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人狼物語 三日月国


202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


[自分なりの言葉は彼に受け止められたようだ。
素直なのはいいらしい、なるほど、素直さなら褒められたことがある、と謎に胸を張りつつ。
そんなものです、と頷いて、礼の言葉は保留されたらしいのにむっと不満そうにしたものの、それ以上は言わなかった。]

 十分かどうか判断するのは一緒に居るほうでしょー!

[落ちてきたときのことは別に良い。
あれは事故で、彼はひとりで真っ裸を謳歌していただけだ。
いや水浴びとか湖を泳いでいたとかかもしれないけど。]

 ……ありがと……ございます。

[おそるおそる振り返ったらちゃんと前を閉めてくれていたので、真っ赤になった顔でお礼を言ったのだった。

この人がこういうのに大雑把なのか。
それともどの世界も含めこんな感じが普通なのか。
雅空兄ぃは下着一枚で寝たりもしていなかったし、と。
幼馴染を自然と基準として育ってきたため、その辺が曖昧なのだが、あまり自覚はなかったりする。]

[その後は一緒にテントを整え、ほんのり甘さを感じるお茶をもらいながら、この世界の話を聞いた。
彼の言葉を借りるなら自分にとってはこれがお伽噺だ。

初めは真剣な表情ではあったものの、イマイチ実感が湧かず、一生懸命想像しようとするが故にふわふわしてきて、むむむと眉を寄せた表情に変わっていくのだった。]

 元の世界でそういう話を聞いたら、ロマンたっぷりね!ってワクワクしちゃうんだろうけど……現実的に考えると、移動が大変そうだし、危険と隣り合わせなんだなぁ……。

[飛行機からの落下と思われていたのも納得である。
質問といえばありすぎて逆にピンポイントでは出てこない有様だったので、今はまだいい、と首を横に振る。]


 ん、分かりました。

[行き先については任せるしかない。
自分は何も知らないし、何よりあのお姉さんの信じている人がアスルなのだから、彼の言うとおりにするべきと思えた。]

 アスルさんは、あのお姉さんのことに詳しいんだ。
 
[まぁ少なくとも知り合いなのは確実として。
関係性は読み取りきれないし、今なんでお姉さんだけあんな場所にいるのかも謎で、まだうまく問いにはならなかった。
そいつ、とアスルが表すせいで、名前も分からない。
聞いて悪いことはないと思うものの何か理由があるのかもしれず、一先ず今夜の内は止めておくことにする。]

[テントの中でひとり横たわる。
一緒に仰向けになってみた屋根裏のベッドよりやっぱり固い。

アスルは外で休んでくれた。
ふたりで狭いテントの中で寝たいとは言いにくいが、此方が外で休むと反対しても止められてはいただろう。
だから今夜はお言葉に甘えることにした。

くるりと身体を丸め、雅空兄ぃ、と呼んだ。

寝息は聞こえない。顔を上げても窓はなく、その向こうの窓も当然なく、朝寝坊しても起こしてはもらえない。

ちゃんと帰れるのかな。また、絶対会えるよね。
お母さん、友達、先生、――――。]

 あ、そっか……。

[そういえば、ピアスは片方を幼馴染に渡したままだ。
触れても何もない耳たぶに小さく息を吐く。]


[そんなに煽らないで。ねだらないで。
なけなしの自制心が消え失せる。
自分の方が年下のせいか、きっと性への欲望が強くて、重くて。
異なる幸運で彼と思いが通じ合ったあの時も、それまで叩き込まれていたマナーを忘れて彼の身体を貪った。
あの時のように逆らえないほどの慾を感じてしまう。
なんとか抑えようとしても、要の言葉がそれを簡単に壊していく。

先ほどとは違う感触が、自分の肉棒を包んでいく。柔らかくで暖かくてどこかみずみずしい。
彼が欲しがる奥に自分のものを納めよう。そんな殊勝なことを考えていたのに、小悪魔な恋人はとんでもないことをおっしゃり無理な体勢で身体を動かそうとしだした]




あぶな……っ


 …………?


[慌ててその身体を支えようとしたら、きゅうっと引き絞るように中からも抱きしめられて。揺れてあふれたお湯がばしゃり、と浴槽の外にも流れでていく。

どこか傲慢な様相すらあった彼の雰囲気が唐突にがらりと変わる。
支配者の貌だった彼は唐突にその彩を変えて、唇に嚙みついてきた]


 ………っ

 もう……知らないからな…………っ


[もっとも、彼の本気の希望を断れるはずもないのだ。
こんな顔で彼からお願いされて、勝てるはずがない。
一番要を気持ちよくさせる存在は自分だ。そう自負しているなら彼の希望に添わない存在は必要ない。
指が沈み込むほどきつく彼の太腿を抱え上げて、そのまま水しぶきを高く跳ね上げながら、奥へと強く叩きつけた。
鍛えた男の身体が水面より上に現われる。湯で濡れて銀色に光る肌を独特のオレンジ色の照明が影を落として、いつもより精悍にみせるだろうか。
自分からも奪うように要の唇を奪い、噛みつくように口を開き喉奥に唾液を流し込む。
それと同時に激しく動かしだす。
あまり激しくすると彼の背中や後頭部が浴槽に擦れて痛むかもしれない。それが怖くて彼を抱きしめるようにして、代わりに自分の手の甲が緩衝するようにしたが]


 ……もっと、俺のことを奥に入れて……?


[彼が悦ぶことをしたい。
彼を抱きしめて自分の背中に腕を回させる。
背中に爪を立ててくれて構わない。自分の方に傷をつけられるのは本望だし男の勲章だ。
その代わり、とわずかに彼の唇に軽く口づけて淡い痕を残す。すぐに消えてしまうくらいの。

今までセーブしていたのがバカに思えるくらいの激しいセックス。
箍が外れればこんなものだと苦笑してしながら、彼の奥に熱を叩きつけた*]

 
 こんなことになるなら、……。

[大事な、大事なピアス。
これが着けたくて幼馴染に頼み込んだのだ。

銀と青。
そのふたつの色は自分の持つ色ではない。
誕生日色でも、運命の色でも、ラッキーカラーでもない。
選んだ理由は分かりやすくて、とても単純。

好きな……色だから。]

 どっか落としてたら許さないからね、雅空兄ぃ。
 ちゃんと持っておいてよ?

[ぶつくさ言っていたら元気が出てきた気がする。
ほんの少しだけでも、夜明けまでに眠れそうだった。]

[そうして翌朝。
そーっとテントから外を覗いたら、朝日に照らされる知らない世界が広がっていて、わぁ、と思わず歓声を上げていた。
駆けだしてくるくる走り回っているのを目撃されたら、気まずそうにしたあと、木の枝集めに集中したことだろう。
火をおこすのは任せてもらった。
少し驚いてもらえた気がして良い気分である。

乾パンとドライフルーツ、スープ。
野営と聞いて自分でも想像できるものだから、不満などはなく、ありがとうと受け取ってお腹を満たした。]

 はい、……なるほど、……うん。

[飛行機の説明を聞きながら頷く。
自分なりに考えた結果、準備体操もしておいた。]

 曲がるときは、そっか、バイクみたいな感じだ。
 じゃあ背中にしがみ付かせてもらいます。

[と言いつつ、練習も何もないのだ。
動きが鈍くなる可能性は十分すぎるほどあるのだけれど。
アスルの様子は飛ぶことに真摯で、昔自分が察してきたりもした嫌な思惑は何も感じさせず、こちらの警戒心も出会った当初から減っていくばかりだった。]


 はーい! 出発!

[こういうときは元気よく。
幼馴染とツーリングで遠出するときもこんな感じ。

ポンプを押しては引く様子を見守り、動くぞという合図で手すりにきつくしがみ付けば、飛行機が動き出す。
身体が後ろに押される感覚。
風が顔にぶつかり、長い髪が後ろに流される。
バイクと似ていて、でも決定的に違うのは浮いていること。
高度を増すごとに身体まで軽くなっていくような。

地面よりは不安定で、ふわふわしていて、でも人が作り操作しているエンジンの振動と固い手すりの感触がちゃんとある。]

 すごーい!

[きらきらと興奮に満ちた声が上がる。

小島の端は本当に絶壁で、この世界の常識を知らしめられる。
海の代わりに空がどこまでも広がる光景は不思議で、スキューバダイビングは出来ないな、と当たり前のことも思う。]


 って、真下はやっぱり少し怖いな。

[飛び立つ際の勢いで恐怖を忘れていたらしい。
安定してから言われたとおり手を離してみたのだが、好奇心で真下を覗き込んだら、一面の空のせいで逆に高さが分からずクラクラする羽目になった。
端っこに座るのはまだ怖いので、内側に寄って。
こんなに高度がありそうなのに穏やかで優しく頬を撫でる風に首を傾げていれば簡単に説明もしてもらえた。
不思議な力ってすごいんだなぁ、と思うしかない。]

 浮遊都市。すごいロマンの塊の単語。

[ぽつり。都市かぁ。
つまりアスル以外のこの世界の人々がいるのか、と考えると、ワクワクもするし妙に緊張もしてきてしまう。]

 本当に下には海がない……というか見えないんだね。
 大地は滅んでるんだっけ……。
 
[アスルは静かだったから。
その間は色んな景色を好きに眺め色んなことを考えていた。
時折アスルの様子を伺って、寂しげに眉を下げた。]


 ん? なに?

[すぐに敬語が抜けてしまう。
結構年上の相手なのに、と自分に言い聞かせつつ。

問いにはきょとんと目を瞬かせてから、ふふっと吹き出した。]

 そう、本当にそっくりな人がね、いるの。

 アスルさんよりは若くて、でも私よりは少し年上で、そんな髭もない代わりにもさい眼鏡かけてるんだけどね。
 
 私の幼馴染……って分かります?
 小さい頃からずーっと一緒に育ってきて、えっと、出会ったのが4歳くらいだったから……もう15年の付き合いかな。

 料理人目指してて、料理するときは本当に真面目で、コックコート着てるときはちょっと別人みたいで。
 でも結構子供っぽいところもあるから、私とよく言い合いしたりして……時々、むかつくけど、……まぁまぁ、優しい。

[時に早口に、時に言葉に悩みながら。
空を眺めながら語り、最後にちらりとアスルを見遣った。]

[欲しくて堪らないのだ。
彼の事が好きで堪らない。年下の彼相手に余裕な年上の恋人でいたいのに、身体が心が欲しがってしまう。彼が思うよりもきっと自分の方が欲望も執着も重い。普段は出さないものが、こうして溶けた瞬間に顔を出してしまう。危ない事だということも忘れ、欲しがって、無理な体勢で彼の肉棒を奥へと誘おうとしてしまった。それでもまだとりつくろえていたものは、支える手により霧散してしまう。

残ったのは、彼に抱かれたいと願う恋人の顔だけ。
唇に噛みついて、そうして願うのは彼の律動。鼓動、愛されたがりが顔を覗かせ、知らないという言葉に涙にぬれる目を瞬かせて、嬉しさを宿した。自分で動くより、自慰をするよりも彼が自分を気持ちよくさせてくれる。

きつく抱えられた太腿、とともに湯舟が揺れる]

[やっぱり似てる。別人なのに。
幼馴染は今ここにいないのに。胸がぎゅっとした。]
 
 アスルさんが若い頃は、もっと似てたんだろうなぁ。

[おじさんって意味じゃないですよ、と悪戯猫のように。*]



 ……ぁ っ …あああ


[そうして与えられる強い衝動に声が上がり。
浴室一杯に響く淫靡な啼きは、満ちる事に喜んでいて飢えた男の上半身を見つめて、微笑んだ。笑みを浮かべた唇がすぐに嬌声へと変わる。男前だと見惚れたのも一瞬、すぐに襲う唇に思考も奪われ、喘ぎ。快感を受け止めて善がるばかりになる。落とされた唾液が音を吸っていく。

此方を気遣うように抱きしめながら
激しく動かす彼で一杯になって染まった。
優しさを見せる手の甲に気づく余裕もなく、ただ。彼の言葉に肯き、奥へ入れようと頑張るように内側を開いて]

 ……奥ッん ぁ。
    こ……ぅ やん な?


[こうしたら、いける。と
導かれるまま背に腕を回し尋ねた。
彼の逸物が媚肉に誘われて、奥の方へと入り込むのがわかる。彼が入りやすいように自分でも体勢を変えて、そのたびに擦れ、達してばかりいる逸物から白濁に似た液体を零した。快感が強くなるほど、支える手は彼の背に食い込み。
傷をきっとつけてしまう。

唇にとわずかばかり残る痕をおいかけ。
息をして、キスをして、湯ではなく彼に染まって]


 ……っ ぁ 達也っ んん!!!


[苦笑を目の端に捉え。
薄く笑えばたたきつけられる熱とともにのぞけり。ぎゅっと掴んで、奥でびくびくと果てれば、手はちゃぷんと湯に落ちていく。満たされた事に嬉しそうなすり寄りを見せて]



 ……はぁ …好きやで


[堪忍な。と小さく笑い。
濡れた手で頬をなぞり。満ちた場所、腹部をゆっくりと撫でて、此処が暖かいねん。と悪戯を成功させた子どものような無邪気さと、妖艶さを含ませた*]

[朝からくるくる走り回るミツキの姿を見て目覚めたアスルは、飛ぶ前も体を動かし元気な様子であった。
飛んでみても怖がるでもなくその状況に感動をしている様子すら見えて、この分なら大丈夫かな。と安堵したり本当に全く違うところから来たのだな。という実感を得たりする。]

 ロマンの塊か。
 そっちからみたらここの世界が御伽噺なんだろうなぁ

 でも、まだ見ぬ外界へってのにロマンを感じるのは同じだけどな。
 隣の都市にいくのも一苦労なおかげでどれだけの都市があってどんな発展してるかもわからないからな。

 これから行くところなんか最初見たときは驚いたぞ。広すぎる湖のおかげで水の上に丸太を繋いでできてる都市ができてる。大地は人のためじゃなくて畑や森林のためにある感じだったな。

[外界とが遠い分だけ知らないことが多く文明などの発展もどこか個性的だ。
そういう意味でのロマンならあるぞ。といいつつも、流石に不慣れなようでペルラほどリラックスせずにいる様子のミツキを一瞬振り返って確認すれば顔の向きは前へと戻す。]

 もしかしたら霧の下にあるのかもしれないけどな。
 ただ確認のしようがないからわからずじまい。って感じだ。

[海も浮いていない大地もこの世界では遠いものであるのは間違いなかった。海とかはどんなものか聞いてみるのもいいが、先に気に合ったのは別のことだったので今度にしよう。]

 幼馴染ならわかるぞ。にしても、眼鏡かけてとか色々違いがあるわりに兄と想像したってことは、そんなそっくりなんだな。

[自分にそっくりな男がペルラとそっくりな珠月
年齢もミツキの幼馴染は自分より若く。そしてミツキもペルラの若い頃によく似ているだなんて、似たような境遇に内心で苦笑しつつ、だからかミツキの見た目以外にも何かしてやらないとなという気持ちにさせる。

悪戯にいう姿は懐かしく、そんな姿の"彼女"からしたら、おじさんといわれてもあまり違和感はないな。などと思いつつ。]

 ……好きなのか?

