【人】 ]X『悪魔』 ゼロ── 回想:邂逅の日 ── [クリスタベルにはじめて会った日の帰り道。 帰る先に家はない。 雨風を凌げる場所を確保できている程度。 あのスラム街で、自分はそこそこ有名だ。 あの日以来身体も鍛えて技も盗んで 逞しく生きるために強かであるために いきて、いきて、いきて、いきていた。 陽が沈むと少し肌寒くなる。 寝床に帰ると石壁からレンガを外し 中から私物を取り出した。 薄布だけどないよりもマシである。] はあ…… [興奮冷めやらぬとはよく言ったものだ。 薄布よりも体温の方があたたかくて、 また会えると思うと胸がいっぱいになった。] (264) 2022/12/21(Wed) 23:49:22 |
【人】 ]X『悪魔』 ゼロ[夜、と呼ぶ声と、 撫でる手を思い出す。 ぎゅっと目を瞑った。 寝転がって、 空を見て、] ……… 夜だ。 [そうか、今が夜なのか。 スラム街は薄暗く街灯もなく、 建物の隙間から見える空に星がよく見える。] (265) 2022/12/21(Wed) 23:49:34 |
【人】 ]X『悪魔』 ゼロ[意識したことはなかった。 そもそも月や星の事もよく知らなかった。 ただの空に見える遠い光。 だけど、夜の中に、それがあって。] (これがおれのなまえ、…) [泣きそうだった。嬉しかった。 何があっても絶対に、絶対に、 彼/彼女の事だけは裏切らないと、夜に誓った。*] (266) 2022/12/21(Wed) 23:49:49 |
【人】 ]X『悪魔』 ゼロ── 自室 ── [窓から外を眺める。 朝も、昼も、──夜も。 この窓からはもう見慣れた景色だ。 準備を整えたらこの洋館を出る。 その準備には時間がかかりそうだけど。 当初の予定よりも不安は多い。 それでも今まで生きてきた経験は、 きっと自分たちの力になってくれるだろう。 生きて、生きて、生きて、生きていくだけだ。 ……だけじゃだめだな。 幸せにしたい。 楽をさせてあげるのは多分無理だと思う。 彼女の生活能力も多分低いだろうとも思っている。 挫けられたら、 その辺りに住むことも考えておこう。 諸々考えても、 やはり準備は想定以上に必要そうだ。] (276) 2022/12/21(Wed) 23:58:43 |
【人】 ]X『悪魔』 ゼロ[恐らく一人で出ていく方が 100倍楽だろうとも思うけど。 一人で出ていきたいとは、 もう微塵も思っていない。*] (277) 2022/12/21(Wed) 23:58:52 |
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