと己で理解して見る夢。

  醒めたくないと願う微睡が、
  現実的な騒がしい音で破られていく。 ]
 


[ 先ずはカチャリ、と鳴る微かな金属音。
  いつもの音だと無反応を決め込んで、
  あたたかな夢に戻ろうとした意識が、
  がごん、という鈍い音に引き戻される。
  それに続いてどさりと何かが倒れるような音。

  只ならぬ様子に、そっと目だけを動かした。
  安らかな夢にさえ居させてはくれないのかと
  おまけに付け足した小さな舌打ちに、
  なぁお、と澄んだ声が重なった。

  驚いて瞬きを繰り返し、ぼやけた視界を整えた先。

  光の届かぬ此処に不似合いな、質の良い布地が
  吹くはずもない風を孕んでふわり、
  舞っていて。
 


   ……なぜ、


[ 声は掠れて、ただそれだけの言葉しか出ない。
  ずるずると体を動かして、
  どうにか上半身を起こし壁に凭れた。

  身体のどこもかしこもが自分のものでないように
  重く気怠かったけれど、大きく開いた鉄の格子と
  その隣には意識のない従者、
  大きな壺は彼女の手にか床に転がっていたか、
  ともかくそれらに気付けば目を剥いた。 ]


   
正気ですか!?

   Mais ne vous emparez pas du pouvoir!?
 


[ 身体が動けば逃げられる。
  ただ、彼女は。

  思わず上擦ってしまった声に、
  気を失ったままの従者の様子を慌てて窺う。]


   あなたは、


[ 小刻みに震える足をひとつ拳で殴って、
  ざざと音を立て折り畳み片膝をついて、
  身体を起こした。

  彼女の瞳を覗き込む。

  己は困り果て途方に暮れたような表情で、
  きっとへにゃりと下がった眉で、
  それでもおずおずと片手を伸ばして。 ]*
 



   動ける体なのかしら……?
   紙越しの口付けになってしまったから
   きちんと、したくなったの。
   
   お父様に気づかれてしまう前に
   どこかへいきましょう?
   私、何もできないけれど…
   輿入れの後、何不自由なく暮らして
   でも全てに絶望するのなら
   不自由でいいから、出来ればあなたと


   ──────  幸せを感じてみたいの。







[ 彼相手に何を言っているのだろう。
  とても困った表情をしているのを見て
  思いはすれ違っているのかと思ったしまった。
  それでも、彼の声が聞こえると  
  彼女は手に持っていた壺のことを思い出し
  床に静かに下ろせば、伸びてきた彼の手を
  きゅっと握り、優しく指を絡めて
  ゼロ距離になるのは容易くて。

  彼女は体を起こすこともままならない
  彼に寄り添うように体に手を添えて、
  初めての口づけを彼に捧げた。
  柔らかな唇が少し震えて
  彼の唇に重なっていったことだろう。 ]








   ……彼をこの中に入れて、
   入れ替わりましょう?
   鍵もかけて捨ててしまえばよいのかしら。

   私、あなたのことを忘れられないの。
   とても大切な人だと、思っているから。



[ 彼の体が何かの原因でいつもより
  動きにくいのは初動で分かっていたから、
  どうやったら動きやすいの?と
  そのまま追加で聞いたはず。

  彼女が外に出るときに使っている
  裏ルートがこの近くあるので
  そこにさえいけたなら、
  ゆっくりと逃げ出すことができる。

  ピヤールもお気に入りの彼のそばを離れず
  喉を鳴らして、昼ぶりの再会を
  喜んでいる様子で緊張がほぐれてしまった。 ]*





天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2021/04/23(Fri) 13:00:43

     『 It is a tale told by an idiot,
         full of sound and fury,
           signifying nothing. 』 



[ 脈絡もなく、借りた本の中の言葉が反芻する。
  不思議だ、と思う。
  自分の中には怒りなど無いというのに、]

【人】 中隊長 アーサー



         ―― Closed Game ――
     
鏡合わせの違いは黒か白かというだけで


 
(0) 2021/04/23(Fri) 13:32:10

【人】 中隊長 アーサー



 [から騒ぎの済んだ後にか
  さて何処かの酒場に、いつかの食事処と
  同じ席の着き方で彼らは居ただろうか。

  王宮に程近く、
  しかしあまり形式張った空気の無い
  大きな吹き抜け窓のある飲食店。その奥の席。
  店内の語らい合いもすぐ側で聞こえる程
  賑わいを見せる昼時の事。

  かの時と同じ様に注文票を手渡して、
  今度は「名物は鳩肉だそうだ」と言い伝える。
  それ以外にも肉料理のラインナップが並んで
  いるだろうし、基本的な国民食は揃っているだろう。

  大食らいには肉を。
  
堅苦しい店よりは大衆的な店を。


  そうして選んだのは此処、
  『アズラクタフリーフ』である。]

 
(1) 2021/04/23(Fri) 13:33:27

【人】 中隊長 アーサー



 [青い花を意味する店名に由来しているのだろうか、
  店の其処彼処を飾る白のタイルの
  花の文様は美しく。

  また青く透き通る
  硝子製の水飲みグラスも、
  店の清涼感をも引き出す一役を買っており
  店の良い拘りを感じさせるのだった。


    此方の注文を適当に済ませれば、さて。
       何方の話題から出したものだか。]*

 
(2) 2021/04/23(Fri) 13:33:49


自分がひどく怖がりなのは性格なんだろう。
他の兄弟と比較してはそう結論づけていた。

臆病だったから、他人の顔色を伺い過ぎて
いつしか相手が何を思っているかは手にとるようにわかるようになった。


────"あの人"を除いて。


とても綺麗な色なのに、まっくらな瞳
人を惹きつける心地良い波長の声は、水分が感じられなくて喉が渇いた

近い歳の兄達は自分を無視したけれど、星座ひと回り以上離れた面倒見の良い兄達の中で、異質に思えたのは何故だろう

考えてもわからないし、考える程に囚われる気がして、ひたすら逃げ続けていたのに。


『おまえは、ならないよね?』

 おまえも、そうなんだね 



見透かされている。いるんだ、きっと。

                
.


[それは、悪夢の続きかと思った。よく知った天井の紋様は、かつての自分の部屋。抜けられない牢獄のような日々の象徴。

背の高い窓から射し込む陽は、落ちかけていた。目線を動かして側にいる人が誰かを確認して、ひと息つく。夢からは覚めている。何が起きたかもわかっている。

ただ悪夢より酷い現実に戻ってきてしまったことを、その大切な人の姿で確認した。]


 …………ダレン。


[その人は目を開けた自分に声をかけただろうか。きっとそうだと思う。心配させたかな、ごめんなさい。ここまで運んでくれたのはきっとあなただよね、ありがとう。

そんな日常的な交流よりも伝えなくちゃいけない事がある。恐怖に裏付けされた義務感のようなそれに煽られて身を起こす。

目を、見るのは、無理で。少し視線を落として、それからは口に任せた。]


 ごめん、今更なんだけど……
 今更言われても、困らせることなんだけど

 主従関係を、解消しても、いいかな。


[添える笑顔とは裏腹に、ぼたぼたと涙が落ちた。]*

                
.


[ 空を掴むように伸ばした手は、
  容易く絡め取られ

  夢か現か、境目がぼんやりと霞む意識の中、
  先端からほわりと温かな体温が伝わる。

  耳をさらりと掃いて流れて
  鼓膜を振動させる声は
  一切の躊躇いも不安さえも感じない、
  熱の籠った芯があって。

  肩に添えられた手も、冷えた身体には熱いほど。
  滅多に降らぬ雨の雫の如く、
  静かに優しく落ちる唇は柔らかく、

  微かに震えていた。 ]
 


   あなたは、


[ 同じ言葉を繰り返す。
  かさついた唇に残る感触が、じんと胸を焼いて。]


   …… 困った人だ。
   幸せなど、他にいくらでもあるでしょうに。


[ くん、と絡めたままの手を引いて、
  立ち上がりながらぐいと引き寄せた。
  情け無いことに、壁に凭れていないと
  うまく抱きしめることもままならない。
  それでも、己より小さな細い身体を
  そっと包めば彼女の匂いが鼻腔から、
  脳を揺らす。

  髪に顔を埋め、息を吸い込み顔を上げた。
  どんな人形も敵わないほど完璧な
  カーブを描く美しい頬に触れる。

  顔を傾けて、今度は此方から、
  触れるだけの口付けをひとつ。 ]
 


[ ひとりではなにもできない、と言う
  その形の良い唇から、
  なかなかどうして豪快な提案が
  飛び出せば、目を見開いて吹き出して。 ]


   ……ほんとうに、良いのですか。
   苦労を、すると思いますよ。


[ 大切な人、と告げてくれる言葉に、
  返せるのはそんな言葉でしかなくて。

  それでも、きっと彼女とて、
  生半可な決意でここに来た訳ではないことくらい
  理解できた。

  なかなかの体格の従者が、完全に
  伸びているのがいい証拠だ、と、ちらりと見やって
  またくすりと笑った。 ]
 


[ 息を吸い込めば気道がひゅ、と鳴いた。
  ごほ、と肺の中の穢れた呼気を吐き出して、
  職務に忠実な、可哀想な従者を
  どうにか室内へ引き摺り込めただろうか。

  にゃん、とピヤールの声が高らかに響く。
  猫の手も借りたいよ、と呟けば
  なんだか楽しそうに纏わり付く艶やかな身体に
  ふ、と身体の緊張が緩むのを感じて。


  こちらを案じてくれる彼女に、
  問題ない、と告げて足を動かす。
  どうにか格子を抜けて、外から鍵をかければ、
  悪戯っ子のような表情を浮かべて
  美しい共犯者のあとへ続こうか。

  上手く進めたのなら、だんだんと強くなる
  この国特有の、乾いた風の匂い。
  祖国とは少し違うはずのそれが、今は
  とても愛しいと、一瞬だけ目を閉じて思った。 ]*
 

【人】 傭兵団長 ダイゴ

[書庫に本を返却しようと龍の名前を告げた所、彼なら奥に入っていきましたよと司書が道を示してくれた。それならば直接礼を言えばいいか、と。声を掛ける。

彼はお気に入りの――戦いのものではなく、遊戯においての――戦術書を読み耽っていた。盤上から駒を消した直後であるというのに、約束通り飯でも行かないか、と自身を誘うその口振りは、傍から見れば悍ましい程いつもどおりの龍だった。

ああ。と。出来る限りいつも通りの返事を返すように務める。

たまには此方から気に入っている飯屋でも紹介すべきだろうか、と思ったりもするが、自分が紹介する店はあまり酒の種類は多くなかった。「食事に飲酒は当たり前」とする彼の好みに合うのか、確かめた事はない。]
(3) 2021/04/23(Fri) 16:04:05

【人】 傭兵団長 ダイゴ

[目的の店>>1に到着すると、王宮が見える位置にあるというのにその客の層はごった煮のようだった。

以前の河近くの店より、観光客というかは住民の多そうな――それこそ、軍人らが服を脱いだような客層にも感じた。むさ苦しくないのは名物が鶏肉であるせいだろう。味付けが男を、健康への意向を女を呼んでいるのかもしれない。以前の店より、少し好ましく思えた。

注文書を受け取ると、相変わらず書き綴る量は無意識に人一倍という感じだった。一番人気のチキンシャワルマにも心を打たれたが、量を選べると注釈がついていたので、キョフテをメインに添え、細々と選んでいく。バターライスは忘れない。

注文書を店の者の差し出して(今回は絶対に酒は飲むまいと心に誓いながら)釣られるようにして水を飲む。>>2
くぴ、と嚥下する音が微かに漏れる。
ほんの少し迷ったが、結局此方から口火を切った。]
(4) 2021/04/23(Fri) 16:04:13

【人】 傭兵団長 ダイゴ

 ……、…。思うに。
 お前にとって俺は敵でも味方でもないはずだ。

 俺が気落ちしている理由なんて、
 お前にとってどうでもいいことだったろう?
 随分つまらない話を聞かせたと思っていたのだ。
 それでも、何が出てこようともお前は話を聞こうとした。

 …本当に一介の傭兵団に対して何か企んでいたのか?

[かつての仲間が敵だ獣だと喚いたものだから。>>2:47
鵜呑みにしたわけでも無いが、全くの出鱈目とも感じていないのも事実だった。

知らない訳ではない。或る種、蓋をしていた。
一片の駒として扱われてることが、虎にとっての薄ら寒い安穏だったことを自覚してはいたのだ。

けれどそれは、王に命じられていた時と、なんら変わらない。成り上がる為に手段を選ばないやつが相手だったし、自分にとって大事なのはその立場に立って伴う行動のみだ。]
(5) 2021/04/23(Fri) 16:04:41

【人】 傭兵団長 ダイゴ

 …小細工などなくても、
 金さえ積んでくれれば俺はお前の下でも働くぞ。

[最後に「傭兵だしな」、と付け足したが、それも投げやりに。
働く代償とばかりに机に届けられたキョフテの量は実に800gを超えていた。

大盛りバターライスのおまけつき]*
(6) 2021/04/23(Fri) 16:05:20



 俺はね、この国に帰ってくる理由なんて
 別になかったよ……



[余計なモノが止められないから、なるべく気丈に聴こえるよう、声を振り絞るけれど少し難しい。
そう、あの試験会場で。助手として誘ってくれた人も居た。少し物騒だったけど、それでもこの場所に比べたらマシなんだ。

差し伸べられた手を取らないで、あなたを掴んだ、その理由。

──この部屋の音声は、きっと筒抜けになる。好意を表す単語は外してなんとか伝えようとすが、そんなに多くの言葉をもたない自分だ。

模索した末、右の手を、ダンスを求めるかのように彼に向けて差し出した。意図が分かるだろうか? 解らなくても、重ねてくれる事はしてくれそうに思っていた。]*

                
.

[傍に控えてずっと主を見守っていた。
 主が目覚めたときにはほっとして微笑んだけれど、主従関係を解消と言われると、胸に風穴が開いた心境にさせられた]


  ……私に……至らぬ点があったろうか。
  申し訳ない。


[従者の首は主の気分次第。
 そう思ってはいたけれど、こんなに急に言われると、割り切れない。

 「国に帰ってくる理由がなかった」
 その言葉に意外性は無かった。
 主の望む暮らしはここではできない──それはダレンも感じていたことだったから。

 手を差し出されると、意図を考えることもなく主に手を重ねた。
 そうしながら、主従でいられなくなったら自分はこの先どう生きていけばよいのだろうと、内心途方に暮れていた。

 (この人を放り出して、私は……
  どう、すればよいのだろう。
  この人は私無しでも生きられるのだろうけれど) ]**



[ 困った人、と言われてしまった。

  幸せの形は確かに探せばもっとあったはず。
  けれど、それを探すことさえ躊躇われた。
  それは、彼女だけが幸せであることを
  彼女が許すことができなかったから。

  あの日、本当に迷子になって
  あの鉄格子越しに彼を見た時から
  幸せとは何かの犠牲の上で
  作られているものなのだと
  彼女はまじまじと感じ取った。

  侍女や従者たちがいるけれど
  それらよりももっと日の目を見ない、
  陰ですべての生活を支える誰かがいて。
  彼女は、その誰かに出会ったから。  ]







   ん、…………
   苦労を知らない私が、
   沢山の苦労を知るあなたから
   何も得なかったわけじゃない。

   私がこうやって会いにきたのは
   あなたが話をしてしまったからなのよ?

[ 足繁く通った彼女に色んな話をした彼。
  知らないことばかりで、
  自分の足で知りたいと思ってしまった。
      ..
  だから責任を取ってもらうために、
  彼女は彼と共に動いていたい。
  絡めた指から、彼の方へと連れて行かれ
  細くとも大きな体に包まれた彼女は
  大人しく、彼の髪を撫でられただろうか。
  頬を彼の指が優しく撫でたのなら
  拒むことなく唇を受け入れて。    ]






   何かあった時のために、
   装飾品を隠しておいたの。
   ……使えるかしら?

   夜だから、眩しくないと思うのだけれど
   休みながら、都を離れましょう?
   大河に船があると、動きやすいかしら…


[ 家の人間に気づかれないように、
  裏ルートへと辿り着けば
  そこには外套などが
  なぜかきれいに飾られていた。
  彼女が侍女たちとの外出の際に
  いつも使っているであろう外套を
  身に付けると、少し大きな袋を
  近くのカゴに入れて
  あたかも何かを届けにいくような
  様子を作り出して準備を整えた。

  勿論、彼にも目立ちにくい外套を
  渡してあげて。
  父親の話から、大河に出れば
  一気に離れることができると
  前々から考えていたので
  目指す場所をそこにしようとおもった。 ]





   ピヤール、彼のそばを離れないでね?


[ 扉から外へ飛び出せば、
  賢い愛猫にそう小声で指示を出して
  月明かりと微かな灯りを頼りに
  逃避行を始めようか。      ]*





第11皇子の従者 ダレンは、メモを貼った。
(a0) 2021/04/23(Fri) 20:13:50

【人】 中隊長 アーサー



 [此方の手元に運ばれて来たのは鳩のロースト。
  向かいの食事の量に比べ、なんと儚い事か。
  鳩と云うには足らず雀の様だなと
  可笑しそうに笑って。>>6



    …傭兵団に対して企むも何も無いな。
    懸念はしているが。

    王が亡き今
    仮留めで残存して見えているが、違うか?


