201 【身内】甲斐なき星の夜明け前
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回想
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[こんな所を人に見咎められようものなら、
オレが犯罪者にされる可能性だってある。
本気でオレを陥れようとするなら、
シオンが何を言ったって無駄だ。
幸いそこまでオレに興味を持ってる他人はいないが。
善意なのは勿論分かっている。
だからこそ方法をもっと考えて欲しい。
いや、考えなくていい。
最低限倫理的に問題がある行動を慎んでくれればそれで。
手を変え品を変え、思いつく限りの説明は試みたつもりだ。]
[どうしてかと言われればそれは、
君があまりにもオレと違うからかな。
**]
| [元々緊張していたようだけれど、 それにしても随分大人しい。 >>8 まぁ、内容が内容だ。 同じ「良かった」でも、 >>9 ニュアンスが異なるのは仕方がないか。] (12) 2023/02/22(Wed) 19:30:21 |
| [クマに関しては、もう自分の持ち物だとは思っていない。 今日だって、返して貰ったのではない。借りたのだ。 >>1:5] いや、これはもう君のものだ。 [この学園の寮に入るにあたり、 あまりにもオレの荷物は少なかった。 空いた段ボールの隙間を埋める存在として持って来たのだ。 ゴミ袋に入れたあの時だって、>1:D31 別段家族との縁を捨てるつもりでそうしたのではない。 既にこのクマにそれ程の、思い入れがなかっただけのこと。] (13) 2023/02/22(Wed) 19:33:30 |
| [「どうしてほしい?」 >>11 求められている回答 は何だろうか。と考えてしまう。 現状それを間違うことなく読むことは難しいが……。] (14) 2023/02/22(Wed) 19:35:08 |
| (15) 2023/02/22(Wed) 19:35:46 |
| オレがどうして欲しいか今から答えるが、 これはあくまで君にとって不本意でないことが前提だ。 これから言うことが、 君にとってやりたくない事であるなら、 オレだってそれは望んでいない。** (16) 2023/02/22(Wed) 19:36:51 |
| [今返されてこのクマを捨てるかと言われると 分からないが、 >>17 オレが持っていても手入れの仕方も分からないし、 態々お手入れ方法を調べて実行するほどの 思い入れはやっぱりない。 だからこそ、大事に出来る人が 持っていた方が良いと思うんだ。] (21) 2023/02/22(Wed) 21:28:09 |
| [突然泣かれたので、ぎょっとしてしまった。 続く言葉に、眉尻が下がる。 オレもオレで物を考えているから、 時にはそれがピッタリとかみ合わないことが、 どうしてもある。 でもオレは言ったはずだ。 「君にとって不本意でないことが前提だ」と。 >>16 一緒にいて欲しくなかった……ということではなくて。 あれはあくまであの時点で、 君をつき合わせるのは適切ではないと、考えてのこと。] (22) 2023/02/22(Wed) 21:28:45 |
| [一緒に行くとなれば、 また電車に乗って出かけることになる。 その途中で、母と話したことをざっと説明した。 >>1:48] あの人は言い訳もしなかったし、謝罪もしなかった。 自分を卑下することもしなかったよ。 きっと、 言い訳なんて見苦しいだけだと知っていて、 謝罪なんて相手に気を遣わせるだけだと知っていて、 卑屈なんて 相手の親切心を引き出す為のものだと知っている。 そういう所は、とてもよく似ていた。 ……だから、蟠りはあっても嫌いではないかな。 [同族嫌悪、なんてパターンもあるけれど。 少なくともオレは母の持つ、相手に伝わりにくい潔さを、 それなりに心地の良いものだと思った。] (23) 2023/02/22(Wed) 21:30:29 |
| [電車で揺られること暫し、目的の駅に辿り着けば、 そこからは10分ほど歩いただろうか。 途中にあった花屋で、花束を購入した。 綺麗に整備された墓地。ここはオレの出身地だった場所。]
何にも言ってなかったな。 父の墓前に手を合わせておこうと思ってさ。
[父の墓前まで行くと、 まだ色鮮やかなフラワーリースがあった。 その隣に、購入した花束を供える。] (24) 2023/02/22(Wed) 21:31:14 |
| [指を組んで、祈りを捧げた。] (一般人はこの世を亡ぼす存在のことも、 それと戦う守護者の存在も何も知らない。 貴方も母も、 それが仕方のないことであったことを知らないし、 恐らく真実を知ることはないだろう。
それがあまりにも、オレはもどかしい。) (25) 2023/02/22(Wed) 21:33:39 |
| [ふっと、空を見上げる。] ……雨が降りそうだな。 [零れ落ちる雫を受け止めるように、掌を広げた。**] (26) 2023/02/22(Wed) 21:34:44 |
| (ごめんな……。
でも、君にあるのと同じように、 オレにはオレの心があって、 時にそれがぴたりと 一致しないことがあっても、 どうか許して欲しい。) (33) 2023/02/23(Thu) 0:22:12 |
| [娘は父親に似やすく、息子は母親に似やすいと聞く。 >>28 もしも、あの時オレが 一人で行方を眩ますことが可能な年齢だったら、 オレも同じように、 大切なものを手放していたかもしれない。 ……だって、何としても失いたくなかった。] 有難う。 でも、君だって自分のことで精一杯なんだから、 まずは自分第一で考えて欲しい。 [特にオレの方はもう、事態が落ち着いたのだから。 手を握られれば、こちらも少し力を込める。 >>29] (34) 2023/02/23(Thu) 0:23:28 |