[良いことも悪いこともよく見てるから言えることを考えながらいうミツキをみて静かに笑いながら口にした*]



 …………。

 ……………………。

[時が止まったかのように声が出なくなった。
さっきまであんなに饒舌に語れたのに、胸が詰まったように。
静かに笑いながら尋ねる男の姿は幼馴染に似ている。
でも、はるかに大人の雰囲気と、さまざまなものを味わい乗り越えてきたかのような気配を漂わせていた。

幼馴染が年を経たら、彼のようになるのだろうか。
不思議とそんな考えは浮かばなかった。

幼馴染は。幼馴染だからだ。
自分の中の雅空は雅空だから、誰かのように、はないのだ。]


 …………ずるい。

[俯いたまま、数十秒。
呻くようにそう呟く。

顔を上げたなら、林檎のように真っ赤に染まっていただろう。
口元を抑えて視線が合わせられずそっぽを向く。
今は幼馴染に似た顔は直視できない。]

 ずるい! その顔で聞いてくるの、反則だからっ!

[此処は異世界で、アスルは雅空に会うことはないだろう。
だから気持ちがバレても問題ない――いや、なくはない。
ばか、ばか、ここまであんなに隠して、気付いていないことにして、何でもない顔が出来ていたのに。

あああ、とまた頭を抱えてしゃがみ込んだ。
子供っぽく丸くなるのである。*]

 いや、反則っていわれても…な…っ…ははっ…!

[あまりにもあまりに素直な反応をするミツキをみて、ペルラと似ているのにちっとも違う反応な姿についつい笑ってしまう。乙女心的には酷かったかもしれないが、その反応が答えになってしまっているじゃないかと、明確な返事までは求めない]

 すまんすまん。ちゃんと帰るための手伝いはするから許してくれ。

 ぁあ、あれだ。それもロマンってやつだよ。そういう相手がいるところに帰るためにがんばる。そのお手伝いっていうほうが悪くないだろとかな。

[謝罪をしているが、明らかに気のないというかおざなりな謝罪だ。理由もとってつけたような理由のようで、実際とってつけた理由である。]

 ……ま、他人にあれこれいうもんじゃねぇが、後悔しないようにしないとな…

[ただ、最後だけは実感がこもるように、静かな呟きを零したが丸くなっていたミツキに届いていたかどうかは知らない**]

  “狼”は近しい者から喰らうといいます。
  そう言い伝えられるほどに、衝動に抗った者は少なかったのね。
  だから貴方の選んだ道はたぶん正しい。その場所を、守りたいのなら。……だけど


[そこまで言って、椿は悲しげに眉を顰めた。]

  
  ひとつところに留まる限り、その所業はいつか知れます。どこで見たとか、だれといたとか、いつは不在だったとか……そういうものが、積み重なるの。そしていつか誰かが、結びつけてしまう。


[友達や、仲間という存在は椿にはわからなかったが、一箇所に長く留まるのが危険だということはよく知っている。どんなに気をつけていても、いつしか噂は立ってしまうのだ。]


  だから、その時に貴方が、絶望しないといいと願います。


[どうあるべきかは彼自身が決めること。力になりたくても、楓の願いまではどうすることもできないし、その願いはあまりにも彼の性質とは噛み合わない。かといって、無関係な人を死に至らしめてまで守りたかったその場所を諦めろなどとも言えず、椿には精々彼の平穏を願うことしかできなかった。]**

[いや、今のオレでも目のやり場とか諸々困るんだが?

極力見ないようにとは思っても視界の端には肌色がちらつくし、膝裏や背中に回した腕に触れる感触と熱に触れた箇所から熱が灯っていくのがわかる。

ベッドルームへと何とか辿り着いた時には顔が熱いし、心臓はうるさいしで柚樹の使っていたベッドに下ろせばすぐに布団をかけてやって離れた方がいい、とは思ったのだけど。]

 ……柚樹、

[ベッドに下ろしたそのままの形、覆い被さるように顔を寄せて、声をかけたら反応はあったろうか。

唇を重ねると、晒された肌に指を滑らせて、胸元から腹部を通って下腹を辿った。

口元から頬、こめかみに唇を落とせば甘く耳を食む。

内腿を、つ、となぞると脚の間に触れた辺りには、目を覚ますだろうか。]


 ───犯してもいいの?

[この問いかけをして実行したことはないけれど、目を覚ますようならそんな不穏な問いかけをしてしまったし、反応がないようならそっと布団をかけるつもりだけど。

オレ自体は昨日と地続きだから、何もせずに一緒の布団で寝た記憶もあれば、裸を見たり触れたりした時点でいろいろ燻る熱もあるわけで、さすがに柚樹が悪いとは思う。]**


 むとーは、私がよってると思ってる……。
 よってない、よー?

[そんな口調で言い出すあたり、完璧に酔ってるということに私は気付かない。

温泉行きたかったのに、むとーに止められた 、 むとーがわるい、いろいろわるい……なんて考えながら、それでも後片付けはいくらかしたよ?

お皿、はこんだ。缶、すてた。私、えらい。
洗ってはなかったから、そこは、ごめん。]
 


 んぅ…………?

[ゆずき、って優しい声と、背に回ったあたたかい腕と。

あ、そういえば私、寒かった……と状況も解らないまま、ぬくもりに身体と顔を擦り寄せる。

ふわりと持ち上げられた感覚は、記憶にはほとんどないものの、なんでかよく知るもので。
慣れた風に武藤の服をきゅ、と握りしめた。]

 ん…………む、とー……?

[ああ、ここ、ベッド。
私、どこに居たのかな。

すみませんお手数かけましたありがとう……と、ふにゃふにゃ得体の知れないことを言いながら目を薄く開く。

うん、武藤だ。武藤。うさんくさい偽物じゃなく。本物の。

よかったねえ、頬を緩めながら、身体の線を辿る指のくすぐったさに、私はくすくす笑ってた。]


[  ………………?
  おか??しても??


囁かれた言葉 は容易には頭の中で変換できなくて、んー?と困った風に首を揺らす。

ああ、"犯して"、か。ふおんだなあ、えっちだなあ。
でも、そう言いつつも、したことはないんだよね、武藤。

武藤は紳士で、臆病で、優しくて。でもときどき強引。そういうところ、ぜんぶ、好き。うん、好き。]

 すき、だよ。

[頭も心もぐにゃぐにゃのまま、武藤の首に抱きついた。
はふ、と吐く息がやけに熱いのは、きっと、アルコールのせい。]

 おかして、いいよ……?
 ────とら。

[そう囁いたら、きっと手や唇の動きはいよいよ本格的になるんだろう。]


[けれど私は、武藤の手指や唇が胸に触れて来ようとした時だけは、それはいやだ、と首を振りながら身を捩ってた。

腿の間に伸ばされる指には抵抗することもなく、むしろ招くように足を緩く立てたし、やわく食まれる耳や首には、私もと言わんばかりにお返ししたけれど、でも、胸だけは、なんだか"そこはしないでいい"って、そればかりで。

────だって。
だって、さ。]

 "これ"、もっとぺったんこだったら、
 とらに、男だって思ってもらえてたかも、じゃん?

 でなきゃ、もっとおっきかったら、
 もっと早く、女だって、気付いてもらえたかも、しれない……。

[中途半端すぎる、自分の胸。

ぜんぜん"かわいく"なんかないし、もっとこうだったら良いのにと思ってしまう、自分の身体の中で、一番にきらいな場所。

だからそんなところを愛してもらうのは、なんだか、とても、申し訳ない気がして。*]
 

[本当に正しいだろうか。
 守りたいだけなら、ただ殺したくないだけなら、離れるのが最善ではなかろうか。
 なのに人間だった頃の暮らしにしがみつき続けるのは……?]


  ……絶望なら、とっくにしてる。


[彼女の願いに答える声は、淡々としていた。それが当たり前のことで、何の感慨もないとでも言うかのように。
 人狼となって故郷に帰り着いたあの日、誰もが食料に見えたときを越えるような絶望を、この先の生で彼が味わうことはないだろう

[ちらりと彼女に……いや、彼女の唇に視線を向けた。
 昨日目が離せなかった理由が、もう思い出せなかった。今思うのは、裂いたら同じ色の血が流れるだろうことぐらい。

 それを思ったら、彼の手は自然と彼女の頬に伸びた。
 拒む様子が少しでもあればすぐに手を引っ込めるつもりだったが、受け入れられるのならばそっと頬を撫で、身を屈めて唇を寄せるだろう。
 口づけを望んでいるように見えるかもしれないし、一旦はそうするだろうが、彼が本来意図するのは彼女の下唇に牙を立てて血を滲ませることだ。

 彼女に嫌がるそぶりがあれば、どの段階でもすぐに中断して離れるだろうけれど]**


 ……うん、いい子だから掴まってて。

[ベッドへと運ぶ間も微かに意識はあるようなものの、シャツを掴む感触に気を許されてるのだと思えば嬉しくはなった。

柚樹がどこでも眠れようと、オレの前以外ではここまでぐにゃぐにゃにはならないと思うし……、ならないよな?

そんな様子を微笑ましく思ってる余裕はほとんど今のオレにはなかったのだけど。

視界に映る肌色を意識しないようにしながらベッドへと急いだ。

途中でとらと呼ばれたりしなくて助かったな、とは。

呼ばれていたりしたらベッドにたどり着くことなく途中で何をしてたかわからないし、さすがに裸で床に横たえさせるのも行為に至るのも申し訳ないので。]

[ベッドへと下ろせばそのまま布団を頭まで被せて寝かせてしまおうと思ってはいたのだけど。

不思議そうに呼びかけてくる声に引き寄せられるように唇を重ねた後、自然と肌へと指を滑らせていた。

柚樹は何とも思ってないかもしれないが、好きな女の裸を目にして直に触れて何とも思わない程朴念仁でもないし、何もせずに寝かしつけられる程紳士的じゃない。

このまま寝落ちてしまったらやめようと思っていたのは、紳士的だからというわけではなく、何の反応もないのに触れても虚しくはある、ので。

縋るように回される腕や、熱っぽく見つめてくる瞳、大事なもののように呼ぶ声が欲しいというのが最もな理由だったけれど。

少し冷えていたように感じる肌は、指先や唇で辿ればいくらか熱を持つ感覚がして、触れた先からじわりと此方にも熱が移ってくる気がする。]

 ん……、オレも好き。

[半分寝ぼけてはいるんだろうなと思いながらも、抱きついてくる腕に目を細めて唇で挟んだ耳の内側を緩く舌で撫ぜると熱い吐息混じりの囁きを注いだ。]


 ……っ、あんまり煽んないで。
 止められなくなる。

[おかしていいよと答える声は意味わかってんのかなって思いはするものの、理性の糸が切れかかりそうだった。

続いて呼びかけられた愛称も、燻っていた熱がずくりと重みを増して。

浮かせ気味だった身体を寄せて本格的に覆い被されば、明らか意図を持った指先で愛でるように肌へと触れる。]

 ……は、……柚樹、かわいい。

[首筋や耳元に幾度も唇を落とすと、しがみつくようにしていた体がいくらか浮いて肩口や首筋へと甘く触れてくる柔らかい感触に薄く笑みが溢れる。

緩く開かれた脚の付け根から先、指先をひとつ中へと潜り込ませれば湿った熱さに下肢に溜まる熱が増す一方だったのだが。

嫌がっているわけではない、むしろ歓迎するような反応とは裏腹に、胸に触れた時だけ首を振られ、逃げるように身を捩る様子に僅かに眉を顰めることにはなった。]


 ……嫌だった?

[そう問えば、消え入りそうな声音で語られた理由に、眉間の皺が深くなる。

そんなに気づかれたくなかったんだろうか。
昨日時点、男だと思い込んでるオレにひた隠しにされていたのは気づいてはいたけど。

でも気づかれたかったようでもあるし、裸を見るという気付き方が最悪だったのが原因なんだろうな、とは。]

 オレは柚樹の胸も好きだし、興奮する。

[何度も言ったし、言葉以外でも示してはきたはずなんだが。]

 それに、女だってことはもっと前からどっかで気づいてたよ。

[確かめる術というか、わざわざ性別を確認することが発想としてなかっただけで、と小さく息を吐いた。]


 ……目、閉じてて。

[手のひらを瞼に被せて視界を塞ぐよう促してから、下肢に触れていた手を上げて両手で胸元に触れた。]

 ……柚樹、オレの触るとこだけ意識して。

[身を捩る様子を見せれば、窘めるように名前を呼んで、胸の先や周辺、僅かな膨らみのラインから脇にかけてを指先でなぞって、唇を押し当てると舌を這わせる。

合間、幾度もかわいい、好きだと言葉を落とす間、此方の熱も上がる一方ではあったけど、今はそれを無視して伝えようとした。

太腿に押し当てた熱で此方の慾は伝わってしまったかと思うけれど、熱が増す原因は胸元以外にないことが伝わるなら良いかなって。

オレが好きだろうが興奮しようが嫌なものは嫌だと言われたら、此処もオレのものなのに?と、理不尽な不満を口にしたかもしれない。]*


[武藤には無様なところばかり見られている気がするけれど、本当にお酒には強いんだよ?