 [隠しもせずに思うている事を述べ逆に窺いを立てて。
  手にしたナイフが音も無く鳩の肉を割き、
  其の紅い内面を人目に晒させる。
  ……… ]

 
(7) 2021/04/23(Fri) 20:40:57

【人】 中隊長 アーサー



    金、なあ。


 [一片口に運び、咀嚼し終われば
  傍らに置かれた緋の色の液体を半分程
  其の透明な身に満たしたグラスに口付け傾けて。
  味わう様に間を置いてからその双眸を見つめて。
  
薄暗い思惑などまるで無いと云う様に、

  前を見据えていつも通りに笑ってみせた。]


    戦う理由が無いなら
    俺の為にでも戦えば良いじゃないか、
    と伝えようとしただけだったな。

    悪い話にもさせないつもりだったが。


 [軽く、流暢な声音でその提案を伝える。
  新しい王が決まれば古い機関や組織がどうなるか、
  余程の功績や皇族、貴族界隈との伝手が無いと
  簡単に解体されかねないだろう。
  なので傭兵団の存続を兼ねて、
  其の援助…、此方側の伝手を紹介して
  恩情でも売りつついざという時の切り札に
  使わせて貰おうかと考えていたのだ、と ]

 
(8) 2021/04/23(Fri) 20:42:29

【人】 中隊長 アーサー



 [それはそれは包み隠さずに。
  赤裸々津々浦々に至れる様にと
  彼、と云うより彼の周囲に対しての
  思惑を吐き出し伝えていった。

  どんな顔をするのだろうかと一拍
  反応を待って黙り様子を見るだろう、

                   が ]

 
(9) 2021/04/23(Fri) 20:44:10

【人】 中隊長 アーサー



 [ふ、と次には
  いつもより柔らかく笑ってみせて。]



    まあ、
    戦う理由なんか無くとも
    お前は十分戦えてはいたが、な。

    見ていて飽きないよな、お前は。


 [そう楽し気な声で投げかけた。
  そうして一つ声を上げ笑ってから、再び見据え。]

 
(10) 2021/04/23(Fri) 20:45:08

【人】 中隊長 アーサー




  ―― 、

    単純に
    俺と手を組んでくれないか?ダイゴ。


    お前が戦う様をまだ見ていたいし。

    こうして無遠慮に食いまくる様を観るのも
    その度聞かせてくれるお前の身の上話を
    聞くのも楽しいからな。



 [
渡す本を楽しむ様を眺めるのも面白いし。

  と、最後の言葉は伝えるのは止めつつ。

  単純な金での関係ではなく、
  対等な立場としての申し入れをそう、
  軽やかに涼やかに彼に伝えてみせるのだった。]*


 
(11) 2021/04/23(Fri) 20:46:47



 !っ、違うよ!
 ダレンに至らないところなんてない……!


 違うんだ、俺がダレンを、

 (好きになっちゃったから
  好きだって事に気がついちゃったから


   ──なんて、駄目だ、言っちゃ。)


[やはり自分の稚拙な表現力には、限界がある。言葉にはできない、なら]


(──家族じゃしない愛情表現って、なに……?)


[しばし模索して、差し出した手にはその手が重ねられた。それだけで僅かに高揚する自分を心底恨めしく笑う。自分とは形の違うその手のひらを頬に当てて、口吻を落とす。]

                
.


[その手を両の手で包んで、手首から指先まで唇でなぞる。時折柔く食んで、形を確かめるかのようなそれを、話しながら続ける。]


 ……『俺を危険から護って欲しい』って、
 言えば、申し出は断られないと思った

 その為だけに、危険を捏造するためだけに
 この国に戻ってきたんだ

 ……莫迦だよねぇ……いろいろ、気づくの遅すぎて
 巻き込んで、ごめん


[もしかしなくても、言ってる事とやってる事に相当の乖離があるだろう。正気を疑われるかもしれない。

いやもう頭はおかしいのかもしれなくて、終わらせようとして苦しいのに、触れているのは嬉しいなんて、気持ちが滅茶苦茶になってる。

笑いながら泣いて、自分も何がしたいのか混乱している。とにかく今、守るべきはこの目の前の大切な人の安全だ。]


 このままここにいると、ダレンまで危ないから
 もう、やめよ……って。俺と離れれば、
 危害は加えられないはずだから。
 
*
                
.

 
  ……私を?


言葉を途中で切られ、重ねた手を取られて、主の唇が触れる。
 手首から指先まで形を確かめるように唇が滑るのは、まるで愛撫されているかのようで、頬が熱くなるのを感じながら主から目を逸らした]


  ……私が守りたくなるような危険を
  用意するために、戻ったと?
  ……そのためだけに?


[何故そんなことを、と問いかけて。

 「ダレンと会えて、良かったなぁ……」

 しみじみとした主の呟きが脳裏に蘇った。

 そんなに、自分の身を危険に晒してまで連れ帰りたかったのだろうか──]

[──でも、それは。

 「ダレンは、俺と家族になるの嫌?」

 その、言葉の意味は。


 試験会場では「求婚されているみたいだ」と言ったら「そうかもしれないな」なんて返されていたけれど、深い意味があるものとは思っていなかった。

 「家族になってほしい」とは、「生涯の伴侶になってほしい」という意味だろうと言ったときの、主の反応を思い返す。
 あれは。
 本当に、打ちひしがれたのかもしれない──]

 
  ……ハールーン殿。
  まずは……家に帰らないか。

  ここで込み入った話はできまい。


[主が流す涙を拭おうと、指先を主の頬に近づけた]


  それに、ここにいるとハールーン殿の身も
  危険だろう。

  一度、帰ろう。

  もう私は貴殿の従者でないのかもしれないが、
  危地に単身で残るのは友人として見過ごせない。


[諦めが悪すぎるだろうかと思ってはみても、護りたいと思った相手に首を切られてそのまま置き去りにすることはダレンにはできなかった。
 それに、従者でなくとも友人だとは思っていたから。
 彼の身の安全を確保しないことには、主従関係の解消を受け入れられるとは思えなかった]*

【人】 傭兵団長 ダイゴ

 そうか。
 俺からはそれだけ聞ければ良い。

[企みはない>>7というフレーズが解禁のワードだったかというように山盛り肉団子の一つ目に口をつける。アーサーがかの将兵と同じように、傭兵団の名ばかり利用する輩でないのなら、十分だった。
肉は、程よい脂が舌鼓を打たせた。けれど鳥肉が主体であるためか臭みもしつこさもない。]

 ああ、数年前まであった"配当"は出ていないな。

 今は、自分らの稼ぎと仲間の温情で成り立っている。
 勿論誰かにつけば仮留めでなくなることを承知の上で、な。
 
[アーサーがココウにとって危険因子でないと判断したのは独断だ。しかし、ココウは彼の言う通りの現状にある。今のままなら、奴が手を伸ばす前に瓦解するだろう。
だから、これ以上隠す必要も無い。以前のような端切れの悪さはなく、咀嚼の合間合間で、本音を晒す。]
 
(12) 2021/04/23(Fri) 22:06:07
 (…もっとも、お前自身が目星をつけた皇子が
 王にでも成ったときは、話が違うかもしれないな。)


[彼が少し腹の中を見せてくれている最中、
その言葉だけは、咀嚼の中に閉じ込めた。
今のうちから龍の影に身を潜め、
新たな王に尽くすのも悪くない。]

[さて、この国に、
結局龍の審美眼に叶う者は結局存在するのだろうか。

市を取り仕切る民衆の味方?
手を汚す覚悟などとうに出来ている益荒男?
手を汚す事こそ捕食者として瞭然たる大蛇?
未だ未来も過去も純粋な幼き希望の種?

――混迷の道で従者に手を伸ばす幼き賢者が、
王となりえる欠片は、千夜一夜、大河の光の粒の一片に
消えているのかもしれないけれど。

嗚呼、嗚呼。
単なる傭兵は皇族には非干渉なもので。]

[付き従うのではなく、
 同じ紅の駒を取るという選択肢が。
 駒ではなく、盤の外から眺める楽しみ方を、

 様々な言語のように、旨い飯のように、
 沢山の本の物語のように、教えてくれるのならば。

 雲の上に上り詰めた龍が、いつ堕ちてくるのか。
 はたまた、革命家にでもなって雲の上の存在になるのか。]

【人】 傭兵団長 ダイゴ

 ……そう、だな。
 俺も少し興味が出てきた。
 
 俺にも、聞かせてくれ。
 お前の次の戦局とやらを。

 それに対して俺が、「虎口」が必要なら。
 多少の口車になら乗ってやらんこともない。

[今まで肉ばかりに伸ばしていたフォークを、
バターライスに差し込んで、四分の一ほどかっこんで。
潤った喉に、こくりと通す。

酷く美味だった。
酒なんかなくても、今は目の前の男の話が肴だった。]*
(13) 2021/04/23(Fri) 22:08:48

【人】 放浪者 イシリオン

[ >>2:139 大柄の男性客らしき人物が店から出ていくのを
 少々申し訳なさそうに眺めながら、口ぶりからきっと
 常連なのだろうなと感じたりなどして ]


  これは、ご丁寧に痛み入ります。
  アルフレドさんのお造りになったものは美しいですね。

  手に入れられて本当によかった! 
  どうもありがとうございます。


[ 箱の中身を確認させてもらうと、丁寧に品が並べてあり、
 魔法石や銀細工の輝きとともに感心しながら礼を述べた。]
(14) 2021/04/24(Sat) 0:07:41

【人】 放浪者 イシリオン


[ >>2:140 代金を支払いながら、箱を受け取ると
 彼の問いには微笑みながら答えたことだろう。  ]


  …えぇ、ありますよ。
  僕は様々な国を旅する行商人ですので。
  何かご興味のある品がありましたら、お声がけください。

  ご希望のすべての商品ではないかもしれませんが、
  他国の珍しい織物はもちろん、
  金属も少しですが取り扱っております。
(15) 2021/04/24(Sat) 0:09:59

【人】 放浪者 イシリオン



  そうですね、例えば…
  こちらの国では珍しいのでしょうかね。

  『珊瑚』、といって海の中に住んでいる生き物なのですが
  大変美しい紅い色をしていて、アクセサリーに使う方が
  多いですね。

 [ 他にもなにか珍しい品を求める様子があれば、
   他の候補を出してみたりするだろう。 ]**
(16) 2021/04/24(Sat) 0:11:21

【人】 仕立て屋 アルフレド

 >>14ほいこれで。
 じゃあ―
 
[もらうものを貰うと、大事そうに、それでもすっとしまおうとして、ふと手を止めた。]
(17) 2021/04/24(Sat) 0:42:56

【人】 仕立て屋 アルフレド

 へ…え…

[>>15珊瑚。
思わず見たことがないものを見て言葉が止まる。]

 わっかんねぇ…けど。
 たとえば、神秘…みたいな、そんなイメージがする。
 
 これは…石なのか?石じゃないの。
 いきもの―生き物なのか、これが。
 
 海っていえば、あれだ市場直送魔法できた魚のいる―
 ほーお。

[語彙力が失われたかのように単語だけまばらに出てくる。つい右から左からと視点を変えながら見てしまう。]
(18) 2021/04/24(Sat) 0:49:17

【人】 仕立て屋 アルフレド

 そのままでもきれいだが、これきっと作ったらやべーな。
 あれでも、これでもいい…

[素材を生かしたアクセサリ、複数のぱっと思い浮かぶデザイン、作ってみたい欲求に駆られてしまう。げっへへ。]

 おっとすまねえ、ぶっちゃけ魅入ってたわ。
 >>15そうだなあ…こういうアクセの材料にするものがあれば、買ってくぜ。

[海に思いを馳せた後、金は今貰った分とは別に、新たに用意して。]** 
(19) 2021/04/24(Sat) 1:19:32

【人】 中隊長 アーサー



    老木達の拠り所すら、
    解体の憂れき目に遭っているからなあ。
    >>0:-106>>1:205


 [此方にとって脅威ではない
  イコール敵側でない、敵側には成り得ないならば
  態々一つの組織に手を打つ必要も無く。>>12

  寧ろ得をするなら手を差し出すと
いう
もの。


 
(20) 2021/04/24(Sat) 5:14:01


 
[一切の濁り無い真実こそ強かであって。]


 

【人】 中隊長 アーサー



    直接的に救うのは俺では無いさ。
    担保に俺の身元を使いはするが。
    …っはは、耳の痛い話をする。


 [言いながらまた肉の一切れを口に運んで。
  燃費の悪さ等多少上乗せした功績で
  打ち消させる予定ではあった。>>-61
  何処かの老獪を通じ、国の政治者達とも
  繋がりを築けるようにここ数日動き始めていた。
  参謀室にも奇天烈ながら有能な知人も居るし、
  皇族
、正確には間者を挟むが、
とも折り合い良く
  過ごさせて貰っている。

    何ら後方支援に穴を作らせる心算も無かった、が ]

 
(21) 2021/04/24(Sat) 5:15:27


 [そうして万一支援する皇子が倒れた処で
  損をする心算も無かったが 
   ]

 

【人】 中隊長 アーサー



 [付け合わせの、同じくローストされた
  玉葱を肉叉で刺し口に運ぶ。
  肉汁と果実のソースとが絡んだ其れは
  香ばしさと甘さと芳醇さとが複雑に交わり
  口の中で美味を踊ってみせて。
  
         悪くない、と噛み締めれば。]


    ……なら、まずはこの国の内情の
    泥海の様相と主要人物の話から
    始めてみようか。

    もしかしたら其処いらの本よりも面白く


    眠れぬ日も来るかもしれないが


 [戦局の話を聞かれたならそう答えて。

    
見えているだけでも荒れたこの国の、
目に映らぬ惨状を耳にしたら
この男はどうなるか。


 
(22) 2021/04/24(Sat) 5:20:05


 [
そう内心を酷く楽しそうに高揚させて。


  こんな場であれば多少の虚飾を加えつつも
  例えば先日手渡した本の登場人物に準えて
  愉しく、
     滑稽に、

         語り始めてみせるのだった ――]*

 



 …………帰りたい、でも、


[提案を、されるとは思わなくて、ぽやっとダレンを見つめてしまった。咀嚼せず、素直に返す。

あの家なら安全だ。外部からの魔法は効きにくい波長帯域に建っているし、母からの守護魔具も張られてる。
けれどもそんな場所で、自分は想いを吐露せずにいられるだろうか。
頬を拭うこの指すらも、もう離したくなくてたまらないというのに。

躊躇っていれば、突如部屋の中に響いた声。]



 「おいおい……そんな簡単に
    出ていけると思ってちゃァ困るぜよ。」



[その声の主は部屋の中央の空間から現れる。今日ここへ招き入れてくれた兄、アンタルだ。
イスマーイールの言葉がよぎって、身構える。]

 
  ──アンタル…………!


                
.



 「おっとォ、そんな警戒すんなよ〜?

  まぁ少々悪役よろしく登場しちまったから
  しゃーないぜな!
  この部屋にかけられた監視包囲術を解いて
  代わりのセンサーを張っておいた。だからすまん
  話す内容は聴こえていた。」


[帰るのは止めないし、むしろ帰しにきたという。俺の所持するの魔法具は建物内からは使えない、現在ちょっとした非常事態で内部セキュリティも上がっていて、アンタルがいなきゃ外に出ることも適わないのだ、と。]



 「で、簡潔にこれだけな、ハールーン。

  ダレン君の身の安全を思うなら
  むしろ離れちゃァマズいぜ。」


[そうだった、今の話は筒抜けだったのだと改めて羞恥を感じつつ、意外な言葉の先を待った。ここにも、少し期待してしまう自分いる。離れなくていい道があるのかと。]


 「イスハークに何を言われたかは知らねェが

  お前が身を引いたところで奴がダレン君を
  殺さない保証があるか?」

                
.


[その名前に、びくりと身体が硬直する。]


 「イスハークのお前への執着の仕方は昔から
  際立って歪んでるのは皆も思ってたさ
  お前がちょこまかと鼠みたいに逃げ回るのが
  面白いんだと思ってたんだが……。」


  ひ、ひど……


 「はっは!助けてたし良しとしてくれ!」


[彼にとって俺は支配しにくいのだろう、と。だからより追い詰める必要性に迫られている。従者を連れてきた事でこれまた恰好の餌食となるのだと。

イスハークにはダレンが、ハールーンを支配するための手頃な駒に見えている、と、そう分析された。

関係ない人間になれば流石に危害は加えたりしない、なんてのは悠長に思えてきた。そうだ彼は兄を殺した──
もしかしたら、父だって。
]



 「だからむしろ離しちゃいけねんだなァ。

  『従者』を、最後まで護ってやるのも
  主の務めと、俺ぁ思うぜな。」


 
 「で、だ、な。話を続けるが、

  ちょっとした非常事態、は出国制限まで
  広がってんだ。一応、火種になってたものは
  解決したんで数日で解けるだろう。

  だがハールーン、お前は無理かもしれない。
  前に国から出したときの偽装手形も使えん。

  波長帯域が違うから、お前の魔具では他国には
  飛べないのは知ってるよな。
  転移装置は王宮にしかないが、今は護衛付きで
  閉じている。

  向かう先によっては、俺の飛空艇で
  任意の国まで輸送してやってもいい。
  数日を待てるならそれもアリだぞ。」



[この兄には、自分の心境を知られているのかと少し怖くなる。

──『この国では幸せになんてなれない』事を。
隣のダレンを見る。信じていい、のだろうか。]


                
.



  …………アンタル、イスハークに怒られない?


[下手なカマのかけ方だと思うけど、もし二人が繋がっていたら違和感が拾えるかと思い、半分正直に気になっていたトコロを質問で投げてみれば、恐ろしく豪快な笑いに吹っ飛ばされる勢いだ。]


 「確かに〜? 俺の〜? ……力の半分は、
 亡き皇太子からのお下がりだがよ……くくっ

 もしかして俺があんなヒョロ長の海藻野郎に
 敗けると思ってるかァ〜??


 ──まぁ同じ土俵で戦やァ敗けるだろな。

 俺には『支配すること』はコストがかかる
 奴には『信頼』がそうだろう
 得意な分野が違うってだけだ。

 大丈夫、そうそう敗けねェぜよ。」*


                
.