| [まだ新しいフラワーリース。 >>30 贈り主の見当はついているが、確信はない。] 綺麗だな。 亡くなって随分経つのに、来てくれたみたいだ。 [花束を買った時に、シオンも花を買っていた。 目的は察せられた。何か言うような野暮な事はしない。] (35) 2023/02/23(Thu) 0:24:50 |
| [雲が広がる空を見上げて、無意味な右手を下ろした。 >>26] そう言えば、君は昼は食べたかな? オレはコーヒーしか飲まなかったので、 流石に何か食べたい。 食事をして帰る時に雨が降っていたら、 その時は傘を買って帰ろう。 [不意な雨に降られる度、増えるビニール傘が苦手だ。] (36) 2023/02/23(Thu) 0:25:36 |
| [出身地と言っても、叔父の家はここにある訳ではないから、 ここで過ごした歳月は長くない。しかも子供の頃のこと。 特別ここの地理に詳しいわけではなくて。 なので、咄嗟に良い店なんて思い浮かばず、 駅前のファミリーレストランに入った。 ファミレスなら色んなものがあるから、 お腹の空き具合が違っても対応しやすい。 オレは定番のハンバーグを注文した。
母親のことはもう話し切ってしまったから、 他愛もない話しかオレからは振れなかったけど。 食事が終われば、未だ雨は降っていなかった。] (37) 2023/02/23(Thu) 0:26:35 |
| 雨、良かったな。 今日は沢山付き合わせて疲れただろう。 もうオレはやりたいこと全部できたし、帰ろうか。 でも何処か寄りたい所とかあるなら、言って欲しい。 [雲の隙間から、僅かに 星 が見えた。**] (38) 2023/02/23(Thu) 0:27:10 |
| [すれ違った心やそれによって生まれた言葉は、 簡単に人を傷つけてしまう。 取り返しのつかないような事態にだって、なりかねない。 言葉は大事だ。 >>27 だからこそ、軽率に使う事は慎まなければいけない。] (48) 2023/02/23(Thu) 19:01:56 |
| [返ってきたのは、煮え切らないもの。 >>40 そう簡単に、決められることではないのも分かっているし、 未だに心が不安定なことは承知している。 ……これは仕方がないこと。仕方がないことなんだ。 オレも言動にはより注意しなければいけないが、 願いを叶えると言ってくれて、 それを忘れないと言ってくれた君を信じる他ない。 繋がれた手と心が、 いつまでも温かいものであることを願おう。] (49) 2023/02/23(Thu) 19:02:51 |
| [花が増えて随分と賑やかになった。 >>41] ここに来ると、 いつも必ずまだ萎れていない フラワーリースが供えてある。 常連さんだ。知ってる人かは、どうかな……? [見当がついていると言っても、状況証拠さえない。 それはただの、オレの願望かもしれない。] (50) 2023/02/23(Thu) 19:03:22 |
| (父さん、 何も真実を知らなかったから仕方のないことだと、 今のオレは割り切るしかないのだけれど、 オレも同じ気持ちだ。 生きて側に、いて欲しかった……。 >>1:48) (51) 2023/02/23(Thu) 19:03:59 |
| [店を見ていた訳でもなく、きちんと食事もとっていない。 >>8>>42 余程心配をかけていることを、再認識した。] オレだってあの状況で 胃の心配をするほど肝は据わってないよ。 [ここが地元であるのか聞かれれば、 >>43 長くはないがそうだと答える。 道を逸れそうになったら、慌てて止めた。 迷子を見つける自信が持てるほど、土地勘はない。 彼女の注文はやはり少なくて、 「デザートは良いのか?」と一応言った。] (52) 2023/02/23(Thu) 19:04:39 |
| [今更であろうと、こうして食事を共にできるのも、 手を繋いで街を歩けるのも、デートが出来るのも、 一緒に眠ることが出来るのも……
苦しみを乗り越えて、 幸せに生きる選択をした人間にだけ許された特権だ。] (53) 2023/02/23(Thu) 19:05:15 |
| [思わせぶりな灰色の空は、 未だに変わることはなかったけれど、 帰るくらいまではもつだろうか。 もってほしい。 行きたい場所があるなら、喜んで付き合おう。 >>44 空が曇り空な分、 花の輝きが増しているように感じられた。 >>45 ここでシオン以外の人間に出会ったことはオレにはない。 ……だからオレは、ここが好きだったんだけどな。 今ここは、一人の場所ではなくなった。 けれど今の方が、オレはこの場所が好きだよ。] (54) 2023/02/23(Thu) 19:05:58 |
| [懐かしいやり取りが、思い出された。 >>46] インパクト強かったからな。 [「知らない人に物を貰ってはいけません」 というのは全国共通の一般常識だと思っていたが、 そういう訳でもないらしいという カルチャーショックは受けた。] 褒美は現金でお願いします。 [オレとクマの攻防戦はどうなっただろう。 いつもの如く、オレが根負けしたかもしれない。**] (55) 2023/02/23(Thu) 19:06:33 |
| [風が騒いで花を揺らす。光が揺蕩う。 目が眩みそうだ。 地上から目を逸らした。] 他に夢なんて要らない。 >>59[それならもう、間に合っている。 クマの攻撃は甘んじて受けた。**] (60) 2023/02/23(Thu) 21:11:08 |
| [我が上の は見えぬ。 だからこそ、手を伸ばし続けなければいけない。 一人ではなく、二人で。] (64) 2023/02/23(Thu) 22:43:01 |
| [ポタリと雨粒が落ちた。 >>63 虹は雨が降らなければ、決して見ることは出来ない。] 勿論。一緒に頑張っていこう。 寧ろ、今までもそのつもりだったんだけどな。 [頼りにならないと言われたら、否定はできないけれど。**] (65) 2023/02/23(Thu) 22:45:14 |
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