13:35:29

人狼物語 三日月国


153 『Override Syndrome』

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


プロローグ

【人】 ???



     ある少女は言う。

        「私、すごく幸せなの。」、と。



(0) 2022/06/05(Sun) 22:49:05

到着:語り部 イヴ

【人】 語り部 イヴ



   かつて、国を憂う者達は言いました。

      「国民は皆、幸福であるべきだ。」
、と。


(1) 2022/06/05(Sun) 22:57:43

【人】 語り部 イヴ



   たしかに、全くもってその通りだと
   皆が口を揃えてそう言ったものです。

   誰も止める人間なんて、いるはずがありません。
   仮に居たとて、民衆の掌に握り潰されましょう。



(2) 2022/06/05(Sun) 23:00:31

【人】 語り部 イヴ




   「この世界に希望と幸福を」



      その理想を胸に、楽園エデンは創世されたのです。


     誰にも止められない楽園の単為生殖の未来など
     彼らは誰一人、知ることは無かったでしょう。




(3) 2022/06/05(Sun) 23:06:40

【人】 語り部 イヴ




     その理想は間違いだったのでしょうか?


     幸福を得ようと追い求めるのが
     初めから間違っていたのでしょうか?


     それとも、これがあるべき姿なのでしょうか?
  


      
(4) 2022/06/05(Sun) 23:08:43

【人】 語り部 イヴ





   その答えは

      2200年を生きる者達へ委ねられるのです。



(5) 2022/06/05(Sun) 23:09:16





(n6) 2022/06/05(Sun) 23:23:02

到着:内科医 カナ

【人】 内科医 カナ



 「敷かれたレールを踏み外してはいけないよ。
   踏み外したら最後、二度と戻って来れないからね。」



        [両親が私に言ったあの言葉の意味
                教えてくれたのは──]
         
(6) 2022/06/06(Mon) 2:27:32

【人】 内科医 カナ



[医者の両親の元に生まれ、医学部へ進み、医者へ。
  無垢で幼かった私は何一つ疑わないまま
  そのレールの上を大手を振って歩いてきた人生。

  決して一番優秀だったってわけじゃないけれど
  それでも素直に言うことを聞く子供の私を
  両親は可愛がってくれた。

  医者になるための知識と学習能力。
  教養の為に覚えたピアノにヴァイオリン。
  お金も、時間もふんだんに与えられて
 

              そして私は不自由という言葉を
              知ることがないまま育ってきた。]



(7) 2022/06/06(Mon) 2:30:29

【人】 内科医 カナ



  [愛情も、環境も、欲しい物も。
   全てを与えられた私は誰よりも豊かで
   誰よりも幸せな人種。


                   裕福な家庭に生まれた
                   素直で無垢な一人娘の私は

                   その幸福が当たり前だって
                   信じて疑うこともしない。]


(8) 2022/06/06(Mon) 2:32:53

【人】 内科医 カナ



      [そう。疑いもしていなかったの。

            あなたとの、
逢瀬
の日まで。]**



(9) 2022/06/06(Mon) 2:34:14
内科医 カナは、メモを貼った。
(a0) 2022/06/06(Mon) 2:43:35

到着:医者 サキ

【人】 医者 サキ


[ 無知は罪なり 知は空虚なり 英知持つもの英雄なり ]

 
(10) 2022/06/06(Mon) 8:50:17

【人】 医者 サキ

 
[ 俺はどちらにもなりたくない。

  求めたのは英智。
  人が生み出した、人を
す病の
治療法クスリ



        ただ一人の英雄になれれば良かった。 ]

 
(11) 2022/06/06(Mon) 8:50:20

【人】 医者 サキ

 
[ ────でもそんなもんはさ、選ばれた奴の夢だ。 ]

 
(12) 2022/06/06(Mon) 8:50:23

【人】 医者 サキ

 
[ 32歳、職業……医者。

  医学部なんてのは随分と高尚なもののように
  聞こえるが、中を覗いてみればピンキリだ。

  最低限医者としての頭があるのは当然として、
  最高峰と金さえ積めばある程度カバー出来る
  底辺私立大出の医者のレベルが同じだと思うか?
  思わないだろ?

  事実もその通りだよ。 ]

 
(13) 2022/06/06(Mon) 8:50:26

【人】 医者 サキ

 
[ 医者は医者でも内科の町医者。

  治療法の確立されているありふれた病を治して、
  重大な病気なんかは大学病院のような
  粒ぞろいのエリートに引き渡す。
  
  要するにふるいの1番最初だ。
  こんな大きい網目でも引っかかるものを
  何とかするのが俺の仕事。 ]

 
(14) 2022/06/06(Mon) 8:50:29

【人】 医者 サキ


[ ここまでは、年月重ねた故の理解。
  けれど、理解が生み出したのは新たな不可解。 ]

 
(15) 2022/06/06(Mon) 8:50:32

【人】 医者 サキ



   ───こんにちは、今日はどうしたの?


[             
諦めきれない


  想いは喉奥へと押し込んで
  英雄になれなかった男は
  訪れる患者に柔らかな笑顔を向ける。

  揺れる心中の天秤が
  同じ人間に傾かせられることになるとは
  出会う前の男には知る由もない。 ]**

 
(16) 2022/06/06(Mon) 8:50:35
医者 サキは、メモを貼った。
(a1) 2022/06/06(Mon) 9:52:45

到着:会社員 ツグアキ

【人】 会社員 ツグアキ


[ 俺は普 通まともだ。
  
  例えば、たまたま見つけた大昔の思想家の
  こんな一説に狂おしいほど心奪われて、
  密かに書き留めて大切に手帳にしまい込んでいても

  俺の口角は正しい笑みの位置に佇んで
  形を変えることはない。

  だって2200年現在

  『幸福』はいつもすぐそばにあるのだから。 ]
 
 
(17) 2022/06/06(Mon) 16:02:26

【人】 会社員 ツグアキ



 With love one can live
     even without happiness.

  人間には、愛がありさえすれば
  幸福なんかなくたって
  結構生きていけるものである


  Happiness does not lie in happiness,
     but in the achievement of it.

  幸福は、幸福の中にあるのではなく
  それを手に入れる過程の中だけにある


    ─── Fyodor Mikhaylovich Dostoevskiy

 
(18) 2022/06/06(Mon) 16:03:34

【人】 会社員 ツグアキ

**

[ 素手でレールをひとつひとつ前に敷いて
  その上を恐る恐る歩く。
  振り返れば俺の人生はずっと、そんな感じ。

  足がつかないプールで立ち泳ぎするように
  どこに行っても酸素が足りない気がしていた。
  溺れないように、沈まないように
  つかない足でじたばたともがきながら、

  俺の口角は、
  いつもきちんと笑みの形に整えられている。 ]
 
(19) 2022/06/06(Mon) 16:05:33

【人】 会社員 ツグアキ


[ まともな側にいるためには
  多数決で勝ち続けなければならない。

  三分の二を二回続けて選ぶ確率は
  九分の四であるように、
  存外容易に少数派になり得ることに
  気付かないか、気付かないふりか。

  『本物』の『幸福』を、この手に。己が力で。

  ─── だのに嗚呼、剥がれた爪の痕を隠した手で
  握った『幸福』は、かくも脆く。

  気付かないか、気付かないふりか。 ]
 
 
(20) 2022/06/06(Mon) 16:08:46

【人】 会社員 ツグアキ




  弱虫は、幸福をさえおそれるものです。
  綿で怪我をするんです。
  幸福に傷つけられる事もあるんです。


   ─── 太宰治「人間失格」


 
(21) 2022/06/06(Mon) 16:11:04

【人】 会社員 ツグアキ



[ 今日も、また、ひとつ、
  
         みつけた。    ]**

 
(22) 2022/06/06(Mon) 16:11:36
会社員 ツグアキは、メモを貼った。
(a2) 2022/06/06(Mon) 16:14:05

到着:女子大生 マユミ

【人】 女子大生 マユミ

 
 
真に実を結ぶべきは、マユミ!