村の更新日が延長されました。

村の更新日が延長されました。


[ 小さなピヤールに倣って
  足音を立てないように歩こうとするが、
  持ち主の言うことをなかなか素直に
  聞かない足は勝手にふらついたりするので
  なかなか大変だった。
  幸いだったのは、枷がなかったこと。

  迷子のはずの彼女は、すいすいと進んで行く。
  都合の良い迷子だ、と、
  身体の辛さに反して口元は柔らかく
  緩んでしまう。

  辿り着いた先に、綺麗に準備された
  装飾品や外套をも紹介されれば
  今度こそはっきりと笑い声が漏れて。 ]
 

天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2021/04/24(Sat) 8:03:56


   用意周到ですね。


[ 手早くそれを身に纏う。
  良い生地の首元を合わせれば暖かく、
  不思議と背筋が伸びる。
  嘗て祖国に居た頃の記憶が
  じんわりと蘇るようだった。

  どれくらいぶりだろうか。

  扉の向こうは、外。
  月がある。
  夜の帷があたりを包む。
  風、熱気、生活の匂い。

  活躍する機会が無くなっていた五感が
  いそいそと動き出し、
  ひりひりと神経の存在を訴える。 ]
 


[ 屋敷から少しずつ離れたのが分かれば
  通り添いの壁にとすん、と背を預けた。 ]


   ……この国の城下町に出るのは、初めてです。
   こんな時間にも、開いている店はあるのですね。


[ 荒む息を整えながら、辺りを見渡す。
  良い国だと思った。
  今は、荒れていて尚。

  口が乾いて、気管がぜいぜいと音を立てる。
  水は貴重な国なのだろうか、
  自由に使えるような井戸があればな、と
  荒れた唇を舐めた。

  足元には、澄ました顔でピヤールが座っている。]
 


   ─── すみません、お礼を言うのが
   遅くなった。
   何から何まで、世話をかけるばかりで。


[ ふと我に帰れば目を伏せて。

  当面、何処かに出るにしても、
  金が必要なのは世の常。
  彼女に抜かりは無いのだろうと思いながらも、
  水ひとつ自分では手に入れられぬ申し訳無さに
  情けない思いはどうしたって生まれるけれど。]


   このまま何処かに向かいますか。
   何処へでも、あなたとなら。
   あ、ピヤールもね。


[ そっと、月明かりの下、白い腕に触れて。]*
 

「帰りたい」
 ぽろりと出た言葉から、涙の意味を悟る。

 攫って逃げでもしたら、彼の気が咎めず自由の身になれるだろうか──なんて柄にもないことを考えて。

 そこへ現れたアンタルには緊張が走ったが、少なくとも今は味方であるらしい。
 そうして、かえって己の身が主の枷となっていることにダレンの表情は僅かばかり暗くなった]

アンタルが説明する事情を聞いて、これは渡りに船ではと思いながら隣に視線を向けると、ちょうど目が合った]


  ……共に、この国を出るかい?

  帰ってくる理由がなかったのなら、
  出て行くのに未練も無いということだろう。


[「ハールーン、お前は無理かもしれない。」
 アンタルがそう言うのは、共に亡命できるよう計らってくれる、ということかと解釈した。

 数日かかるのもかえって都合はいいと言える。
 買い込んだ食料をそのまま置き去りにするわけにもいかないだろう]

[海藻野郎だとか不良債権だとか、よくもそういう蔑称が思いつくものだと苦笑しつつ。

 イスハークとアンタルはあまりにタイプが違うし、目指すものも異なりそうで、言うとおりライバルなのだろうと解釈した。

 共謀して陥れるなら、もっと簡単な瞬間がさっきあったのだから]


  亡命の手引きをして、
  貴殿の不利にならねばよいのですが。

  王位を継ぐおつもりでしょう。


[有利不利という話になれば、それこそハールーンには婿入りでもしてもらうのが平和に暮らせる道のひとつなのだろうけれど。
 それは彼は望まないと、よくわかってしまった]**



   街に行くときに、外套を身につけて
   その日につけていた装飾品を偶にここに残したの。

   来ないかもしれないけれど、
   こうやって逃げ出すかもしれない日の
   支度金として、ね?


[ 用意周到と言われてしまえば、
  ふふん、と明るい声で答えた彼女。
  侍女たちだけが知る場所だから
  彼女たちは先にあの屋敷から出ている。
  アウドラがこっそりと衣類を
  何かに使えたら、と渡しているので
  少しの間は大丈夫なはず。     ]






   私も、初めて見るわ……
   こんなに賑やかなのね、街は……


[ 彼が動けるように適宜休憩をとりながら
  賑やかな方へと向かって
  腰を下ろすことが出来て尚且つ
  何か食べられるものがあるところを
  目指すことにしていた、彼女の中で。
  彼が時折むせているのが目に着いたことで
  飲み物がなかったことに気づいた。 ]






   動くためには食事をしなきゃ…
   大丈夫、この場所を出た後は
   私があなたにお世話になってばかりに
   なることが目に見えているから。
   今だけは私が頑張るの。


[ 彼がお礼を言えば、
  ふふっと笑って首を横に振った。
  まだこの中なら彼女はなんとか生きていけるけど
  ここを出てしまったらもう、
  彼女は無知を晒してしまうから。
  彼の手が腕に伸びればそれに手を重ねて。 ]


   もう少しで、着きますから。
   何か飲みましょう?
   私、貴方に会うのに今日はどちらも
   持たずに会いにきてしまったから。






[ ピヤールは、付け足しのように言われたのが
  少し気に入らなかったのか、
  すたすたと先に行っているようだけれど
  偶に止まってはちらりと2人の方を見て
  すたすたとまた歩き出して。

  彼女はふふっと柔らかく笑っていた。
  拗ねているようにみえて、可愛く見えたから。

  お店にたどり着けば、お水を、と
  お願いをして手前の席に入れてもらったはず。
  ピヤールもいるので、奥の席は諦めた。
  あまり煩くもなく、落ち着いた店だから
  彼にも気に入ってもらえたらとちらりと
  視線を彼へと向けたことだろう。     ]*






─アンタルの視点から・宮殿内─


  ……なぜそんな事を訊く?


[それは他愛のない質問だったろうか。それとも『主人の兄』である自分への気遣いというものか。

意図はどうあれ、敢えて声色を落として返答を。調書に拠れば──いや、自己紹介があった通り、兵士であったという彼なら──察知するものがあるか。否か?]


  俺は元々ウスマーンに付いていたから、
  それを引き継ぐ形でまァ、争って居る。
  兄貴の嫁さんらや子供も居るしな。
  彼女らをみすみす殺させる訳には
  いかねェってとこだ。

  ただ……ハールーン、お前を守りたいと
  思ったのは本当だよ。
 
  ……お前の様な人間が、近くに居てくれる
  のは支えになるってもんだ。


[弟に何かしらの情は抱いているだろう従者は、この言葉から何かを得るだろうか。]

                
.


[──本当は近くで飼えたなら良かったが。

厄介な"兄上様"が抱く、無意識レベルでの愛情の発露が何を引き起こすかが読めず、殊更に面倒臭くなるのを懸念し、一旦引き剥がすのが良いと思案した。

輸送を兼ねて潰しても構わない。そして、奴につけ入る隙を作ってもいい。だが、まだ始まってもいない戦いだ。手札として使うのは今では無い。]


(そもそも自分自身が毒の塊になる様な不器用な奴が、長生きする訳は無いんだよなァ?)


[ "正直、力になって欲しくはあるが、愛弟を守り抜く覚悟の人間"、が放つ笑顔を作る。
さて、弟達はどの手段を選ぶだろうか。何方にせよ何処へ向かうにせよ──こちらの手中だ。]


 アルスラーンも俺が守るし、心配するな。


*

アンタルに問うた言葉は疑問を与えてしまったらしい。
 失敗したか、と思いながらも返答を聞いて]


  ……なに、本当に善意かを推し量れるかと
  思っただけですよ。


[力を貸すふりをして自分の都合のいいように使う──そういうことが無いとも限らない。
 が、この話しぶりならどうやら本当に信用してよさそうか、とダレンは見当をつけたのだった。

 それならば力を貸してもらって、国外に出してもらおう。
 その先いかに追跡を逃れるかは、国を出てから考えよう。
 ダレンは内心でそう結論を出して、主──国内にいる間は主と扱うことにした──のほうを向いた]**



 (ダレンと離れなくてよくって、この国を出ていける……?)


[交わされる二人のやり取りを眺めながら、『共にこの国をでるか?』という言葉を反芻していた。

イスハークの存在に一抹の不安はあったものの、アンタルからかけられる言葉は自分に勇気をもたらしてくれた。あの小さな弟も、この兄に任せておけば安心だと思える。

ダレンから注がれる視線を感じる。きっと彼の答えも自分と同じものだ。]


 アンタル……ありがとう……
 お願い、します。


[目を合わせて、しっかりと告げれば、いつものあの笑顔で。
差し伸べられた、その手を取った。]


                
.

【人】 第11皇子 ハールーン


出国制限とは、第4皇子の行方不明に由来していた。皇太子殺害の日から姿を見たものが居なかったが、先刻見つかったと、街の話題になっていた。

その発見は『最悪な形』ではあったが
情報通り、数日後には出国制限は解ける。

王宮の護衛は国軍に混じって、第2皇子の兵と宙に浮いた第4皇子の兵の衝突があるとも聞く。


転送装置は使えないと考えた方が良い。
この国を出るならば、アンタルの輸送機を借りる事になるのだろう。

                
.
(23) 2021/04/24(Sat) 18:06:00

[無事に別宅に戻れば、空はもう夜色になっていた。

数時間前とは何もかも状況が違っていて、心の整理がつかないまま、食べておかなくちゃいけない食材をある程度形にしやすいように仕込む。

出来れば日持ちする菓子類にしようと、ぼんやり考えていた。]


 (この国を、出るんだ……ダレンと一緒に……)


  ──ぇえ…………?


[何度考えても、心がついていけなくて思い返しては手で顔を覆った。状況を整理するほど、あの恥ずべき行為に思い当たりそこで思考が止まり、無心で食材を仕込んだ。その繰り返しを、している。

全部伝わってしまったのだろうか。
いや、伝えたかったのはやまやまなのだが、もう二度と会えなくなる覚悟でいた先刻とは状況が違う。

改めて話した方が良いのか、話すべきなのか、悶々としながらいたら、うっかり指を切ってしまった。思わず刃物を床に落とす。]*

                
.

[無事に主の別宅に帰り着いた後は、保存食作りを手伝っていた。
 数日分の弁当代わりになれば、どこの国に行くことになってもその先でなんとかなるのではないかと。

 しかし任意の国と言われたからには、どこか望ましい国を見つけなければならないだろうか。
 この国の動乱に巻き込まれることのない国が良いだろうが、ダレンがパッと思いつく国はなかった。
 ダレンの祖国はそれなりに平和だが、そう遠く離れているわけでもないように思う。

 できるだけ遠い国がいいのでは。
 しかしあまりに文化が違いすぎても困るだけだろうか]

[どうしたものかと考え込んでいたら、刃物が床を鳴らした


  ハールーン殿!?


[弾かれたように音の出所を向き、そのまま飛びついた。

 主は指を切っただけのようだが、傷の深さはどれほどだろう。

 傷に一番近い関節を押さえて、傷口を心臓より高く掲げる──そんなシンプルな止血を試みようとすれば必然的に主の手を握り締めることになるのだが、果たして手を任せてはくれるだろうか]*


[上の空だったものだから、だいぶ横着をしていた。黄色く柔く熟したフレッシュデーツを手のひらに乗せてナイフで雑に切り分けていて。
力加減を間違えた拍子に、左手の人差し指から中指に渡って、第二関節と付け根の間の肉を割ってしまった。

感じた痛みから想像していたよりも流れる血の量が多くて驚いたのだが、それよりも。

──どう考えても止血の為だと解っていても、手を握られてるこの状況に先程の自分の行為のフラッシュバックを禁じ得ない。

顔に血が上るのを感じて目を逸らすと、艶めいた板張りの床にポツポツと赤い斑点が拡がっていく。これは恥ずかしがってる場合じゃないかもしれない。]


 ──ごめん、思ったよりやっちゃった……


[赤面しながら、バツの悪そうな上目遣いになるのは、まともに顔をみられないからだ。いろんな意味で。]

                
.



 治癒系の魔法具とかあったら良かったんだけど
 ……結構高価なんだよね。
 というか、怪我なんてあんまりしなかった
 からその必要性を考えた事なかったな

 こういうトコ、俺って『皇子』だよねぇ
 手当の仕方とか全然わからないや……
 執事試験の為に色々教わった筈だったんだけどなぁ


[医療セットをダイニングのテーブルに置きながら、手当をダレンに任せた。いろんな種類の羞恥が混ざって、いつもより饒舌になる。

ダレンは兵士だったし、こういった医療行為は日常の一部だったろうか? 手際は良いのだろう。
そして着々と進めていくその『手』を、どうしても意識してしまうのだ。

──ああ叫び出したい。叫び出したいあまり、余計な一言が口をついて出た。]



 あの、さっきは、ごめん。変なことして……



*

傷口が第二関節と指の付け根なのを目に止めて、主の手首を強く掴んだ。
 血管を圧迫するためではあるが、血を滞らせすぎないように手の血色には注意を払う。
 手の高さを主の顔より少し高いくらいに保って、血が流れ落ちるのが止まるか見守り続けた。

 無事に瘡蓋ができたなら、旅の荷物に入れて持ってきた薬で手当てをするだろう。傷の化膿を防いで治りを早める、薬草由来の塗り薬だ。
 ダレンの祖国は魔法具は庶民にまでは普及していないが、代わりに薬草学は古くから根付いていて、庶民でも平易なものは使いこなすほどだった]

[無言で手当てをしながら主の話を聞いていたが、表情を見る余裕はあまりなかったかもしれない。
 だが、謝罪の言葉を聞くと、ぴくりとダレンの手が止まった。
 あのとき主にされたことを思い出すと無性に気恥ずかしくなって、頭の隅に追いやろうとしながら]


  あまり気にしないでくれたまえ……。

  ……それよりも。
  今日は料理も荷造りも終いだな。
  動かして傷が開いてはいつまでも治らない。


[話題を逸らしたわけではないが、必要と判断した話に切り替えた。
 傷薬を塗り終えた後は、傷口が開かないように指を包帯で固定して]


  傷口を縫える医者か、塞いでしまえる魔法使いがいれば
  動かすくらいはできるだろうけれど。
  魔法具は高価なのだったな……。


[まずは軍隊がほしがるものだろうから、傷を癒やす魔法具が値が張るのは頷けた。
 魔法であっても傷を完全に癒やせるのは相当に高位で、大抵は応急処置程度の効力のはず。少なくともダレンの知識にある治癒魔法はそうであった]

 
  ……国を出る前に、王家の息がかかっていない
  魔法具がほしいな。


[どう探せば手に入るものかはわからないが。

 国内ではどこでどう皇子たちの手が回っているかわからない。
 アンタルの様子を見れば、市場の店は性質によらず彼の支配下の可能性があった。

 彼は今のところ友好的だが、この先もそうとは限らないだろう。

 住宅街に店を出しているアレフシルバーはどうだろうか……そう思い浮かべながら、主の様子を窺った]*


[ 初めて会った時は、あれ程頼りなげで
  儚げで、一人で生きて行くなど
  到底無理だと思った。
  彼女の瞳は、今後ろ盾を無くして尚
  きらきらと光を撥ねて輝く。

  ─── 綺麗だな、と思った。

  そっと重ねてくれた手も、震えてはいない。

  月の側には星が瞬いていただろうか。

  己よりずっと強く、凛と前を見据えた
  その双眸は、砂糖をざあと撒いたような星空の、
  砂金に似た煌めきにも決して引けを取らない。

  触れた手に力を込め、甲に唇を押しつけた。]
 


   ……いつもあなたが来てくださるのを、
   困りながら喜んでいました。

   するりと差し込んでくれる食べ物も
   ありがたかったけれど、
   あなたのドレスの裾が花が咲いたように
   舞う様が好きだった。


[ 拗ねたようにすたすたと数歩離れては
  ちらりとこちらを振り向くピヤールに
  ふふ、と笑いながら。

  自らの気持ちを言葉にして伝える。

  手にした自由の責任とその重さに
  決して負けぬよう、顔を上げて。 ]
 

【人】 le chien セト

 *

[ ピヤール連れの入店は難しいと
  覚悟していたが、あっさりと店内へ
  案内されればひとつ安堵の息を吐いて。>>D22

  大衆的なグラスに満たされ手渡された水は
  澄んでいて、ゆっくり口にすれば
  冷んやりと心地良い。

  見えない内臓の形を示し教えて行くように、
  伝い落ちる冷たい水が胃の腑へ辿り着いて、
  入れ替わるように安堵感が込み上げた。 ]
 
(24) 2021/04/24(Sat) 23:15:22

【人】 le chien セト


   そういえばなにかを口にするのは
   久しぶりな気がしました。

   ピヤールは、お腹すいてないかい。


[ 足元に利口に丸くなる艶やかな背中に
  声をかける。

  そうしてぐるりと店内を見渡した。
  ほかに客はいただろうか。 ]


   ─── これから、どこへ向かいます。
   国を出ることまでお考えでしょうか。

   俺の髪は夜半でも目立つ。
   あなたを連れ攫って逃げたという、
   大罪人の触れ込みが回るまでに、
   国を出るほうが良いと思うのですが。

 
[ そんなことを、ぽつりと口にして
  美しい瞳を窺い見た。 ]**
 
(25) 2021/04/24(Sat) 23:17:44

【人】 祓魔師 ダンテ

[ >>2:143数日のことだとあたりをつけていたからのこの宿の予約だった。あまりに長期になるなら、そもそも自国に連絡を取って、救出してもらえるよう手続きを踏むとか煩雑なことになりかねなかったのかもしれない。

 >>23幸いそんなことにはならず、ある日の朝、新聞に出国制限の解除の文字を目にできた。]

 もう宿の延長は必要なさそうだね

[ 二泊までは確定で取っていたのだが、三泊目からは手持ちと相談しつつ延泊を交渉するか宿を変えるか。そのどちらも必要なさそうだった。

 昨晩は昼からルームサービスでワインなど頼み、日暮れを待つ間、時刻表を眺めて予定変更を余儀なくされてしまったルートを考え直していたところだったから、ちょうどよかったかもしれない。

 予約していたホテルにも状況説明の上ドタキャンの連絡を通信機器などでおこなっていたが、幸いハイシーズンからはずれているため数日ずらすことは可能だったようだ。渋られはしたが。]
(26) 2021/04/25(Sun) 0:30:32

【人】 祓魔師 ダンテ



 最初は渋々だったのに発つとなると少し寂しいな

[ 日が暮れてから見に行った、灯りを灯された宮殿の荘厳さを思い出す。明け方白んで窓から見える王宮は火が消えて、自分の勝手な感傷で寂しげに見えた。
 とはいえ今から1日がはじまるのだと、別の人から見ればまた違って見えるんだろう。]

 えっと、7時と9時と、18時発が今の所候補なんだけど、荷造りは間に合いそう?

[ 6時前に目が覚めた自分はドア外にかけられていた朝刊を取り込み目を通してそんなことを尋ね。
 列車の時間が開いているのは昼時間を避けたせいだが、そのことは黙っている。

 ヴィはきっと自分よりも早く目覚めていたことだろう。昨晩は彼も昼頃起きて自分に付き合ってくれていたと思うから、少しは夜眠ってくれただろうか。

 代わりに自分が昼間のワインのせいで少し眠っていたのだが、だから彼に酒が弱いと思われている気がする。*]
(27) 2021/04/25(Sun) 0:31:45


 おはようのキスをしてもいい?