部の仲間に"ザルどころか枠だけ"と言われたことがあるくらいには、顔色変えずに飲み続けていられるもの。

直近6ヶ月でそこそこ酔った記憶があるのは5回に満たないくらいで、それは全部武藤と一緒に飲んだ時。
それでも自宅か武藤宅以外の場所で飲んでそこまで酔うことはなかったから、(夢の中とはいえ)今日は相当に緩んでいたんだろうな、とは。

どうやらそもまま寝こけていたら全裸のまま頭まで布団をかけられるという 、布団団子と化す未来が待っていたようだけれど、幸いそれは回避されたらしい。]

 うん……好き。大好き。

[好きと告げたら、好きと答えてくれる。

やっと言うことが、言って貰うことができたよ、うれしいな……と、半歩くらいは夢の世界に足を突っ込んだ状態で、うっとり笑んで目を細めた。]
 


 …………?

 とめられなくて、いいよ……?

[武藤が抱きたいなら、抱いてくれて良いし。
犯すなんて言い方は少しあれだけど……うん。別に、構わないし。

相変わらず頭の中、7割くらいはふわふわと夢の世界が広がっていたけれど、触れてくる指も唇も、ひたすらにきもちがよくて。

乞うように立ててごく緩く開いた足の間に差し入れられた指へも、もっと、という風に腰を揺らめかしかけたところだったのに。]

 …………っ……、

[胸に触れられた途端、頭より先に身体が勝手に強張って、火照る風にちりちり熱を持っていた皮膚から、すう、と熱が引いていった。]
 


["嫌だった?"の声 には、躊躇しながら小さく頷いて。
続いた言葉には、

  ────それは、うそだよ。


なんて、思ってしまった。

"女だってことはもっと前からどっかで気づいてた"、とは、今初めて言われたことじゃない。

胸も好いてくれてるということも、こんな貧相なものでも、押し当てたらこれ以上なく解りやすく身体が反応することも、私はちゃんと知ってるのに。

心が納得しようとすると身体が否定して、身体が受け入れるように脱力しかかれば心が「ちがうもん」と否定する。

自分でも、このちぐはぐな感じがどうすれば終わるのか、ちっとも解らなくて、困惑しながら瞳を泳がせたら、"目、閉じてて"って。 ]

 ……ぇ……っ、

[ふわりと手のひらで視界を塞がれ、でもすぐにその手は離れていき、両の胸を温かな手のひらで包まれた。]
 


[武藤から告げられた事を、従順に守ろうとしてしまうのは、もはや私の癖のようなもの。

目は閉じたまま、手の甲を両方重ね、自分で目隠しのようにした。

触れてくる手指の熱に応えるように跳ねて震える身体は、でも快楽ゆえではなかったし、漏れる吐息も引き攣るような恐怖がいくらか混じっていたけれど、でも武藤が、その度、"柚樹"と名を呼んでくれて。

違う嫌だと首を振るようにしても、"かわいい"と"好き"を繰り返され、胸の下側、微かな膨らみが消えるあたりの境界に強く吸い付かれた時、背がひくりと跳ね上がった。]

 ぁ……っ、……ふ、

[ぞわ、と背筋を駆け上がったのは、紛れもなく、快楽で。]

 な、んで…………っ。

[なんで、きもちよくなっちゃうかなあ。
なんで、私の知らない私のきもちいいとこ、武藤は全部知ってるのかなあ。]
 


 ぅー…………。

[目を覆っていた腕を外し、ちら、と下方へと視線を投げたら、私の胸に武藤の赤い舌が押し当てられるのが見えてしまった。

そのまま見ててと言わんばかりに、胸の尖りに優しくキスされ、今度こそ背中が腰ごと跳ねる風な反応を返してしまう。]

 ……むとー、……ごー、いん……っ。

[ここまで煽り立てられたら、もう、嫌だ嫌だと身を捩ることすらできなくて。

太腿に幾度も触れてきた固くて熱いものを笑えないくらいに、私の足の間、奥が疼くようにずくりと熱を孕むのを感じていた。*]
 

[頬を撫ぜる手はその声と同じく、無機質で冷たい。
 光沢のない琥珀色狼の目が近づく。
 それを瞬きもせずにじっと見ている。
 あるいは、乾いた色の唇から覗く牙を。
 赤が重なったのはほんの一瞬、すぐに下唇を歯列が捉えた。何かを感じる猶予も与えられず、牙は柔らかな肉を貫く。]


  ——ぁ


[小さく呻いて、目を見開く。
 舌先にとろりとしたものが触れる。慣れた味がする。
 じわりと滲んだそれは次第に溢れて、唇の端から流れ落ちた。]

[しばらくの間、椿は何を問うでもなくただ黙って楓の目を見つめていた。重い沈黙の中、喘ぐような呼吸の音だけが響く。やがて、大きく息を吸いながら一度ゆっくりと瞬いて、椿は低く呟いた。]


  私も、殺す喰べる


[既に日は落ちて、夕暮れの名残に糸のように細い月が浮かんでいた。]**

[彼女は拒む様子も無く唇を交わらせ、牙を受けた。
 軽く滲ませるだけのつもりが、存外深く貫いてしまったのかもしれない。
 舌を這わせて口の端から溢れた赤を受け止め、拭う。それから唇を離し、暫し目を閉じた。

 舌に残るのは“狼”でも変わらない、
                  ひとのちのあじ。

 美味いかどうかまでは、感想が浮かばなかった]

[しばらくの間、彼女と瞳を覗き合っていた。
 声も囁きも発する気が起きないまま、彼女の呼吸だけを聴いていた。

 彼女は何を思っているのだろう。
 瞳の奥に見えることがあるだろうか。

 じっと覗き込む間に響く呼吸の音が変わり、彼女がゆっくりと瞬いた]

[問いかける呟きを聞いて、彼の視線は僅かに逸れた]


  ……いや、


[殺す気は無い……無かった、少なくとも今は。
 けれど食べたかったような気はするのだ。

 その感覚が意味するところを考えてみても、答えは簡単には見つかりそうにない。一番食べたかったひとがうっすら脳裏に浮かぶだけ。その狂おしさともまた違うように感じた。

 彼は椿からゆっくりと離れ、姿勢を戻し、朝食のとき座ったソファへと足を向けた。呼び止められでもしなければ、そのまま身を横たえるだろう]**

[“止められなくなる“と言うと、いつもそれでいいと返してくるのは知ってる。

此方がとどまりそうになれば、意識的にか無意識にか理性の箍を外そうとしてくるのも。

秘所に挿し入れた指は受け入れるように緩く入口が開かれるのに、弛緩した風だった身体が急に強張るのを感じてもとどまることは出来なかった。

それこそ、半年前のオレなら柚樹が嫌ならばと触れないように見ないようにはしていたと思う。

柚樹が気持ちいいところは、他にもいくらでもあるのは知っているのだし。

何がそんなに気に入らないのかは自分でもよくわからないけど、この半年かけて漸く然程抵抗もなくなってきて、好きな場所も覚えた箇所にまた触れられなくなるのは嫌だと思ってしまった。]


 ……ん、いい子……、

[瞼を塞いだ手はすぐに下ろした代わり、自ら視界を塞ぐ様子に目を細める。

本当に嫌な時は蹴り飛ばしていいという約束はしていたし、実際蹴り飛ばされたことはないものの、抵抗らしい抵抗がないまま横たえた身体の胸元に触れて。

苦しげに漏れ聞こえる吐息が快感よりも恐怖を孕んでいるのは気づいても、止める気もなかったし、もし泣かれていたら止めてやれたかもあまり自信がない。]

 ……此処、好きだったよね。

[肌を吸い上げれば先程までとは異なる反応を返した胸の下側に、指と舌を這わせて。

視線を上げると此方を見る目と視線が合った。

オレにされてるところを見てくれる分にはまるで構わないというように、胸の先に唇を押し当てて軽く吸うと、下肢の方が跳ねるのが伝わってきて薄く笑みを浮かべる。]


 でも、嫌じゃないよな……?

[強引と言われたことは否定しないけど、嫌がられてはいないはずと疑問のつもりではない問いかけをして。

唇は胸元に押し付けたまま、片手を下肢へと指先だけで触れて擽るくらいの加減で辿らせた。

太腿の間、恥丘を手のひらで覆うと中指で入口をなぞって、差し入れた中はさっきよりも熱く湿って感じれば粘膜を押し開いて深くへと潜らせる。

内壁を指腹で掻いて、微かな水音を立てながら深くでぐる、と指を回して。
態と音が立つように深くを擦れば、指に絡んだ液を内壁に擦り付て撹拌した。]


 ……っ、ふ、……柚樹……、

[胸の先に押し当てて舌で転がしていたな唇を離して、顔を上げる。

脚から指を引き抜くと、膝をシーツに立てれば体を起こして。
乱雑にワイシャツのボタンを外し、上着を脱ぎ捨ててから、僅かな金属音と共にベルトを外してスラックスの前を寛げた。]

 っ……、気持ちい?
 
 ……柚樹のすきなとこ、全部、教えるから、覚えて。

[脚の間に膝を割り入れて開かせると、入口に熱く張り詰めた先端を押し付ける。

此処も、と示すつもりで両胸に手を添えて胸を押し上げるようにすると、いくらか背を丸めて前傾すれば、唇を押し当てた胸の境目、敏感な箇所を吸い上げて。

突き挿れたくなるのを堪えて、薄く開いた秘所の入口を先端で緩く擦った。]*


  ……いたい


[傷を袖で拭って、唇を巻いた。赤黒い染みが袖口に残る。まだ口の中に鉄錆めいた味がする。唇の傷は、小さくても出血量が多くなる。]

[唇を重ねたその一瞬だけ、白昼夢の続きを見たような気がした。しかし咬まれたその瞬間に自分の死を連想したし、別にそれでも構わなかった。

 死ぬのが怖い、とは思わない。
 誰かに殺されるのをずっと待っていた気すらする。
 死にたくない、と思わないわけでもない。
 それでも、生きることも死ぬことも、自分には許されていないのだと、そんな気がしている。]


[いつ、“その時”が来てもいいように。]**
 

 
  怖くないのか。


[すぐ隣の気配に尋ねる。
 彼女の行動がとても不思議だった。

 殺意を否定はしたが、不意に血を流させた相手だ。
 寄り添ってくる意味がわからない。

 けれど、怯えずに傍にいてくれる人の存在には安らぎを感じた。
 人間でなくなった今、人間の命を奪い続けながら生きている今、自分がいるべきはこういう人の傍なのではないか。]

[“在るべき場所”とは、



 ……どこなのだろう。


[私の記憶は、欠片も失われていないはずなのに。

記憶を失った武藤に合わせているうち、なんだかまるで、武藤との間には最初から肉体関係なんて無かった……みたいな感覚になっていたかのようで。

触れられるあちこちに小さな灯がともって次々に飛び火していくようだし、さして意図的じゃない風な指の動き一つにも背が揺れ足が跳ねてしまう。

それを、私はどこか信じられないような心持ちで感じていた。

全部身体は知っている事で、武藤の家で最後に身体を重ねたのだって、何週間も前とかではないという記憶だってちゃんとある。

でも心のどこか一部分だけ、半年前に置いてきぼりになっているような感じがして、私は小さく困惑していた。

なんで私は、"目、閉じてて"とか"オレの触るとこだけ意識して"という武藤の言葉 に逆らえないんだろう。

なんで私は、"いい子"って囁いている声 に、背がぞくぞくするほどの嬉しさを感じてしまうんだろう。]
 


 ……っ、ぅー…………。

[色気の欠片もない風に唸ってしまうのは、問いかけのようで問いかけじゃない"嫌じゃないよな" が、その通り図星だったから。

触って欲しくないと思ってしまっているのは間違いないのに、強引に触れられれば、身体も心も悦んでしまう。]

 ……や、ぁ…………っ、だ、め……、

["本当に嫌な時は蹴り飛ばす"という約束を武藤と交わしている以上、口から出る"嫌"も"だめ"も、結局のところ、嫌よ嫌よも何とやらの効力しかないとは、お互いが認識していることだけれど。

それでも、自分の足の間から漏れ聞こえてくる水音はどうにも恥ずかしくて、小さな拒否の声を挙げてしまう。

ぐり、と、中の好きなところ──それがどこかということも、私はちゃんとは知らない──を擦られれば、それだけでどうしようもなく下肢が重たく崩れていくような感覚が溜まっていった。]
 


 …………っと、らぁ……。

[酔いと眠気と混乱で、思考なんてろくに回ってくれてはいない。

柚樹、と呼ばれて返すのは、呂律が怪しくなって"むとう"が言えなくなった時限定の、武藤の愛称だった。

なんだっけ、普段、何でもない時に呼ぶと、色々やばい……んだっけ。

"とら"は武藤の家族や大学の友人たち(なんなら女子からも)呼ばれている呼称なのに、私が呼ぶとおかしなことになるんだって。]

 ……っ………………。

[理性は溶けているくせ、羞恥心はしっかり残っているものだから、"気持ちい?"にも、煽るような続く武藤の台詞にも、肯定とも否定ともつかない風に首を振るしかできなくて。

己の足が武藤の胴を挟んで大きく割り開かれるのを、どこか呆然とした風に見つめていた。]
 


 っあ……っぅ、ぁ……ッ。

[胸の弱いところを再び吸われ、足の間、敏感な肉芽を擦るように屹立がなぞりあげていく。

それだけでおかしな声が出てしまうほどの刺激が走ったし、びくりと沿った背が、まるでもっとという風に、胸を突き出させてしまって。

  ────でも。足りない。


沸き上がった思いに、今度こそ否定に首を振りたくなったのだけど、求めるものは、すぐには与えて貰えなかった。

焦らす風に肉棒が前後し、その度、耳を塞ぎたくなる水音が室内に響く。]
 


 や、だ……っやだぁ……っ。

[なんでくれないの?と見上げ、交わした視線に浮かんでいた色は、お互い、どんなものだったんだろう。
私は相当に浅ましい顔になっていた気しかしないけど。]

 好き、なとこ……っ、ちょ、だい……。

[ねだるように腰を揺らめかせたら、貫いてもらえるだろうか。

混乱は残ってるくせ、一番に欲しいのはこれということだけは疑いようもなくて、私はおずおずと腰を揺らしてみせた。*]
 


  ……べつに。


[椿は素っ気なく答えた。]


  あのまま殺しても、良かったのに


[自分だって同じことをしたかも知れないのだ、怖がる理由がなかった。]

[大きなガラス戸越しに外を眺める。東から染み出した黒が夕焼けの橙も黄昏の紫も西の果てに追いやって、辺りは青みがかった闇に浸され始めていた。

 少し肌寒い気もする。
 何か作ろうか、とも思ったが、食べる気もしない。楓も何も言わないから、同じようなものなのだろう。
 茶を淹れにキッチンに立って、湯が沸くのを待つ間にカウンターの下の棚を漁る。紅茶の缶がやたら充実していて、中には茶葉のようだが全く知らない名の記されたラベルがついているものもあった。

 特に冒険はせず普通の紅茶を選んで、缶をしまおうとしたところで、奥に幾つかの小瓶が見えた。手にとってラベルを確認して、ポットと一緒にそれもトレイに乗せる。]

[部屋の中はもう青みも抜けて十分に暗かったが、薄暗さに慣れた目には特に不都合もなかった。
 トレイをテーブルに置いてカップを並べ、紅茶を注ぐ。それから、さっき見つけた小瓶の中身を小匙にほんの一杯、カップの中に垂らす。
 楓の視線を感じたなら、椿はにこりとして小瓶を楓の方へ向ける。]


  少し冷えますから、毒でも飲むことにします。
  あたたまるのよ、いかが?