 
 
(23) 2022/06/06(Mon) 18:39:05

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
        
[ 真結実アタシには幸せになる義務がある。 ]

 
(24) 2022/06/06(Mon) 18:39:37

【人】 女子大生 マユミ



   
あ【亜〔亞〕】

    
[音]ア(漢) [訓]つぐ

   
1 上位や主たるものに次ぐ。次位の。準ずる。

   2 化合物中で酸化の程度の低いものを表す語。
   3 生物学で、生物分類上の基本単位である
     門・綱・目・科・属・種などの、
     それぞれの下位単位を表す語。
   4 アジア。
   5 (「堊あ」の代用字)白い土。
 

 
(25) 2022/06/06(Mon) 18:40:22

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
        
[ 亜結実わたしには幸せになる権利がない。 ]

 
(26) 2022/06/06(Mon) 18:40:47

【人】 女子大生 マユミ

 
 
          
テセウス

              
Ship of Theseus

 
 
(27) 2022/06/06(Mon) 18:41:09

【人】 女子大生 マユミ

 
[ クレタ島の迷宮ラビュリントスに住まう
  ミノタウロスを退治するため、
  英雄テセウスが乗り込んだ船。

           
後世に語り継がれた伝説の証。



  しかし時の流れは何もかもを褪せさせてしまう。
  老朽化したテセウスの船は、
  一つずつパーツが交換されていき、
  やがて全ての部品が新たなものへと更新された。

           オリジナルが一つも残っていない、
           この船は果たして―――……。 ]

 
(28) 2022/06/06(Mon) 18:42:49

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
[ 
"テセウスの船"
と言えるのだろうか? ]

 
 
(29) 2022/06/06(Mon) 18:43:16

【人】 女子大生 マユミ

 
[ このパラドックスの回答が是となるか非となるかは、
  どういう理屈で考えるかによって変わってくる。
  同じ様な内容のヘラクレイトスの川、
  おじいさんの古い斧なんて話もあるらしい。

       人間に当てはめた話もある。
       生まれた時から人は新陳代謝を繰り返し、
       やがて生まれ落ちたその時に存在した細胞は
       全て失われる。
       それは同じ生物だと言えるのか?とかね。

    身近な例を挙げれば、
    創業当時から継ぎ足した秘伝のタレの中には、
    創業当時に作ったタレなんて既に存在していない。 ]

 
(30) 2022/06/06(Mon) 18:44:12

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 要するに、一見同一と思えるような
  何かを構成する材料が、
  全て別物に置き換わっていても、
  同じと言えるのかと言う話。

  逆に……テセウスの船の例えで言うなら、
  交換前のオリジナルのパーツを組み合わせて
  別の船を作ったら、
  どちらが"テセウスの船"の名に相応しいか
  と言う派生もある。 ]

 
(31) 2022/06/06(Mon) 18:44:51

【人】 女子大生 マユミ

 
[ では、これはどうだろうか。
  遺伝子を同じくする一卵性双生児の姉妹がいて、

                 
うち片方が死亡。



  残った片方が妹として生きていったら?
  普通に考えれば、そんなもの別人に決まっている。
  でも、今の社会には幸福の疑似体験ができる
  アプリが存在する。


  生まれた時も同じ、設計図となる遺伝子も同じ、
  構成する細胞を生み出す母胎も同じだった。
  歩む人生は多少異なってはいたけれど、
  大きな差異はない。
  積載する経験も、『エデン』で補完が可能。
   ……まぁ、アップロードされた幸福体験に
   限られてしまうのだけれど。 ]

 
(32) 2022/06/06(Mon) 18:45:41

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
 
 
  
[ 私は果たして、
船越 真結実真に実を結ぶべき妹
と言えるのかしら? **]

 
(33) 2022/06/06(Mon) 18:46:14
女子大生 マユミは、メモを貼った。
(a3) 2022/06/06(Mon) 18:51:50

【人】 女子大生 マユミ

 
[ キャンパスを歩けば、大抵の人がアタシに振り返る。
  交友関係も広かったから、挨拶をしてくれる子も多数。
  SNSに何か発信すれば、
  通知が数分鳴りやまない程、ファボが付く。

  典型的なきらきら女子大生、
  それが
船越真結実
と言う女だ。
  「マユ〜、ランチ行こうよ!」と声がかかる。 ]


   OK、行こ行こ!気になってたカフェあるんだ〜。


[ 弧を描く唇には、
  お気に入りのコスメブランドの新色グロスが輝き、
  にこやかに振られた指先は、
  涼やかな色で描かれた花柄のネイルアートが彩る。 ]
 
(34) 2022/06/06(Mon) 23:13:04

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 
船越亜結実
はどうだったか?
  ……本当に遺伝子は同じなのだろうか?
  そう疑いたくなるほど真逆の性質を持っていた。
  俯き気味に歩く姿は、誰の目にも留まらない。
  SNSに真結実と同じものを撮って上げても、
  ファボが二桁ついたことがない。


             
典型的な、陰キャ女だった。



  しかし努力の甲斐あって、
  今の所は妹への擬態が見破られてはいない。
  "亜結実"だった頃は、
  精々ファンデーションにフェイスパウダーを重ねて、
  雑にチークをはたいて、
  色付きのリップを塗る程度だった。
  真結実が死んでから、私が"真結実"になってから、
  必死になってファッション誌を見ながら研究した。

  きらきらした片割れの人生を乗っ取るは、
  そんなに簡単な事ではないということ。 ]
 
(35) 2022/06/06(Mon) 23:14:07

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 私と真結実は、
  大学近くのマンションに二人で暮らしていた。
  実家は少し遠くて、通えない距離ではないけれど、
  移動時間があまりにも勿体ない。
  どうせ二人とも同じ大学の同じ学部生なのだからと、
  両親が家賃を負担してくれて、生活費は二人で折半。



  そのマンションが燃えたのが、今からおよそ半年前。
  燃える家具の下敷きになった真結実は、
  どう考えても助かるとは思えない状況で、
  
私は一人無事逃げ出した。……見殺しにしたも同然だ。

  煙を吸ってしまったせいで、
  マンションの入り口付近で意識を失ったけれど、
  それほど大きな怪我をすることもなく、
  救急隊に助けられた。 ]
 
(36) 2022/06/06(Mon) 23:15:31

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 病院で目を覚ました時、
  母が「貴女だけでも無事で良かった!」
  と抱き着いて、
それで真結実の死を確信した。
 
        
         ナースコールで呼ばれた看護師が、
         私の様子を確認して、
         「記憶に問題はありませんか?
          お名前をフルネームで言えますか?」
         そのように聞いてきて、私は……。 ]



   はい。
私……いえ、
アタシは
船越真結実
です。


[ この瞬間に、船は偽物にすり替わった。 ]
 
(37) 2022/06/06(Mon) 23:16:33

【人】 女子大生 マユミ

 
[ ずっと一緒に暮らしてきて、
  
学校もずっと同じだった。

  
だから、真結実の大抵のことは知っている。

  
火事の後、真結実のスマホは

  
そのまま使い続けるのは無理でも、

  
データの方は割と無事だったので、

  
真結実がエデンに投稿したものは、

  
恐らく全て把握している。

  
タイムカプセルを開けるように、

  
丁寧に一つずつ味わった。

  
真結実の人生が輝いていたのは知っている。

  
それでも、専用のイヤホンから流れ込む

  
多幸感の甘美さたるや。



                
―――魅了された。


  今この幸福は、私の手の内にある。
  真結実のしてきたような努力を
  一切してこなかった私だけれど、
  これからは私が、
  失われてしまったこの得難い人生を守るのだ。
  
浅ましくも、そのように自己弁護したこともある。 ]

 
(38) 2022/06/06(Mon) 23:17:44

【人】 女子大生 マユミ

 
 
 
    
[ 本当に亜結実わたしは、どうしようもない
ね……。 ]