[ ヴィはその時どこにいたんだろう、バカみたいに毎日繰り返してやろうと思っている。そうしたらいつか当たり前のことになって習慣になるはずだから。*]

 

[しかし、木漏れ日も差し込まない日陰の語らいは、
太陽の下で読むどんな長編小説よりも楽しくて。

 見知った土地が物語の舞台であるならば、
 かつて鼠が見つけた抜け穴を教えたり、だとか。
 話の途中で見知った登場人物があれば、
 その御老体は歓楽街の見回りの時に見かけたぞ、だとか。


 これでもいくらか、
 彼の国の言語をただの趣味で学んで来たのだ。
 聞き手ではなく同じ語り手として、

 初めて己の中に、柳緑花紅の華を咲かせる。]

【人】 傭兵団長 ダイゴ

[そんな珍しい虎の声も、繁盛する店の中、大衆の声と同じように溶け込んでいく。食を彼が望まなくても無自覚に>>11、おかわりを店員に要求をするだろう。やっぱりチキンシャワルマも食べるか、なんてぼやいてしまえば、龍の食の細さからすると胸焼けすら感じさせるかもしれない。]

 ――……、ふむ、 

[脚色で彩られた話を続けるのも悪くはないが、と前置きを踏まえて、顎に人差し指を添える。先程まで自分でも驚く程回っていた口を閉ざし、少し思案して]

 なあ、アーサー。
 俺にも聞かせてくれないか。
 "お前の身の上話"も。

 お前がどうしようもなく退屈だと思っていても、
 俺にとっては、知らない話だ。

[そんなに楽しそうに話すのに、
どこにも龍の名前が見えてこないものだから、
痺れを切らすように、栞を挟むように。]
(28) 2021/04/25(Sun) 1:06:23
 お前が語る物語の中で、
 お前が主要人物でないとは言わせないぞ? 
 
[その名が出てこなければ、隣にすら立てやしない。
それでも拒むのなら舞台に引きずり降ろすまで――]*


[魔法が盛んなこの国では『未然に防ぐ』発想の方がスタンダード。なので余程の突発的なことが無い限り、多くの民間人は日常に怪我をしないだろう。街の外科医は軒並み内科医に転向し、治癒系魔法具の商売に精を出す者もいた。

ダレンが手当てに使う道具たちを珍しく思って、その手際の良さに惚れ惚れした。]


 ……うん、そうだね……今日はやめる。


[逸れされた話題にほっとしたような寂しいような複雑な心持ちになったのも束の間、嫌われたかもしれないという強い不安が過る。
主だから、抵抗できなかったりしただろうか。ぐるぐると思考しながら、会話を続けた。]

                
.



 みんな、魔法具で危険を避けるから、
 怪我する人って少ないかも。
 宮殿では怪我しても治さない兄弟も多かったな。
 命に関わらない限り、痛みを知る事も必要
 なんだ、って。

 街のお医者さんは魔法具屋さんになった人も
 多いみたい。みんな怪我を未然に防いじゃうから
 商売あがったりなんだって。

 魔法具なら、今日のお店に寄ってみよっか
 俺も、行きたいし……


[声に力が入らないのは、きっと疲れているからだ。状況が目まぐるしく、気持ちもだいぶ振り回された。いまだって振り回されている。]


 (そうだった、俺が勝手に好きなだけで、ダレンはそうじゃないんだ。一緒にいられる事につい、喜んじゃったけど……)


                
.



[それだけで十分ではないか。なんの前触れもなく急に主従を解消するといった自分に、この国を出ないかと言ってくれて、事実そのように事は進んでいる。

喜ばしい事なのに、またじくじくと胸が痛む。

『こんな関係じゃなくても、側にいてほしい、ずっと。自分の気持ちを、嫌がらないでほしい。』

手の痛みが甘い考えの浅ましい自分を相殺してくれるような気持ちで救われる。そんな自分がまた卑小で、笑ってしまう。]


 (俺、って、なんでこんなに欲が深いの)*

                
.

やめると素直に言う主を見て頷いた]


  軽食くらいは私も作れるが、
  レシピを覚えるほどではなくてな。
  隣で教えてくれれば、私が代わりにやろう。


[そう手際は良くないかもしれないが、時間が有り余っているわけでもない。時間を無駄にしないためには、それがよいのではと申し出て。

 魔法具の話を聞けば、文化の差を実感した]


  そうか……。
  であれば負傷を防げる魔法具を手に入れようか。

  アレフシルバーか。
  そうだな、明日にでも行ってみよう。


[話しながらも、主の声が弱々しいことに不安を覚える。
 主をどう思っているか、誰かに盗み聞きされても差し支えのない内容はどんなものだろうとダレンは必死に考えた]

 
  ……ハールーン殿。
  私は、貴殿の望む生き方を叶えたいと思っている。

  それに、私は……
  『アルファルド皇子』ではなく
  『ハールーン殿』にお仕えしているのだが。


[それで伝わるものだろうか。
 主が皇子だからではなく、主の人柄に惹かれたから仕えているのだということが。

 彼が主でないとしたら友人と思うのも、主従でないとしても彼の幸せも彼との交流も望むからだった。

 けれど、短い間とはいえ従者であり続けた弊害だろうか。
 主の想いを察そうが、手に主の唇が這おうが、拒む気が起こらないのは少々服従しすぎではなかろうか。
 内心では少し不安を抱いていた]*

【人】 中隊長 アーサー



 [此方の噺に顔色はいつもとは変えずに、
  しかし幾らか声を弾ませながら相槌を入れる
  虎の様子は何処か楽しそうに見えた。>>*7
  
     一度空になったグラスに注がれた赤は
        果たして男を救ったのだろうか、
                    否か。


  惜しげも無く運ばれてくる食を
  その口に次々運んでいく姿は唯楽しんで。>>28
  此方に話を振られたなら
  
  一つ、間を置き
  
  いつもの表情をして
  其の右の掌を晒しながら。]

 
(29) 2021/04/25(Sun) 9:08:38

【人】 中隊長 アーサー



    俺の話?
    ……前に言った通りだよ。
    西の国から流れ着いて剣を取っただけ。
    >>1:90(>>1:-35)

      それからは唯々日々を真っ当に過ごして。
      偶に女と語らい合って(>>0:-107)
      偶にご老人の手助けをして(>>1:205)
      偶に知人か、
      
・・

      友人と飯を食うだけの… ――


 
(30) 2021/04/25(Sun) 9:09:06

【人】 中隊長 アーサー




 [そうして幾らか満足するまで語らい合うか
  時間を気にして外を見遣った頃にか、
  二人の男は店を出て別々の方角へ
  歩き出しただろう。

  
今までとは違い
辿り着く処は同じではあるかもしれないが。




    幾つもの影が落ちる道を王宮目指して歩く。
            上官へ報告書を届ける為
               動く情報を得る為
                 棋譜を得る為
    
                  本を得る為。]

 
(31) 2021/04/25(Sun) 9:10:16

【人】 中隊長 アーサー



 [次はどんな本を渡してやろうか。
  児童書も飽きただろうので、騎士物語でも渡そうか。

  清々しく王位を獲る物語。
  王の命を受け騎士達が動乱する物語。
  愛憎絡む王宮閨の物語…は、流石にやめようか。
  謀略入り混じる軍と政治の物語、の続き≠ゥ、
  
  この辺の飯屋の他国語の記事か。


  今別れた男への次の手土産をもう考え始めながら
  市場の人混みを避ける様に小道へと入った。
  路地裏で襲われたというのにその癖は変わらず、
  可能な限り日差しを避け外套を翻しながら
  暗がりの道を歩くのだった。]

 
(32) 2021/04/25(Sun) 9:10:36

【人】 中隊長 アーサー



 [あれやこれやと考えるその表情は、――]

 
(33) 2021/04/25(Sun) 9:10:54

【人】 中隊長 アーサー



           ―― Bxb4 ――
       
その手が
××
だとも気付けずに


 
(34) 2021/04/25(Sun) 9:11:17





               駒の数を数えて遊ぶ
         吹く風はカラカラと乾いたままで


                       **
 

ダイゴは、挟まりは文化
(a1) 2021/04/25(Sun) 9:26:04

ハールーンは、挟まりは文化……!
(a2) 2021/04/25(Sun) 9:56:18

【人】 第11皇子 ハールーン



皇子らの葬儀は、王族の共同墓地にて、しめやかに執り行われる。

他国と比べ『儀式らしく無い』葬儀。これ以上簡素になりようがない白い布で包まれた遺体を、王都を見渡せる丘に埋葬する。  


前王は公平な人間であった。
能力に見合う相応の力を与えることを好んだ。近い年頃の第1皇子から第4皇子までにそれぞれ土地と、その管理の権限を分配するよう遺言していた。


中央・東・北・南西


中央は既に混乱にあ。次は南西が乱れるか。


.
(35) 2021/04/25(Sun) 10:16:27

【人】 第11皇子 ハールーン


─王都・いちばん高い丘『テル・アルゾフラ』にて─


 ──昔は死者に魔法の花の種を抱かせたらしいが、
 墓荒らしが絶えねんで規制をかけたんだよ。

 屍肉で育つ花には悪しき効能しか生まれない……
 身をもって納得できる説だな。ははは!


前王の子らだけでゆうに24体が埋まっていると思うと壮観である。残り6体。雑草であろうと、摘んでおくのが正しい。



 けどなァ。
 自分の子供ではない者にも等しく与えるのは
 公平なのかねェ……
 俺は昔からそれに納得いかねぇのよ。
 本来土俵に立てないものに与えるのは
 贔屓じゃァねェのか?

 イスハークは前王の子供ではない。
 それは確かだろ。


皇子らが政治に進言することは無いとは言ったが、その立場を得ているなら別だった。
第4皇子は警備国防相。そのポストが空白になるのは、実に風通しが良い。それに第4皇子が殺されたという状況だけなら、疑いがかかるのはこちらでは無くまずは"共謀者"の方だろう?



                
.
(36) 2021/04/25(Sun) 10:29:21

【人】 第11皇子 ハールーン



 相変わらず目に優しくない風だ
 ──涙を乾かすのには丁度いいがな

 さぁて……本番までに誰を一緒に送ろうか?




 正義も悪も表裏一体
 望月も新月も、光の当たり方ひとつであり同じものだ
 魅せるだけなら、虚飾は多い方がいい
 心の真実など、見向きもされないモノだから
(37) 2021/04/25(Sun) 10:30:55

[それは、嬉しい言葉だと思う。実際『ありがとう』と言おうとして、口を開いた、筈だった。]


 ──……お仕え、しなくていいよ。


  お仕え……しないで…………っ、


[喉が灼ける。人生で感じたことの無い痛みに、身体は正直だ。まるで深く傷を負ったみたいにとめどなく涙が流れる。

ダレンからしたら意味不明な光景だろう。いや、初めからそうか。なにせ大前提を抜かしたまま事を進めてしまっているのだから。
『あなたが好きです』というその一言を抜かして、空洞のまま装った。『主従』という関係を。

きっと自分は分かっていたんだろう、]



(愛を告白……してしまえば、受け取ってもらえないだろうって、きっと理解してた、だから騙し討ちしてたんだよずっと……!)



 俺はね、ダレンが…………好き、なんだよ……


                
.



  だから主従関係なく、一緒にいてほしいの

  家族、に……なって、ほしくれっ……


[泣いてるせいで噛んだ。もうどうにでもなれ。
いや、だめだろ、踏ん張って自分、とは思えども。]



  …………望みを叶えてくれるっていうなら
  一緒にいて。俺の気持ち嫌がらないで

  なんにもなくても、一緒に生きてよ……!



[こんなに駄々をこねたのは、この家を貰うため父に進言した以来、人生2回目だ。

仕えなくて良いと言ったそばから、命令みたいになってしまって全くどうしようもない。
『不良債権』はピッタリかもしれない。
力もないのに、欲しがるだけの自分は。]

                
.


[ダレンは、わかり易くないから、少しでも嫌がっているならそれを見極めなくては。

それを見つけられたなら、潔く身は引く。
普通の家族でも見つけて家の駒として動くのも良いのかもしれない。そうでもしないときっともう上手く生きていられない。

水分を吸いやすそうな状態の左手で涙を拭って、自由がきくこの右手で、ダレンの手に触れてみた。]*

                
.

 
  ……私は、思っていることを伝えるのが
  下手らしいな。


泣き出してしまった主に心を痛めて苦笑しながら、触れられた手を握り返した]


  一緒にいたいと思わなければ、
  主従を解消すると言われながら
  共に国外に出ようなどとは言わないのだが。

  貴殿の想いはあのとき察したが、
  嫌ではないからそばにいるのだが……。


[それを言い換えたら本当に友情なのだろうか。
 それを突き詰めるのはこの国の中ですることではないと思った。

 あと一歩で無事に出られそうなところを、その直前に罪を見出され処刑されたのでは、これまで何のために主が耐えてくれたのだろうか]

 
  この国の中では、想いを返したら罪になってしまう。
  あと少しなんだ、ほんの数日耐えれば
  別の国に行けるんだ。

  ……そばにいるから。
  共に行こう。

  別の国に着いた後でなら、もう少し前向きに
  考える余裕もできると思うから。


[想いを向けたら、己が原因となって主を殺す。
 想われることに抵抗こそなくても、返すことを考えられないのは、それを恐れるあまりなのだろう。
 護りたくて、望みを叶えたい、支えたい相手。皇子だからではなく、ハールーンその人だから。

 そう思うのは従者だからだ。
 この国ではそういことにしておかなければならない]**

【人】 放浪者 イシリオン


[>>17 支払いを済ました後、
今度はこちらの品の説明をすることに。]


 ふふ…
 一見、ただの紅い石に見えるでしょう?

 でも、陽の光が届かないほど、
 深く冷たい海にいる生き物なのです。

 元は小さな樹木のような姿をしていると聞きましたが
 こちらは、それらを切り分けて
 石のように加工したものですね。


[>>18 差し出した品を珍しそうに眺める相手へ
 仕入れた情報をつけ加えて ]
(38) 2021/04/25(Sun) 11:50:25

【人】 放浪者 イシリオン


[売り子から聞いた魚の話を思い出しながら]


  この国では魔法で海から魚を運んでいるのでしたね。
  僕は海辺の村で手に入れたのですよ。

  他の国では、海辺に住む妖精か
  人魚からでしか手に入らないという
  噂があるそうですが…

  ふふ、静かな海底から陸の世界へやってきたこの石のこと。
  いろいろなイメージが湧くことでしょうね。
  アルフレドさんの手で、
  また違う姿になるのも楽しみです。

  また何かありましたら持ってきましょう。
  あとで市場へ行くのですが、
  そこでも何か珍しいものがあれば、お知らせしますね。

    
[>>19
 代金を受け取ると、では、と挨拶して店から出ていった。
 街中を歩くと乾いた風が、髪と身体を撫でていく。

 あの海辺の潮風を懐かしく思いながら
 市場の方へ姿を消していった。 ]**
(39) 2021/04/25(Sun) 11:52:24

   ────セ、ト?

[ ふと、手の甲に唇が当たった。
  その唇はまだ乾いているようで
  少し硬さが感じられたが、
  嫌な感じは全く感じられなかった。

  彼の瞳を覗くことができたなら、
  澄んだ瞳だと改めて彼女は感じた。 ]


   まぁ……困っていたの?
   困るのに喜ぶなんて不思議な人。


[ 困ることと喜ぶことは普通共存しない。
  だから、首を少し傾げてつつも
  拗ねてばかりはダメよ、なんて
  ピヤールへと声をかけていると
  ふと聞こえた告白。

  彼はなにを言っているのだろうと
  理解をするまでに一拍の間が。
  そして、反応するまでにもう一拍。 ]


   な、っ……!





[ まだ彼女はそういう感情に自信がなく、
  彼の手を軽く握って尋ねる。
  それは多分、これから先彼女が
  しっかりと理解していくための第一歩。 ]






【人】 ひとりの娘 アウドラ

    *

   拗ねていたようだけれど、
   すんなりあなたのもとに戻ってしまうのね。
   私に似て、……現金な子だわ。

   その話し方はおやめになって。
   私とあなたはもう……
   対等であるはずなのよ?
   少しお腹を満たして、
   大河を使って出ましょうか。
   …………あてはないけれど、どう?