[物騒な冗談をにこやかに放ちながら掲げた、スキットルほどしかない小さな瓶。そのラベルには、派手な飾り文字で“ラム”と記されている。]**

[彼女の素っ気ない言葉に寂しさを覚えた。
 死が怖くないのだろうか。
 死を望んでるのだろうか?

 唇の感触と血の味を思い返すと、どうしても彼女が“食べたい”気はしてくるのだが……。
 殺したいわけではない──肉を味わいたいという感覚は少し違う。
 抑え切れないほど食べたかった相手に感じていた狂おしさとは通じるものがある気がしても、そこまでの衝動でもない。
 ではこれは、なんなのだろう。

 考え事の種がいくつも頭の中を廻っていく]

[彼女が一度離れた後、湯を沸かす音がしていた。
 それから、何か探す音。
 彼女が立てる物音に、楓はじっと耳を傾けていた。

 やがてテーブルに何か置かれたのに気付き、視線を向けると、紅茶の用意がされている。
 彼女が毒と言いながら掲げる瓶には“ラム”の文字


  ……少しだけもらう。
  たくさん入れんなよ、吐くから。


[下戸を申し出ながら身を起こし、ソファに座り直した。
 彼の馴染みある飲み物は紅茶ではない。だが、今は味わってみたい気分だった]**

[触れる肌の熱や返ってくる反応は記憶に近いものだという感覚はあるのに、どこか戸惑っている風な声や表情に違和感とモヤモヤとした感情が湧き上がってくる。

ひどく酔った時だとか、理性が飛びがちになった時の行為の仔細を柚樹が覚えてないことはあるけれど、その度思い起こさせるようにしてしまうのは珍しいことじゃないにしても。

自分が記憶をなくしていたことを棚上げにして、オレに合わせていたからか柚樹の感覚が戻っているような様子にオレは不満があるみたいだった。

全部覚えてて欲しいし、忘れないで欲しい、なんて、執拗に覚えてるオレの方がおかしいことかもしれないけど。

でも、柚樹が忘れてるなら思い出させるからいいよ、と記憶にある“好きなところ“に指や唇を辿らせて。

自覚はなくても覚えているらしい身体の反応に惑っているような声に熱が混じってくると、ゾクゾクとした感覚が背中に走った。]

 ……っ、ふ……、また、ダメって言う……
 気持ち良くてダメって意味でいい……?

[漏れ聞こえる声勝手な解釈を口にしても、遠からずだと思っているから悪びれる気もなくて。

ちゃんと聞いててというように、蜜壺に挿し入れた指で内壁を擦っては指にまとわりつく液をかき混ぜる。

途中、敏感な箇所を指腹で押し上げて、奥深くを掻くと熱いとろりとしたものが溢れて、くちゅくちゅと淫靡な水音が増すのに、ずくりと下肢に血が回るのを感じた。]


 柚樹……、だから、煽ってる……?

[切ない声で“とら“と呼ばれると否応なしに、既にきつく感じている下着の中のものがわかりやすく脈打って固さを増す。

そう呼んでくれと大体の相手に言ってきている愛称だし、耳馴染みのあるものなのに。
柚樹にも最初“武藤君“と呼ばれた時、“君“はいらないし、トラとかトラちゃん♡でもいいよとか言ったっけ。

“武藤“の呼び方を選ぶことは想定していたから、もうすっかり定着したけれど、“とら“の方だけは、体を重ねて柚樹が切羽詰まったりうまく言葉が発せられないような時にだけ呼んでくるものだから。

柚樹の発するその二文字は、行為中の諸々を連想させるせいで、耳にするだけで興奮を覚えてしまう、パブロフの犬みたいなものなんだろうか、とにかくいろいろとまずいものだった。]

[着たままだった上着を脱いで、下衣の前を寛げると、とっくに臨戦態勢然として反り返った熱が勢いよく飛び出してきて。

濡れた秘所へと押し当てればすぐにでも深くまで貫いてしまいたかったのだけれど。]

 は、……っ、かわい……、

[此処も好きだったはずと柚樹の胸に執心したまま、自分の熱は二の次にして、手指でまさぐって唇で吸い上げては、快感を拾い始めている様子に熱が増していく。

体を跳ねさせた拍子か突き出された胸を舐って薄い皮膚を強く吸うと、肌に赤い痕を散らした。

入口を擦り上げる度に当たる陰核が膨れて固くなっていくのを擦れる屹立に感じて、そろそろ挿れたい気持ちは限界に近く。]


 やだって何が……?

[胸元から顔を上げ、柚樹の顔を見下ろす形に丸めていた背を伸ばせば、瞳を覗き込んで。

ちゃんと言って、とはぐらかしても、柚樹の意図が伝わっていることは交わした視線で気づかれてはいただろうけど。

慾の色が滲んだ瞳にぞくりとしたものを覚えて押し当てたままの雄芯が脈打つ。

求める言葉が鼓膜を揺らせば、笑みを浮かべて一度唇を重ねると、抱え込むように首裏に腕を回した。]

 ん……、柚樹の好きなとこ……、
 奥まであげる、ね……、……ッ、

[濁された言葉を正す必要もないのだけれど、好きなとこを教えるとは言ったものだから。

回した腕で敷いた身体を固定して、入口を滑らせていた屹立の先端で閉じた中心を押し開くと、そのまま一息に内壁をこじ開けながら奥までを穿った。]


 ッ……、ぁ……ッ、く……、

[先端が、ごつ、と奥を叩く感触に息を詰まらせると、熱い粘膜に圧迫された雄芯がどくどくと脈打つ。

急速な刺激に背を震わせれば、数秒くらいの間の後、詰めていた息を吐き出して。

あ、避妊……、とは熱に浮かされた頭で思い出したけれど、今は夢の中だし大丈夫だろうか。

風呂も入ってないし、ってことは気にした方がいいのも今更すぎるんだが。]

 このまま、しても大丈夫……?

[否と言われても難しいとは思いつつ、頭に浮かんだ諸々の懸念が柚樹に伝わるかはわからないものの、頬に手を当てて問いかける。

答えも聞かないうち、腰を緩く引くと、幾度か中を慣らすように腰を揺すってはしまったけれど。

肯定が返ればそのまま抽挿を開始するつもりで、答えを促すように頬や眦に唇を落とした。]*


 ううっ、めちゃくちゃ笑ってんじゃん……!

[アスルという人はなかなかいい性格をしているらしい。
その後のフォローもフォローになっていないし。
ロマンは分からなくもないが、寝転んで読む小説の場合は良いけれど――前はよく勝手に幼馴染の部屋にお邪魔し、ベッドでうつ伏せに読書しながら帰りを待ったりしていた――現実になると大変なのだ。

でもアスルの、伝わってしまったことを隠さない明け透けな様子は、こちらの心を軽くもしてくれた。
変に気を遣われるよりよっぽど良い。

清々しい風が吹き、深く息を吸った。]

 ……。

[丸まりながらも聞こえる、静かな呟きの声。
アスルにも色々と思うところがあるのだろうか。]


 あのさ、……思ったんだけども。

[もそもそと丸まり虫が起き上がる。]

 アスルさんは旅の途中なんだったよね?
 で、私もよく分からない迷子旅が始まったってわけだ。

 どれくらいの付き合いになるか分かんないし、そもそも、お世話になりっぱなしなんだけど、ほら、まぁ。
 少しの間でも、旅は道連れってことで?
 あと旅の恥はかき捨てとも言うし?

[後者は良い意味ではないが。]

 私のこと教えたんだから、アスルさんのことも教えてよ。
 嫌なこととか、恥ずかしいことは良いからさ。
 どーせ私はここの誰にもバラしたりしないし、……元の世界の幼馴染に言ったって困らないだろうし。


 旅して楽しかったこととかー。
 ひとりだと寂しい!ってなったこととか。

[目を細めて柔らかく笑う。]


 あー! 空ならなに叫んでも許される気がする!

 雅空兄ぃの料理ばかー!

[急に大きな声で叫んで。
バランスを崩しかけ、あははっと豪快に笑ったのだった。

そうして空の旅は一先ず次の停泊地まで続く。*]


 ぅ、ちが、くない、けど……っ、ぁ……、ちが、くて……ッ……ぅ。

[理性がある時は、武藤がねだること全部に従おうとする必要はないし、問うてくること全部に答える必要はない、とは、解っているのだけれど。

どうやら無意識下、武藤をリーダーと認識しているらしい私は、理性が溶ければ溶けるほどに、武藤の言葉に従順になってしまう。

"気持ち良くてダメって意味でいい?"なんて恥ずかしい問い に、首を振るくらいの反応でも良いはずなのに、喘ぎ混じり真面目に答え、声を跳ねさせるくらいには。

身体の裡を容赦なくかき混ぜてくる風な指も、ちょっと意地悪な事を言ってくるのも、全部、私が知っている武藤。

なのに、戸惑う心だけが、未だ、心の真ん中あたりにぷかぷかと浮いているようで。]


 ……?……ぉ、て、とか、ない…………ッ。

[まさか、武藤のご実家に遊びに行った時、飼い猫の虎千代さんを"とら"と呼んだ──だってお家の人皆がそう呼んでいたから──ことにすら、武藤が微妙な顔をしていたとまでは知らぬまま。

煽ってなんかない、呼んだだけだと、首をふるふると横に揺らす。

本当、なんで武藤は私が呼ぶ"とら"にそこまで過剰反応するんだろう。

他に数多そう呼ばれている場面を目撃しているだけに、未だに私は今ひとつ腑に落ちないでいる。

"むとう"って、だって、会話もままならない感じになってくると、とても呼びづらいものだから。

  なんか、武藤、怒って……?
  いや、ほんの少しだけだけど、苛立って、る…………?


告げられる、もう十何度目か何十度目かの"かわいい"に、反射のように"そんなことないのに"という風な感情を瞳に乗せてしまうのが理由の一つなのだとは、全く思い至らない。

それでも、"ちょうだい"と口走るほどに切羽詰まっていけば、"よくできました"とばかり、漸くに欲しかったものが与えられたのだった。]
 


 ふ、ぁ……ッ!あ……あ、んぅ……!

[焦がれるほどに欲しかった灼熱が、容赦なく身体の奥底を貫いてきて、背が浮き上がるほどに身体がひくひくと跳ねてしまう。

口を大きく開いたところでうまく呼吸も出来ず、過ぎた刺激に見開いた目からぼろ、と涙が零れていった。]

 ぅ、く…………っ……ふ。

[最奥で、武藤が脈打っているのを感じるけれど、その鼓動が武藤のものなのか自分のものなのかも、もうわからないほど、頭も身体もぐずぐずで。]

 …………?、の、まま……?……ぅ、

[問われた事 に、何の事?と、もやのかかった頭をなんとか回そうとはしたんだよ。
でも、色々無理だったし、ここは夢の世界で、"このまま"では良くない何かというのも、ちっとも思い至らなかった。]

 このまま、が、いい……。

[離さないで、いっぱいして、という風に、武藤に強くしがみついた。]
 


 ぅ、く……と、らぁ……っ……、

[涙がちっとも止まらないのは、揺さぶられ、与えられる快楽に身体も心も追いつかなかったからだったのだろうと思う。

すごく。すごく今更ながら、こんな状況で"私の武藤が戻ってきた"という実感が沸いてきたというのもあったのかもしれない。

先刻とは比べようもないほどに、はしたない水音がずっと下肢から響いていたのだけれど、もうそれを恥ずかしいと思う理性も消え去って、私はひたすらに武藤にしがみついたまま、名前を呼んでいた。]

 き、ざんで……、っとら、……いる、て……、

[溺れたように零した言葉は、武藤に届いていたのかな。

"武藤が間違いなくここにいると、刻んでほしい"と。
私は多分、そう言いたかったのだと思う。*]
 


  あら、可愛らしいのね。


[揶揄うように言いながら、紅茶をマグカップに注ぐ。秋の並木道が描かれたカップは、薄暗い中では木の葉の赤が沈んで真っ直ぐに伸びた道だけが白く浮き上がって見える。]


  じゃあ、ほんの少しだけ。


[軸の細い、小さな匙に半分だけの酒を紅茶の表面に浮かせるように静かに垂らす。砂糖のような甘い香りがほんのりと漂い、これだけ僅かな量ならアルコールの苦味はほとんど感じないはずだが、口にすれば体の芯から熱が生まれるような感覚が得られるだろう。]

[テーブルの前に膝をついて用意をしていた椿は楓の分のカップをテーブルに置くと、また膝を抱えるように座り直した。]


  冬にはよく、こうしてお茶を飲むの。
  よく温まって、気持ちよく眠れるのよ。
  飲み過ぎたら、怖い夢を見てしまうけれど。


[今は黒にしか見えない赤い花柄のカップを両手で包み込むように膝に乗せる。右手の袖口には、黒い染みが残っていた。椿はそっと唇をカップに当てる。傷は塞がりかけているようだった。熱いカップが傷に触れないように、少し顔を傾けて水面を吹く。]


  怖かったな。
  突然水の中に落ちて、深みに引き摺り込まれて。
  息ができなくて、どれだけもがいても暗がりに引き込まれるだけで。
  そのうち、足元に手が見えて、私を沈めようとしているのが、見慣れた人だったりして。すごく怖かった。


[彼は椿にとっての全てではあったものの、彼こそが自分を化け物たらしめているのではないか、という恐れはいつもどこかにあった。彼を恨んではならない、その献身に報いなければならないと自分に言い聞かせて、愛しているのか、愛されているのか、憎んでいるのか、恨んでいるのかも考えないようにして、ただ望まれるままに生きて、望まれるままに消えようとしていた、ような気がする。]


  怖い夢は誰かに話すと見なくなるっていうけれど……
  そんなの嘘。どんなに慰めてもらったって、
  すぐにまたやってくる。


[貴方もそうでしょう?というような目を楓に向けて。]**

[深く貫いた先、耳元で響いた嬌声と重なった肌が痙攣する感覚の中、随分久しぶりにも思える刺激に脳が眩んだ。

詰めていた息を吐いた後、柚樹の顔を見下ろすと目から雫が溢れ落ちた跡が見えて。

苦痛や戸惑いばかりの涙だったら焦って行為を止めようとはするのだけど、そうでないのは蕩けたような表情からもわかってはいたから。

嗜虐の趣味があるわけではないのに、感極まったり刺激が強すぎたりとした時に泣かれるのは興奮してしまうらしく、衝動的に突き動かしそうになる身体を何とか押し留める。]


 ……っ、昨日の夜もこうしたかったよ……?