 
(39) 2022/06/06(Mon) 23:18:03

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 友人たちとのランチで、弾む恋バナ。
  「あの時、マユが機転効かせてくれて助かったよ〜」
  なんて言われて、友人に肘を小突かれた。
  どうやら真結実が咄嗟についた嘘が、
  彼女の恋路を守ったらしい。 ]


   あ〜、そんなことあったね!
   まぁほら、困った時はお互い様ってことで。
   アタシが困った時は助けてよね。


[ その言葉に別の子がハッとして、
  「それってミナコじゃなかった?」と言って、
  周囲の気温が下がる。
             ……しまった。とはいえ、
             こう言う事はよくあるので。 ]

 
(40) 2022/06/06(Mon) 23:18:45

【人】 女子大生 マユミ

 
 
   あ、そうだったっけ?
   ごめんね。火事の後は細かい記憶がちょっとね……。


[ 流石にこれを言われて、深追いできる人間はいない。
  
細かな記憶の齟齬は、全てこの一言で片を付けていた。

  ランチが終われば、私は病院に行く予定だったし、
  それぞれにも用事があったのでそのまま解散。 ]
 
(41) 2022/06/06(Mon) 23:19:36

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 実家の近所に、かかりつけの病院がある。
  真結実はマンションに引っ越してからは、
  それほど行かなくなったようだけれど、
  私は少し距離が離れても、その病院に通い続けた。

  やっぱり新しいお医者様と接するのは、
  緊張するじゃない。
  
私の事を分ってくれている人の方が、信頼できるし。



  担当医は東雲早希先生。>>13
  人当たりの良い、柔らかな印象の人で、
  陰キャの私にも比較的接しやすい人物だと思う。
  火事の時に搬送されたのは大きな病院だったけれど、
  そんなに大したことはなかったから、
  すぐにまた、こちらの病院に通うようになった。

  主に片頭痛用の薬と、
  火傷痕に塗る軟膏を貰いに行っている。 ]
 
(42) 2022/06/06(Mon) 23:21:10

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 受付で手続きを済ませ、待つこと暫し。
  名前を呼ばれれば、診察室に入った。 ]


   やっほー、先生。
   今日も頭痛薬と軟膏、貰いに来たんだけど?


[ 軟膏は兎も角、頭痛薬を貰う頻度は、
  "真結実"のそれよりも格段に増えている。
  元々姉妹揃って頭痛持ちではあったけれど、
  真結実は私よりも頭痛を起こす頻度が低かった。
  多少の違和感を覚えたりはするかもしれないが、
  これだけで私が"亜結実"であると勘づくとは思えない。

  流石に片頭痛を薬に頼らず乗り切るのは無理だった。
  飲んでいた薬が同じで本当に良かった。 ]**
 
(43) 2022/06/06(Mon) 23:21:57

【人】 内科医 カナ



  [普通、ってなんだろう?>>17
   誰が決めるんだろう?

   そんな事聞くのはいつだって普通側の人。
   普通側の人間が普通じゃない人間の心に寄り添う、
   歪にも見えるそれが治療というもので

   その不安定さに触れるのが、心療内科医の務め。]



(44) 2022/06/07(Tue) 0:47:44

【人】 内科医 カナ




   長い闘いになると思います。

         でも、きっと大丈夫です。


  [一日に何人もやってくる患者に私は伝えると
   震える手を優しく両手で包み込んで。
   あなたは独りじゃないと伝えると
   模範的な医者のように患者を励ます。

   何度口にしたか分からない気休めでも
   そこに安堵を感じる患者が沢山いたから
   私はどんな時でも彼らを励ます言葉を送り続けた。]


(45) 2022/06/07(Tue) 0:48:50

【人】 内科医 カナ



  [その甲斐あってか、私の診療所には
   評判を聞いた患者が多く来院するようになる。

   それはある種の希望のようなものだったのか
   その正体は彼らにしか分からない事だけど。

   なんにしたって、私は必要とされていた。
   彼らに.....蔓延した病気に苦しむ患者達に。]


(46) 2022/06/07(Tue) 0:49:42

【人】 内科医 カナ



  [けれど抱いたのは医者の誇りとは程遠い、

       醜いとしかいいようのない感情だった。]*



(47) 2022/06/07(Tue) 0:50:35

【人】 内科医 カナ


 ───始まり:大学時代の記憶───


  [無事に医学部への進学を決めた後のこと。

   どの大学だろうと医学部は優秀さの象徴。
   けれどその中でも更に優秀であろうとする人と
   進学をゴールだと思ってしまう人に別れるものだ。

   それは当然学生生活にも影響が出てくるもので、
   進学してもなお切磋琢磨し続ける学生を尻目に
   私は良くも悪くもない、普通の成績を収め続けた。]


(48) 2022/06/07(Tue) 1:07:46

【人】 内科医 カナ



  [そんな私とは正反対にも思える彼。
   私よりもずっと優秀なはずなのに


   私よりも何かに追い詰められているような
   危うさと激しさを秘めたようなその姿。



            どうしてか分からないけれど
            なぜだか強い興味を惹かれて。]


(49) 2022/06/07(Tue) 1:09:35

【人】 内科医 カナ




      はじめまして。隣...いい?
   

  
(50) 2022/06/07(Tue) 1:12:09

【人】 内科医 カナ



  [それは入ったサークルの歓迎会でのことか。
   それとも同じ講義で一緒になったときか。
   きっかけは些細なもので。

   尋ねた後、鮮やかに一礼すると
   隣の席へと座ろうとする。


              それが、彼との出会い。]*

   
(51) 2022/06/07(Tue) 1:13:15

【人】 医者 サキ


[ 『東雲医院』
  良くも新しいとは言えないが、
  親父の代からの地域密着型。
  小児科、内科、皮膚科、
  使われどころの集まった場所だ。

  今在籍してる医者は院長の親父と、俺と、妹。
  それと雇ってる数年前から
少々頭皮が見えがち…

  叔父さんが1人の4人だけ。

  っても叔父さんは非常勤だし
  実質3人みたいなもので。
  典型的な家族経営…と言っていい。 ]

 
(52) 2022/06/08(Wed) 1:35:48

【人】 医者 サキ


[ 当初は共に勤めていた院長の妻──
  母が15年前に表から姿を消したこと

  当時跡継ぎと期待されていた兄だけが
  この病院に勤めていないこと

  知る人は少なくないだろう事実だが
  それらは触れてはならない話題として
  暗黙の了解的に仕舞われている。 ]

 
(53) 2022/06/08(Wed) 1:35:53

【人】 医者 サキ

 
[ 密着型ゆえにその日によって
  担当医が変わるなんてことはなく、
  患者さんは初診を受け持ったのが担当医になる。

  …彼女らと出会ったのは、偶然か、
必然
か。 ]

 
(54) 2022/06/08(Wed) 1:35:57

【人】 医者 サキ

 
[ 研修医の期間を終えて、ここに勤め始めたのは6年前。
  常勤で働いていた雇われの人と
  入れ替わるように滑り込んだ。

  彼女らは双子の姉妹。
  初診からか、入れ替わりの引き継ぎでか、
  俺の思う初対面はその日だったけれど。 ]


   ────よろしくね、
   アユミちゃん、マユミちゃん。


[ 医者なんてよろしくすることがない方がいいけど、
  そこは社交ってことで。


    …医者でない学生の頃の俺と会ったことはあったかな?