[ 彼の口調がまだ前のままだったことに
  水を飲んであたまがすっきりしたことで
  気付いた彼女は、すっと彼の唇に
  指をおいてムッとした表情をみせたはず。

  でも、すぐに表情は戻って
  彼の問いかけに答えるのだ。
  それは少しでも早く行動に移すため。
  彼が同意するなら何か手軽なものを
  オーダーしようとメニューに目を通してみた。 ]*
  


(40) 2021/04/25(Sun) 21:49:50

【人】 宵闇 ヴェレス

 7時は難しいけど、9時なら。

[ 6時前に目を覚ましたダンテがそのまま玄関に向かうのを目で追い、おはよう、と声を掛けた。
 自分は夜半には寝台を抜け出し、本を読んでいた。戻ってきた彼は新聞を手にしており、出国制限が解除された旨を口にした>>26

 宿から市街地までの距離、その前後に宿を引き払い駅での手続き等考え、余程急くなら7時の列車も間に合いそうだが、9時なら朝食を摂っても充分にお釣りが来る段取りだ。
 自分にも見せて、と長椅子からダンテに腕を伸ばして新聞をねだり、一面を走り読むとまた返した。]

 この時期の国内の新聞とか、貴重だから取っておいた方がいいかもね。
 また来ればいいよ。

[ クローゼットから衣服を片付けながら、不本意の滞在でも、いざ出立となれば感慨を溢すダンテにそう応える。]

 こないだのお店にももう一度行けなかったし、それに、着そびれた服もあるし。

[ 後半は戯れだが、自分とダンテがそれぞれ選ぶと、数日に余る着数を買ってしまった。出来るなら早々に出国したい、というのが建前であった筈なのに、やはり異国でふたり買物をする、との行為に浮かれていたのは否めない。

 増えた荷物はスーツケースの中になんとか収まった。こういった手筈はやはりダンテの方が手慣れている。まだ封の切られていない酒瓶は、一度鞄の中身を取り出し、その底へとしまわれた。

 お互い荷を纏め終えると、卓の上に路線図と時刻表をまた広げた。昨日変更後の旅程を検討していたが、今日発つなら海べりの宿には予定していた通りの日数を宿泊できる。その分、帰路で立ち寄ってみようと相談していた街は諦めることになる。]
(41) 2021/04/25(Sun) 23:43:30

【人】 宵闇 ヴェレス

 仕方ないね。

[ 寄り道と言えば此処で充分した。それに、彼と旅をするのがこれきりではないと想いたい。
 この国を出るならもう女性の形でいる必要はなく、着替えに合わせて姿を変えると黒いヴェールで隠すように身体を覆う。]

[ 坂を下り、着時は市に寄った為に気付かなかったが、宿から駅まで直線距離を取ろうとすると王宮前の広場を通ることになる。まだ早い朝の光に、昨夜と違い白磁の壁が煌めいている。

 昨夜、落日に映え色を変える王宮の姿を見た。陽が暮れる毎に夕闇に浮き上がるような蒼白の面を晒し、それから燃え上がるような篝火をその身に灯した>>27
 どの姿も美しいが、それは恐らく通りすがりの旅人が上辺を眺めるが故の感想で、あの城の内に巣食う血の濁り、市井の猥雑な活況も習俗も、この国に住まうひとどものものだ。]

 寝てしまうかも。ごめん。

[ 目的地への列車の旅券は無事確保でき、出国の手続きも済んだ。夕方過ぎには当初の目的地へ着く。ボックス席に隣り合い座り、窓際に座る彼に欠伸をしながら身凭れる。昼の間は彼が窓際に座り、夜は自分と入れ替わる。そんな暗黙の了解ができている。

 漸く車両が動き出し、耳慣れた、車輪が枕木を踏む音が響いてくる頃には、すっかり彼に体重を預け眠りに就いていた。]*
(42) 2021/04/25(Sun) 23:47:17
[ 朝刊を受け渡す際に、ダンテがおはようのキスをしてもいいかと問うたので笑った。一々に問うその律儀さと、どうだ、とでも言いたげな様と気恥ずかしさが混じった様子が愛らしい。
 身を伸ばすと、頬と瞼に口吻けた。

 列車が目的地に着く頃、自分が目を覚ませばもう一度その機会がある筈だ。
 昼と夜、過ごす時間が異なるなら、おはようと交わす節が二度あってもいい。]*

【人】 仕立て屋 アルフレド

 >>38深い、ってのはどういう場所なんだろうなぁ。
 海とやらすら未体験の俺には想像つかねえわ。

 んでそんなとっからこの珊瑚ってのを拾ってくるのか。
 そいつあすげえ連中だなぁ。

[日の光が届かない場所を想像するが、海知らずの自らには人の闇と牢獄くらいしか思い浮かばない。]

 お、市場で、なかなか商売人だね。
 面白いものが見つかったら見せてくれな。

[>>39そうして、彼を見送る。]
(43) 2021/04/26(Mon) 0:07:29

【人】 仕立て屋 アルフレド

[掌に購入した珊瑚を載せて見つめる。]

 国の外にはこんなもんもあるってこと、行商が来るたびに思うわ…こんなん手に入れたら、何を作ろうか悩みどころだねぇ。
 
 俺も国を出ていろんなものを見るのもありかもなぁ。
 どうせキゾクサマ方は諍いに必死なようだし、この先町中が荒廃したらまともに生活もできねーよな。
(44) 2021/04/26(Mon) 1:21:18

【人】 仕立て屋 アルフレド

 俺は家は残ってるが根は張ってないようなもんだ、いい相手もいねえし、お相手探しに店休業して旅に出るのもいいかもしんねぇな。
 
[見たものがないものを見ると、知識欲がわいてくる。]

 でもなぁ荒廃した中で国を出るっつーのはどうも見捨てる感じがして嫌な感触はあるんだ。少し落ち着いてから外に出たいもんだね。

 俺は根を張ってねーけど、なじみの連中や近所の連中は根をきっちり張ってそうそう動けねーだろうしな。

[今ケツ捲って逃げてもどの道足止めを食うのかもしれないが。]**
(45) 2021/04/26(Mon) 1:22:28

【人】 祓魔師 ダンテ



 だよね、7時は厳しいね

[ 入り口から部屋に戻りながら新聞を立ち読みして、列車の発車時刻を問えば9時が無難だろうとの答え。予想していた通りの返事で追従しておいた。]

 なるほど、思い出にもなるよね
 こんなこと忘れはしない気もするけど…いや過信してるとすぐ忘れちゃうし、落ち着いたら見出しと記事を貼り付けておこう

[ ヴィは手渡された新聞をすぐに走り読みしたあと、大きく国が変わる頃の新聞は貴重だから取っておくと良いと言う。自分も確かにと思い同意を返した。本当なら全部を取っておく方が良いのかもしれないが、見返さないままゴミにするよりはましかと。]

 うん、またこう言う強制的な足止めじゃなく
 自分たちで遊びに来たいね

 ああ、と、服は新月の時に着てもいいはずだよ
 楽しみにしてるね

[ 自分はちょっとイタズラが成功した時のような嬉しげな顔をしていた気がする。数日の滞在だといわれていたのに、少し買いすぎてしまったのは後々も使える時があるかと自分は考えていたせいだ。
 気持ちの良い手触りの涼しげな服は室内着としても着苦しいことはないだろう。
 ヴィの暮らす国はそもそも旅人であふれていて衣服に統一感はないのだから大丈夫かなとか楽観的なことを考えていたのもある。]
(46) 2021/04/26(Mon) 3:44:18

[ それから長椅子の前にかがみこんで、おはようのキスをねだった。ヴィが苦笑しているように見えたが不愉快さなどはなかったとポジティブに判断して。

 頰とまぶたへの口づけを受けて自分は嬉しげに笑った。*]

【人】 祓魔師 ダンテ

[ しばらくは手荷物の整理をしていて>>41買った衣服や、火酒もうまいこと詰め込み嵩張らずに運ぶことができそうだ。]

 海からの帰りは寄り道できなさそうだけど
 一番の目的は果たせそうでよかったよ

[ 仕方ないねというヴィにそう返し。行きも帰りもどうせだからと割合のんびりした行程を計画していたのが幸いだった。

 その後しばらく着替えをするからと姿を消したヴィが現れた時にはいつもの彼に戻っていて>>42]

 あんまり華奢で若い子に見えてたから
 少し安心した

[ 普段の背丈で見慣れた姿を確認したならそんな言葉を。女性姿になってた時と同じく自分はやっぱり彼をまぶしげに見ていたかもしれない。]
(47) 2021/04/26(Mon) 3:45:34

 うーんと、 …
 
  いや、あとでいう

[ 言いかけてやめたのは時間が差し迫ってるとかではなく]

【人】 祓魔師 ダンテ



 うん、そうしてくれた方が嬉しいよ
 
[ その後、駅には早めに移動して、諸々の手続きを済ませたが、その間ヴィはどこか体調が優れない様に見え、体の変化による負担のせいかと。
 眠ってしまうかもとの言葉にはそう答えを返す。

 早い事列車に乗り込み腰掛けてしまいたいところだ。
 日差しについては、日よけのベールを買っておいてよかった。これは他所でも本当に役立ちそうだ。
 美しい銀の刺繍に旅のご加護のおまじない。

 良いものを吟味して選んでよかったなと密かに考える。]

 あ、しまった。似合いそうなアクセサリーとか
 昨日もっと見とけばよかった

[ ベールの下は割合派手な色合いのものを着てもよかったり、装飾品をつけたりしてお洒落を楽しむものらしい?なんてマニュアル知識。
 ヴィのシンプルな装いにネックレスでもあればよかったのにとずっと考えていたが果たせないままだった。

 まあ良いかと、海についたら考えよう。それから、何か一つ小さな宝物を選んでおかなければ。*]
(48) 2021/04/26(Mon) 3:52:35

【人】 祓魔師 ダンテ

[ 席に着くことができてからは自然と二人の移動中に定まった暗黙の了解。自分が昼の間は窓際に座り、カーテンの隙間から外を眺めたりしている。

 ヴィは自分に寄りかかって寝息を立てていた。]

 国境を過ぎたそうだよ

[ 出発から何刻か、隣国の領内に入ったことを知らせるアナウンスが流れた。ヴィは眠っていて気づかなかったかもしれない。

 車内は足止めされていた客で最初は混雑していたのだが、次第に降りる客が増えて車内は落ち着いた様子に。

 自分が途中席を立つ時は、ヴィに少しだけ自分だけで座っててねと、囁けば寝ぼけ半分従ってくれただろうか。その様子が自分には可愛くてまた笑っていた気もする。*]
(49) 2021/04/26(Mon) 3:53:40


 いいよ寄りかかって

[ そう言えば、再び重みは帰ってきただろうか。
 彼が目を覚ましたならおはようと夕刻に。

 もう国境を超えた、
 彼の今の姿であっても口づけをねだっても良い。

 それから思い切り抱きしめても良いかと尋ねよう。

 今の彼なら、あまりに華奢で壊してしまいはしないかなんて心配しなくていい。**]


[満たされて、言葉もない。


『そばにいるから 共に行こう』

それは長いこと求めていた言葉な気がした。一緒に生きてくれる人が、ずっと欲しかったんだ。]


 ……ありがとう


[もっと伝えたいことはある気がするのに、今は形にならない。言葉の代わりに強くダレンに抱きついた。]*

                 
.

 
  ちょっ……落ち着いてくれたまえ。


泣いたかと思えば抱きつかれて、ダレンは大いに狼狽えた。
 軽くハグし返してから、そっと肩を押して]


  ほら、途中になっている作業を終わらせて
  片付けるぞ。

  明日は町に出るんだろう。
  休んでおかないと。


[残り時間はそう多くない。
 心残りこそ無いだろうが、やらなければならないことは済ませてから旅立ちたかった]

[片付けの途中、ふと口を開く]


  どこの国に運んでもらったものだろうか。
  どこか目星はあるかい?

  なるべく、皇子たちの手が届かないところが
  いいと思うのだが……。


[他国へは魔法で移動することは困難らしい。
 となれば、できるだけ遠く。
 空路でも行きづらいようなところ……。

 そんな遠くにダレンの伝手はなかった]**


[狼狽えるその人を見るのがちょっと楽しいことに気づく。あんまり無い光景だからかな。うわの空になっていた自分はどこ吹く風だ。気持ちはすっきりしていた。]


 うん! えっと、じゃあこの残りのデーツ
 ダレン剥いて貰っていいかな。
 半分に割って種ごと身だけ出して欲しい。


[作業途中になっていた調理を頼む。治療できる魔法具が買えないとしても、誰か持ってる人に使わせてもらえないだろうか?片手が使えないとやれる事が一気に減るなと実感した。

そしてを問われれば、少ない人生経験を手探りする。]


 うーん、……国、かぁ。知ってる人がいる他国って
 レグルスの所……すら分かんないや俺。

 イスハークの手が届かない場所なら、多分うちと
 仲の悪い国が良いのかなって思うけど……
 でもそんな場所には送ってもらえないもんね。


[アンタルは『向かう先によっては』と言っていた。ならば、輸送可能な先は友好国に限られるだろう。]

                
.


 
 近場の大きめの国に下ろしてもらって、
 そこから陸路で小さい国に、行く?
 伝手がないから、ホント冒険みたいになりそう


[自分がここを出た一年前は、母が手引きしてくれて色んな国に滞在したけれど、身内に関わってしまう場所は避けたい。]


 ひとまず俺は、コレを治さないとね!
 魔法具屋さんに、治癒魔法具のサンプル
 とかないかな〜?


[左手をひらひらさせて苦笑する。うっかり怪我防止のアイテムは必須だな。]*

                
.

 
  ん。わかった。


デーツを剥いてと頼まれると、指示通りに剥き始める。初回こそ勝手がわからないものの、すぐに慣れて手つきはそこそこ。果物を剥くくらいはできるらしい。

 他国の話には]


  レグルス殿のところは内乱の直後ではなかったか?

  そうだな……送ってもらうなら
  友好国でないと難しいだろうな。


[空路で運んでもらうなら余計である。
 亡命を手助けして狙撃されたのでは話にならない]

主の案を聞くと納得した様子で]


  それはいいかもしれないな。
  ある程度の場所まで送ってもらった後、
  自力で住み良い国を探して旅をする。

  ……気の長い話になりそうだが。
  足取りは追いにくかろう。


[できればアンタルからも追跡されない場所、とダレンは考えていた。
 イスハークは主を手中に収めようとするかもしれないが、アンタルはそれを利用するかもしれないと。

 兄弟との関わりを絶たせてしまうことになるが、ふつうの暮らしをするには、皇子たちの諍いから完全に届かない場所に行くしかないだろう]


  魔法具屋はいくつか回ってみるかい?
  この国が便利すぎるとも言えるけれどね。


[痛い思いや不便な思いをするから傷を避けようとし、注意力が養われるのでは、とダレンは考えていたが。魔法が根付ききっていない国ならではの発想なのかもしれない]**



  あっ、そうだったっけ……!

[内乱の直後……ならばこの国とそう変わらないのだろうか。あんまり他人の話を聞いていない自分である。兄弟には簡単に毒を盛られるし……注意力散漫かもしれない。

で同意を貰えれば、楽しくなってくる自分がいた。]


  旅って、してみたかったんだよね!
  俺にもできるかな〜色んな人に
  会えたらいいなぁ
  その土地ならではの食事とか、記録して
  レシピつけていくのも楽しそう!


  魔法具屋、回ろう!
  っていっても、お店の数自体は多いから
  質の良いものを提供してくれるお店がある
  ならそこだけでも良いかな

  魔法陣の類はどこの国でも使える
  わけじゃないから、それ自体で完結する
  魔法具はいくつか持っておきたいと
  思うけど……

                
.



[便利すぎる、と言われ少し考える。いま残ってる兄弟達はそういえば、魔法に頼らない事に拘っていた面々だ。イスマーイールなんかは魔法そのものを侮蔑しているくらいだった。]


 (……俺が母さんの魔法に頼りっきりだったのも嫌われる要因だったのかもな)


  ……お守り代わりのは、一つだけにしとく


*

 
  うむ……それで国を立て直すための
  パートナーを求めて来たと言っていたような気がする。


レグルスのことを話しながらデーツを剥き終え、次はどうしようかと主の指示を待ち]


  私もあまり旅の経験はないが……
  危険さえ避けられればなんとかなるだろう。
  いろいろな料理に出会えるだろうな。
  将来は多国籍料理店でもやるかい?


[いろんな国を旅して美味しかった食べ物をピックアップして出していると言えば、魅力を感じてくれる人もいそうだなどと考えて、主に微笑みかけた]

魔法具の話には頷いて]


  頼りきりでは結局、この国との縁が切れないからな。
  いざというとき、どうしても困ったときにだけ
  使うものを用意しておこうか。

  あぁ、旅に出るなら布袋があるとよさそうだ。
  この国のものは丈夫で使いやすいと聞いてね。
  アレフシルバーで尋ねてみよう。


[言いながら主の表情が少しだけ沈むのを見て、ぽん、と肩に軽く触れて微笑んだ。
 気落ちすることはないとでも言うように]**


[数日、がいつになるかは分からないけれど、小麦粉、ナッツ類、バターやスパイスを携帯食として焼き菓子に。スパイス数種や、栄養価に信頼がおけるデーツとフレッシュデーツをジャムにしたもの。あとは岩塩。その辺りをお供にしようと考えていた。

明日の午前中までに菓子類を作ってしまって、ジャムはこれから煮詰める。ココナッツシュガーとレモン、水とフレッシュデーツで火加減少し強めにと、ダレンにお願いした

シーツは、そのままでもいいか。
消費しきれなかった缶詰や何やらはアーイシャに頼んでおこう。まだ国を出ることは伝えてないけれど、アンタルからもう伝わったりしてるかな。]


 ふふ〜楽しみだなぁ〜未知のごはん……
 
 多国籍料理店!やりたい!そうする!


[俺が料理人で、ダレンが給仕長? そんな想像をするのがとても楽しくて幸せだ。]


                
.


[『この国との縁』といわれて少しどきりとした。『危険さえ避けられれば』と言われて、魔法具が浮かんじゃう自分はもうダメかもしれない。
やはり自分はこの国の人間で──今、その出生の縁ごと、断ち切ろうとしている。]


 (……断ち切って、良いんだよ。)


[アンタルやまだ小さな弟。イスマーイールを思い出してさえ少し寂しくなるのは、心が今、安定しているからだ。イスハークだってもう2度と会わなくて済むと思うから名前を口に出せる。]


   ……そうだね。布袋と、物が腐りにくく
  なる魔石みたいなのあった気がするな。
  鮮度を保つ刃物を使ってる魚屋さん多いし

  そういうの、探しにいこ!
  ジャムができたら、今日はもう寝よっか


[ダレンの手が軽く肩に触れてその笑顔を貰えれば、現金な自分はたちまち元気になる。お手軽だなぁ、というか。

すごく的を得てるんだけど、当人からしたら不思議な言葉を投げながら、朝に使う製菓器具を用意した。]


  ……ダレンがくれるものの方が、俺には
  魔法みたいに思えるなぁ。


*

指示通りにジャム作りを始める。
 調理はあまり慣れないが、煮詰めるだけならできそうだった]


  缶詰類は持っていけば非常食にならないか?
  荷物が重いかな……。


[缶を開けられる道具も必要になるが。
 手間を加えず持ち歩けるのは便利そうに思って、そう進言した。
 どうしても残ってしまうものは任せられる人がいれば任せるのが良いだろうと頷いて]


  どんな料理を出したいか、考えながら
  あちこちで食事するのは楽しそうだな。


[店を開くとしたら何が手伝えるだろうとぼんやり考えて、飲み物の目星でもつけようかと思うなどした。
 ダレンに飲食店に関わる自分は想像できなかった。戦いが身近な暮らしばかりしていたからだろう]

 
  鮮度を保てる袋があれば便利そうだな。
  旅が終わればなくなっても困らないだろうし。


[火加減に注意しながらジャムを煮詰める。
 火が強い分、焦げつきを警戒してときどき混ぜながら]


  傷は痛むかい?
  深かったからな、そう簡単には治らないと思う。
  明日も手伝うから、無理はするなよ。


[製菓器具を用意する主に声をかけながら、国を出たら主ではなくなるのかと想像して。

 それは、嬉しいことのような気がした。

 誰かに仕える生き方しか知らないダレンだったが、ハールーンに対しては、対等な立場で生きられるなら、それが一番心地よい気がしていた]

 
  私のくれるものが……魔法?