[このまましてもいいかの答えを待つ間、頬や濡れた眦に唇を落としながら小さく囁く。

まあ、初体験未満の記憶では、もたついて仕方なかっただろうから、しなくてよかったとは思うのだけど。

もしかしたら体の方が覚えていて何とかなったかもしれないが、柚樹の方が戸惑いや抵抗を覚えていたかもしれないし、そうなったらとどまっていただろうな、とは。

問題が何かもあまりわかっていなさそうには見えたけれど、気に留めていないのであれば大丈夫なのかなと思ってしまうくらいには熱に浮かされていたのだと思う。

風呂の件は自分が洗ってないのは嫌だけど武藤は嫌じゃない、と言われたことはあるからまだわかるとして。

“大丈夫じゃない日“に避妊具とか必要ないと求められたことがあることを思えば、これが夢だからとかまでは頓着できてないんだろうな、とは思い至ってなかった。]


 うん……、オレも、このまましたい……、

[しがみついてきた身体を強く抱きしめ返すと、腰を大きく引いて、浅くから深くへと勢いをつけて腰を打ち付ける。]

 ん、ッ……、ぅ……、

[びり、と痺れる快感が背から腰まで走って、きつく締め上げてくる内壁に抗って引き抜きかけた肉茎で抉るように胎内を擦り上げた。

“とら“と呼びかけてくる声に、ぎち、と圧迫してくる内壁を押し上げるくらいに自身が質量を増して、キツさに眉を顰める。

わざとではないのはわかっていても、こうもわかりやすく体が反応することを知っていて呼びかけられるのは、煽られているのと同義だった。]

 
 は……、っ、……ぁ、
 ゆず、き……、すき、好きだよ、

[重なった肌が擦れて汗ばんだ全身が熱く溶けそうな感覚がして、思考の方は焼き切れそうだった。

腰を打ち付ける度に粘質の水音が増してくるのは、先端から滲んでくる自身のものも混じってはいるのだろうけれど。

熱い胎内の奥から溢れてくるものも確かに感じていて、ぬるついた中を滑らせる速度と深さが知らず増していく。

ゴツゴツと奥に当たる間隔が短くなってくると、殆ど思考は回っていない中で、譫言のように名前を呼び返せば、溢れてくる涙を舌で掬った。]


 ッ……、

[きざんで、と途切れた声が耳に届けば、考えるより先、首筋に顔を埋めて口を開いていた。

ちゃんと此処にいる、と伝えたかったのか、この雌は自分だけのものだと刻みたかったのかは曖昧なまま、肌に歯を立てる。

ギリ、と犬歯を食い込ませると内壁がうねるように反応するのを感じたのは雄芯が大きく脈打ったせいだろうか。

“此処“も好きなとこだったな、と白んだ頭の片隅で一瞬浮かんだのは、多分間違えてはいないと思う。]*

 そりゃー、しかめっ面になりながら聞くような話題じゃないし、聞く側は面白いもんだしな。

[とはいえ言われた側は今のミツキのようになってしまうものなのだろう。
そんな初々しい姿が微笑ましいというのも含めて面白い。というやつなのでいて]

 ん?まー、そうなるな。

[その後、思い浮かんだようにもそもそと起き上がり話すミツキの旅は道連れ。というのには同意しつつ]

 俺のことなぁ。って、帰った後、幼馴染にはいうんだな。

[聞いても黙っている風でありながら、そこは黙れないんだなというのに口にしつつ、まぁ、実際困らない]

[とはいえ、身を任せろ。といった当人としては黙っているなんてできるものじゃない。
少なくともミツキから歩みよろうとしてくれているのだし]

 …空じゃ周りの目を気にする必要なんてない。自由だしなぁ。

[遠い景色を映すように視線を細める。
元気になって、あるいは開き直って叫ぶミツキを軽く首を傾けて見て]

 旅して楽しかったことはやっぱ色々変わったものが見えるとこだな。
 さっきもいったが今から補給のために降りる浮遊都市はな、凄い高い山からでっかい滝があってな。その水の上に浮かぶように人が暮らしているんだ。

 まぁそこはこれからいくからその時の楽しみっていうのでいいが、住んでる都市…というか土地に合わせて発展してるってのは見ていても楽しいな。

 似通った土地もあったがやっぱどこか違うってのは行く先々で飽きさせない驚きがあったな。

 ただ共通してるのは、空を移動する術の発展だけは行おうとしているところだ。
 俺も元々そういうところで働いていたからわかるんだよ。他所とやりとりしないとこれ以上できることが増えないのはあるからな。植物の種のやり取りから技術の交換がやっぱいるな。ってな。

 それに…いっちゃなんだが浮遊都市がなんで浮いてるのか。正確にわかっているやつもいないだろうからな。外界への行き来もあるが飛べる手段ってのはどこも大事だって思ってるみたいだ。

[そういった未知の部分が目に見えて多いからこそ、別世界からきたミツキという存在を受け入れる下地になっていたのだろう。

と、世界の説明と絡めて自分が工場で働いていたことを話していき]

 そういやそっちじゃどうか知らないが、この世界じゃ能力を持って生まれてくるやつがいる。
 油汚れを落としやすい。とか、木材を均等に切れる。とかそういう感じのだけどな。

 俺もそうなんだぜ。俺の場合は風詠みだ。まぁ、風を少しだけ操れたり風の流れがなんとなくわかったりするぐらいのものだな。

 そういう力ってな訓練が必要なんだよ。

 で、俺も当然訓練したんだ、どうやったと思う?

[なんて聞いてみつつ、多分当たりを引き当てることはできなかっただろう、悩むようなら少しだけ待ってみたりして、その後、正解と口にする。]

 正解はスカートめくり。
 いやぁ、出来ないかなぁと思ったら少しだけ浮き上がらせてな。
 といってもそんな強い風を操れるわけじゃないからめくれるまでは結局できなかったんだけどな。

[そんな昔のエピソードを口にしながら、空の旅を続けるのであった*]

 
  うるせェよ……昔は飲めたんだ。


[可愛らしいと揶揄われ、楓はぼそりと抗議した。
 『昔』が何を意味するかは彼女ならわかるだろうと補足しないまま、用意してもらったカップに手を伸ばす。
 カップに何が描かれているのか、この暗がりでは楓には見取ることができなかった。元を知っていれば白い筋が何なのか想像がつくのだろうけれど。

 床で膝を抱える彼女をちらりと見下ろしながら、カップに口をつけた。慣れない芳香に混じって、アルコールの匂いが微かにあった。これだけ少量なら気分を悪くすることは無いかもしれないが、酔いを感じる可能性はある。
 人狼に成ってからというもの、極端に弱くなってしまったから]

[彼女の『怖い夢』の話に、じっと耳を傾けた。
 見慣れた人が深い水底へ引きずり込もうとする夢……。

 自分の悪夢が『殺す夢』なら、
 彼女の悪夢は『殺される夢』なのだな、と内心で思った。
 それがそのまま最も恐れることなのだろうか。

 同意を求めるような視線に気付くと、楓は暗がりの中でじっと彼女の瞳を見つめ返す。その瞳の色がどうなのかは、今は記憶に頼るしかない]


  ……オレがあの夢の話したのは、椿だけだ。
  だからまだわかんねーな……。


[人に話すぐらいで見なくなる夢とは思えなかった。それでもいくらか気が楽になったと感じる部分はある。
 彼女には、今まで誰にも話せなかったことをいくつか話している。楓にとって、自分が人狼であることを明確に明かしたのは二人目。心の内をこれだけ語れた相手は初めてだった]

[カップの中身をちびちびと舐めるように飲んでいるうちに、だんだんと体の芯に熱が灯されるような感覚を得始めた。ほんの少し混ぜてもらったラムによるものだろう。
 同時にどことない怠さを感じ、改めて自身の変化が身に沁みる。彼の喉からは自然とため息が漏れた。

 一方で、動くのが億劫なのはほどよい加減とも言える。
 今から何かする気は起きそうにない。
 外をうろつく気も、……労力のかかる食事をする気も。

 彼女の様子はどうだろうと隣の様子を窺った。
 進んで『毒』を口にするぐらいなのだし、自分より弱いことは無いだろうと思いながら]**


 へぇぇ、なんか想像力の限界を超えてくるなぁ。
 滝があるのに水の上に住んでたらびしょ濡れになりそうだけど……なるほど、これからのお楽しみってわけね。

[ならまだ突っ込まないでおこう。
一眼レフカメラでも持ってくれば良かったとまで思ったところで、ポケットのスマホのことを思い出す。
昨夜の時点で電波は当然のように通じなかったが、カメラ機能ならいけるかもしれない。]

 それもそうだよね。
 日本も昔は鎖国って言って、他の国と交流しない!とかやってた時期があるらしいの。
 でも独自の文化は生まれやすいだろうけど、発展に関しては難しくなっちゃうんだろうなー。
 
 そうそう、私の住んでた日本も島なんだよ。
 空じゃなくて、海……湖の大きいやつに囲まれてるの。
 昔は船……はここにもある? そう、船が必要だったんだけど、最近では海を飛行機でも越えるようになってて――。

[そんな風にお互いの文化を語り合う。]


 いいじゃん、空の自由への発展を諦めない! かっこいい。
 アスルさんも目指すもののために頑張ってるんだ。

 でも工場は辞めちゃったの? 旅のため?

[そこは素直に気になって聞いた。]

 えっ、住んでるところがなんで浮いてるか分かんないの?って思ったけど、私も地球の内部とか理解してないや……。

[帰ったらまず幼馴染に聞いてみよう。
それからふたりで検索するなり本を探すなりしようか。]

 不思議な力、……持って生まれた能力?
 そういう感じなんだね。

[自分の世界でいう霊感なども当てはまるのか分からないが、また種類が違いそうにも思える。
興味深そうに身を乗り出すように聞いていた。
油汚れを落とす力は正直便利そうでいいなって思いつつ、髪を上手に洗えるとかがあったらどうなんだろうなぁ。]


[武藤とは幾度幾度も身体を重ねてきた。

当然、慣れてないわけでもないのに、ここ最近、していると涙が止まらないことが増えてきていて。

それはきっと、身も蓋もない言い方をすれば"きもちよすぎるから"なのかなとは思っている。

でも、過ぎる快楽の他にも、幸福感だったり、安心感だったり、色々な理由が絡まり合っている気はしていて。

最初のうちこそ武藤を狼狽えさせてしまったけれど、今はむしろ、どこか嬉しそうな顔をされてしまうのには、泣き顔の私なんてかわいくも綺麗でもないだろうにな?とは思ってしまうのだけれど。]

 …………ぇ……?

["昨日の夜もしたかった"、と

武藤の言う"かわいい"が"好き"と同義なのは知っているものの、でも、言葉を交わして2日足らずでそれは早くないかな?と一瞬、戸惑ってしまった。

いやでも、あの美術館で告白されて抱き締め合って、キスまでした(された)のはもっと短い時間でのことだったんだっけ……と思い返せば、そういう思いに時間の多少はあまり関係ないのかもしれない。

…………いや、でも、やっぱり早いよね?とは。]


 ……ッ……ぅ、く……っ……ッ、

[このコテージは一戸建てだし、すぐ隣に別の棟が立ってるわけではないから、さほど声を殺す必要も無いのかもしれないとは思いつつ、それでもつい、声を殺そうとはしてしまう。

奥を突かれる度に涙はぽろぽろ零れてくるし、口から漏れるのは、獣の吐息じみた、ふー、ふう、というものばかりになってきて。

食い縛る風な吐息が増えてくる頃には、身体が勝手に頂点を求め始めてしまうのは、もういつもの事だった。

ずくり、と、胎内の奥が重く痺れた風になって、武藤のを搾り絡め取ろうとばかりに、蠕動するように蠢きはじめる。]

 ッ、ぁ……っ、ひ、ぅ……ッ!

[武藤のものを己の身体で勝手に強く締め付けて、それに感じて身悶えしてしまう始末。

自分の身体の内側がぜんぶ武藤で満たされてるみたいな感じがして、それもね、大好きな感じだったりするのだけれど。]
 


 ん、……っぅ、ん……すき……、だい、すき……。

[とら、すき、と。

壊れたプレイヤーのように繰り返して、揺さぶられるままに足を大きく開くと、明らか、水音が増しつつあった。

自分がこういう時、どれほどに身体の裡からどろどろに溶けているのかも、もう当然のように知った感覚だったし、きゅう、きゅう、と不規則に武藤を締め付けようとする速度もまた、増していく一方で。]

 …………ッ!?は、ぁッ…あ、ん!