          昔はよく手伝い件見習いの見習いくらいで
          近所の爺ちゃん婆ちゃんに挨拶がてら
          病院に顔を出すこともあったから
          小さい時からなら、見ていたかもしれないね。


  顔はよく似ているけれど、
  性格は真反対そうな2人だから
  見分けるのはさして苦でもなかったっけ。 ]
 
(55) 2022/06/08(Wed) 1:36:00

【人】 医者 サキ


[ ───2人の定期的な症状は片頭痛。

  他に病気はしないでいてくれるに
  越したことはないけど、
  あれば都度見ていた。

  特筆するとすれば、
  姉──アユミの方が症状が重かったことか。


  頻度が違えば、来る回数も変わる

  彼女らが大学に進学する歳を過ぎて、
  元々頻度の多くなかったマユミが
  あまり来なくなったことは環境の変化だろうと、
  それほど気にしてはいなかった。 ]

 
(56) 2022/06/08(Wed) 1:36:04

【人】 医者 サキ



   …変わりないみたいだね、わかった
   いつもの量出しておくから、
   用法と用量はきちんと守ってね。


   最近はどう、ユミちゃん
   二人とも元気にしてる?


[ 呼びやすい愛称が欲しいとか、
  些細なことから始めた名を呼んで
  1人定期的に訪れるようになった
  アユミに近況を訊ねていたのも今は昔。


  半年程前からだったか───…
  状況の中で双子の人物だけが
  そっくりと、入れ替わった >>43

     まるで初めからそうだったかのように。 ]

 
(57) 2022/06/08(Wed) 1:36:08

【人】 医者 サキ


[ 時の流れの間に、姉ほどに酷くなった頭痛と
  ただ事ではなさそうな火傷を負って現れたマユミいもうと
  
  違和感を覚えるなとまでは無理だな、
  でも確かに追求する程じゃなかった。
  俺の前に現れたのは正真正銘、船越真結実だったから。


  ……そう、この時、俺は間違えた
  間違えたが、正しかったのか。
  船越さんです、と渡されたカルテの名を
  はっきりと確認しないまま声をかけたんだ。 ]
 
(58) 2022/06/08(Wed) 1:36:12

【人】 医者 サキ



    ───ユミちゃん?

    …久しぶりだね。


[ アユじゃ魚っぽいだろ、なんて理由から
  ユミと呼んでいたのはアユミの方だけで。

  略称といえば頭2文字と、
  マユミは例に漏れることなく
  マユと呼んでいた。    

  間違えたのは呼び方だ。


  
マユミにとって
は前とは違う呼び方のはずだけど──
  …さて、どんな反応だったか。 ]

 
(59) 2022/06/08(Wed) 1:36:15

【人】 医者 サキ

 
[ もし人を
"テセウスの船"
と喩えるのなら

  義手、義足、義眼、人工臓器…
  ありとあらゆる人工物で身体を作り替えようとしても、
  唯一取り替えることの出来ない物が脳。

  それは考えと人格をつくり
  人をその人たらしめるもの。

  脳が変われば 人は変わる。
  ならば作り替えられた人はもはやその人ではない。
  …と、俺は思う。

  
"テセウスの船と名付けられた船"
ではあっても
  元の
"テセウスの船"
にはなれないのだろう。

  …けれど、パラドックスに正解はない。
  様々な外的要因さえ揃ってしまえば、
  
名付けられただけの船

  
テセウスの船
と足り得るのかもしれない。 ]

 
(60) 2022/06/08(Wed) 1:36:20

【人】 医者 サキ

 
[ 時は流れて、今。 ]


    ああ、いらっしゃい。

    頭痛の頻度と程度はどう?
    あと火傷も軽く見ようか。


[ いつも通り、物腰柔らかな笑みを向けて
  俺は船越真結実に声をかける。
  医者がすべきは真相究明ではなく、
  目の前の病に取り組むことだと
  理解っているから。 ]**

 
(61) 2022/06/08(Wed) 1:36:23
医者 サキは、メモを貼った。
(a4) 2022/06/08(Wed) 1:49:37

【人】 会社員 ツグアキ


[ 日本の平均水準をずっと下回る家庭で生まれた。

 当たり前に与えられるはずの悉くを
 手に出来ず育った自覚はあるけれど
 趣味や習い事に割く余裕も得られなかった
 子供時代、出来ることといえば勉強だけだったから
 それがひいては下層から這い上がるための
 努力と術に繋がったらしい。

 幸いにも悪くなかった地頭のためか、
 砂山から砂金を掴み取るように掠め取った。
 日の当たるところへのチケットは、医学部合格。 ]
 
(62) 2022/06/08(Wed) 4:55:54

【人】 会社員 ツグアキ



[ その時点で
  俺は、人生において

  『本物』の『幸福』を、手にしたはずだった。

  ─── だのに嗚呼、剥がれた爪の痕を隠した手で
  握った『幸福』は、かくも脆く。 


 
(63) 2022/06/08(Wed) 4:57:19

【人】 会社員 ツグアキ


[ だから今日も俺は『エデン』を立ち上げる。
  支給されたイヤホンで外音を遮断すれば
  不幸など知らない誰かが書き込んだ、
  きらきら輝く幸福があっという間に脳を染める。

  義務的に与えられる『幸福』は
  確かに己を一時の安寧で包み、
  人肌に温い夢に揺蕩い、救われる。

  生きている。


  ああこれは、誰かの恋が実った日のことかな
  いいな、きらきら、きらきら、脳が眩しい。 ]
 
(64) 2022/06/08(Wed) 5:01:00

【人】 会社員 ツグアキ



   うわぁぁ、びっ……くりした!
   えっ、なに、あ、 はい、


[ 突然降ってきた声が
  自分に向けられたものだと
  ワンテンポ遅れて気付き、背がびくりと跳ねた。

  見覚えのある女性。……綺麗な人だ。
  艶やかな髪、健康的な肌
  品の良さそうな衣服。>>50

  ─── 幸福が共にあることを
  知らずに知っている側の人間の匂い。

  気づかれないようにイヤホンをそっと外す。 ]
 
(65) 2022/06/08(Wed) 5:02:27

【人】 会社員 ツグアキ



   ……ええと、 失礼しました。
   どうぞ、隣はご自由に。
   俺は佐々岡です、あなたは、その───


[ 動揺を削いで、口角をゆるりと上げた。 
  手の中で転がるイヤホンを握り隠す。
  渇望してやまない幸せは
  持っているフリをして。 ]
 
(66) 2022/06/08(Wed) 5:06:30

【人】 会社員 ツグアキ


[ 何不自由なく育ってきた同期の面々が
  さくさくと実績を積み、見出され、
  苦労無く敷かれたレールの上を
  スキップで駆け抜けていくのを
  目の当たりにする日々だったよ。

  いくら努力を重ねても基盤のない己が
  光を浴びることはほぼ無いのだと言う
  現実を知った頃。 ]

 
(67) 2022/06/08(Wed) 5:11:12

【人】 会社員 ツグアキ



  神に問う。信頼は罪なりや。
  果たして、無垢の信頼心は、罪の源泉なりや。 
  神に問う。無抵抗は罪なりや?
  いまは自分には、幸福も不幸もありません。

  ただ、一さいは過ぎて行きます。

  
 
(68) 2022/06/08(Wed) 5:12:20

【人】 会社員 ツグアキ


[ 血を吐き泥水を啜るようにして
  仕上げた論文が、
  理事長の一人息子のものとして学会に発表され

  華々しい評価を得た場面を目にする。

  自分の口座に記された見たこともない桁の
  入金記録と引き換えに
  己の医師としての未来が

  永久に閉ざされたことを自覚するのは、

  あの頃のこと、だったね。 ]**
 
 
(69) 2022/06/08(Wed) 5:15:20

【人】 医者 サキ

 
[ 東雲は典型的な医の一族。
  祖父か、いや曾祖父だったか
  とかく医者を始めた誰かが積み上げた資産を、
  子孫世代が使った分以上に重ね

  先祖代々───
  2200年に至るこの時まで
  不自由らしき不自由はしたことが無かった。
  
  "そうなるべき"
だと生まれ出た時より
  定められている幸せを抱えていることさえ除けば。 ]

 
(70) 2022/06/08(Wed) 13:14:46

【人】 医者 サキ



             『 医者になりなさい 』



[ 東雲に生まれた子は皆、そう言われて育つ。

  現代に生きる俺たち3人も例外ではなく、
  幼い頃より医者になるのが当たり前だと思っていた。

  教養は知識のみにあらず、
  然し得る方法は限られる。


  金という対価で用意された階段を
  一段一段と上って
  医学部合格の門をくぐる

  それが定められた幸せだ。
  出来ないはずがなかった。 ]