言われた言葉にはきょとんとして、どんな意味なのだろうと首を傾げた。
 何か与えられているのだろうか。
 与えたつもりはなくて、戸惑いながら、ジャムを煮詰め続けていた。
 完成が近づいて来ているようだ]**



 ……そっか、鮮度を保てる袋と、容量拡張の袋、いいな
 そしたら缶詰も持っていける、けど、容れ物として
 利用するなら瓶詰めの方がいいかも!


[くつくつと煮詰められるジャムを見ながら、並んでキッチンに立っている状況に癒やされている。驚くほどに。

まだ危険な場所にいるのも変わりないし、自分の生まれは生涯変えられないものであって、始まってもいない関係なのかもしれないけれど。

その不思議そうな声に、『便利って意味じゃないよ?!』って笑って返しつつ。]


 ダレンが居てくれると、元気になれるもん
 こうやって隣にいるだけでさ……
 いろんな重い気持ちが軽くなって、身軽でいられる

 
(傍に、いてね。ずっと一緒に生きられますように)


[鍋の様子を見計らって、右手で火を止めた。]


                
.



  コレで朝まで自然に覚まして、
  瓶に詰めれば完成です!
  
  今日は、寝よっか。
  手伝ってくれて、ありがとね


[笑顔を作るのは元々得意だったけれど、すごく自然に笑えるのをダレンの近くにいるといつも感じていた。
『笑う』だけじゃなくて、他の感情もだけれど。
何度もわがままに泣いてた事をちょっと恥ずかしく思い出して。


そしてアンタルから『輸送の目処がたった』と連絡が来るのは、次の朝のことだった。]*
                
.


 

 
  あぁ、確かに……
  瓶詰めのほうが再利用もできるかな。


ただ隣同士でジャムを作っているだけで、そんなに癒しを与えているとは夢にも思わない。
 けれど、こういう一見平凡な時間が主の望むところなのだろうと思うと、それを叶えられていることは嬉しかった。

 火を止める前、言われた言葉には好意が滲み出ていて、それが気恥ずかしくて目を逸らしてしまった。
 少し頬も赤くなっていたかもしれない]


  じゃあ、休もうか。
  寝ている間に傷が開かないよう気をつけてな。


ジャムの火が止められるとそう声をかけて。

 翌朝の連絡には、早さに戸惑うことになった。
 町に出てくる時間はあるだろうか]**

【人】 第11皇子 ハールーン


─翌日・市街─

[目の先に映るのは相変わらずの賑やかな市場だ。]


  布袋と魔法具以外に、見るところあれば
  市場を先に回ろうか? 
  それとももうお店にいく?


[兄から連絡のあった朝>>!56、ちょうど菓子類を一気に焼き上げる行程に至ったところだった。早起きが得意な自分で良かったな、などと笑いつつ、俺たちは急いで街に下りる。
早い方が良いって言って、必要なものが揃い次第、逃して貰おうと俺は言った。

買い物をするだけでドキドキするなんて不思議な気持ちだ。もうここには、二度と戻って来ないんだと思うと、違った景色に見える。忙しなく、鮮やかだけどどこか平坦な色合いを突き抜ける空の青が補う。

鼓動に合わせて左手がジワジワと痛む。けれどそれも物悲しく愛おしく思えるような。]*
                
.

 
(50) 2021/04/26(Mon) 21:56:34

【人】 第11皇子の従者 ダレン

─ 市街 ─

[翌日、菓子を焼き終えた後、急ぎ2人で街に出た。
 玉座が空でも賑わい続ける市場。
 良い王が座に就けば、より栄えるのだろうが、それを見届けることはなさそうだ]


  他に見るものは私は無いな。
  ひとまずアレフシルバーまで行ってみるかい?


[しばらくここで暮らすかと思いきや、あっという間に出ることになってしまった国。
 懐かしく思うと言うより、旅行で一時立ち寄ったような、まだ旅が続いているような感覚だった。

 慣れない乾いた風も、もう感じることがなくなるのかと思うと、少し寂しくなる。
 けれどここから離れたほうが、望む暮らしを手にできるのだ]


  手の傷は大丈夫かい?
  荷物は私が持つからな。


[今朝、出かける前に手当てし直したときは大丈夫なようだったが、傷が深かったようで心配は尽きなかった]**
(51) 2021/04/26(Mon) 22:08:33
─ 街から戻った後 ─

[街で最後の用事を済ませ、主と共にアンタルの元へ向かう。
 送ってもらう先として目星をつけた国を数カ所伝え、可能な場所をアンタルに選んでもらうことにした。

 どこを選んでもらったとしても、そこにそのまま定住するわけではないが、そのことは言わず伏せておく。
 欺くようだけれど、身の安全のためには仕方のないことである]


  貴殿ならばよい治世を築かれるでしょう。
  この国の繁栄が続くことを祈っています。


[無事に送り届けてもらって別れる間際には、そう言って深く礼をした]**

第11皇子の従者 ダレンは、メモを貼った。
(a3) 2021/04/26(Mon) 22:35:34

【人】 liberté セト


[ 愛と呼べるものが定かでは無いと言う>>-227
  そんな彼女こそが正直で素直だと思う。

  それでも重ねられた手は力強く、
  その温もりは、きっと愛の欠片と呼んで
  差し支えのないものだと。

  対当だという言葉の意味を推し量ろうと
  したけれど、唇にそっと押し当てられる指と、
  少しムッとした表情に笑ってしまう。
  久しぶりに浮かんだ影のない笑みは、
  いくらか少年ぽさを感じさせたかもしれない。]
 
(52) 2021/04/26(Mon) 22:37:17

【人】 liberté セト


   ……アウドラ、ありがとう。


[ 卑屈な気持ちや遠慮が全て消えてしまうことは、
  今はまだ無くて。
  それでも、初めて敬う言葉を外して礼にした。

  いつか真っ新な気持ちで対等だと胸を張れる日が
  来ることを、全力で乞い願い、
  人生を歩む力にしようと心に決めて。]
 
(53) 2021/04/26(Mon) 22:39:22

【人】 liberté セト


[ 簡単なものだったけれど、
  出された食事はとても美味しかった。
  細くなった食道や胃にたくさんは
  入らなくて、おまけに言葉を交わしながら
  摂る食事のあたたかさに時折胸が詰まった。

  大河を使って、と話す彼女に頷く。
  
  柔く撓んで笑む瞳で、前を見据える。
  その輝きは、やはり宝石のよう。

 
  ─── ああ、そうか。 ]
 
(54) 2021/04/26(Mon) 22:40:55

【人】 liberté セト


[ ふ、と微笑んで、口を開く。 ]


   あなたは、俺の、
   
砂漠の薔薇

   
Desert Rose


   だったのでしょうね。


[ 彼女の表情を見つめた。 ]
 
(55) 2021/04/26(Mon) 22:42:04

【人】 liberté セト



   砂漠の薔薇の、花言葉を知っていますか?


[ 先程唇に触れてくれた手を、
  今度はこちらから両手で包み込んで。 ]
 
(56) 2021/04/26(Mon) 22:42:38

【人】 liberté セト



[ 己は、知る由もない。
  我が祖国から流れこの国で、
  ひっそりと忘れ去られたような己を、
  未だ案じ探してくれている
  嘗ての同胞がそこに居ると言うことを。


  かつての繁栄と異なる場所に未練はあるのか。>>3
  そう聞かれたのなら、恐らく答えは…… ]
 
(57) 2021/04/26(Mon) 22:44:57

【人】 liberté セト



   
あぁ どちらでも

   Les deux, même.


   Si vous êtes là

   
あなたが居てくれれば。
 **
 

 
(58) 2021/04/26(Mon) 22:47:08

【人】 第11皇子 ハールーン



  ……ん、ありがと! じゃあ行こっか!


[100%自業自得の傷だけど、気遣ってもらえる>>!57のは嬉しいような恥ずかしいような擽ったい感覚だ。

多分、これは日常生活で普通の事なんだろう。あまり大袈裟に捉えるのもまた不思議な顔をさせてしまうかなと思って、何でもないような返事をした。言葉だけでも!]


  なんだか、ちょっとしか居なかったね〜
  自分の国なのに、観光に来たみたいだ


[そう笑いながら話す。あのお店までは、一度死ぬ程迷ったから次は迷わずたどり着けるはず。

そう密かに意気込んでいれば、程なくして到着した。
ダレンに声をかけてもらう。]

*
  
(59) 2021/04/26(Mon) 22:53:50

【人】 第11皇子の従者 ダレン

 
  そうだな、旅の途中で寄っただけみたいだ。


>>59同じことを考えていたか、と笑って。
 一度迷った甲斐あってか、アレフシルバーへは無事辿り着いた。
 今は午前中だが、市場は既に賑わっている時間帯だ。扉をノックして]


  アレフ、ダレンだ。出直して来たよ。
  丈夫な布袋を探しているんだ。
  あと、魔法具があれば見せてもらえないか?


[扉の向こうへ声を投げ、開くかどうか試してみることにした]**
(60) 2021/04/26(Mon) 23:02:32

【人】 仕立て屋 アルフレド

[客留守で店主椅子に座ってふんぞり返りながら珊瑚を転がしていた。]

 >>60…お、先日は悪かったな。
 今日は開いてるっつーか俺もスタンバイOKだ。

[先日>>2:60すれ違ってしまった客の声がして、わずかながら胸をなでおろす。音をたてないように椅子から立ち上がる。]
(61) 2021/04/26(Mon) 23:13:04

【人】 仕立て屋 アルフレド

 布袋の仕立てだけなら、この国で一二を争う自信はあるぜ。

[袋と聞けば、その袋をサイズごとに順番に並べる。武骨な無地もあれば、アクセント代わりに紋様をつけているのもある。]

 行商で使うでかいのから女の子が手に持つくらいのやつまであるぜ、魔法の糸の力で丈夫で腐りにくく中のものが傷つきにくいってのがウリさ。魔法無しの普通の袋もあるがね。

[大きさは>>1:122ポリ袋くらいのから手提げまである。]
(62) 2021/04/26(Mon) 23:24:15

[アンタルが父から与えられた管理権限は北方だった事を初めて知った。
待ち合わせは緑と砂が混じり合う断崖の近く──まさに別宅と同じような景色の広がる場所だった。
北方の外れから密かに飛び立つ。

この国を遥か上空から見るのは2回目だ。そしてきっとこれで最後なんだろう。寂しく思う気持ちはそのままに。]


(──どうか最後でありますように。)

                
.

【人】 仕立て屋 アルフレド

(腰元の剣を振るう日が来たとか…いや下品な想像はやめやめ。)

[魔法具、と聞いて先日彼と会った時、そして別れ際のことを思い出すもかき消す。
そういえば足音がもう一つあったような気がしたが。]

 ―魔法具って言うほど大それたもんじゃねーけど魔法の布製品やアクセサリーを置いてるんだ。アクセサリーを贈り物にって依頼は最近多いからな。

 数多に光る―とか魔除けのため―とかは、人気があるぜ。

[>>1:69>>1:124特殊な布製品や>>1:62アクセサリーのサンプルをカウンターに並べていく。もちろん現物が見たいなら見せる。

サンプル出しながら口元にわずかに笑みを浮かべるのは、内心実物は一度は見てほしい気持ちが透けたためである。]**
(63) 2021/04/27(Tue) 0:18:26

【人】 宵闇 ヴェレス

 一次資料は大事だよ。

[ 国の事変を綴った紙面を取り置くことは、ダンテは思い出として残すようだが>>46、自分は後々彼がこの日の事を記すならその助けになるかとの意であったので、情緒性が足りない。

 着そびれた服があるから再訪すればいいとは勿論戯れで、これも旅の思い出だから粗末にするつもりは毛頭ないが、ダンテにはまた別の思惑があるようでそれへは曖昧に笑って返す。

 彼が自分の容姿や見た目に思い入れがあるらしい事は端々から感じてはいるが>>2:96、自分といえばさして頓着あるものでもなく、彼が思うほど他に誇るものだという意識もない。彼の贔屓目なのではとの思いすらある。単純に見目が好みなのはそれはそれで喜ばしいことなのだろうが、いつも返す反応は物足りないものだったかもしれない。

 今も、着替えを終え普段の形に戻った自分を見れば彼は目を細め安堵の様な言葉を漏らした。]

 何も変わらないよ。

[ 形を変えても、自分の内面に何の変化がある訳でもない。
 長くその姿でいれば、自然身につくものもあるかもしれないが。外貌の異なりとは人種にとってそれほど重要なものだろうか。

 歯切れ悪く彼が何かを言い掛けるのに首を傾げた>>$3。]
(64) 2021/04/27(Tue) 1:57:55

【人】 宵闇 ヴェレス

― 海際 ―

[ 波打つ毎に、青や朱や銀や泡の白と水の色が入れ替わる。夕暮れ時の海岸の、波打ち際を履き替えたサンダルの足で歩いている。寄せる波が足を濡らす感触が新鮮で、湿った砂に足を取られそうにもなる。

 夕暮れ近くに列車は最初の目的地へと到着した。宿に荷を置くや否やまだ数日の滞在の余裕があるというのに、時間が勿体無いとでもの様子で海へ行こうと彼を誘った。
 間近に海が見えるとの理由で決めた宿から数分も歩けば砂浜に着く。既に傾いている太陽に日傘は不要で、熱射の国で購った黒いヴェールを簡単に纏っている。乾いて通り抜ける風とは違い、肌を撫でて過ぎるような潮風が、此処がアルファルドと異なる地だということを感じさせる。

 走り出した列車の規則正しい走行音が眠気を誘った。浅い眠りの中で、国境を過ぎた、とのダンテの声を聞いた気がする>>49。それできっと余計に彼へ身を凭せる重みが増した。矢張り何処かで気を張っていたのだ。安堵したように身体の力が抜けた。
 途中彼が席を立つ少しの間に身を起こされれば、戻ってきた時には上身を揺らし船を漕ぐような姿が見られたかもしれない。
 隣の席に人が戻れば、そのまま凭れ込むようにまた身体を傾けた。]
(65) 2021/04/27(Tue) 2:03:25
[ 乗車の際は車窓を覆うカーテンの隙間から白く細く漏れていた朝陽が、今は朱く長く列車の中に差し込む夕陽となっている。

 目的地まではもう僅か、そろそろダンテも起こそうと思っていた頃合いかもしれない。目を覚ますと、当たり前の様に彼が隣に在り、おはよう、と今日2回めのそれを告げるとまた眠る為でなく頤を上げ目を閉じた。

 抱きしめてもよいか、と問われたのが唐突でもあったので、どうして、と小さく笑う。拒否なんてする訳がない。]*

【人】 宵闇 ヴェレス

 後で、何か食べるものを買ってお酒を持ってこよう。

[ 夜には波が青く光るのだという。自分はきっと宿の窓から夜中それを眺めているだろうが、今此処で彼とも見たい。]

 アクセサリーとかあまり興味ないよ。
 それより、魔法具を扱うお店へ行けなかったのは残念だったね。

[ 駅を発つとき、思い出したようにダンテが装飾品を扱う店を見そびれた>>48と言ったので、もう思い出話になった彼の国の事を話す。]

 本屋なんかも覗いてみればよかった。歴史書とかあの様子じゃ外の記述と違いそうだし。
 滞在している間はどうしようかなんて思ってた筈なのに、発ってみれば心残りがあるような気がするなんて現金だよね。

[ それなり緊張もしたが、出来得る範囲は楽しんだように思う。酒も食事も味が佳く、市は活気があった。]

 それに、君に何事もなくてよかった。

[ 今となれば何よりそれが全てだ。だからこそ、不測に起こった急難にもこうして笑って居られる。]**
(66) 2021/04/27(Tue) 2:06:00

【人】 祓魔師 ダンテ


 ん?ああ、それはもちろん
 通りで違和感はあったんだけど ふふ

[ 一次資料と言われてようやく得心がいくというか、自分もそのつもりでいた。今日のことはどのみち手書きで書き込んでいたと思うのだが、新聞があればもっと強固な資料になるだろうとのヴィの心遣いだったようだ。

 ヴィが価値のあるものとしてとっておくようにというのは不思議だと少しは思ったのだが。未だ意思疎通にはいろいろ難があるようだ。だから言葉にしなければならないんだろう。]

 まあ、そうなんだけど
 君が今までその姿で生きてきたんだから
 君には意味があるんじゃないの 

[ だから自分もその姿を一番好んでいるよと、何も変わらないという彼に自分は律儀に今の気持ちを明かしておく。
 外見だけの好みで言えば女性の姿をしているときが自分は一番好ましいと思うんだろう。
 だけど、ヴィ自身が一番生きやすい形でいてほしい。
 たとえ自分(ダンテ)の為だとしても他人のために変わるのは嫌だった。]
(67) 2021/04/27(Tue) 4:50:47

【人】 祓魔師 ダンテ

[ 
 ーー
 どうもヴィの容姿が優れていることに重きを置いていると思われているようだが、外見が意味を持ったのは自分が彼を好きだからに決まっている。
 
 客と、宿の主人という関係で始まって、彼の誰に対しても静かに尽くすような献身が不思議で、逆に甘やかしてやりたいと思ったのかもしれない。(逆に甘やかされてる時も多いのだが!)