[ぶる、と身を縮めるようにしながら大きく震わせたのは、武藤の犬歯が首筋に食い込んだ直後のことだった。

瞬間、身体の毛穴が全部開いたような感覚と共に、びく、びく、と瀕死の獣のように太腿や腰が跳ね上がる。

もうすぐ、という予感はしていたものの、予兆をほとんど伴わなかった絶頂。
驚いた風に見開いた目は、世界が滲むばかりでもう何も映しはしなかった。]
 


 え、訓練なんでしょ?
 
[突然のクイズに顎に手を当てて考え込む。
口をへの字にして、しばらくの間。]

 凧揚げして風を操作してなんとかとか?
 旋風で洗濯物吹き飛ばすとか?
 あ、いっそ、人に羽根くっつけて飛ばしてみたとか!

[真面目な回答は最初だけだった。果たして正解は――。]


 ……最っっ低! 小学生男子か!

[思いっきり突っ込みを入れたのだった。*]


 ぁ、ゃ、わた、し…………?!

 ッ……ぅあ!や、やぁ、ん……ッ!

[呆然と、"私、イッちゃったの?"という言葉を口にする前に、武藤も状況を悟ってくれた風ではあったけれど、でも彼の側も限界が近かったらしい。

引き攣るような収縮が続く中、それを捻じ伏せる風な荒い抽挿が幾度かあって。

刺激の強さに視界が真っ白に染まってしまう中、最奥で熱が弾けるのを微かに感じた……気が、する。


私は、どうやら色々と限界に来ていたらしく。

早鐘のようにがなり立てていた己の心臓の音が、武藤のと共にいくらか収まろうとしていく中、意識をするりと手放してしまったのだった。]

 ご、め……も、げんかい…………。

[それだけはなんとか告げられたかな。
でも、おやすみなさいは、言えなかったよ。**]

 そう聞くと世界は違ってもそういうところは一緒なんだな。

[他の国と交流しない。ということをしていて発展がしづらい国。
空の変わりに海――大きな湖のようなところに囲まれたニホンという国。
そう聞くと、自分よりもペルラがいってみたそうな場所だなぁ。などと思いながら、自分が喋るぶん、ミツキの世界の話も聞いていく]

 工場やめたのは旅のためでもあるし、やりたいことのためだな。
 実は今な、うちの故郷にある資源と交換して得たものもって帰ってる最中でもあるんだ。ひとまず今はそれを工場に持ち帰るってとこだ。

 まぁそういう意味じゃ故郷に帰るところでついでにミツキを拾ったって感じだからそこまで負担っていうわけじゃないぞ。

[素直に聞かれたことを応え、ついでのように故郷に帰るつもりだったこと途上だったという。だからこそアスルがいたところは故郷に近かったというのもある。]

 いや、その小学生ってのはわからねぇけど、まだ十歳にも満たない頃だぞ。

[どうやら最低だったらしい。とはいえ素直な感想としていたのだろう。堪えた様子もなくいって―――]

 ぁ…そういやなんだが、今からいくとこな。
 全裸に近い男性や女性が結構いるんだが……ミツキは大丈夫か?

[なぜかというと、水の上で生活しているため濡れてもいいように。というのもあるが泳いで渡ったほうがはやいとかある人も結構いるのだ。自分も驚いたなぁ。などとミツキへと説明する。
別に彼らは生活しているだけでいやらしい感じはしなかったが、上半身を羽織るだけでいた自分にすらあの有様なんだが、大丈夫か?などと聞くのであった*]

[旅に出た理由や帰路の途中であったことを知る。
これからアスルの故郷の島へ向かうんだね、と頷いて。]

 10歳以下ならまぁ小学生か……。

[小学校については軽く説明したことだろう。]

 分かった、好きな子のスカートめくろうとしてたんでしょ。

[軽い口調で、あくまで冗談っぽく流すと。]

 
 え゛ぇ……!?

[全裸に近い、ですって?]

 …………いや、まぁ、そういう文化なら否定しないし。
 郷に入っては郷に従うって言うし……。

 大丈夫、うん。目は逸らすと思うけど。
 あと私は脱がないです。脱げないです。

[胸に手を置いて深呼吸。]

 ま、まさか……アスルさんもまた真っ裸になるの!?

[その可能性に行き着いて、途端に真っ赤になった。
住民100人の全裸よりこの人の全裸の方が困る!*]

[そういう学ぶ施設があるのか。
文字を教わったりするのは自分たちはお年寄りの仕事だったな。などといいつつ]

 いんや、同世代ってだけで誰かという特定はしなかったぞ。

[好きな子といわれたときに一瞬だけ眉が寄ったが、すぐに切り替えてその時のことをいう。性差とか意識している頃でもなかったので、練習だったしなーと軽くこちらもいいつつ、次にいく島での憂慮すべきところを聞いてみたが]

 いや、脱がなくていいし、俺も脱がんよ。
 ってかまたもなにもあの時は水浴びしてたんだから脱いでて当然だろう。
 それに泳げるけど荷物持ちながら泳げるほど上手くねーしな。

[あくまで泳いでの移動ならばというだけでそうじゃない人間はそこで住む人間も服を着てるのである。

――と、ミツキが慌てているとこが根本的にはずれているアスルであったが]

 他所の文化に対して文句とかいったり騒ぎにならないならいいんだが、一応な。

 丘の上に発着所があるし、風景もそこから見えるから大変だったらそこで待っていてもいいぞ。宿泊もどこか小島に泊ればいいだけだし、無理する必要はないからな。

[目を逸らして歩くのは歩くのは大変そうだし、やらなければならないことじゃないからな。というのであった*]

 ミツキ、そろそろ着くぞ

[そうやって喋っているうちに太陽の位置も変わっている。時間も結構経ったのだろう。

開けた視界にはぼやける大きい陰のようなものが徐々にくっきりとしてくる。

目立つのはやはり島の中央にある一際高い山だろう。そこから四方に降り注ぐ滝の水により島の半分以上の面積をもつ巨大な湖を作っており遠目に見ても色合いとして水色が多く、島からは更にその外へと水を垂らすようになっている。

そんな湖の上に丸太を繋いで水上都市として機能させており、湖の外周部には畑や牧場があり、発着所といっていた丘もその近くにあった。

と、風景を楽しむように島へと近づいた後はスピードを落とし、緩く周りを見れるように巡航をしてみせながら高度は徐々に下がり発着所のほうへと向かう。]

 そろそろ背中にしがみついてくれ。降りるからな。

[そうして背中にしがみつくように促すとハンドルごと体を傾けて、スピードと高度を落としながら旋回すること数周。
身体を傾ける角度が真っ直ぐに戻ったころ]

 着地するぞ。手摺につかまれ。

[ミツキへと促して、慣性だけで動いていた飛行機は着地の時だけ身体を揺らす衝撃を出しながらも、無事に動きを止めるのであった。

なお、指示したときの動きが鈍かったら、事前にいっていたように抱き寄せられることになったが、ミツキはどうだっただろうか**]

[そうやって身を寄せた時、深江が促すように顔を近づけた。そういやそうだ、と鼻先でつつくように唇に触れると、自然に口が開く。長くざらついた舌が深江の口内に入り込み、気を唾液や舌や息ごと絡め取るようにして喰らっていった。
 効率で語るなら血肉を喰らうのが最も早く保ちがいい。時間を気にしないなら何時間もかけて体を寄せてじっくり気を奪えば良い。だがこれはそのどちらにもあたらない方法だ。
 深江に痛みの負担もなく、傍でちまちま奪うよりも早い。合理的な手段である――多分、最初はそういう感じだったはず。

 “人”に慣れた今となっては、これがどういう意図のものか理解しているし、食事と異なる意味で交わすこともあるが……まあ、今は飯だ、今は。
 明日もあるからと奪いすぎないように、あくまで一食の範囲で気を吸って]

 ごっそさん。

[二人分の口元をべろりと舐め、ふすと鼻を慣らして深江の首筋に顔を擦り付ける。片足を引っ掛けてこちらに倒れ込ませ、丸まる体の中にしまいこんだ。
 先の白い尾で包み込みながら、ごろりと転がる顔を覗く]


 ん?
 ……血出とるんか。どこぞ引っ掛けたか?

[鼻を鳴らしたのは薄い鉄の匂いを感じてのこと。少々低くなった鼻をすんと鳴らして元を辿ると、親指の腹が僅かに裂けている。傷は浅いが、元からそうなのか、治りつつあるからかは一目見ただけでは判別がつかない。
 これが自分の寝相と関係があるとは露知らず、不思議そうにしながらも傷跡を舐めた。文字通り舐めれば治る傷だ。朝ごはんのつまみぐい程度のもので、心配には値しない。
 そして近づきがてら、唇も舐める。ふ、と口を緩ませて触れ合わせただけの他愛ない挨拶だ]

[昨日の夜もしたかったと告げたら不思議そうな顔をされて、思わず頬に添えていた手で抓りそうになってしまった。

オレも健全な男子なので?
好きな子に抱きつかれて同じ布団で一晩過ごすとか、そりゃあそういう欲求は湧くというもので。

泣きじゃくってるとこにそんなことは出来なかったのもあるし、告白もしてないからという諸々の事情があったからというだけだ。

美術館の夢から還ってきた日の夜、病室のベッドで最後までは出来なかったけど、許される状況ならしていただろうことを考えれば経過時間的には似たようなものだと思う。

柚樹はその辺の認識が甘いから警戒心……といつも心配になる。

それとは別かもしれないが、何だか以前のような“女として私なんか“的な状態に戻っていることに、モヤモヤしたような気持ちを抱いていたことを察せられていたとは此方は此方で気づかないまま。

求められて繋がった後には、そういった機微にも頓着出来ない状態にはなってしまっていた。

溢れている涙の理由の全ては理解出来なくても、過ぎた快感を拾っていることが要因のひとつであることは見てとれたし、柚樹がそんな風になるのはここ最近のことではあったから。

巻き戻っているような様子のことは一旦どこかへと行っていたのもあるかもしれない。

柚樹の心が身体に追いつかないみたいな状態は、前にも一度あったから、それならあの時みたいに怖くなくなるまで抱けばいいのかなって。]


 ……っ、ふ……、声、だしてもいいのに、

[押し殺しているような声に、そう溢しはしても、出してと言われてなかなか出せるものでもなかったかもしれない。

何かを堪えている様子で漏れ聞こえてくる吐息も、胎内の拍動と合わせてよく知るものだったし、興奮を煽られるものには変わりはないのだけど。]

 く……ッ、ぅ……、
 あんま、締められると、すぐイきそう、だから……、

[これも言われたところでどうしようもないのはわかりつつ、一度目は大体早々に達することが目には見えていても、少しでも長くこの快感の中に溺れていたいと思ってしまって。

それに、柚樹のえろいとこもいっぱい見たいし、なんて。]

[“すき“と言い募られるのも、呼ばれる愛称にも昂りが増すばかりでは、限界がくるのは早そうだった。

雄を搾るように蠕動を始めた内壁から逃れるように中を擦り上げ、擦り下ろしても受ける刺激が加速するだけだというのに、快感を追っているのか堪えようとしているのかもわからなくなってくる。

せめて柚樹がイけてからとは僅かに残った冷静な部分でなんとかもっているようなものだったから。

中の挙動からそれも近いとは感じていたのだけれど。

“刻んで“と言われて反射的に噛みにいってしまったのは短絡的だったかもしれない、とは。

何も物理的に刻む必要があったかはともかくとして、その行為は達する時の癖のようなものだったし、ここ最近は柚樹の方もそれが引き金に絶頂を迎えることがあるのも知っていたことだというのに。]

 ……ッ、ぐ……、

[肌に歯が食い込んだ瞬間、吐精を訴えるように膨らんだ雄芯を強く搾る痙攣を内壁が返して、喉奥から、ぐる、と唸り声のようなものが漏れる。

困惑したような声が耳に届きはしたものの、衝動的に大きく跳ねた肢体を押さえつけて掻き抱くと、跳ね上がった腰を縫い止めるように引き抜いたものを荒く深くへと穿って。

達している最中の胎内を暴く摩擦の刺激に響いた嬌声を気にかけてやる余裕もなく。]


 ───ッ……!

[首筋へと歯を立てたまま開いた口から唾液が溢れるままに荒い息を吐きながら、幾度目かに奥を突いた先で、びゅく、と熱が吐き出されるのを感じていた。]

 ハ……、ぁ……、
 ゆずき、だいじょぶ……?

[繋がった先では断続的に精が吐き出され続けていたけれど、我に帰って問いかけた先、あまり大丈夫ではなかったらしいとは惚けたような表情からも見てとれて。]

 ……ん……、おやすみ。

[限界を訴える声に軽く唇を重ねると、微かな寝息が聞こえてくるまでに時間はかからなかった。

刺激が強過ぎて意識を飛ばすようなことはそうそうないものだから、これは眠気が限界にきただけだろう。

無理をさせてしまったことを内心で謝りつつ、また昂ってしまわないうちにと腰を引いた。]

[ずるりと抜け落ちた陰茎の先、脚の間から溢れてくる白濁を柚樹のかけていたタオルで拭き取ると、一度身体を離して。

抱きしめたまま眠りにつきたい気持ちはあったものの、風呂入らないと、とはいくらか冷静になった頭で思い出すことはできたので。

柚樹に布団をかけてから、そっと額に口付けるとベッドから降りてバスルームへと足を向けた。

装飾品は左耳の上のピアスと指輪以外は外してからシャワーを浴びて。

煙で燻されてた髪や汗ばんだ全身を洗い流すと、頭を冷やして大人しく寝られるように気持ちを落ち着ける。

寝間着に着替えて髪を乾かすのもそこそこにベッドまで戻ると、膨らんだ布団と空のベッドを交互に見てしばし逡巡した。]


 …………、

[なんもしないから大丈夫。
それに、裸のまま一人で寝るのは風邪ひくかもしれないし。

夢の中でも風邪をひくかはわからないが、せっかく着たスウェットを脱いで膨らんだ布団の方に潜り込んだ。

直肌の方が多分温まるし……って雪山でもないんだけど、その方が心地良いかなってだけなんだけど。一応下着は穿いてるので……。

巻き戻っているような感じは治っているだろうかと寝息を立てる顔にそっと口付ける。
朝起きたら確かめてみた方がいいだろうか。
聞くのもな……、と思えば、唐突に胸を触るとか、さすがに怒られそうなことしか思い浮かばなかったので寝ることにした。

布団の中で柚樹の身体を抱きしめると、頭に浮かびそうになる邪念は振り払って瞼を閉じた。

柚樹の方が早く目を覚ますとは思うのだけど、朝を迎えて声をかけられても抱きしめた腕をなかなか離そうとはできなかったかもしれない。

顔やら何やらを擦り寄せてしまうのはいつもの挙動としても、おそらく起きてすぐにシャワーを浴びたいだろう柚樹の邪魔をしてしまいそうなことは申し訳ないのだけれど。]**


["私はそういう風にはならないから"という自分基準で考えてしまうものだから、私は"健全な男子心"にどうにも疎いみたいで、武藤をさんざんやきもきさせてしまっているらしい……とは、自覚しているような、していないような。

でも、だって、昨夜の自分を昨夜の武藤が、そこまでそんな風に思っていたなんて、ぜんぜん、ほんとうに気付かなかったんだよ?