 
(71) 2022/06/08(Wed) 13:14:54

【人】 医者 サキ

 
[ 全てを壊したのは、 兄だ。 ]

 
(72) 2022/06/08(Wed) 13:14:59

【人】 医者 サキ


[ 兄は調子に乗っていた。
  跡継ぎだと周りから囃し立てられて、
  自分は出来る人間なのだと勘違いしていた。

  母はずっとそんな兄に忠告をしていたが
  まるで聞く耳も持たず。

  怠惰に身を落とした
  人間を食い破らんとする者は
  溢れんばかりにいるというのに。

  目に見えているだけで手が届くと勘違いして
  上の大学に手を伸ばしたんだ、あの愚兄は。 ]

 
(73) 2022/06/08(Wed) 13:16:05

【人】 医者 サキ



     
 「 
不合格
 」



[ 奴の眼前に叩きつけられた始めての挫折。
  18に至るまで用意された階段の先は
  続いていると信じて疑っていなかったのか。

  当たり前にくぐるはずだった門は閉じられて、
  手に残ったのは薄っぺらい三文字の言葉だけ。

  兄の落ち込みようと言ったらそれは酷く、
  沈みきって泣いていたと思えば、
  突然癇癪を起こして物や人に当たり散らし

  母がもっと強く言っていればと一人泣いていて

  ああ、地獄ってこんな心地なのかな?
  俺の高校合格なんて何の薬にもならず、
  暫くは重苦しい空気のまま。


  結局、兄は父に諭され
  もう1年、門が開く時を待つことになって。 ]

 
(74) 2022/06/08(Wed) 13:16:09

【人】 医者 サキ


[ ────医学部浪人。

            本当の地獄がこれからだなんて、
            誰も思ってはいなかった。 ]**

 
(75) 2022/06/08(Wed) 13:16:14

【人】 内科医 カナ



  [何が幸せかは自分で決める。
   そんな当たり前のことが見落とされた
   欠落だらけの楽園があるこの世界でも
   世間的に見れば医学部はW成功者Wだ。>>62

   だから想像出来るはずもない。
   W成功者Wが紛い物に縋り付くなんて。>>64

   想像出来るはずもない。
   そのイヤホンの先が、不幸の象徴だなんて。



(76) 2022/06/08(Wed) 16:14:46

【人】 内科医 カナ



  [声をかけてから幾許かの隙間が空くと
   まるで悪戯がばれた子のように背が跳ねる>>65
   私までつられて驚いたのは言うまでもなく。]


   あ、 ご、ごめんね...?

         邪魔しちゃった...?


  [WなにかWを中断するようにイヤホンをしまう
   あなたの姿がやけに印象的で。

   動揺を削いで成しえた愛想の結晶に
   私は慌ててあなたに確認するように問うと
   合わせるように自分の名前を名乗り、尋ねる。]


(77) 2022/06/08(Wed) 16:16:53

【人】 内科医 カナ



     古森佳奈です。

        佐々岡くんは勉強、得意?


(78) 2022/06/08(Wed) 16:19:00

【人】 内科医 カナ




     世間とは、いったい、何の事でしょう。
     人間の複数でしょうか。どこに、その世間
     というものの実体があるのでしょう。



(79) 2022/06/08(Wed) 16:28:07

【人】 内科医 カナ



  [皆子供の頃に一度は言われる。
   進むべき道は自由だと。

   でも誰も教えてはくれない。
   勧められる道は環境によって決まるのだと。

   蟾蜍の周りには蟾蜍が、
   鷹の周りには鷹が集まる。

   環境というW世間Wで既に明確な差は生まれ
   鷹と同じ力を得た雄々しい蟾蜍さえ

   W世間Wという肥大した主語の前では
   その耐え難い激痛に喘ぐしかない。>>69




(80) 2022/06/08(Wed) 16:30:11

【人】 内科医 カナ



  [『幸福』は目に浮かぶ実体として
   共有されたその瞬間に死を迎える。>>64

   W世間Wが実体として目の前に現れた時
   蟾蜍も鷹も、等しく無に還っていく。

   もう既にW世間Wという存在が
   それを証明しているというのに。>>n4>>>n5

   世間知らずの私がその事に気づいたのは
   あなたが絶望を味わってから後のことだ。>>69]*
   

(81) 2022/06/08(Wed) 16:32:21

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 母の胎から先に出てきたのが、アユミわたし

        
ただそれだけの理由でアユミは姉となり、

        
ただそれだけの理由でマユミは妹になった。



  双子の子供がいれば、
  親としてはお揃いの服など着せたくなるもの。
  私たちも相当幼い頃は、
  同じ服を着せられることが多々あった。

  けれど、揃えようとすればするほど、
  落差が際立つことに早々に気付いてしまった。 ]

 
(82) 2022/06/08(Wed) 18:44:13

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 長子を見て育った弟妹は、
  容量が良い傾向にあるなんて言われているけれど、
  殆ど同時に生まれた双子にも、適用されるのかしら。
               
……随分と皮肉な話ね?



  東雲の跡取りと持て囃された嫡男の挫折。>>73
  好き好んで触れたがるほど、
  個人的にはゴシップを好む質ではないけれど、
  人の口に戸は立てられないと言うでしょう。
  流石に何も知らない……とは言えない。


  直接の関わりはなくとも、
  難儀な長子同士、身勝手な親近感を覚えたりもした。
  周囲の人間からしたら、
  堪ったものではないのも分かるから、
  過剰に同情したりもしないけど。 ]

 
(83) 2022/06/08(Wed) 18:44:56

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 家族経営の『東雲医院』。>>52
  メンバーに抜けがあるのは知っていても、
  そんなセンシティブなものに切り込むほど
  不作法ではない。
  
暗黙の了解は私も、そして妹も弁えていた。


  でも真結実はこんな性格だから、
  叔父様の頭皮については言及したかもしれないわね。


  同じ妹を持つ身として気になって、
  先生の妹さんのことは私も聞いたけれど、
  こちらはタブーではなかったかしら?
  聞いてまずそうな雰囲気を察したら、
  勿論好奇心は引っ込めた。 ]

 
(84) 2022/06/08(Wed) 18:45:57

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 早希先生が担当になったのは6年前。>>55
  船越家は一家総出で、
  東雲医院のお世話になっていたから、
  病院のお手伝いをしていた学生の頃から知ってはいた。
  入れ替わりの引継ぎの時はまず先に真結実の、
  「先生、おめでと。凄いじゃん!」などと、
  私からしてみれば、
  距離感を間違えているとしか思えない発言の後に……。 ]



   こちらこそ、宜しくお願いします。
   私は特に頭痛薬を取りに来るので、
   お世話になることが多いと思います。


[ 控えめに返した。
  確かに、お医者様の世話にならないに
  越したことはない。
  でも死ぬまでお世話にならずに、
  生きられる人など多分いないだろう。

  頭痛持ちである以上、
  定期的に世話にならざるを得ないし、
  社交辞令でも宜しくする気がある方が有り難い。 ]

 
(85) 2022/06/08(Wed) 18:46:44

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 病は気から……なんて言うけれど、頭痛だけではなく、
  気弱な私は真結実以上に
  先生のお世話になることになった。
  ちょっとしたストレスで胃を悪くしたり、
  気を付けているつもりでも、風邪を引いてしまったり。

           
……心身ともに面倒くさい女だ。 ]



   ええ。真結実いもうとは元気ですよ。
   私ばかり面倒をかけて、すみません。


      [ "ユミちゃん">>57
        私をそんな風に気安く呼んでくれる人は、
        他にいなかった。
        姉妹どちらにも使える愛称。
        私はてっきり、
        楽だからそうしているのだと思っていた。 ]

 
(86) 2022/06/08(Wed) 18:47:29

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 大きな病院から退院し、東雲医院に来た日。
  真結実と早希先生の数年ぶりの再会の時。>>59 ]


   先生、久しぶりだね。
   まだアタシの事、
そう呼んでくれる
んだ?