 それから、割とムッとしたなら顔にでるとか、手を伸ばせば手をとってくれるとか、細かな仕草がすごく可愛らしくて。
 ーー

 列車にゆられながらそこまでメモに書いて、くしゃくしゃにして破りかけたが、そのままにしておいた。
 どうせメモ書きだし、ヴィに見られることもあるまい。外見だけが好きだと思われているのは心外だったが、少しは容姿も大事にしてほしい。
 そしたら昼間にあんまり無理をしなくなってくれるかもしれない。

 彼が自分と過ごす時間をなんとか捻出してくれようとしている事はよくわかる。お互いのことを思って衝突してしまうのはなんだかちょっと切ない気持ちになる。*]
(68) 2021/04/27(Tue) 4:52:52
[ ヴィを起こそうとした時、彼もちょうど目を覚ました頃のようだ。何度か自分が席を立つことがあったから、眠りは浅かったのかもしれない。

 おはようと言えば彼は、一度開いた目を再び閉じてみせて、自分は目元と頰に口づけを返す。]

 だって

[ どうしてと小さく笑う彼は拒むことはなく、ボックスシートになっているとはいえ、他の乗客はまだちらほらとはいえそこらにいる。
 だというのに自分は彼のことを思い切り抱きしめた。

 小さく華奢な姿の君は壊してしまいそうだったとかは、恥ずかしすぎて口にはできなかったし。今までこうしたかったのが自分だけというのも恥ずかしいし。
 単にくっついているだけの数秒が続いたかもしれない。*]

【人】 祓魔師 ダンテ

[ 到着は夕方過ぎで、宿は海のすぐ近くにとっている。明るい時間の海をヴィと共に見たくてのこと。列車で眠った分疲れはとれたのか、宿についてすぐ彼が海を見に行こうと手招く。

 時間がもったいない、そう訴える様子に見え、自分だって同じだった。夜の時間も昼も短い。何方か眠る時間になる前に。]

 いいんだよ、僕があげたいだけなんだから
 一応は尋ねるけどね

[ アクセサリーに興味はないと一刀両断されてしまった。ドレープの豊かなワンピースに、繊細な首飾りがあればもっと素敵だっただろう。
 今の彼にだって似合うかもしれない。]

 そう、魔法のアイテムも見て見たかったね
 魔除けのもっと強いのがあるなら是非にでも

[ 魔法とは言うが一般人が使えるほどに技術が普及しているなら何らかの道理があるんだろう。自分やヴィの馴染みのある動力をつかった通信機器みたいに。魔除け云々はただの冗談だ。]
(69) 2021/04/27(Tue) 4:58:09

【人】 祓魔師 ダンテ

[ 夕日の沈む海辺を二人で歩く。何方かが手を伸ばせば自然と手を繋げていただろうか。
 時期外れのため人の数は少ない。自分たち以外の人影がいくつか見て取れるが黄昏時で顔の判別はつかない。]

 綺麗だね
 あ、ちっちゃい蟹がいる 

[ 足元を小さな生き物が驚いて避けて行くのが見える。波の音は静かで一定のリズムをいったりきたりしている。波の音を聞いたのも自分は初めてだったかもしれない。
 故郷の海は、風が強くて風の音ばかり聴いてたような印象が残っている。]

 うん、夜のピクニック?だね
 ランタンを借りよう

[ 食べるものと言われたら空腹を思い出した。昼間軽食をとったきりだし、ヴィも朝方食べたきりだろう。]

 本屋さん、ああ、本当だね

[ 本屋にも行きたかったとヴィが言うのを聞けば今更に惜しいと思えてしまう。土地のガイド本なんかでもお土産にできたのに。]

 代わりにこの国の本屋さんも見てみようよ
 とはいえ旅に出るたび君の住んでる国の便利さを思うよ
 夜だって図書館が開いているしね

[ 旅に出るのはやっぱり家が一番良いと思うためなんてたわごともある。]
(70) 2021/04/27(Tue) 5:05:39

【人】 祓魔師 ダンテ

 

 え?僕?

[ それから、ヴィが心底君に何もなくてよかったと言うから少し笑ってしまった。それは自分も同じことを考えていたよと思ったが黙っておく。
 目を離せば人さらいにでもあってしまうんじゃないかとか。

 お互いに守らなければならないものと思い込んでいる節がきっとある。]
(71) 2021/04/27(Tue) 5:06:29
ダンテは、 **
(a4) 2021/04/27(Tue) 5:09:45


 ねえ、キスしてもいい?

[ 波打ち際を歩きながら、唐突にそんなことを尋ねた。
 君が好き、ヴィに触れてもいい、
 その逆も、自分に触れてほしい、甘えてほしい

 いつか問いかけもなく出来るようになれば彼もそうしてくれるんだろうか。**]

【人】 第11皇子の従者 ダレン

>>61店内に入ると、店主は何か赤い石をいじっているようだった。宝石だろうかと目を引かれつつ、深くは問わずに並べられた布袋を見る>>62


  あぁ……! ちょうどほしかった性能だ。
  大きさはどうしたものかな……


[大は小を兼ねると言うが、あまり大きくても邪魔になるように思った。
 将来的に日常で使う可能性も考えたら、買い物袋ぐらいの大きさは必要だろうか]
(72) 2021/04/27(Tue) 6:49:07

【人】 第11皇子の従者 ダレン

[腰に下げた剣の鞘には、組紐の鞘飾りがついている。柴犬のシルエットの装飾付き。
 もう一つの足音の主は店内に入って来ていただろうか。魔法具の話になるとそちらのほうを向き、まだ店内にいなければ入るよう促して]


  傷の治癒ができるものはあるかい……?
  軽傷が治る程度でいいのだけれど。


[重い傷まで治せるようなものはそう簡単には手に入らないだろうと尋ねてみる。
 他にほしい効果と言えば何だったろうか、とサンプルを眺めながら考え込んだ]**
(73) 2021/04/27(Tue) 6:49:25

[そうして降り立った先は、大陸の中のそう大きくはない国だ。といっても小さくもない。軍事力も経済力もバランスがよく、国民も活発に生活しているように見えた。

故郷のアルシャマーリとは全く違いそうな文化圏。どちらかといえば、あのお嬢様の──ダレンの国に近いのだろう。

兄に提示した輸送先の候補は、アルファルドには無い信仰の国ばかりだった。"何か"を、察されてしまっただろうか。
正しさなんて分からないけれど、自分を偽るようには生きて来なかった。自分は、そんな風には生きられない。それは終わりまで、きっとそうだから。

兄に一つ抱擁と感謝を告げて別れた。]*

                
.

北方の外れの断崖へ着いたとき、ダレンは思わず北西の方角へ視線を向けた。
 祖国のある方角。
 さすがに祖国を視認はできないが、そちらからここまで旅してきて、また旅立つのだと思うと、随分遠くまで行くことになると思いを馳せる。

 それほど主と認めた相手が大切だったろうかと考えてみても、実感はあまり湧かなかった。
 それが当然すぎて感じ取れないのだろうか]

[空の上から見下ろした大地は世界地図と同じ形をしていて、それがとても不思議だった。
 見たこともないうちから地図を作っていた人たちがいる。それが合っている。どうやってそんなことを成し遂げられたのだろう、なんて考えていれば目的地に着いていた。

 まだ見ぬ国だが、建物や自然の雰囲気はどことなく祖国に近い気がする。
 礼を言って別れ、陸に降り立った後は、主を振り返って]


  ──さて、
 

 
  “仕えないで”ほしいんだったな。
  では行こうか、ハールーン?


[主だった人を呼び捨てにして、微笑んで手を差し伸べる。

 さて、ではこの人のことは何と思えばよいのだろう。
 「家族になって」と言われるからには伴侶と思えばよいのだろうか。伴侶とするに申し分のない人かどうか、と考えたことがなかったのだけれど。

 誰かに仕える生き方しかしなかったせいで、対等な関係の相手が傍にいる暮らしは想像が及ばない。
 だが、そのうち慣れていくだろう。
 彼の望みを叶えたいと思う気持ちも、幸せを護りたいという想いも、従者でなくなっても何ら変わってはいないのだから]**

【人】 第11皇子 ハールーン


[おかしな形でだだ漏れるらしい>>!54自分のダレンへの好意が他人にどう見られるかが気になって、少し距離を保っていれば、>>73店内に入るのを促される。そりゃそうだ。

そろりと彼の元へ足を運ぶ。]


 ……お邪魔しまーす……、わ、色々あるね?


[>>63、並べられた様々な形状、用途であろう品々。そういえば、自分は立場的にも与えられるものばかりで『選択』とは縁のない生活を送ってきたのだ。

なんだか新鮮な光景だった。]


 俺は……『御守り』みたいなものが欲しい
 身につけられるけど邪魔にならない、くらいの


[ひとつだけ>>!47、選ぶならダレンに持っていて欲しいんだけどなと思いつつ。隣の彼は実用品の吟味中だろうか>>72

こういうダレンを見た事はそういえば無かったんじゃないかと、こっそり観察した。いつもこちらの意向を汲もうと一歩引いていたような記憶ばかりがある。]


 ……ダレンは、何か身につけるとしたら
 どんなものが良い?


*

                
.
(74) 2021/04/27(Tue) 12:09:16

[『仕えないで欲しいんだったな?』と微笑まれたのは不意打ちだった。
つい先日の自分のセリフに赤面する。駄々っ子のようでも愛の告白なんだってことを、この人は分かってるのだろうか。

もう従者ではない彼から、差し伸べられた手を取る。今までとは全く異なる意味合いに思えるけど、その手の優しさは変わらずだった。]



 ……ダレンとなら、どこでも行けるよ。


 ひとまず今は〜美味しいもの食べたい!


[素直な気持ちを口にするのが急に気恥ずかしく思えて、誤魔化すように提案した。

いつまで、どこまで続くかわからない旅だから、資金繰りには慎重に。けれど旅の目的の一つとしては重要なタスクだよ、なんて自分に言い訳しつつ。]*

                
.

【人】 第11皇子の従者 ダレン

>>74ひとつだけなら何がほしいかと問われると、ダレンは悩んだ。
 以前に思い浮かべたもの>>2:!15は、兵士として必要そうだったものだ。
 これからは戦う必要はそう無いかもしれないし、と考えるとパッと出てくるものはなくて]


  うーん……。
  希望が常に在ると思えるようなお守り……だろうか。


[幸運のお守りだとか、そういう類になるのかもしれない。
 実用的な効果で言えば、心を落ち着かせ安らげてくれるものだろうか]**
(75) 2021/04/27(Tue) 12:58:32

【人】 ひとりの娘 アウドラ



   あなたって……いくつなの?


[ ふと見えた笑みは少年のように曇りがなく。
  実際、彼女よりも年上なのか年下なのかも
  さっぱり分からなくて聞いてしまう。

  そう思っていると聞こえる感謝の言葉。
  やっぱり、感謝をされると大小問わず
  口元が綻んでしまった。
  やっと対等になっていく兆しが見えてくる。 ]



(76) 2021/04/27(Tue) 13:55:56

【人】 ひとりの娘 アウドラ



[ ピヤールも食べられるものを選んで
  2……3人で食事を楽しんだ。
  しっかりと食事をすることが
  久しぶりであろう彼がきちんと
  咀嚼できているか心配しながら。  ]


   え、っと…………


[ 砂漠の薔薇の花言葉。
  それを聞けば、手から伝わる熱も相まって
  彼女の頬は赤く染まっていく。
  まるで薔薇のような赤になったかも。

  ピヤールは何かを察したのか
  彼の膝に飛び乗って動きを制限した。
  それを見たら、緊張の糸はほぐれたものの
  少しの間固まっていたことだろう。   ]



(77) 2021/04/27(Tue) 13:57:28

【人】 ひとりの娘 アウドラ




   大河を使って、他の国に行って、
   ……そうだわ!旅をしましょう?
   あなたがどこまで知っているのかも分からないけれど
   色んな思い出を作りたいわ。

           ──────どう?


[ その道中で彼の祖国があったところや
  彼を待っていた人々が住むところに
  出会えるのであれば
  思い出を聞かせてとお願いをしただろう。

  どこまでいけるのかも分からないけれど
  彼とならどこでも楽園に違いない。
  苦楽を共にできる人物だからこそ。  ]



(78) 2021/04/27(Tue) 13:58:32

【人】 ひとりの娘 アウドラ

   *


   とっても、楽しいわ。
   人間ってこんなにも…自由なのね。


[ あれからどれだけの時が経って、どこにいたか。

  泥だらけになることもあったと思うけれど
  彼女は全てがあたらしく、根をあげることはなかった。
  彼の体調も徐々に良くなっていたなら
  彼女の気持ちも更に明るくなったはず。  ]



(79) 2021/04/27(Tue) 13:59:16

【人】 ひとりの娘 アウドラ



   セト?……私、やっぱり好き。

   あなたのことが、とっても好きよ。
   私を選んでくれてありがとう。
   

[ 彼女は事あるごとに伝えた。
  それは彼女にとって大切なことだったから。

  両親のことを気にしていないわけではないけれど
  もう気にしすぎてはいけないと思っている。
  だから、彼との新しい生活を通して
  新しい彼女になっていたなら、
  それでいい……ことにしておこう。    ]**




(80) 2021/04/27(Tue) 13:59:45

【人】 仕立て屋 アルフレド

 >>73傷の治療は…これが実は意外とあるんだよ。
 割とおぜうさまの体に傷痕が残ることを気にする親御さんってのが多いみたいでな、まーそれだけ大事なんだろうさ。
 
[軽微な傷の治療できるものは各種アクセサリーに取り揃っている。近づけて使う柄、装飾で傷つかないように形はシンプルで丸みが多い。]
(81) 2021/04/27(Tue) 14:44:52

【人】 仕立て屋 アルフレド

 >>74ああ、いらっしゃい。
 ―ゆっくり見て行ってくれな。

[先日彼といたもう一つ足跡の主ではなかろうかと勝手に推測する。まずはこの国の空気感を持っていることを感じ取って。]

 >>75御守りねえ…
 神様が宿ってるってわけじゃねぇけど、魔除けみたいなのならこの辺りはいいんじゃないか。

[と、銀細工のアクセサリーを見せながら。]
 
 あとはそうだな、こういった>>1:124紋様の布をスカーフのように使ってるやつや胸の辺りに仕込んでおくもいるらしい。御守りっつーかまあ身を守るものに近い使い方だな。

[見た目もそれなりに神秘感あんじゃねーの、と小さな声で続ける。]**
(82) 2021/04/27(Tue) 14:45:51

【人】 第11皇子の従者 ダレン

 
  あぁ、そうなのかい……?

  ひとつあると重宝しそうだが……、
  どうしようか。


>>81傷を治せるものが豊富と聞くと、ひとつくらいはあれば便利だろうかと主の様子を窺う。
 当の怪我人が不要と言うなら要らないかとも。
 ダレンにとっては無いのが当たり前の代物である。無いからといって困ることもないだろう。

 >>82お守りに関しては]


  ふむ……スカーフなら軽装でも扱いやすそうだし、
  防寒具代わりにもなりそうだな。
  この国独特の文様なら記念にもなるかな。


[重装のときにも鎧の下に着けておくことができるだろうし、使い道はいろいろありそうだと興味津々の様子]**
(83) 2021/04/27(Tue) 15:02:39

【人】 第11皇子 ハールーン


[傷を治せるモノがある>>81と聞いてちょっとびっくり。なるほど、『お嬢様』。
そういえば妹も、産まれた時にその類の首飾りを贈られていた記憶がある。]


 (俺としてはダレンに持っていて欲しかったけど……とっても要らなそうなんだよね。)


 ……じゃあ俺、それを一つください!
 傷を治してくれるやつ。御守り、代わりに


[使わないで済むならそれが一番良いとして、だからこそ御守り代わりに。ダレンはスカーフに興味津々の様子だ>>83。身を守ってくれる>>82というなら俺も賛成!
──ちょっと自分は過保護過ぎるかな?

どう考えてもそういうのが必要なのは自分だというのに。ほらまぁ、本人に必要なくても、備えあれば憂いなし、の魂胆で。]*
(84) 2021/04/27(Tue) 18:41:32

【人】 仕立て屋 アルフレド

 >>84おっ、いいねぇ。
 一つなら、じゃあどれにするかい?
 見た目とか、つけたい箇所とか、フィーリングでいいんだぜ、選んでくれ。

[髪に付けるも、腕に付けるも、首に鎖で飾るも、首に巻くも、指にはめるも、ある。]
(85) 2021/04/27(Tue) 19:02:55

【人】 仕立て屋 アルフレド

 >>83記念…?
 まるでもうこの国を出るみたいな言い草だが―

[士官のネタを探してるのではと考えていたので、意外に感じた。お眼鏡に叶わなかったのか、何か目的を達成したのだろうか。それとも今そこにいる連れに関連する理由だろうか。

ゴシップを頭の左から右へと走らせたあと、その詮索を投げ捨てた。]

 おう、風には強いぜ。
 なんたってこの辺は、砂塵が敵だからな。**
(86) 2021/04/27(Tue) 19:05:02

【人】 第11皇子の従者 ダレン

>>84 >>85主が『お守り』とひとつ選ぼうとしているのを微笑んで見守り、>>86『記念』という言い方を問われると一瞬悩んで]


  ……そうなんだ。
  しばらくここで暮らそうかと思っていたが、
  急に予定が変わってな。

  だから、もう会うことはないかもしれないな。


[詳しく事情を説明する気こそなかったものの、何も言わずに姿を消す気にもなれず、それだけは話して]


  確かに砂が多いな……。
  では、このスカーフと、
  布袋は買い物袋ぐらいの大きさのをお願いしよう。


[今後戦いの機会があろうとなかろうと、様々に役立ちそうなものである。旅をするにも身の守りは必要だ]**
(87) 2021/04/27(Tue) 19:22:46

【人】 仕立て屋 アルフレド

 >>87そうか…そいつは残念だな。
 
[口には出さずとも、二言目にはやっぱり国の状況ガー諍いガーが出てきてしまうのはどうしても免れない。小さくうなづいて。]

 そうさな、良かったらたまにはこんな国があったと思い出してくれよな。

[と言いながら、注文されたものをカウンターに並べていく。サービスとばかりに、スカーフ用の布の横に小さな魔法石をはめたピンを添えた。

―まあ持ってきな、と気紛れの餞別代り。]**
(88) 2021/04/27(Tue) 19:45:01

【人】 第11皇子の従者 ダレン

 
  この国を忘れることはないと思うよ。


>>88アルフに言われた言葉には微笑みを返した。
 忘れてしまうことはないだろう。わずかな時間しかいなかったが、思い出深い土地だから。

 ピンを添えてもらったのに気付くと、目を瞬いた]


  いいのかい? ありがとう……。


[何か効果のある石なのだろうか。
 何であるにせよ、スカーフと共に大切にするだろう]*
(89) 2021/04/27(Tue) 20:06:00

【人】 第11皇子 ハールーン



  指にはめるものを、革紐に通してどこかに
  下げたいな!