それを否定しているわけではないけれど、"声出していいのに"とか"あんま締められると"なんて言葉 には、でも、だって、と告げるように首を振る。

"刻んで"と譫言のように口走っていたのは、自分でもどんな意味で、どんな風にしてほしいと思ったのかは定かではなかったけれど。

けど、首に食い込んで来た歯には、懐かしいような、切なくなるような、深い安堵を覚えていた。]


 と、ら……ッ、ちょ、だい……ッ?

 あ……っん、ぁ……っ!!

[全部、暴かれる。
全部が、武藤のものに、なってしまう。

そんな感覚に襲われながら、達した直後の身体をこれでもかと貫かれ、揺さぶられ、私はでも微かに笑っていたように思う。

  ────この世界でただ一人の、私だけの男。
  愛してる、よ。


意識を保つ中、最後に胸に浮かんだ思いは、そんな風なものだった。]
 


 …………ん?

[武藤、お風呂入ったのかな。入ったんだな?

ちょっとくしゃりとしてる金髪、身に纏う金色も、揃いの指輪と私が誕生日に贈ったピアス以外が外されていて。

────それに、におい、が。]

 …………武藤のにおい、うすい。

[ちょっと不満、という風に鼻を鳴らし、肩口に頬を擦り付けたりしていたら、さすがに目を覚ましてしまうかな。

起こすつもりは無かったのだけど。]
  


 おはよう?武藤。

[小さな呻きと、揺れる睫に気がついて、そうっと声をかける。

場所は違えど、何度も交わしている挨拶。

夢の世界で"地に足がついている"だとか"日常に戻ってきた"とかいう表現もおかしなものだけど、でも漸くに、そんな心地になっていた。*]
 

[流れるように顔を寄せて口付けてしまうのも、いつものことだけれど。

手に触れているのが直接肌だということに気づけば、身体を寄せると脚を絡めて。

肩口ぐりぐりと顔を擦り寄せて、視線を落とした先、肌に浮いた歯型の痕に安堵に似た笑みを浮かべると同時、昨晩のことを思い返して、じわ、と頬が熱くなるのを感じた。

押さえつけるように押し付けていた背中から滑らせた手を胸元に当てて、もう大丈夫になったかなと顔を窺ってしまう。

昨晩と違ってちゃんと寝る前にはシャワー浴びたし、ってにおいが薄いのが不満だったとかは気づいていないまま。

ぐり、と押し当てた下肢が熱を持っていることに困らせてしまうだろうか。
でもまあ、それもいつものことだから……、とは。

走りに行ったり朝ごはん用意したり、シャワー浴びたりしたいかなとは思ったんだけど、こうしていつものように触れられることが嬉しかったから、つい。

引き剥がせば大人しく起きるとは思うので。]*


 …………ん、……。

[互いの姿を認めると、自然に口付ける のはいつものこと。

まあまあ"触り魔"な武藤が、寝間着を纏ってないとなればあちこちに手を伸ばしてくるのも、よくよく知ってる行為なわけで。]

 ……ぁ……む、と…………。

[ひたりと胸に手を当てられて、心臓が跳ねた風になったけれど、それはびっくりしたからであって、拒否ではない、ので。

大丈夫?と問う風な瞳に、大丈夫と微かに頷くように返して、暫くは穏やかに抱き締め合って────いたかったけれど、下肢に当たる熱にも気付かないわけにもいかないもので。]

 えーと……。

[でも、うん、今してしまったら、ものすごく空腹になって、私がぐんにゃりしてしまう未来しか見えないよ?]
 

  私ははじめから、“そういうもの”だったから……
  そうでない時があると、怖いのでしょうね。


[紅茶を冷ましては少し啜っての繰り返し。]


  私にはたぶん、わからないの。
  昨日まで大事にしていたものを壊したくなる怖さ。
   どうせいつかは壊したくなるのなら、初めから近づかない方がいいでしょう。


[楓の夢の話だ。椿には楓がひどく迂遠なことをしているように見える。いつか必ずやってくる拒絶の時を予見しながら、それでもそこを自分の居場所と定めることは、自ら苦しみの中に飛び込んでいるようで。]


  私にはそんなものがないから、自分が死ぬのもあまり怖くはないの。生きてても、さみしいだけ。


[椿は楓の膝に頭をもたせかけた。今はどうだろう、と考える。互いに分かり合えなくても、同胞とも言える彼が共にあれば、寂しくはないのだろうか。]**

[“そういうもの”……誰かの命を脅かす者。だから自分に危機が及ぶのは怖いのだろうか、と楓は考えた。当然と思っている前提が覆される恐ろしさなら、彼にも理解が及ぶ。
 彼女の言葉を聞きながら、膝に寄りかかってきた頭を感じる。片手を伸ばし、彼女の髪をそっと撫でた]


  仕方ねェんだ、オレにとっては
  “最初からあったもの”なんだから。


[人間だった頃に得ていたもの。
 人間でなくなったときに“失った”もの。
 失ったことを認められず、しがみついている。けれどもう、そこは自分の居場所ではない……きっと、そうなのだ]


  ……オレは、自分が変わったことを
  受け入れられてないのかもしれない……。
  もうそこはオレの居場所じゃないのを……
  認めるのが怖い、のかも……しれない。


[失う覚悟ができていない。そういうことなのだろう。既に失った後ではあっても、まだ向こうにはそうと思われていない。だから自分も周りもごまかし続けている。何年も。多くの命を犠牲にして]**

[目が覚めてすぐに柚樹がいたことに安心したのもあったし、お互い裸ともなると触れ方が他意のある感じになってしまっても仕方ないというか。

胸元に触れた手には一瞬びくりと肌が震えた気はしたけれど、昨日みたいな体の強張りとは違っていたようだから安心した。]

 ……ん、大丈夫そうでよかった……、

[大丈夫な感じを思い出すまで一日胸触って過ごすことになるとこだった、というのはさすがに冗談だけれど。

よかったと言いながら胸元を指でなぞったり肌を押し上げるようにしていたのは念のための確認で……、嘘、触りたかっただけです。

いつも通り、ではあるのかな。
交わした視線に変わりがなさそうなのを確認すれば、身体を寄せると重なった肌が熱を持つのを感じた。

下着越しとはいえ主張するような熱や固さが当たってしまっても不可抗力なので気にしないでいい、とは思いつつ。

このまましてしまったら、起きられないことにはさせてしまいそうだったから。

腹減ってきた気もするし、柚樹もそうだろうなと思えばあまり空腹の状態にさせておくのも良くないなと名残惜しさを感じながらも抱きしめていた腕を緩めた。]


認めるのが……。


[楓の言葉を繰り返す。
 確かにそうなのかもしれない。
 が、それを認めてしまうなら、自分と同じにしかならないのだ。それが彼にとって良いことかどうかはわからない。

 また、紅茶をひと口啜る。体はよく温まっていたが、頭の奥のどこかが冷たく冷えきっているような気がする。]


[紅茶のカップをテーブルに置いて、椿は楓の隣に座った。]


  どうするのが、正しいのかしら。
  ——いいえ、もしかしたら、正しい道なんてどこにもないのかもしれない。


[楓の膝に手を置いて、彼の目を見上げる。それから、揺れる耳飾りを、柔らかく跳ねた髪の先を、さっき喰らい損ねた首筋を見る。本当に貫くことはできないのだろうか。終わらせてしまうのがあるいは正しいのではないだろうか。自分も、楓も。そんなことを考えながら。]**


[今になって思うと、なんであれほどに胸を愛撫されるのが駄目になっていたのか不思議なくらい。

そのくせ、見られたことに関してはまるで頓着していなかったのだから、武藤にも訳がわからなかったのじゃないかなと思う。

でも、それはそれで、朝の起き抜けから触られまくるのは、やっぱり、その、色々、と。]

 …………っ、むとう。

[溜息混じりの吐息があやうく熱を持ちそうになって、思わずジト目で見つめてしまう。

それでも、"柚樹にはちゃんと食べさせ眠らせないといけない"という使命感を強く抱いているらしい武藤は、すんなりといたずらな手を止めてくれたのだった。]
 

[自分はもう人間ではない、人間だった頃の居場所に留まることはできない。
 そう考えたとして、では、次にどうするというのか。

 人間でなくなったからこそ、新たにできるようになったこともある。
 それでも去らねばならないのだろうか。

 彼女が身動ぐのを感じて腕をソファの背に移動させると、彼女はそのまま隣に座ってきた。
 膝に載せられた手に目を向け、それから彼女の視線の先を思い描いた]

[やがて彼が向けた視線の先には、彼女がテーブルに置いたカップがあった。
 意味などない視線のやり場としてほどよい位置にあった。それだけの理由だ]


  正しいかどうかが道を選ぶ理由になるのか?

  正しくたって間違ってたって、
  やりたかったらやるし、
  やりたくなかったらやらないだろ。


[正しいかどうかは判断基準のひとつではあっても、意思を決める最終的な理由にはならない──それが楓の感覚だった。
 そしてやりたくないこと、やりたいことを整理したら、どうしても楓は現状維持にたどり着いてしまう。それが最適解に思えてしまう。だから何年も続けていると言えるのだが……]

 
  ……他に、なんかあるとしたら。

  ……狼なのを明かしてみるとか、
  ……狼でないものになる、とか?

  狼のまま暮らせる場所を探すとか……、
  どこかに隠れるとか……?


[現状維持以外の何かがあるとして、なんなのか。
 考えただけでやめてしまったことも含めて、いくつか言葉に表してはみたが。

 彼が名案だと思えるような、すぐ飛びつけるようなアイディアなど出ては来ない。出てくるなら、とうに試している。

 ──“死”だけは、浮かばなかった]**

[理性が消え失せた自分に応えるように、要は大胆さを増していく。
そんな彼が好きだという自分をわかっているかのように。淫らに。妖艶に。
まるで子供が欲しい玩具を得られた時のような満足しきったような顔でほほ笑む。

自分の導きに添うように、彼は自ら態勢を整えて奥へと叩き込み、いやらしい液体を屹立からこぼして、二人の浸かる湯をかきまぜるのだ。

彼の唇からこぼれ落ちる自分の名前。
普段と違う呼ばれ方に唇が笑みを浮かべるのを止めることができない。
快感で震える身体は力を失い、それを湯の熱さだけではなく、汗だくになった自分は彼を抱きしめる。
全力で快感に酔いしれ、自分を信頼しきってされるがままになっている状況の要が一番好きだ]


 薫……


[彼と繋がって彼を穢したままその名前を囁く。
謝られた理由はなんだろう。
もしかして自分を煽ったことに関してだろうか。
彼の誘いに乗ったのは自分のせいであって彼ではない。
もっとも、彼の方が負担が大きいことなのだから、彼の許可さえ得てしまえばそんなのはどうとでもなるのであって。

腹を撫でて呟く彼を抱き上げて。洗い場に湯をざぶざぶ流してそこを温める。
そうして今度は、洗い場に押し倒した]



 今度は、ちゃんと、洗わなきゃ、ですよね?


[先ほどは物足りなさから彼の中をいたずらしてただけだったけれど。
今度は正統な理由を持って。
彼の目の前で人差し指と中指2本を、まるでゆるいピースサインをするかのようにして見せた。
中を綺麗にしてあげるから、心構えをしてね、の合図。

悪戯を成功させた彼への意趣返しかもしれない**]

[一緒に風呂入ったことは何度かあるけど、どうやって入る?とは聞かなくてもいいくらいのスペースがあるのは初めてだなって。

その度に平和に入浴だけして出られた試しがないのだけど。

密着もしてなければ大丈夫だろうかとは思いつつ、備え付けの桶で身体にお湯をかけてからお湯に足を入れる。

離れて入るのも変な感じではあるし、横並び?でいいのかな。

肩が触れ合うくらいに近くには寄ってしまったけど、温泉ゆっくり浸かりたいよね、とは一応思ってはいるから、いきなりベタベタ触るのは自重するつもりはあるよ。]

 柚樹と一緒に温泉入れるとは思ってなかったから嬉しいな。

[目線を下に落として、お湯の中の肌色が目に入ると、やっぱまずいかも、と目を逸らした。]


 昨日寝る前のこと覚えてる?

[とは、風呂場で寝落ちる前の話じゃなくて、ベッドに運んでからのこと。

起きた時の感じからしてさすがに忘れてはない、とは思うんだけど。]

 身体を傷つけない……、は、やっぱオレには無理かな。

[偽物が言ってたらしい言葉を思い出して呟いた。

柚樹も気にしてないならオレも気にするつもりはないんだけど。]

 此処、噛まれると気持ちいいの?