[ アユは疑似餌間違いに食いつき、
  先生は見事真相に繋がるヒントを釣り上げた。

           まさか魚のようだからなんて理由で、
           姉妹の愛称を使い分けていたなんて
           夢にも思っていなかったもの。
           私は昔から詰めが甘かった。 ]*

 
(87) 2022/06/08(Wed) 18:49:08

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 今、目の前にいる嘘吐き患者は、
  先生の目にはどう映っているのかしら。
  なんにせよ私の想定以上に、
  先生と真相の距離は近いのだと思う。 ]



   最近、気圧が不安定だからしんどくて……。
   いつものお薬、同じ量貰えます?

   火傷痕もね。これでいい?


[ ブラウスの袖をまくり上げて、
  マキシ丈のスカートの裾を掴んで引き上げた。
  足の火傷は幸い脹脛から下だから、
  そんなにまずい感じの絵面ではない。

  搬送された大きな病院では、時間が経過することで、
  いずれ殆ど分からなくなると言われたが、
                
今はまだ
いまま。 ]**

 
(88) 2022/06/08(Wed) 18:50:20
女子大生 マユミは、メモを貼った。
(a5) 2022/06/08(Wed) 19:06:42

【人】 医者 サキ

 
[ 兄は同じ胎から生まれたとは思えないほど、
  俺や妹とは違っていた。
  
  調子者で、後先を考えない。
  一番に母に叱られるのはいつだって兄だ。
  それは俺が物心着いた時からの日常だった。



  あいつはあいつなりに、苦労したんだろうか
  兄としての悩みは分かっても、長子の悩みは分からない

  今では見る影もなく年中部屋に引きこもっているあいつに、
  次子が差し伸べられる手はきっとないんだろう。


          弟妹は兄姉が思うより
          本人たちを見ているものだよ
          思うところはあるさ、良くも、悪くも。 ]

 
(89) 2022/06/09(Thu) 2:24:20

【人】 医者 サキ

 
[ 世間話やコミニュケーションも仕事のうち、
  軽い会話には遠慮なく付き合うのが
  この医院の医者だから。

  タブーに触れられることさえなければ、
  口前の軽さが変わることもない。 ]



   ああ……叔父さん、
   最近帰ると叔母さんの目が鋭いらしくて
   見る度薄くなってるんだよ……


   あ、本人には内緒な、
   ストレス増やしちゃいけないから


[ しぃ、と人差し指を口元に立てて
  見かけたら優しくしてやってと木を添える。

  距離感が幅跳びなのは何も悪いことじゃないけど、
  センシティブなのは…難しいしな。

  マユミならわかっていそうだとも思いつつ、
  頭皮の話は漏れ出さないうちに終わりにしたはずだ ]
 
(90) 2022/06/09(Thu) 2:24:24

【人】 医者 サキ

 
[ 妹のメインは小児科だ。
  俺の1つ下なので彼女らが診療を
  受けたことはないだろうけど、
  狭い医院だから姿くらいは見たことがあるだろうか。

  エマ恵真、と少し日本人離れしたような名で
  呼ばれる少し背の低めの子がそう。

  共に名前で苦労した仲間であるからか
  昔から兄妹仲は悪くなくて。
  良い、と言ってもいいかな。

  歳は近くて、あの子の方が出来はいい。
  けれど男女の差ってのは大きくて
  案外比べられる事もなかったから、
  他の苦労はそれほどした覚えはなかった。


            これで同性だったらと思うと、
            あまり想像したくはない。 ]

 
(91) 2022/06/09(Thu) 2:24:29

【人】 医者 サキ

 
[         
望が花
咲き
ますように
          
まれた人生になりますように

  どんな願いを込めてその名を付けたのか
  小学校の頃理由を聞いてくるようにと
  出された宿題で俺たちに与えられた答え

  今じゃ考えてくれたんだな、って
  親の気持ちも分かるけど


  あの頃はことある事に、
  女みたいだと囃されて
  毎日のように名前を呪ったもんだよ
  妹はもう…響きが外人だったし。


  子は親の思いなんて知らない。

  仲の良さにはこんな裏話もあるけれど、
  こちらから重たい話は聞かせないのが鉄則だ。
  話したとすれば"歳が近いから"
  程度のことに限られるだろう。 ]
 
(92) 2022/06/09(Thu) 2:24:33

【人】 医者 サキ

 
[ 人をその人たらしめるのは脳だが、
  俺たちは頭の中身を覗くことが出来ない。
  つまり自己申告が全てになる

  よく似た双子だなんて、
  実は入れ替わっていましたとか言われても
  わかる自信は申し訳ないことにゼロだ。 


  なので医者になってから彼女らに挨拶をした時も、
  陽気に褒め言葉をかけてくれたマユミと
  控えめながらもしっかりとしているアユミ >>85

  性格が真反対そうで安心したのは記憶に新しい。 ]

 
(93) 2022/06/09(Thu) 2:24:37

【人】 医者 サキ

 
[ 気を使う人間ほど、
  環境の気に飲まれるのは自然の理か
  体調を崩しやすいというのはよくある話。

  来ない方がいいとはいうけれど、
  いざという時来る場所として
  認識して貰えるのは嬉しいことだから。 ]



   そうか、よかった。
   
   面倒なんて気にしなくていいんだよ、
   困った時の病院なんだから

   もちろん元気でいるのが一番いいけど、
   こうして話せるのは嬉しいしね


 
(94) 2022/06/09(Thu) 2:24:41

【人】 医者 サキ

 
[ 愛嬌があったり、話しやすかったり、
  好かれる人間というのは居るんだろうけど

  やけに上から目線なのだとか、
  何も考えずに薬薬と言ってくるのだとか
  ため息ついでに顔を覆いたくなるような
  人種は少なからず存在するので、

  俺としては謙虚なだけでも印象は
プラス
だ。

  愛称だって意図はなく、
  親しみ。
それだけの話だった。 ]

 
(95) 2022/06/09(Thu) 2:24:44

【人】 医者 サキ

 
[ 名を呼びながら彼女を見た。
  様相の違和感を感じたのは、その時。
  咄嗟に手元のカルテへと目を落とせば、
  あったのは船越「真結実」の名。 ]


   ………、あぁ、
昔からそう呼んでた
だろ
   久しぶりでも、覚えてるよ

   今日はどうしたの?


[ 一瞬喉を詰まらせたのも束の間、
  俺の口から出てきたのは小さな嘘。
  
  ただほんの少しの違和感が、
  水面に波紋を呼んでくる。

  火傷の理由を尋ねればどうか、
  火事のことくらいは知れたかな。

  "船越亜結実"は死んだ
  とさえ知らなければ、
  波紋はいずれ収まり消えるもの。 ]

 
(96) 2022/06/09(Thu) 2:24:54

【人】 医者 サキ

 
[ 餅は餅屋と言うように医者は医者。
  警察でも探偵でも無い。

  違和感があったところで
  追求しようとも思いはしない、
  結局、自己申告が全ての世界だから。

  俺は目を瞑ることを選んだ。 ]



   この時期の低気圧は辛いね……
   うん、わかった

   火傷…もまだ
いか


[ 露出した脹脛の痕を視て
  ぽつ、と呟き。

  次第に良くなっては来ている。
  まだ時間はかかるだろうけれど、
  問題は無いだろう。

  歳若い女の子だもの、
  顔や粘膜に近い所の火傷でなくて良かったと思う。

  絵面の面でもといえばそれはそうだ。 ]

 
(97) 2022/06/09(Thu) 2:25:02

【人】 医者 サキ



   軟膏と、あとケロイド…
   皮膚の盛り上がりを抑えてくれるやつね、
   そっちの薬もまた出しておくよ

   いつもの事だけど、
   頭痛薬の方は飲みすぎに気をつけて。
   逆に酷いのがでることもあるから…
   

[ にこやかな笑みを浮かべて、そう言った。 ]
 