[兄たちは腕や指、首にかけて居たけれど。そういう習慣がない自分はどこかに忘れて来てしまいそうで。
まるっとしたデザインのものを選んだ。スタンダードなのかな、イスマーイールが持っていた物と似ている。

決して仲良くなんかなかった兄弟の事を思い出すのは、二人が話すのを>>89>>88>>87聞いていたのもあるのかもしれない。

もう思い出すだけの場所に、なると良い。
薄情かもしれないけれど。ここから逃げ出しても、所詮、出生からは逃げ切る事はできないのだから。]

                
.
(90) 2021/04/27(Tue) 20:48:57

【人】 第11皇子 ハールーン


[>>89のような交流がなされるのを見て、以前どこかで『ダレンは社交性がある』と話した事を思い出す。この店の店主が商売上手なのもあるかも知れないけれど。]


(やっぱり、お店を開いたらダレンは接客を上手くやってくれそうな予感なんだよね。)


[自国の民に好かれている──と言ってしまうのは欲目がすぎるかな? 少なくとも不躾とは思われていないはずだよね──ダレンをみて、二人のやり取りを嬉しく思った。]*

                
.
(91) 2021/04/27(Tue) 20:54:22

【人】 仕立て屋 アルフレド

 >>90じゃあ指輪だな。
 革ひもが無いなら、おまけしておくぜ。

 ―あっても貰っときな。

[布製品の縁取りなどに革は使用しているので、そういったものもある。ちゃんと鞣してあるものだ、丈夫なはずだ。]

 ―まぁ元気でいろよ。

[>>92何となく気の利いた言葉を考えてみたが、結局思い浮かばず、どこか間の抜けた言葉を二人に贈った。]**
(92) 2021/04/27(Tue) 21:38:16

【人】 第11皇子の従者 ダレン

>>90 >>92主も買い物を終えるのを見届けて]


  ありがとうアルフ、世話になった。
  貴殿も達者でな。


[挨拶を言って礼をすると、店の扉へと向かった。
 その向こうが安全かどうかを主に先んじて確かめるのは、ここまでの旅で習慣となってしまった行動だった。
 これから先も、そう簡単に抜けるものではないだろう。

 安全とわかれば主に頷いて、アルフには会釈をして店を出て行く。
 他に用がなければ国外に出るための待ち合わせ場所>>!59へと向かうだろう]
(93) 2021/04/27(Tue) 22:05:56

【人】 第11皇子の従者 ダレン

[主はよく「逃げ出す」と表現するけれど>>90、それが逃避に見えないダレンは主に甘いのだろうか。
 生き方の選択であって、逃げではない──そんな解釈をしていたけれど、国の規則からしたら逃避になってしまうのだろうか。放棄できないものを>>0:9避けて通ろうとしているのだから。

 それでも逃してくれる人がいる。
 どんな形であれ、望む生き方を許してくれる人がいる。
 だからこの道を謳歌すればいい。

 この地を離れたら、後は遠くで風の噂を聞くだけになるだろう。
 アルファルドの次の王は誰になるだろうか。
 治世はどれだけ長く続くだろうか。

 ほんの数日のことだったけれど、きっと忘れることはない。
 人懐こくて可愛らしい主の故郷にたどり着いてから、彼が主でなくなるまでの数日間なのだから、忘れようがない。
 どこかに腰を落ち着けた後も、折に触れて思い出すのだろう。その頃には主だった彼と共に店でも開いているのだろうか>>91]**
(94) 2021/04/27(Tue) 22:06:41

【人】 中隊長 アーサー



          ――
Fool's mate
――
       
自ら玉座を飛び降りた気狂いの話


 
(95) 2021/04/27(Tue) 22:21:32

【人】 中隊長 アーサー



――- ―--
  ―-- -―

    ―-

      -



 [昏い昏い洞の奥。
  …否、彼の方の王宮内での自室。
  彼が取り仕切る全てに於いて命を下す部屋の中。

  外套の衣擦れの音だけを響かせ
  蝋燭の明かりに横顔を照らさせる彼の方の後方に立ち
  幽かながらも流暢に報告の音を響かせる。


  総てを聞き終えれば其の方はどんな顔をしただろうか。
  
  …否、此の方はいつであろうと ]

 
(96) 2021/04/27(Tue) 22:22:42



    ご苦労様、アーサー。
    そう、国外警備の兵だけでなく
    王宮の警護兵や元老院直属の兵団にも
    話を着けたの。

    
・ ・

    アレの目にもそろそろ留まっちゃうんじゃない?


 [そう、
  緩く笑って愉しそうにされるだけ。
  甘い香りは鼻腔を擽り、低い声は鼓膜を撫でる。
  眼には魔性を宿らせ相手を射貫く様に、…

        ―― すっかりと慣れてしまえば、
               単に居心地の好く。]

 




    ええ、あの方も勘が良いでしょうから。
    …ですがその時には
          ・

    既に手を打っておりますので。


 [御心配なさらずに、と此方もいつもの様に
  第■皇子…、…  

     ――『
第二皇子
』に向け微笑んでみせた。]

 

【人】 中隊長 アーサー



 [二、三言『第十一皇子』について
  二人が言葉を交わし合った後、
  紅い外套の側にあった
  蝋燭の火は風を受け
  消えただろうか。
  
  しんと静まり返る室内に、
  不意に喉奥からの哂い声が響き始める。
  
  
  
  夜は更けていく。
  深く深く、昏く昏く。
  低く低く、……………星の光も飲み込む程に、]



   ――- ―--' -――
  ―-- ―

  ―-
 -

 
(97) 2021/04/27(Tue) 22:27:41

【人】 中隊長 アーサー




           ―― Bg61# ――
     
血に塗れた玉座は果たして誰の物だったか


               --
 
(98) 2021/04/27(Tue) 22:28:59

【人】 宵闇 ヴェレス

[ どちらかであるということを、選ぶ必要もなかったし、選ばなかったから今の姿であるだけのことだ。自分にとっては特段意味を重ねた事と思わず、そこに価値や意味を見出そうとしているのは彼こそではないかと思う。

 以前の自分であれば、その憧憬と呼ぶような思いに困惑と些かの辟易を覚えていた。今は到底否定に及べないのは、数多いる他者の中、自分にとっても彼だけがかけがえのない存在となっているからだ。

 髪も肌も目の色も、日々幾千幾万の旅客が行き交う国で異彩を放つものでなく、それでも彼だけが自分にやがて訪う列車を待ち侘びさせ、人熱れの中何処にいようとひと目でわかる。彼だけが、耳慣れた汽笛の響きを、心躍る音に変える。

 そうして彼と共に在ることで、見目ではなく確実に変わってゆく自分を、彼だけが知らずにいるのだろうか。]*
(99) 2021/04/28(Wed) 2:54:11
[ 何故と問うたのもおかしなことかもしれないが、返ってきたのも答えにならない随分甘えたような響きであったので、やっぱり小さく笑いを漏らしてしまった。]

 可愛い。

[ 言葉尻も消えないうち、今までにないほどの強さで彼が自分を抱き締めた。いや以前にも一度あった。先が途切れるのを怖れるように、彼が自分を腕の中に囲ったことが。]

 海に来れたね。

[ あの日に願った約束が、今こうして叶っている。次の約束はまだ結んでいないが、叶うものだと願うのは、楽天的に過ぎるだろうか。]

【人】 宵闇 ヴェレス

 どうせだったら万年筆とか文具の方が嬉しいけど。
 魔除けはもう貰ったし、失くしてないよ。ねえ、このヴェール、帰ったら君が使うといいかもしれない。

[ 元来物欲が薄い方であるので、本気で強請ったのではなく、装飾品よりは良い程度の話だ。波に洗われて角の丸くなった石を拾い、夕陽の方角へと投げる。
 魔除けに籠められた意味>>2:$18が戯れであっても、投げ掛けた意図を理解しているかは怪しいものだ。ヴェールは旅の加護が籠められているというから、旅が終われば移動の多い彼が持つのが相応しいように思う。

 ダンテが腕をこちらの差し伸べるのが見えたので>>70、足首まで濡らす波際から砂地に戻ってその手を握った。]

 あちこち小さな穴が空いてる。なんだろう。

[ ダンテに示されて足元を走る蟹を視線で追うと、小さな穴が疎らにあるのに気付いた。目にするもの珍しいものばかりだ。同じ海の名であっても、記憶にある灰銀の港とまるで異なる。昼の海は、今度は眩いばかりの青なのだろうか。あまりに明るい光は目を灼くとダンテが渋い顔をしそうだが、遠くから眺めるくらいは許されたい。]

 海の図鑑があったら、買おうと思う。図鑑じゃなくても、海の本でもいいけど。

[ 空腹を覚え、手を繋いだまま宿の方向へと引き返す。厨房に頼めば、何かしら持ち運びのいい軽食を包んで貰えるだろう。振り返ると水平線に既に陽は沈み、波立つ度に、泡の中静かに青く煌めきはじめる光がある。

けれど幾ら住心地のよいあの国で、蔵書に描かれた海の景色を知ることはあっても、この美しい風景を見ることはかなわない。彼が自分を此処へと伴った。]
(100) 2021/04/28(Wed) 3:00:36
 君だよ。

[ まるで意外そうに見えて笑うので、ひとの気も知らずに、と口を尖らせた。] 

 唐突だね。

[ 列車の中であったり、今であったり。もう聴いたりはしないといいながら、同じことを問うているのだと多分彼は気付いていない。それとも、もう好意を尋ねる必要がないからこそ、やっと触れ得る事を問えるのだろうか。

 小さく笑って答えなかったのは、多少の意地悪だ。]

【人】 祓魔師 ダンテ

[ 君には意味があったんじゃないの?と尋ねた言葉には返事はなかった>>99その時の彼の様子はどうだったのだろう。困惑げにしていただろうか、無表情のままだったろうか。
 あれ、違った?なんてブツブツ言いながら出発の準備をその時はしていたのかもしれない。

 いつか聞かせてもらえただろうか。

 自分がヴィについて分かっていると思っている部分なんて表面のほんの少しなんだと思う。ヴィにとって彼が大切にしているもの、それを自分が分かってなくて。]
(101) 2021/04/28(Wed) 4:44:41

【人】 祓魔師 ダンテ

[ 彼の長い時間のいっときに自分が沿わせてもらえれば良いと思っていた。

 だから、些細なことを一緒に楽しいと分かち合ってくれる、彼とならどこに行ってもきっと楽しいはず、そんな風に思えるのは彼自身の魅力なんだと。

 自分との出会いで、彼が変わってくれた部分があった。そのことをいつ自分は知ることができるんだろう。

 永久にわからないままなのかもしれない。

 死ぬ間際まで、日記のようなメモを書いて、ヴィと何をしたとか、彼が何を話したとか、それで自分は何を思ったのか、語彙のある限りを彼と過ごした日々を表す言葉に費やすんだろう。*]
(102) 2021/04/28(Wed) 4:45:29

【人】 祓魔師 ダンテ


 
 んーなるほどたしかに

[ 文具の方が嬉しいと言われれば納得してしまう。自分も多分そう言うものの方が嬉しいのは確かだ。両方贈れば良いのではと考えてしまうからだめだ。]

 いや、ヴェールは君が使って
 せっかく、次の旅行の時に持っていけば君の身が少しは楽になるかなって思ったのに

 …って、自然と次のことを考えてた

[ 言い終わってから少し恥ずかしい。そんな理由もあるから自分が受け取るわけにはいかないと、気恥ずかしさを埋めるような言葉を続けて。]

 ほんとだ、何かの巢なのかな

[ ヴィが波打ち際で足を濡らして、小石をなげている。本当にきてよかったと心から思えて、それから手を伸ばせばこちらに駆け寄り手を繋いでくれた。

 穴ぼこを自分が足で掘ろうとしたり、
 彼はそれを見て止めたのかただ見ていたのか。
 
 何をしても、全部が楽しかった。]
(103) 2021/04/28(Wed) 4:50:22

【人】 祓魔師 ダンテ



 明日は青い海が見られるね

[ 自分もヴィと同じくすごく楽しみだった。
 今はもう日が落ち海は藍色に濃く

 自分の人並みの視力ではだんだん視界がおぼつかなくなる頃合いだった。
 ランタンを借りようといったのも、自分のためであって、ヴィはたぶんこんな暗闇でももっと違う世界が見えるのかもしれない。*]
(104) 2021/04/28(Wed) 4:50:52
[ あの時可愛いなんて言われて驚いたのだった何とも反応し難いのだなと思ってしまって、ヴィが自分の言葉にあまり反応しない理由がわかったような気もする。

 そして今も、ダンテに何事もなくてよかったと安堵する様に自分が驚けばヴィは人の気も知らないでと拗ねたような仕草をする。
 この薄暗い場所でもかろうじて自分にも見えてよかった。]

 そうだよね

[ 自分が彼を心配するのと同じく彼もそうしてくれたんだろう。なぜだか自分ばかりが捧げるような気がしていたが、きっと鏡のようなものだ。
 彼が返してくれる色々を自分は気づけずにいることがたくさんある。]

 だめ?

[ ヴィの返事は得られないままで、焦れたようにそれだけを返した。彼は笑うままだったろうか。
 多分シュンとした犬みたいに一瞬振る舞い、その後は、手を取り目的通りに、食べ物を買いに行く。

 彼は僕が好き、僕は君が好き。
 ただそれがわかっていれば満たされるような気持ちがするのに、彼に触れたい触れて欲しいと思うのはなぜなんだろう。]

【人】 傭兵団長 ダイゴ

 -某日:河川港より繋がれた新たな、 -
 

『本当に一晩で出来たんっすねー、埋立地』

[夜が明けて様子を見に来たチドリは、物珍しそうにだだっぴろい土地をキョロキョロと見回し、くるり、なんとなく浮かれたまま一回転する。任務中だぞと軽く注意をするものの、本気で止めようとする意思は無かった。]

 相当な数の錬金術師と魔法使いに協力を煽っていた。
 予算はかかっているだろうが、
 此処に新たな商業地区が出来るとなれば、
 そう躊躇うこともなかったのだろう。

[昨晩、行き交っていた協力者の数を思い出す。今回の任務は護衛任務だった。著名の魔法使いたちが何人もいて、一晩で事を済ませる為の保険といった所だろうか。

当然、この様な規模の魔法を使える当人たちが自衛出来ないわけがない。事情を知らなければ護衛をつけるのは大袈裟なのではないかと声をあげるものもいたし、そもそも埋立地に対する反対だって起こっていたはずだ。誰に決定権があるわけでもない現在だから成せた事業だともいえる。]
(105) 2021/04/28(Wed) 5:36:27

【人】 傭兵団長 ダイゴ

 第なに皇子だったかな。
 誰かはもうこの土地に目をつけているのだろう?

『というか立案者はその第三皇子さんなんですけど…
 相変わらず政治疎いっすね、団長』

[チドリの呆れた声を他所に、ふ、と顔を上げる。少し前に昇り始めた陽がこの広い土地の先、残る水面に光が瞬く。

 ―― 漸く、星が見え始めた、と思った。

もうあの辺りは、海になっているのだろうか。
流石に石油を主とする国の河から伸びるものだから、
"何処か別の場所で見える青"、だとか、
"珊瑚の取れるような冷たい黒"とはいかないけれど。
それでも、自分はこの少しだけ濁った河からみえる、
陽の下の「星」が好きだった。

確かな境界を知るわけではなかったが、河ではなく海に近づく事で、淡水ではなし得なかった塩の精製や、新たな魚の養殖などにも着手するのだろうと噂が散見されている。魔法で魚を運ばなくても新鮮な海鮮にありつけるかもしれない。]
(106) 2021/04/28(Wed) 5:37:22



 [その地を踵で、ザリ、と。踏みしめる。]


.

【人】 傭兵団長 ダイゴ

[事務業務に戻りますね、とチドリが去ったあと、暫くして後ろからハルマが声を掛けてきた。彼は、今回の任務の同行者だ。一晩、働き通しだったせいか煙草をうまそうにくわえている。]

『ネネ、来なかったな』

 ……第三皇子との関わりは無さそう、か

『さぁな。今回の内容からして
 アイツは絶対に反対してただろうから
 もしかしたら、とは思ったが。』

 ……関係ない。
 縁を断ち切った事によって
 仕事の幅が広がった、ともいえる。
 プラスに考えるしかあるまい。

『……、……。』

[少し間を空けたハルマは、背後から手を伸ばす。
お得意の治癒魔法の光が淡く放たれる。
外套の後ろに隠れた虎の傷が塞がっていく心地がする。]
(107) 2021/04/28(Wed) 5:38:47
 『しかし、錬金術ってのは、恐ろしいな。
 無機物から生命を作るのが禁呪、だってのに、
 "無機物といえるものを土に変える"のは、
 簡単だってンだから、人道も理もクソもねえ

 一体何人"運んだ"っけなあ。団長さんよ』


 さぁな。
 少なくとも昨晩十程増えた気がするが、
 良くは覚えてない。

 …目の前と足元ばかり見ていて、
 星が、見えなかったからものでな。

【人】 傭兵団長 ダイゴ

[―――、かつて。
 見届けてほしい、と望まれた。>>1:34>>1:*2
 見届けたい、と望んだ。>>13

 けれども、彼らも自分も、神ではない。
 所詮行き着く所のわからない未来の為にから回る、
 小さな小さな歯車でしかない。

 誰の為に働いたわけでもない。
 また今度、友人と飯を食うための金稼ぎだ。

 何も、何も変わりはしない。
 金糸雀色の尾を揺らめかせて、]
(108) 2021/04/28(Wed) 5:39:22

 はて、止める必要がどこに存在する?

 見届けさせておくれよ。歯車の軋む様を。

 かの王の時と同じように、お前の未来を、

.

【人】 傭兵団長 ダイゴ



 [朝日の齎す河の星のもと、
 まだ肌寒い、カラリとした空気が肺を通り抜けた。]**


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(109) 2021/04/28(Wed) 5:40:21
[出国間際に買ったスカーフをピンで留め 、食料は魔法の布袋へ
 今は剣の鞘飾りになっている組紐は、いつか別の用途に使われることがあるのだろうか]


  おいで、ハールーン。
  私の大切な人。


[旅の伴侶に微笑みかける。
 彼への想いは形にするのが難しいけれど、この上なく大切な人だということだけはずっと変わらない。これからもきっと。

 これから先も、彼は逃れ得ぬ出自のせいで苦しむことがあるのかもしれない。
 追手と出遭うことも無いとは言い切れない。
 けれど護り抜こう、彼の身の安全と幸せを。新しい生き方を2度くれた人なのだから]**