[気にしてないというよりむしろ、というのはちゃんと確認したことなかったなって。

赤い痕の残る首筋を指先でなぞって、軽く口付けた。]*

[あ、今の反応はなんか分かりやすかった気がする。
一瞬眉が寄った表情にピンとくるものがあった。
幼馴染と目鼻立ちが似ている、つまり、この顔を常によく見ていた自分からすると感情の機微が判別しやすいのだ、多分。

好きな子、……好きな人、かぁ。]

 まぁ今は聞かないでおいてあげましょう。

[ぼそっ。]

 ううーん、待ってるのも勿体ない気がしちゃうなぁ。
 せっかくこういう世界に来られたんだしね。
 身近で色んなものを見てみたいし……ええい、ここは勇気を出してアスルさんに何でも着いていく!!

[アスルの気遣いは有り難く表情を和らげたあと。
拳を握って闘志を燃やした。]


 別に人の裸が嫌ってわけではないというか……。
 単に見慣れてないんだよね。

[元いた世界の国でいえば、温泉に大勢で入ったり、プールの授業なんかもあるとは簡単に解説してみたが。]

 幼馴染は家の中でパンツ一丁ーとか、真っ裸で寝ますーってタイプじゃなくて、その辺ちゃんとしてたからなぁ。
 よく部屋に忍び込んだけど、いつも服着てたもん。

[色々と語ることにもう抵抗がなくなってきていて。
幼馴染に似た彼に幼馴染の話をしていく。
アスルってなんだか、親戚のお兄ちゃんか、従兄弟くらいの雰囲気を感じるかもしれないと内心で。]

  狼のままに。良いわね。


[楓の素直な提案に椿は微笑む。
 それに近いようなことはずっとしてきたはずだが、楓の口から聞くとなんだか希望があるように聞こえてしまうから不思議だ。]


  昔は、あったのだそうよ。
  そういう、ヒトではない者の集まるところが。昔話だし、本当のことかどうかはわからないけど。


[そう語ったのは、今はいない片割れだった。今にして思えば、それはただの方便であったのかもしれないが。]


 ……すごい! 思った何倍も高い山だー!

[飛行機の上にも慣れてきて。
それでもどこかには掴まりながら、身を乗り出すように。
目をこらして初めての景色を目に焼き付けていく。

そびえ立つ山は自然の険しさと雄大さを感じさせ、そこから滝のように流れる水は遠くから眺めるとキラキラして綺麗だ。
しかしきっと近づけば水飛沫が凄まじく、迫力に身体が震えてしまうのだろうと思わせられる。
反対に広い広い湖は穏やかで、丸太を繋いだ都市はミニチュアの模型のように一瞬感じられたが、細かく人々の住まう家や牧場の動物まで見えてくれば本物なのだと胸に迫ってきた。]

 たしかにこれなら、すぐ飛び込んで泳ぎたくなりそう。
 飛行機も良いけどボートとかも便利そうね。

[アスルの操縦のおかげでよく景色を眺められた。
彼の語ったここの人々の生活形式が現実味を持ってくる。]

[心のままに生きることを、椿はもう忘れている。例えば、全てを捨てて共に生きてくれ、などと懇願する道もあっただろうか?そんな思いつきがふと脳裏をよぎったが、小さく首を振って追い払う。何もわざわざ、付き合わせることもない。

椿は楓の腕にもたれかかって、目を閉じた。楓はそれを許すだろうか。酒精の軽い酩酊の中、今はそれが最も落ち着くようだった。]**


 湖、ひろーい。……綺麗だなぁ。
 キャンプ場の湖とはまた雰囲気が違う……。

[幼馴染とコテージから眺めた景色を思い出す。
急に鼻の奥がつんとしかけて、慌てて指先で目を擦ろうとしたら――アスルが降りる、と言うから変にワタワタしてしまって。]

 ま、待って待って……!

[背中にしがみ付くのが遅れてしまったので。
つまり、事前に言われていたように、抱き寄せられた。
ひゅっと息を飲んで、それでも必死で変に動かないように頑張り、着地の衝撃音より心臓の音の方が煩くて。]

 着いた! 到着!

[もう良いだろうというタイミングで、アスルが離そうとするより早いくらいの俊敏さで腕の中を抜け出した。
今彼の顔を見たら絶対にダメだ。
いや、似ていた方がむしろいい? いや、複雑だからダメ。
アスルに触れられたくなかった方向性ではなく、そちらの思考により顔がまた林檎のような色になったのだった。**]

 
["泳ぐよ"の言葉通り、お湯に浸かって早々、身体を伸ばすように腹這いに身体を伸ばす。

筋肉質とはいえ、いくらか身体は浮きはするわけで、どうしたってお尻のあたりがぷかりと水面に出てしまうのだけど、ちらりと視線を投げたら武藤が気不味げに視線を逸らすところだった。

失礼しました、はしたないところを……と、良い子な体で、体育座りでお湯に収まる。

でもやっぱりこの開放感だと、どうしても、足を伸ばしたり手を伸ばしたりは、色々したくなるわけで。]

 すごいね、貸切風呂でも、充分広かったね。

[さすがに対面でお互い足を伸ばせば触れあってしまうくらいの広さではあるけれど、家族4人で入っても大丈夫なくらいには広々してて。]
 


 …………へ?

[そんなタイミングで、昨夜の事を覚えてる?と聞かれても。

うっすらは覚えてるよ?

胸触られるの、なんでかすごく嫌だなと思って。

ええと……武藤がイく前に私が…………って、思い出しはじめると、あれ、なのだけど。

何が聞きたいの?と、赤面しかかってる顔色を誤魔化すように武藤をちらりと睨めつけたら、指と顔が近づいてきた。

"気持ちいいの?”なんて、夜の空気を含んだことを、聞いてきて。]
 


 …………え?
 ……いや…………、あの……。

[なんでこういう時にそういう事を聞くのかな!?
お風呂だよ、ここ。公共の場!他の人いないけど、でも!

口をぱくぱくさせながら、しかかっていた赤面が、本番状態になっていくのを感じつつ、えっと……と、私は口籠もった。]

 ……好きとか、気持ちいいとかは、よく、わかんなくて……。

[ねえ、言わなきゃだめ?今言わなきゃなことなの?]

 武藤がすることだから、きもちいい、って言うか…………。

[武藤だからだよ。武藤限定だよ。
私、別に、噛まれて喜ぶ性癖は持ってないはず、だもの。

とりあえずそれだけなんとか答えたところで、でも武藤の手や口からは逃れるように、ついー、と、また腹這いになって武藤から一番距離が取れる、彼の対面へと移動した。*]
 

 
  ……今もどこかにあんのかな。


[彼女の同意が得られると、それが正しいことのような気がしてしまう。
 それが平易な思いつきでも。

 ヒトでないものが集って暮らす場。
 そういう場所が本当にあったとして、そこで安定して食料が得られる保障など無いのだが……。
 探して旅をしてみる、という道もあるだろうか。

 だが、そのためには今の日常を捨てる必要があるだろう。
 長い間しがみつき続けた暮らしを捨てる。そういう意味ではやはり、簡単に選べるものではなかった。

 それでも、いくつか思いつきを並べた中では一番良い道のような気がしてくるのは……ほのかな酔いのせいなのだろうか。]

彼女が腕にもたれかかってくるのを感じ、少し迷った末。
 楓はそっと彼女の肩に腕を回し、緩く抱き寄せた。

 このまま彼女と共に過ごす日々が続いたら。
 戯れにそう考えてみても、やはり日常が思い浮かぶ。

 自分の日常に彼女を迎え入れることはできない。自分という狼一人を御するのにも苦労しているぐらいなのだから。

 もし彼女と共に在ろうとするならば、日常は捨てることになるのだろう。そう、例えば、先ほど思いついた旅路に共に出るような。独りきりで旅に出るよりは心強いものになるかもしれない、……厄介ごとも増えるかもしれないが。

 彼女の思いも知らないままの思いつきをいくつか巡らせた末、ほんの少し残っていた紅茶を飲み干してカップをそっとテーブルに置く。
 それからソファの背に改めて凭れたときにも、まだ椿は隣にいるだろうか。

 早々に感じた体の重さが次第に頭にも及んできたようだ。ずっと彼女が寄り添っていてくれたなら、夜の静けさと彼女の体温がこのまま楓を眠りに落とすだろう]**

[天美の食事は一番効率のいい形に落ち着いている。
 別に肉を食われても良いのだが今食われるとこの場が血だらけになったり再生のため消耗したりと非効率がすぎる。あとは単純に痛いくらいか。何度死ぬほどの痛みを感じた身でも、未だ痛覚は鈍らずにあるのはおそらく良いことなのだろう。"人間"として。

 今日の狐は自分のリクエストにてデカい。口の中に入る舌もいつもより大きく入りきるものの狭く唾液も呼吸もすぐに奪われる。生気を失うために疲労感もある。手加減はされているようだったが。
 もぐ、とそれ単体が生き物のような舌を食む、歯は立てず。こちらの舌を這わせたところで微々たるものにしか思えない。

 舌が引き抜かれると生ぬるい塊の代わりに少し冷たい空気が口腔内へと入ってきて、はぁ、と大きく呼吸をした。口の端にこぼれたものはどちらのものかは解らないが、べろりとそれも舐めとられる。
 ふす、と鳴らした鼻息は、まるで口元を乾かすようだ。少し面白くて、ふ、と笑い声がもれた。]

 お粗末さん。

[抱きこまれ、包まれる。
 本当に、安寧の地かと思った。]

[覗き込まれて覗き返す。
 目が合う、表情が緩む。

 ……… 幸福感がある。]

 おやすみ、天美。

【人】 鈴木 深江

[二人で行った深夜のハイキングは楽しかった。おてんとうさまが天辺にくるという話に笑う。実際起きた時にはその通りになっていたのだけれど。
 マットを前足でならす狐が見れてよかった。体毛にしまわれて暑いくらいだったがそれも心地いい。天美の所有物になった気持ちでもある。まあ、大枠で言って間違いはないのだが。]


 おお、起きたか。おはよさん。


[挨拶をして間もなく天美が人の身体に化けたものだから、暖をとっていた分一気に寒くなった。もう昼だが。あたたかすぎるのが悪かった。落差だ。
 身体を伸ばす様子と対照的に軽く身を縮こませたが、それもすぐにおちついた。]
(84) 2023/03/08(Wed) 21:57:39

 ちょっとな。
 すぐなおる。

[舐めればなおる傷はすぐに塞がって、もう血の跡すらない。触れるだけの挨拶の方に血の香りが漂うくらいだ。くすぐったくて緩く笑う。
 天美の頬を、前髪を指先で撫でて軽く整えた。特に意味はないのだけど。]

【人】 鈴木 深江

[起きてコテージに備え付けの風呂に入る。
 そう時間をかけずにさっぱりするだけだが朝風呂(※昼)はやはり贅沢なものに思えた。水道代も気にしなくてよいし。

 そうして準備するのは釣りだ。
 今日は釣果で勝負する予定なのだ。

 午後だけだと川も湖も行くのは難しいということで今日は川、明日湖に行く予定を立てた。連日魚でもなんら問題はない。もともと海辺の漁師が本職なのだ、何年魚続きでも嬉しい人種である。

 それに、川では川遊びができる。
 湖には船等あれば船釣りもできる。(あひるボートで?)
 天美が連日の釣りに飽きるかどうかはあるが、
 どちらに転んでも問題はなさそうだ。

 夜はバーベキューの予定のため、
 出かける前に軽く道具だけでも取り出しやすい所に置いておく。]
(86) 2023/03/08(Wed) 21:58:03

【人】 鈴木 深江


 だのう。
 近場に川も湖もあるの、いいなぁ。

 海が近ければさらに言うことはないんだが、
 さすがに高望みだ。

[笑いながら準備をする。
 コテージの外に釣り用の冷蔵庫もあったのは嬉しい。冷凍室には冷凍された釣り餌やクーラーボックス用の氷も入っていたため助かる以外の言葉がない。冷蔵の方には生餌も用意されている。とても助かる。やはり釣り餌は生餌が好きだ。練り餌を作るのも嫌いではないが。

 ロッドや針についても同様だ。ルアーの用意もあった。
 ルアーについては経験が浅いが何とかなるだろう。

 本当に何でもそろっているな、と思うし、
 釣りもできるがウリならそれくらいあるのも当然なのかな?とも思った。贅沢な発想だ。]
(87) 2023/03/08(Wed) 21:58:15

【人】 鈴木 深江

[一日目午後、川に辿り着くとやっぱり思わずまずは川べりの石をひっくり返した。餌になりそうな虫もいる。用意されていた餌と比べてみるのはありだ。
 川の水をクーラーボックスに入れ氷水を作り、口を開けたビニール袋をそこに置く。準備は万端だ。

 川釣りでの餌は基本的にみみずだ。みみずが最強であり釣りたい魚の種類を厳選するなら別の餌に変えた方がいいといった感じだ。別に何でもいいのでとりあえずみみずを使う。とりあえず通し刺しで様子を見るか。

 人があまり来ない場所だと魚の警戒心は薄い。
 流れが溜まっている場所はだいたい魚もたまっている気はするが、どうだろう。 ヒュン、 風をさくような鋭い音のあと、 ポチャ、 と水音が聞こえる。
 釣り竿の先を撓らせキリリ、リールを巻く。撓らせ、巻く、繰り返しである。……… かかった! この引きの軽さは小魚だろう。遠慮なくリールを巻き取り竿を持ち上げた。 水中から魚が出現する瞬間の重さが手に心地いい。]
(89) 2023/03/08(Wed) 21:58:27

【人】 鈴木 深江


 よし。

 かかりも良いようだぞ。

[早速釣るとふふんと天美に向けてどや顔だ。
 釣り竿を立てると魚は宙を舞い手元に収まる。かかった針を取り魚をクーラーボックスのビニールの中にポイっと入れた。いやあ、本当に便利な時代である……。]
(90) 2023/03/08(Wed) 21:58:42

【人】 鈴木 深江

[釣れない時はのんびり浮かぶウキでも眺め周囲の音を聞くだけでも楽しい。こういった時間は久々な気がする。深江の釣果は数字で例えるなら36くらいだった。
 帰りには氷水は捨て、帰ったら捌いてバーベキューである。]
(92) 2023/03/08(Wed) 21:59:03

【人】 鈴木 深江


[その日は早めに寝て、二日目は朝から湖で遊ぶ予定を立てている。楽しいことがたくさんで時間の流れもゆっくりに感じてしまうな…。*]
(93) 2023/03/08(Wed) 21:59:16
 




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