(98) 2022/06/09(Thu) 2:25:10

【人】 医者 サキ


[ 人間は不幸のどん底につき落され、
  ころげ廻りながらも、
  いつかしら一縷の希望の糸を
  手さぐりで捜し当てているものだ。
  
                ───パンドラの匣 ]

 
(99) 2022/06/09(Thu) 2:25:13

【人】 医者 サキ

 
[ 一縷の糸の先が希望であれば、
  それでいいのではないか。
  どうにも、あれはパンドラの匣
  のような気がしてならない。


  それに、嘘は虚だが悪では無いのだ。


  
幸福
を追い求めることは
  現代2200年において
間違い
では無いのだから。 ]**
 
(100) 2022/06/09(Thu) 2:25:17
医者 サキは、メモを貼った。
(a6) 2022/06/09(Thu) 2:27:57

【人】 会社員 ツグアキ


[ 邪魔しちゃった?と言う声に首を振る。>>77

  ごめんね、の謝罪にどういう色が
  込められているか。
  本音なのかただのマナーとして
  なんの気なく付け足しただけなのか。

  たった四文字の軽い言の葉にさえ
  重箱の隅をつつく如く仄暗いことを
  考えるのは、生まれついての習性なのだろう。 ]
 
 
(101) 2022/06/09(Thu) 10:14:29

【人】 会社員 ツグアキ



   あ、あぁ、古森、さん。
   すみません、あまり余裕が無くて
   なかなか他の人と絡めないから。


[ きちんと知っているふりをするべきか、
  知らないと正直に言うべきか。

  まぁでも同期、なのかな、と思い至る。
  声をかけてくるということは、と
  ぱっと考えたところで瞬きをひとつ。
  
  その風貌はなんとなく
  記憶の片隅に覚えがある気がした。 ]
 
(102) 2022/06/09(Thu) 10:15:50

【人】 会社員 ツグアキ



   邪魔なんかじゃないですよ。
   ……どうぞ?


[ 彼女が何のために声をかけてきたのかは
  わからないまま、隣へ一応促してみる。

  刹那、ふわ、と空気が和らぐような感覚。

  ああ、『持っている』人、の匂いがする。
 ]
 
(103) 2022/06/09(Thu) 10:16:39

【人】 会社員 ツグアキ




   ああ、このひとも、きっと不幸な人なのだ、
   不幸な人は、

   ひとの不幸にも敏感なものなのだから。


 
(104) 2022/06/09(Thu) 10:17:26

【人】 会社員 ツグアキ


[ 彼女が隣へ座ったか否か
  唐突にふりそそぐ質問には顔を上げる。>>78


   勉強……
   はい、そうだね、得意ですよ?


[ やっかみか、と内心だけでため息をついた。
  人間というものはかくも面倒な生き物で、
  自分を基準にして他者をなんなく比較し、
  相手がより秀でていると判断すれば
  多かれ少なかれ悪意を投げつけるものだ。 ]
 
(105) 2022/06/09(Thu) 10:18:39

【人】 会社員 ツグアキ


[ そう言う場合には、変に恐縮すると
  ますます面倒くさくなる。
  純粋な笑みでこう答えるのが一番だ、と
  学んでいた。 ]


   古森さん、は?
   得意ではないのですか?
   とは言えこの学部に来ていて
   勉強が苦手ということもないのでしょうけど。


[ くす、と笑んで少しだけ首を傾けて
  頭をぽりぽりとかいた。 ]
 
(106) 2022/06/09(Thu) 10:20:42

【人】 会社員 ツグアキ



   ……なにか、俺に
   
あなたのちからになれることが



[ 使い古して角が擦れて汚れた参考書に手を置いて。
  あくまで人好きのする表情で、
  学習のことだけを指し示す口ぶりで。 ]
 
(107) 2022/06/09(Thu) 10:22:00

【人】 会社員 ツグアキ


[ 本来当たり前に得られるはずの『幸福』を
  擬似的に容易に受け入れることに対して
  微かな違和感を感じたのはいつだったのか。

  それともそもそも人生など不平等だと
  残された脳細胞の微細な理性一片は
  記憶していたのだろうか。

  もしくは俺だって人並みに
  美人には弱かった、ってことなのだろうか。

  そうだな、だからあの時。
  付け足したのかな。余計な一言。  ]
 
(108) 2022/06/09(Thu) 10:25:17

【人】 会社員 ツグアキ




   俺には、勉強しかないので。**


 
(109) 2022/06/09(Thu) 10:25:33

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 小児科のエマ先生。>>91
  低めの身長の所為か、実年齢よりも少し若く見え、
  子供にしてみれば親しみやすい、
  いい先生なのだろうと。
  見かけただけで、碌に話したこともないけれど、
  そんな印象は持っていた。


  私としては
"早希"
"恵真"
も、
  お洒落な名前……としか思わなかったけれど、
  確かにありふれた印象は無いから、
  当人たちには苦労もあるのかもしれない。


  私たち双子の名前は響きに合わせて
  漢字を当てただけで、
  "亜"に悪意が込められていた訳ではない。
  けれど、言葉の意味を知ってしまえば、>>25
  勝手に因果を感じてしまうのも無理からぬこと。 ]

 
(110) 2022/06/09(Thu) 18:33:22

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 年の近い妹さんは優秀で、それこそ性別が違えば、
  跡取り枠の争奪戦になったりしたのかしら?
  医療ドラマを見ていて思っただけだけれど、
  家族経営の小さな病院であったとしても、
  "病院の跡取り"というステータスはかなり強い筈。
  それこそ、医師としての技量や、
  男としての器なんてどうにでもなるくらいの手札。



  ……なんて好奇心はあったけれど、
  それこそ、こんな低俗な話はしないのが鉄則な内容ね。
  私以上に真結実が気にしていたけれど、
  これはあくまで姉妹間の内緒話。
  
叔父様の話も妹はしっかり秘密を守っていたわ。>>90 ]

 
(111) 2022/06/09(Thu) 18:34:14

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 姉妹が似ていなくて得をしたのは初めてだった。
  真結実が好む明るい色の服で身を隠し、
  真結実が好むブランドのコスメで顔を塗り潰して、
  真結実の言動をなぞるだけで、



            名ばかりの下位互換は、
            
"テセウスの船"
の体裁を保てた。 ]
 
(112) 2022/06/09(Thu) 18:35:09

【人】 女子大生 マユミ

 
[ ―――と思っているのは私だけだったみたい。

         パンドラの匣が口を開け牙を剥くのは、
            悲劇が喜劇に落ちるのは、必然。 ]

 
(113) 2022/06/09(Thu) 18:35:55

【人】 女子大生 マユミ

 
[ 私という"真結実"が初めて対面した早希先生。>>96
  先生は目を瞑ることを選んだ。
  瞼が真実を覆ってくれたから、

              
私には不都合は何も見えない。 ]



   二人暮らしをしていたマンションが
   火事で大変なことになって……。

   幸いこの程度で済んだから、
   搬送された病院から退院してきたとこ。


[ 火傷と火災の話はしたけれど、
  
"船越亜結実"の死は、聞かれなければ言わなかった。

  この頃は私も動揺していたし、
  言わなくてもどこかで知る機会が
  あるかもしれないと思っていた。
  
自分から話すと、ぼろが出てしまいそうだったしね。 ]*

 
(114) 2022/06/09(Thu) 18:37:29

【人】 女子大生 マユミ

 
[ そんな風に変わりなく過ごしている内に、
  私の成りすましも少しは精度を上げたかしら?
  "ユミちゃん"と"先生"のやり取りは恙なく。
                   >>97>>98 ]


   あ、助かる!
   
いずれまたミニスカートだって穿きたいもんね。

   オバサンになっちゃう前に、治さなきゃ。

   薬に耐性が付いちゃって、
   効かなくなっちゃうんだっけ?
   その上さらに頭痛が激しくなるとか?
   こわー。肝に銘じときます。


[ ミニスカートなど殆ど穿いたことのない私だから、
  治ったら本当に穿くのかどうかは微妙な所。
  別に真結実だって、
  ミニスカートばかり好んでいた訳でもないし。 ]

 
(115) 2022/06/09(Thu) 18:39:50

【人】 女子大生 マユミ

 
[ でもきっと、そういう訳にもいかないのだろうな
  とは思っている。
  夏場にピンヒールのサンダルを履き、
  素足を惜しげもなく晒す。
  
その姿は、キャンパス内でかなり目を引いていた。



     惹きつけた目の中には特別な目が一対。
     同大学の法学部所属、広末慶人。
     ハイスペックイケメンと大学内ではお馴染みの
     船越真結実の彼氏。

     彼がそういうファッション好むという事は、
     真結実の幸福体験を覗き見て知っていた。 ]**
 
(116) 2022/06/09(Thu) 18:41:37
女子大生 マユミは、メモを貼った。
(a7) 2022/06/09(Thu) 18:51:07

【人】 内科医 カナ



  [余裕が無くて他の人と絡めない。
   口にする人によっては嫌味になりかねない
   その台詞が今は不思議と誠実さを醸す。>>102

   私ならボンヤリ覚えてる風に
   誤魔化してしまいそうなものだから。



   余裕があっても覚えきるのは難しいよ
   うちの学部は人も多いし...


  [どうぞ、と許可が降りれば隣へと座って
   覚えてなくて当たり前だと彼に目を向けると
   何かを考えているような空気が漂う。

   なにかあったのかなと首を傾げる私は
   ちょっと楽観的にも見えるのだろうか。]

   
(117) 2022/06/10(Fri) 8:41:26

【人】 内科医 カナ




   私は不幸を知らない。


      知らない事が最大の不幸
      知らない痛みに寄り添う術を持たず

      取り残され、置き去りにされる。




(118) 2022/06/10(Fri) 8:42:46

【人】 内科医 カナ



  [優秀さの象徴とも言えるこの学部で
   勉強が出来るという事実はまさに誉。

   この大学、この学部の中で
   レッドカーペットを大手で歩ける
   そんな力を持っているはずなのに。

   そこじゃない何かをひたすらに渇望する
   追い込まれたような印象が消えなくて。]



(119) 2022/06/10(Fri) 8:45:59

【人】 内科医 カナ




   得意なつもりだったんだけどね?
   医学部ここに来たら皆すごいから
   自分は大したことないな、って思ってるの。


  [一応医学部に進学を果たした時点で
   人並み以上にはできる。

          彼の言う通りだった。>>106


   けれど私は参考書をそこまで酷使するほどの
   執念も忍耐も持ち合わせてはいない。>>107


(120) 2022/06/10(Fri) 8:47:23

【人】 内科医 カナ



  [『エデン』
   皆一度は使ったことがあるし
   私だって使ったことがある。

   けれど途端に襲う空虚な心が
   アナフィラキシーを起こしてしまって
   私には受け入れられそうになかった。]



         [優秀であるという誰かの実体験を
          つまみ食いして、盗んだって。

          私が優秀じゃない事実は
          決して覆らないものなのだから。]



(121) 2022/06/10(Fri) 8:51:25

【人】 内科医 カナ



  [そんな私が幸福だったとすれば
   W優秀じゃない私Wの居場所があったからだ。]



(122) 2022/06/10(Fri) 8:53:13

【人】 内科医 カナ



  [不意に引っ張りだされた本音の断片。>>109
   どんな過程を経て出されたものか>>108
   それを読み取ることは至難に等しいけれど

   勉強ができる事が一つの才能だと思っていた
   私にとっては聞き捨てならない言葉でもあって


              つい、言い返してしまう。]


(123) 2022/06/10(Fri) 8:53:59

【人】 内科医 カナ




     佐々岡くんには勉強がある
     っていう言い方の方が私は好きかな。

              物は言いよう、でしょ?*



(124) 2022/06/10(Fri) 8:57:05
村の設定が変更されました。

【人】 会社員 ツグアキ


[ 楽観的?>>117
  そうだな、ああいや、少し違って。

  物事がうまくいく見通しを持つことと
  うまくいく見通しに疑いを持たないこと。

  ここはそう、似て非なるもの。 ]
 
(125) 2022/06/10(Fri) 22:24:42

【人】 会社員 ツグアキ



   そうだよねぇ、こんな人数がいると
   思ってなかった。
   皆、───


[ 恵まれてるんだなぁ、その言葉は飲み込んだ。
  自分より、きっと能力で劣る学友たちが
  たくさん、こんなにたくさんここには居て。

  安いとは言いづらい学費、生活するための費用
  それらが足枷にさえならない人たちが。

  渇望。
  生まれもっての幸福に対する酷い飢渇は
  闇を、嫉妬を産む。 
 ]
 
(126) 2022/06/10(Fri) 22:26:40

【人】 会社員 ツグアキ


[ 続く言葉に>>120
  表面上は穏やかな笑みを深くして、
  内心では耳を塞ぐ。

  彼女は、なぜ
  己に声をかけたのか。


  早く、はやく、エデンを聴かないと
  蠢く闇に飲み込まれそうだ。
  たすけて、 παράδεισος エデン 

 
 
(127) 2022/06/10(Fri) 22:28:02

【人】 会社員 ツグアキ


[ 素直に自身の泉門を
  いともあっさりと口に出来ること。
  本心であれ、謙遜であれ
  己には恐ろしいほど難しいことを
  あっさりやってのける彼女は
  嗚呼やはり不幸を知らぬ人のように
  映るものだから。  ]


   はは、ご謙遜を。
   ……ま、入ってしまえば、出るべきゴールは
   自ずから皆同じでしょうし>>120
   バックボーンが太ければ太いほど、成績なんて
   
そこそこ
、で充分の世界ですからね。



[ にっこり、小首を傾げて楽しげに笑んで。 ]
 
(128) 2022/06/10(Fri) 22:29:40

【人】 会社員 ツグアキ



[ ほら、ほら。
  危うい。抉ろうとしてしまうじゃないか。
  悪意を持って、優しい笑みで。  ]


 
(129) 2022/06/10(Fri) 22:30:16

【人】 会社員 ツグアキ



   神経質な、ものにおびえ易い人ほど、
    暴風雨の更に強からん事を祈る心理。


 
(130) 2022/06/10(Fri) 22:30:49

【人】 会社員 ツグアキ


[ それで、ご用件は?と
  言いかけた言葉は軽やかな小鳥の囀りに
  似た声に止まる。>>124


   …………


[ たっぷり5秒、彼女の瞳を見つめて。
  どこかおかしそうに返す。 ]



   そうだね、確かに物は言いようだ。
   どちらも、俺に勉強以外の一切が
   無いことを指し示してる。……はは、いやごめん。
   
好意的に
言い換えてくれたんだろう。
   古森さんは、そちらの方が好みなのか。
 
 
(131) 2022/06/10(Fri) 22:32:58

【人】 会社員 ツグアキ



   グラスに半分、水が入っている。
   それを、もう半分しかないと感じるか
   まだ半分もあると感じるか。
   それと似ている気がする。

   ─── いいね、
   
古森さんは幸せそうだ


 
(132) 2022/06/10(Fri) 22:33:51

【人】 会社員 ツグアキ


[ とん、とん、と論文の束を机の天板で整える。]


   ようやく書き上げたんです。
   在学中に完成するとは思っていませんでしたが。
   これから提出に行きます。

   ああ失礼しました、お声がけくださった
   ご用件をお伺いしていませんでしたね。
   ナンパしてくださったのなら大変嬉しいですが、
   ……お急ぎでなければコーヒーでも?**
 
 
(133) 2022/06/10(Fri) 22:35:29